JP2529731Y2

JP2529731Y2 - 窓枠取付用スペーサー

Info

Publication number: JP2529731Y2
Application number: JP1989152896U
Authority: JP
Inventors: 明司北村
Original assignee: Lobtex Co Ltd
Current assignee: Lobtex Co Ltd
Priority date: 1989-12-27
Filing date: 1989-12-27
Publication date: 1997-03-19
Anticipated expiration: 2004-12-27
Also published as: JPH0389881U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、通常、サッシと称せられている窓枠の取付
用スペーサーの改良に関し、さらに詳しくは、例えば、
建築中のビルの荒壁面に、若干大き目に開設した窓枠取
付け用の開口部に窓枠を所定の位置に正確に取付けるた
めの位置決め用スペーサーに関する。

（従来の技術）従来、上述した窓枠取付け用の開口部に窓枠を取付け
る際には、該開口部の内周側と、開口部内に配置した窓
枠の外周側との間の間隔部に、木製の楔或は単なる板切
れ類をスペーサーに用いて、これらを適宜に圧入して窓
枠を位置決めして行なっている。

また、実公昭48-1161号公報に開示されているよう
に、テーパー面を有する取付板と可動調整板とよりな
り、一方の取付基板を柱とサッシ枠とのスキ間に入れて
一方のスキ間構成面に止着した後、他の可動調整板を他
方のスキ間構成面と取付基板のテーパー面との間に打ち
込み固定する様になしたサッシの固定用楔も知られてい
る。

（考案が解決しようとする課題）ところで、窓枠取付け用の開口部は、殆どの場合、大
ざっぱに寸法どりして開設されているため、その開口部
内に窓枠を正しく位置決めして取付けるためには、スペ
ーサーによる正確な間隔調整が要求される。

然るに、上記従来の木製の楔或は板切れ類をスペーサ
ーとして用いている前者の場合は、種々サイズの異なる
ものを多数準備する必要があることは勿論、正確に間隔
調整するためには、一個所に何種類もの厚さのスペーサ
ーを用いて間隔合わせをする必要があるため、所要のス
ペーサーの選択と使用に煩雑な労作を用紙、作業能率が
非常に悪い問題があり、且つそれでもなお、正確な窓枠
の位置決めを行ない難いと言った問題がある。

また、後者の場合は、取付板と可動調整板との構造が
相違しているため、二種類の物を別個に製作する必要が
あり、その分、製作に手間を要して不経済であると共
に、作業性も悪く能率的に施工できない問題がある。

本考案は、上記の問題を解決することを課題として開
発されたものであって、使用するスペーサーの選択と使
用に煩雑な労作を全く必要とせず、しかも極めて容易確
実に上記の間隔調整を行ない得て、窓枠の位置決め作業
を正確且つ能率的に達成できる窓枠取付け用スペーサー
を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段）上記の課題を解決して、その目的を達成するための手
段として、本考案は、楔状に形成した少なくとも一対の
窓枠取付け用スペーサー本体の夫々の上下両面に、スペ
ーサー本体の傾斜方向と直交する多数の凸条を設けて少
なくとも一対のスペーサーを形成し、この両スペーサー
を傾斜方向に対称的に配置合接した際に、合接面におけ
る両スペーサーの各凸条を介して両スペーサーを係脱摺
動可能に構成し、且つ夫々のスペーサーの上下両面の傾
斜方向に沿う夫々のスペーサーの両側縁に、横ずれ防止
用の係合突条及び係合段落条を格別に設け、さらに夫々
のスペーサーの中央部に、スペーサーの傾斜方向に沿う
長孔を貫設したことを特徴とする窓枠取付用スペーサー
を提供するものである。

（作用）上記のように構成された本考案に係る窓枠取付用スペ
ーサーは、第４図及び第５図に示すように、その一対の
スペーサーをスペーサーの傾斜方向に対称的に配置合接
した状態で、第８図に示すように、建築中のビルの壁面
Ｗに開設した開口部Ｏ内に窓枠Ｓを嵌合配置した際に生
じる開口部Ｏの内周側と、窓枠Ｓの外周側との間の四周
側の各間隔部Ｌに挿入して使用するものであるが、その
間隔部Ｌが狭い個所では、第４図に示すように両スペー
サーを浅く合接し、また、その間隔Ｌが広い個所では、
第５図に示すように両スペーサーを深く合接することに
より、各部の間隔部の広狭に対応させてスペーサーの厚
さを自由に調節できるので、窓枠の位置決め円滑確実に
行ない得る作用がある。

