JP2528997B2 - 顔料分散組成物 - Google Patents

顔料分散組成物

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民樹 早瀬
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C09B67/006Preparation of organic pigments
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、塗料、インク、及びプラスチック加工等に
用いられる顔料分散組成物に関する。特に、顔料の電荷
が0又は負に制御統一され、安定な分散状態を示す非水
系顔料分散組成物に関する。
[従来の技術] 従来、複数の顔料を併用する非水系顔料分散組成物に
於いて正及び負の電荷の顔料を併用する場合、組成物中
これらが電気的に互いに引き合って凝集することによ
り、組成物の色割れや粘度上昇、及び塗膜の光沢低下等
を惹き起こすという問題があった。
上記問題を解決する方法として、特開昭60−166318号
公報、同61−174939号公報、及び同61−61623号公報で
開示された顔料分散剤、並びに特開昭59−217769号公報
で開示された顔料分散用樹脂の使用が提案されている。
しかしこれらは何れも、顔料の電荷を正若しくは負に制
御統一する事により上記顔料の凝集を防ごうとするもの
ではない。又、上記特開昭60−166318号公報及び同61−
174939号公報のポリアミン系顔料分散剤を使用した場
合、塗膜の耐水性、及び硬化性(特に樹脂として熱硬化
型メラミンアルキド樹脂を使用した場合の硬化性につい
て)満足出来るものではない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、顔料分散組成物に正及び負の電荷を持つ顔
料を併用した場合でも、それら顔料の電荷を組成物中に
於いては0又は負に制御統一して上記顔料粒子間の電気
的引力等による凝集を防ぎ良好な分散状態を達成し、そ
の結果、組成物の色分れや粘度上昇、並びに塗膜の光
沢、耐水性、及び耐アルカリ性等の低下を防ぐ事が出来
る顔料分散組成物を提供する事を目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、特定の化合物を顔料分散組
成物に配合すれば優れた功を奏する事を見出し、本発明
を成すに至った。
即ち本発明は、顔料(II)及び樹脂(III)を含み顔
料(II)が分散された組成物に於いて、電子吸引性基と
してハロゲン原子が2個以上直結した環を少なくとも1
個有する化合物(I)を配合した事を特徴とする顔料分
散組成物を提供する。
化合物(I)は、電子吸引性基としてハロゲン(例え
ば、F、Cl、Br等)が2個以上直結に環を少なくとも1
個有するものである。
環上のハロゲン原子の数は2〜6個が好ましく、それ
らは同種でも異種でも良い。又環は、上記電子吸引性基
以外に、更に別の基(例えば、水酸基、アルキル基、ハ
ロアルキル基、エステル基(好ましくは、脂肪族1価ア
ルコール(例えば、メタノール、エタノール等)との反
応により生成するエステル基)、アミド基(好ましく
は、1価の1級若しくは2級アミン(例えば、エチルア
ミン、ジエチルアミン等)との反応により生成するアミ
ド基)等)で置換されていても良いが、この場合、環上
の置換基総数は6個以下となるのが好ましい。
上記電子吸引性基であるハロゲン原子が直結する環
は、芳香族環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環
等)、飽和炭化水素環(例えば、シクロヘキサン環等)
等が挙げられる。
化合物(I)は上記の電子吸引性置換基を有する環構
造を少なくとも1個以上有するものである。化合物
(I)の具体例としてはベンゼン化合物(例えば、ジ
−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、及びヘキサ−フルオ
ロ、クロロ、及びブロモベンゼン、ブロモジクロロベン
ゼン、クロロブロモベンゼン、ジ−、トリ−、テトラ
−、及びペンタ−クロロフェノール、ジ−及びトリ−ク
ロロトルエン、トリフルオロトルエン、ジクロロ−及び
トリクロロ−ニトロベンゼン、ジブロモニトロベンゼ
ン、ジクロロ安息香酸、トリフルオロトルイル酸、ペン
タフルオロ安息香酸、ジクロルフタル酸、テトラクロロ
フタル酸、及びテトラクロロ無水フタル酸等)、ナフタ
レン化合物(例えば、テトラクロロナフタレン、ジクロ
ロナフトール等)、及びシクロヘキサン化合物(例え
ば、ヘキサクロロシクロヘキサン等)、及び上記環の複
数個、好ましくは2〜4個が互いに縮環した縮環系化合
物等が挙げられる。
又、上記環の複数個を適当な結合鎖で互いに連結した
化合物、例えば2個以上のハロゲン原子置換基と1〜3
個のカルボキシル基及び/又は酸無水物基を環上に持
ち、置換基総数が6個以下のベンゼン化合物と、多価ア
ルコール及び/又は1級若しくは2級多価アミンとの反
応生成物も化合物(I)に含まれる。そのようなものと
しては、具体的には例えばジクロロ安息香酸と1,6−ヘ
キサンジオールとの反応生成物、即ち式 で表わされる化合物等が挙げられる。
顔料(II)は塗料、インク等に通常使用される各種着
色顔料又は体質顔料等で良い。具体的には、例えば酸化
チタン、ベンガラ、黄色酸化鉄、黄鉛、クロムバーミリ
