JP2528491Y2 - 包装用容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、駅弁・店売り弁当・仕出し弁当などの使い
捨て弁当容器、スーパーマーケット・ファーストフード
店・その他の各種食品店等に於ける食品類や、その他の
商品類のパック包装用材料等として多用されている蓋付
包装用容器に関するものである。

〔従来の技術〕

この種の従来の蓋付包装用容器は、蓋体が容器本体と
別体で分離するタイプのものと、蓋体が容器本体に対し
て開閉回動自由にヒンジつなぎ部を介して一連につなが
ったタイプのものとがある。いずれのタイプの包装用容
器も、ポリスチレン・ポリプロピレン・ポリエチレン・
ポリ塩化ビニル等の、半硬質又は硬質、充実肉質又は発
泡肉質、単層又は積層のプラスチックシートを素材にし
て、それを真空成形・圧空成形・熱プレス成形などの適
宜のシートフォーミング手法にて、予め設定した所望の
容器形状に成形して量産される。

耐水・耐油加工紙を素材にしてこれを熱プレスなどで
シートフォーミングして容器として成形したものもあ
る。プラスチックの薄肉射出成形品もある。

本考案は蓋体と容器本体が一連につながったタイプの
包装用容器に係る考案であり、従来品は、蓋体を容器本
体に係合させた後、周囲に輪ゴム等をかけたり、係合部
分をホッチキス等で止め又は融着するなどの方法により
蓋の係合を保持していた。

上記の包装用容器は蓋体の係合に際し、別途輪ゴムや
ホッチキス等の係合手段を利用する必要があり、不便で
あるとともに蓋体の開閉が簡単でない。そこで、包装用
容器自体に蓋体の止め手段（蓋開き止め）を有するもの
として、蓋体と容器の各縁部にそれぞれ係合舌片、差し
込み部を具備させたもの（実開昭63-94107号）や第６図
（正面図）・第７図（背面図）に示すように蓋体２の縁
部の舌片14と容器本体１の縁部の係合片12を対向的に設
け、舌片14を係合片12に差し込むと舌片14の端部11が係
合片12にひっかかり係合するものがある。

その他に蓋体及び容器本体の各縁部全周をアンダーカ
ットにしてはめ込むものや、蓋体及び容器本体のフラン
ジ部分にボタン状の雌雄の凹凸を設けて係合するものも
知られている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来の包装用容器は蓋体及び容器本体の各縁部に
舌片状の係合手段を設けるため、その部分に何らかの外
圧がかかると係合がはずれる場合もあり、又、上記の係
合手段は多数回の使用に耐えるほど強度がなく、弱い力
によってもそれらは蓋体又は容器本体から容易に脱落し
易い。さらに、蓋と容器本体との係合力の観点からも、
十分ではなく、例えば舌片14（第６図）およびつなぎ部
15（第７図）のみによって係合されているにすぎないの
で、何らかの外圧によって蓋体は容易に開放してしま
う。蓋体と容器本体との密閉度の観点からみても、第７
図に示すようにつなぎ部15の端部において空隙13が存在
せざるを得ない。

上記従来品は製造における成型や仕上げの方法も複雑
となり製造工程上の問題点をも有する。

本考案は上記従来の欠点を解消した蓋付包装用容器で
あって、蓋体が簡単な操作によって止められ、かつ蓋体
と容器本体の係合・密閉が完全であり、そのうえ何回で
も蓋体の開閉が可能な包装用容器を提供するものであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、容器本体と蓋体とをヒンジ部を介して一連
に形成した包装用容器において、容器本体の上部外周に
は容器フランジ部を、蓋体の外周には該容器フランジ部
より大きい蓋体フランジ部をそれぞれ設け、蓋体フラン
ジ部のヒンジ側の辺に他辺より低く切欠かれた切欠部を
形成し、該切欠部とその切欠部に対応する容器本体の一
辺とはヒンジ部を介して結合され、蓋体フランジ部には
容器フランジ部と係合するための隆起部を設けたことを
特徴とする包装用容器である。

〔作用〕

本考案の包装用容器を蓋体が開いた状態において説明
すると、容器本体の上部外周にそって容器フランジ部が
形成されており、この部分が蓋体と係合し容器の密閉を
保つ。容器フランジ部は容器本体の上部を外側に折り返
した状態で形成され、その折り返した頂部は同一の高さ
で容器本体の上部外周を形成する。その形状はＬ字型・
コ字型又は半円状でもよい。蓋体を閉じる操作は、蓋体
を容器本体の上から押し込むことによってなされる。隆
起部が容器の縁周部分に当接し、それを変形させながら
さらに押し込まれた状態において完了する。この状態に
おいてはヒンジ部は断面略円型の形状をなす。