また、両スペーサーは、合接面における夫々の各凸条
を介して係脱摺動可能に構成されているので、両スペー
サー、或は一方のスペーサーに前後方向の押圧力を加え
ると、両スペーサーは相対的に摺動して、前記のように
その厚さを調節でき、また、その押圧力を解除すると、
第７図に示すように、両スペーサーは各凸条が係合して
調節設定された厚さを確実に保持する作用がある。

さらに、各スペーサーの両側縁には、夫々の上下両面
の傾斜方向に沿う係合突条と係合段落条が格別に設けて
あるので、両スペーサーを合接した際に、一方のスペー
サーの係合突条が他方のスペーサーの係合段落条に係合
して、両スペーサーの合接時及び合接摺動時に横方向に
ずれ動くのを防止する作用がある。

さらにまた、各スペーサーは、夫々の中央部にスペー
サーの傾斜方向に沿う貫通長孔を備えているので、例え
ば壁面の開口部内周側に釘等の止着部材を打込んで、そ
の上方突出部をスペーサーの長孔に挿入しておけば、両
スペーサーの合接摺動時に、下方のスペーサーが前後方
向に移動するのを防止すると共に、摺動する側のスペー
サーを正しくガイドする作用がある。

（実施例）以下に、本考案の実施例を添付図面に基づいて説明す
れば、１はプラスチック製の窓枠取付け用スペーサー本
体であって、該本体１は、その上下の両面2,3が細巾の
長方形状を呈し、側面４が横長の長三角形状を呈する楔
状に形成されており、中央部にスペーサー本体の傾斜方
向に沿う長孔５を貫設すると共に、該長孔５の両側の傾
斜面部に、本体１の上下の両面2,3において、スペーサ
ー本体の傾斜方向と直交する多数の凸条６が小間隔７を
保って設けてあり、その各凸条６は、後述する「合接摺
動作用」及び「係合作用」を可能にするために、断面形
状が適度の曲面を備えた凸弧面状に形成されている。

また、本体１の一方の面（この実施例では上面）２の
傾斜方向に沿う両側縁には、横ずれ防止用の係合段落条
８が設けてあり、本体１の他方の面（この実施例では下
面）３の傾斜方向に沿う両側縁には、横ずれ防止用の係
合突条９が設けてあり、このように形成したスペーサー
の少なくとも一対Ｓ₁,S₂を用いて、本考案に係る窓枠取
付け用スペーサーを構成したものである。

次に上記のように構成した窓枠取付け用スペーサーの
使用状態を作用、効果と共に説明すれば、第４図及び第
５図に示すように、この一対のスペーサーＳ₁,S₂を、そ
の傾斜方向に対称的に配置すると共に、一方のスペーサ
ーＳ₁の上面２上に他方のスペーサーＳ₂の下面３を載置
して合接した状態で、第８図に示すように、建築中のビ
ルの壁面Ｗに開設した開口部Ｏ内に窓枠Ｓを嵌合配置し
た際に生じる開口部Ｏの内周側と、窓枠Ｓの外周側との
間の四周側の各間隔部Ｌに挿入して使用するものである
が、その間隔部Ｌが狭い個所では、第４図に示すように
両スペーサーＳ₁,S₂を浅く合接し、また、その間隔部Ｌ
が広い個所では、第５図に示すように両スペーサーを深
く合接することにより、各部の間隔部の広狭に対応させ
てスペーサーの厚さを自由に調節できるので、窓枠の位
置決めを円滑確実に行ない得るものである。

また、両スペーサーＳ₁,S₂は、合接面における夫々の
多数の凸条６を介して係脱摺動可能に構成されているの
で、両スペーサー、或は一方のスペーサーに前後方向の
押圧力を加えると、両スペーサーＳ₁,S₂は相対的に摺動
して、前記のようにその厚さを調節でき、また、その押
圧力を解除すると、第７図に示すように、両スペーサー
Ｓ₁,S₂は双方の各凸条６が係合して、調節設定された厚
さを確実に保持するものである。

さらに、合接された両スペーサーＳ₁,S₂は、一方のス
ペーサーＳ₁の上面２の両側縁に設けた係合段落糸８
に、他方のスペーサーＳ₂の下面３の両側縁に設けた係
合突条９が係合された状態を保つので、両スペーサーＳ
₁,S₂の合接時及び合接摺動時に横方向にずれ動くのを防
止することができる。