オン、紺青、アゾレッド、キナクリドンレッド、フタロ
シアニンブルー、炭酸カルシウム顔料、硫酸バリウム顔
料、タルク、クレー等が挙げられる。
樹脂(III)も塗料、インク等に通常使用されるもの
で良く、例えばアクリル樹脂、アルキド樹脂、メラミン
アルキド樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリオレフィ
ン、アクリル−ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げら
れる。
本発明の顔料分散組成物にはその他添加剤として、有
機溶剤(例えば、キシレン、セロソルブアセテート、メ
チルイソブチルケトン等)等を加えてもよい。
本発明の顔料分散組成物の組成に於いて、化合物
(I)は顔料(II)に対し0.1〜20重量%、特に0.1〜10
重量%使用するのが好ましい。0.1重量%未満では本発
明の硬化が発現しにくく、又20重量%を超過すると顔料
分散組成物の粘度が高くなり更に塗膜の耐水・耐アルカ
リ性が低下し好ましくない。顔料(II)は、樹脂(II
I)100重量部に対し1〜1000重量部、特に10〜200重量
部が好ましい。
本発明の顔料分散組成物の調製法は特に限定されず、
塗料、インク等の調製に通常使用されるサンドグライン
ドミル、ボールミル、ロールミル等を用い上記配合剤
(I)〜(III)を混練して行なっても良い。
[作用及び効果] 本発明の顔料分散組成物に於いては、化合物(I)は
顔料(II)に配合してこれらの間で電子の授受を行なう
事で、顔料(I)の0又は負に帯電するものと考えられ
る。その結果、顔料粒子間の凝集を避け良好に分散させ
る事が出来、色分れ性、粘性、及び耐水性等に優れた顔
料分散組成物とする事が出来る。
[実施例] 以下、本発明を実施例で更に詳しく説明する。
化合物(I)の調製 (調製例1〜5) 加熱装置、攪拌機、還流装置、及び温度計を備えた反
応槽に、表−1に示す組成の組成物を仕込み、表−1に
示す条件下攪拌し、各化合物(I)を調製した。
顔料分散組成物の調製 (実施例1〜5及び比較例1〜7) 表−2に示す組成物Iの各配合剤をサンドグラインド
ミルで表−2に示す時間、分散混合し、各組成物Iを調
製した。次いでこの組成物Iに表−2に示す組成物IIを
加え攪拌混合して各顔料分散組成物を調製した。
顔料の電荷判別試験 上記各顔料分散組成物中の顔料の帯電状態を、以下の
様にして調べた。即ち、顔料分散組成物中に正、負の電
極を入れ電界下においた場合の顔料粒子の移動方向を調
べ、正電極に向って移動した顔料粒子の電荷を負、負電
極方向に移動した場合を正、移動しない場合を0と、判
定した。これらの結果を表−2に示す。
塗膜の物性試験 表−3に示す組成で各顔料分散組成物を更に混練し、
各混練組成物10重量部を調製した。次いで、これら各混
合物をキシレンでスプレー粘度に希釈し、金属板上に塗
装し、これら塗装膜についてその物性、即ち塗膜状態、
ラブアウトテスト、耐水性、耐アルカリ性及び光沢につ
いて調べた。これらの結果を表−3に示す。(尚、表−
3中、物性試験結果に於いて「−」は試験しなかった事
を示す。) (試験法) 塗膜状態:試験例1〜4及び比較試験例1〜2について
は、軟鋼板に流し塗りし、24時間室温で乾燥後、塗膜状
態を目視観察した。試験例5〜6及び比較試験例3につ
いては、ブリキ板に流し塗りし、30分間室温で乾燥後、
更に140℃で30分焼付け、塗膜状態を目視観察した。表
−3中○は「異常なし」、△は「異常あり」を示す。
ラブアウトテスト:軟鋼板に流し塗りし、指触乾燥前に
塗膜の中央部を指で円状にこすりつけ、室温で24時間乾
燥後こすった部分とこすらない部分の色相を比較した。
表−3中、○は「色差なし」、△は「色差あり」、×は
「色差大」を示す。
耐水・耐アルカリ性:スレート板にスプレー塗装し、4
日間室温で乾燥後、水道水及び飽和石灰水にそれぞれ20
℃で4日間浸漬した。次いでこれらを取り出して水道水
で洗浄後乾燥し塗膜状態を目視観察して、それぞれ耐水
性、耐アルカリ性を調べた。表−3中○は「異常なし」
を示す。
光沢:ブリキ板に流し塗りし、室温で30分間放置後140
℃で30分間焼付けた。この光沢を光沢計(村上色研製)
を用い20゜鏡面反射率を測定して調べた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 壽夫 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本 ペイント株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−61623(JP,A) 特開 昭62−11783(JP,A) 特開 昭60−31576(JP,A) 特開 平1−141968(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料(II)及び樹脂(III)を含み顔料(I
    I)が分散された組成物に於いて、電子吸引性基として
    ハロゲン原子が2個以上直結した環を少なくとも1個有
    する化合物(I)を配合した事を特徴とする顔料分散組
    成物。
JP2070342A 1990-03-20 1990-03-20 顔料分散組成物 Expired - Lifetime JP2528997B2 (ja)

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