〔実施例〕

第１図は本考案の実施例において、蓋体が開いた状態
の平面図、第２図はその正面断面図、第３図は蓋が閉じ
た状態の底面図、第４図はその状態の平面断面図、第５
図はその状態の側面図である。図において、１は容器本
体、２は蓋体、３はヒンジ部、４は容器フランジ部、５
は蓋フランジ部、６は切欠部、７は隆起部、８は容器縁
部、９は蓋体縁部、10は段差である。容器フランジ部４
はコ字型に形成され、容器縁部８を有し、蓋体２が閉じ
た状態において段差10に当接する。蓋フランジ部５は容
器フランジ部４の外周の寸法より大きい内周寸法を有し
（容器の材質は弾性があるので厳密な意味で比較する必
要はない）、略コ字型に形成され、蓋体縁部９を有する
とともに四角に隆起部７が形成されている。

蓋体フランジ部５の一辺は他辺より低く切欠かれた切
欠部６を有し、その切欠部はヒンジ部３に接合（一体形
成）されている。この切欠部がないと蓋体を閉じた場
合、蓋体フランジ部５が容器フランジ部４又はヒンジ部
３とぶつかり適切な嵌合ができない。本考案は切欠部６
があるため、容器フランジ部４のすべての部分を完全に
蓋体２の内部に嵌合することが可能となり、蓋が閉じた
状態においては容器フランジ部４に隣接する部分31（切
欠部の長さより短い）が該切欠部６と当接することにな
る。ヒンジ部３は蓋体が開いた状態においては断面略Ｕ
字型をした帯状であり、閉じた状態においては断面略円
型の形状をなしている。

蓋体フランジ部５の隆起部７は、蓋体２を容器本体１
に嵌合係止するためのものであり、蓋体２を閉じる際、
隆起部７は容器フランジ部４及び容器縁部８を通過し、
蓋体２は完全に嵌合され、通常の状態では蓋体が自然に
開くことはない。蓋体２を開く場合は同様に引っ張り力
によって隆起部７は容器フランジ部４を通過する。隆起
部７は蓋体２の嵌合に適する部分であれば位置は問わず
蓋体２の四角のいずれかの部分又は全部に設けてもよ
く、あるいは四辺のいずれかの部分又は全部に設けても
よい。蓋体２が閉じた状態においては、容器フランジ部
４は完全に蓋体２に包摂され密閉は完全である。又容器
縁部８と隆起部７によって蓋体２は強固に閉じられてい
る。蓋体２を開く操作は蓋体２を容器本体１から引っ張
ることによってなされ、容器の弾性・柔軟性を利用して
四角の一角から順次開けていくと容易である。

〔考案の効果〕

本考案は上記の構成を有するので上記従来の問題点を
解消し、蓋体が簡単に止められかつ密閉が強固・完全な
うえ何回でも蓋体の開閉が可能な耐久性のある包装用容
器である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す蓋体が開いた状態の平面
図、第２図はその平面断面図、第３図は蓋体が閉じた状
態の底面図、第４図はその平面断面図、第５図はその側
面図、第６図・第７図は従来例を示す図である。 １は容器本体、２は蓋体、３はヒンジ部、４は容器フラ
ンジ部、５は蓋体フランジ部、６は切欠部、７は隆起
部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器本体と蓋体とをヒンジ部を介して一連
   に形成した包装用容器において、容器本体の上部外周に
   蓋体と係合して容器の密閉を保つための容器フランジ部
   を、蓋体の外周には該容器フランジ部の外周寸法より大
   きい蓋体フランジ部をそれぞれ設け、該蓋体フランジ部
   の内側に蓋体が閉じた状態において容器フランジ部に当
   接する段差を形成し、該蓋体フランジ部のヒンジ側の一
   辺に他辺より低く切欠かれかつ蓋体が閉じた状態におい
   て容器フランジ部と隣接して容器縁部に当接する切欠部
   を形成し、該切欠部と容器本体の一辺とはヒンジ部を介
   して結合され、蓋体フランジ部には容器フランジ部の外
   周を通過して容器フランジ部と係合するための隆起部を
   設けたことを特徴とする包装用容器。