さらにまた、両スペーサーＳ₁,S₂は、夫々の中央部に
貫通長孔5,5を備えているので、例えば壁面Ｗの開口部
Ｏの内周側に釘等の止着部材を打込んで（図示せず）、
その上方突出部を両スペーサーＳ₁,S₂の各長孔5,5に挿
入しておけば、両スペーサーＳ₁,S₂の合接摺動時に、い
づれか一方のスペーサーが前後方向に移動するのを防止
でき、且つスペーサーを正しく案内摺動できる。

なお、スペーサーの使用数は必要に応じて増加できる
ものであり、また、図示していないが、上記のスペーサ
ーＳ₁,S₂により窓枠Ｓを所定の位置に正確に位置づける
作業を終えたら、壁面Ｗの開口部Ｏ内の内周側と窓枠Ｓ
の外周側を、適宜の固定部材により所要の複数個所で固
定した後、全てのスペーサーを抜脱して取外し、間隔部
Ｌ内にモルタル等を充填することにより、窓枠Ｓの取付
けを完了するものである。

以上、本考案の一実施例について説明したが、材質、
構造及び形状等を含めて、本考案は上記実施例に限定さ
れるものではなく、本考案の所期の目的を達成でき、且
つ要旨を逸脱しない範囲内であれば、種々の設計変更が
可能であることは当然である。

（考案の効果）本考案に係る窓枠取付け摺動スペーサーは、上記のよ
うに構成され、上記のようにして使用されるものである
から、既述した従来品のように、使用するスペーサーの
選択と使用に煩雑な労作を全く必要とすることなく、能
率的に窓枠の位置決め作業を達成でき、而も壁面の開口
部と窓枠との間隔調整を微細に行ない得るので、窓枠の
位置決めを極めて正確に行ない得る効果がある。

また、使用する少なくとも一対のスペーサーは、各凸
条の係合関係により合接されているので、位置決め作業
中に妄動するおそれがなく、且つ前後方向に加えられる
押圧力により自由に摺動可能に構成されているので、上
記の間隔の微調整効果を一層向上できるものである。

さらに、使用する各スペーサーは同一構造物であるか
ら、製作が容易で経済的に量産できる利点があり、ま
た、作業性もよく容易且つ能率的に施工できる利点があ
る。

また、各スペーサーの面は、夫々の表裏両面の傾斜方
向に挿通係合突条と係合段落条を格別に両縁側に備えて
いるので、両スペーサーを合接した際に、一方のスペー
サーの係合突条が他方のスペーサーの係合段落条に係合
して、両スペーサーの合接時及び合接摺動時に横方向に
ずれ動くのを防止できる。

さらにまた、各スペーサーは、夫々の中間部にスペー
サーの傾斜方向に沿う貫通長孔を備えているので、例え
ば壁面の開口部内周側に釘等の止着部材を打込んで、そ
の上方突出部をスペーサーの長孔に挿入しておけば、両
スペーサーの合接摺動時に、下方のスペーサーが前後方
向に移動するのを防止すると共に、摺動する側のスペー
サーを正しくガイドできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は単一のス
ペーサーの上面を示す斜視図、第２図はその下面を示す
斜視図、第３図は第１図のＡ−Ａ線における拡大断面
図、第４図は一対のスペーサーを浅く合接係合した状態
の側面図、第５図は両スペーサーの端部が一致する位置
まで深く合接係合した状態の側面図、第６図は第５図の
Ｂ−Ｂ線に沿う拡大断面図、第７図両スペーサーの係合
部の一部を示す拡大縦断側面図、第８図はスペーサーに
よる窓枠の位置決め状態の説明図である。（符号の説明）１……スペーサー本体、２……上面、３……下面、４…
…側面、５……長孔、６……凸条、７……間隔、８……
係合段落条、９……係合突条。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】楔状に形成した少なくとも一対の窓枠取付
け用スペーサー本体の夫々の上下両面に、スペーサー本
体の傾斜方向と直交する多数の凸条を設けて少なくとも
一対のスペーサーを形成し、この両スペーサーを傾斜方
向に対称的に配置合接した際に、合接面における両スペ
ーサーの各凸条を介して両スペーサーを係脱摺動可能に
構成し、且つ夫々のスペーサーの上下両面の傾斜方向に
沿う両側縁に、横ずれ防止用の係合突条及び係合段落条
を格別に設け、さらに夫々のスペーサーの中央部に、ス
ペーサーの傾斜方向に沿う長孔を貫設したことを特徴と
する窓枠取付用スペーサー。