JP2529263B2 - レンジフ−ド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は厨房に生じた油煙や廃ガスを室外に排出し、
特に全体換気を効果的に行なうための副吸込口を有する
レンジフードに関する。

従来の技術 一般にレンジフードには全体換気用としてレンジフー
ド本体上部に副吸込口となる貫通穴が設けられている
が、油煙を含んだ上昇気流の風速が副吸込口近傍の吸込
風速より優っている場合、一旦主吸込口よりレンジフー
ド本体内部に吸込まれた上昇気流が副吸込口から再びレ
ンジフード本体外に出てしまうことがある。したがっ
て、全体換気用の確実な副吸込手段が要望されていた。

このようなことから、従来のレンジフードはたとえば
第５図〜第７図に示すように、壁面８に取付けられ、フ
ァン７を内部に収納し、下面および前面が開口した箱体
からなるレンジフード本体101と、このレンジフード本
体101の前面に係止されレンジフード本体101とともに下
面に主吸込口104を形成する化粧パネル102と、この化粧
パネル102の前面上部に貫通穴となるよう設けられた副
吸込口110と、この副吸込口110のやや下部で前記化粧パ
ネル102の内側に取付けられた化粧パネル102の内部を遮
閉する仕切板111と、前記レンジフード本体101と天井面
との間に取付けられる幕板３で構成されていた。

発明が解決しようとする課題 このような従来のレンジフードでは、主吸込口より吸
込まれた油煙を含む上記気流の風速がファンの吸込風速
より優っている場合、上昇気流が副吸込口より再びレン
ジフード本体外に出てしまうことを防ぐために化粧パネ
ル内部に仕切板を設けているが、化粧パネルの掃除の
際、化粧パネル全体の重量が大きいため脱着しずらいこ
とがあった。また、仕切板があるため化粧パネル内側が
複雑になり汚れの掃き取りが面倒で掃除性が低下すると
いう課題があった。

本発明は上記課題を解決するもので、掃除性を低下さ
せることのない簡単な構造の副吸込口で全体換気を行う
ことを目的とするものである。

課題を解決するための手段 本発明のレンジフードは上記目的を達成するために、
厨房器具上方に位置するよう家屋の壁面に取付けられ、
室内の油煙を外部に排出するファンを内部に収納し、下
面および前面が開口した箱体からなるレンジフード本体
と、このレンジフード本体前面に係止され、レンジフー
ド本体とともに下面に主吸込口を形成する化粧パネルと
からなり、前記化粧パネルは上部に、両端部を水平面と
しその間を前記レンジフード本体に向かって下方に傾斜
した傾斜面とした化粧パネル天面を有し、前記傾斜面
と、この傾斜面と前記水平面をつなぐ垂直面と、前記レ
ンジフード本体の前面上部とで上方を開放した凹部を形
成し、この凹部内の前記レンジフード本体前面上部に副
吸込口を設けたレンジフードの構成としたものである。

作用 本発明は上記した構成により、厨房室の天井面近くに
漂う煙りや廃ガスは副吸込口よりレンジフード本体内部
に吸込まれ、主吸込口より吸込まれた上昇気流の風速が
ファンの吸込風速より優っている場合でも、上昇気流は
化粧パネル内面に沿って上昇するが化粧パネル天面によ
って遮閉され、副吸込口よりレンジフード本体外に逆流
することなく、換気できることとなる。

実施例 以下、本発明の一実施例について第１図〜第４図を参
照しながら説明する。

図に示すように、内部にファン７を収納し、下面およ
び前面が開口したレンジフード本体１は、コンロ９の上
方に位置するよう壁面８に取付けられる。レンジフード
本体１の前面には化粧パネル２が係止され、レンジフー
ド本体１と化粧パネル２とで下面に主吸込口を形成して
いる。化粧パネル２は、上部に、両端部を水平面5aと
し、この水平面5aのそれぞれの内側端部から下方へ垂直
面5bを延設し、さらに、垂直面5bから連続して垂直面5b
間にレンジフード本体１に向かい下方に傾斜した傾斜面
5cを形成した化粧パネル天面５を有している。そして、
化粧パネル天面５の垂直面5b、垂直面5cおよびレンジフ
ード本体１の前面上部によって囲まれ上方を開放した凹
部10を形成しており、この凹部10内に位置するレンジフ
ード本体１の前面上部に、レンジフード本体１の外部と
内部を連通する副吸込口６を設けている。また、レンジ
フード本体１の天面と天井面の間には幕板３が設けら
れ、レンジフード本体１上方の空間と室内空間を遮蔽し
ている。

上記構成において、第１図および第２図に示すように
コンロ９より発生した廃ガスや油煙は上昇気流ａとなっ
て上昇し、ファン７によって主吸込口４からレンジフー
ド本体１の内部に吸込まれていく。しかし、上昇気流ａ
の風速がファン７の吸込風速より優っている場合、上昇
気流ａはファン７に直接吸込まれることなく化粧パネル
２の内面に沿って上昇していく。ところが、化粧パネル
天面５が化粧パネル２の上部を遮閉しているので、上昇
気流ａは再びレンジフード本体１内部に吸込まれてい
く。また、天井面近くに漂っている廃ガスや油煙ｂは、
幕板３に沿って副吸込口６からレンジフード本体１内部
に吸込まれていく。

また、ファン７から発生した騒音は、副吸込口６を通
過してレンジフード本体１外に伝播していくが、副吸込
口６は、凹部10内に設けられているので、騒音は、化粧
パネル天面５の傾斜面5cと垂直面5bとに衝突して減衰
し、その後、垂直面5bによって左右に広く広がることな
く、傾斜面5cによって天井側に向かって伝播していく。

このように本発明の実施例のレンジフードによれば、
コンロ９から発生した油煙等の上昇気流ａは、化粧パネ
ル２内を上昇していっても化粧パネル天面５によって外
部に通過していってしまうのが遮られ、全体換気が支障
なく行われることとなり、しかも、化粧パネル天面５
は、両端部を水平面5aとし、その間に垂直面5bを介して
傾斜面5cを連続的に形成しただけの簡単な構造なので掃
除性を低下させることがない。さらに、ファン７から発
生し副吸込口６を通過した騒音は、上記垂直面5b、傾斜
面5cおよびレンジフード本体１前面上部で形成される上
方を開放した凹部10内に進入するので、垂直面5b、傾斜
面5cに衝突して減衰したうえで、天井側に向かって伝播
していくので、在室者の存在するレンジフードの前方側
における騒音値を低減することができる。

発明の効果 以上の実施例から明らかなように本発明によれば、簡
単な構造で掃除性を低下させることなく全体換気を確実
に行うことができるとともに、レンジフードの前方側の
騒音をとくに低減させ、在室者に不快感を与えないレン
ジフードを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のレンジフードの設置断面
図、第２図は同レンジフードの要部断面図、第３図は同
レンジフードの斜視図、第４図は同レンジフードの化粧
パネルをはずした状態の斜視図、第５図は従来のレンジ
フードの設置断面図、第６図は同レンジフードの斜視
図、第７図は同レンジフードの要部断面図である。 １……レンジフード本体、２……化粧パネル、４……主
吸込口、５……化粧パネル天面、5a……水平面、5b……
垂直面、5c……傾斜面、６……副吸込口、７……ファ
ン、10……凹部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】厨房器具上方に位置するよう家屋の壁面に
   取付けられ、室内の油煙を外部に排出するファンを内部
   に収納し、下面および前面が開口した箱体からなるレン
   ジフード本体と、このレンジフード本体前面に係止され
   レンジフード本体とともに下面に主吸込口を形成する化
   粧パネルとからなり、前記化粧パネルは上部に、両端部
   を水平面としその間を前記レンジフード本体に向かって
   下方に傾斜した傾斜面とした化粧パネル天面を有し、前
   記傾斜面と、この傾斜面と前記水平面をつなぐ垂直面
   と、前記レンジフード本体の前面上部とで上方を開放し
   た凹部を形成し、この凹部内の前記レンジフード本体前
   面上部に副吸込口を設けたレンジフード。