JP2528164B2 - 低そり性ボリアミド樹脂組成物 - Google Patents
低そり性ボリアミド樹脂組成物Info
- Publication number
- JP2528164B2 JP2528164B2 JP63179096A JP17909688A JP2528164B2 JP 2528164 B2 JP2528164 B2 JP 2528164B2 JP 63179096 A JP63179096 A JP 63179096A JP 17909688 A JP17909688 A JP 17909688A JP 2528164 B2 JP2528164 B2 JP 2528164B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyamide resin
- component
- resin composition
- weight
- warpage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Polyamides (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
かつ優れた機械的性質を有する成形体を得ることができ
るポリアミド樹脂組成物に関する。
有することから、特に自動車や電気製品などの部品用の
射出成形材料として幅広く利用されている。このポリア
ミド樹脂の利用範囲をさらに拡大するために、高剛性で
特に高温時においても高い剛性を保持することができる
ポリアミド樹脂をベースにしたガラス繊維強化材料が提
案されている(特開昭51−50960号公報、特開昭54−188
54号公報および特開昭59−168058号公報参照)。
ガラス繊維のみを充填したものは、射出成形により成形
した場合に成形品のそりが大きく、寸法安定性が低く、
得られた成形体は要求する機能を満足に発揮するものが
得られないという問題がある。
機物を含有し、そりや変形を減少させることのできる材
料が提案されている(特公昭58−4737号公報および特開
昭51−7056号公報参照)。しかし、これらはその特許請
求の範囲からも解るようにガラス繊維の配合率が15もし
くは10重量%以下でガラス繊維以外の無機物の添加量が
30または20重量%以上であり、繊維状物が少なくこれだ
け無機物を加えるとガラス繊維や繊維状補強材のもつ剛
性、強度および耐衝撃性に関する優れた性質が低下し、
物性的に満足の行くものではなかった。
出成形により得られた成形体が反りなどの変形を生じる
ことから、寸法安定性が低く、所望の形状の成形品を得
ることができないという問題点があった。
にそりなどの変形が実質的に生じることがなく、所望の
形状および機械的特性の成形体を得ることができるポリ
アミド樹脂組成物を提供することを目的とする。
樹脂またはポリアミド樹脂を含む樹脂混合物、(B)前
記(A)成分に均一に分散された層状珪酸塩および
(C)繊維状充填材、からなることを特徴とする。
樹脂またはポリアミド樹脂を含む樹脂混合物である。
−)を有するものであり、具体的には、ε−カプロラク
タム、6−アミノカプロン酸、ω−エナントラクタム、
7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、9−
アミノノナン酸、α−ピロリドン、α−ピペリドンなど
から得られる重合体または共重合体;ヘキサメチレンジ
アミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジア
ミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシリレンジアミ
ンなどのジアミンとテレフタル酸、イソフタル酸、アジ
ピン酸、セバシン酸などのジカルボン酸とを重縮合して
得られる重合体もしくは共重合体もしくはこれらのブレ
ンド物を例示することができる。
〜30,000のものが好ましい。
物の場合に用いる他の樹脂としては、ポリプロピレン、
ABS樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートなどを例示することができる。
の含有量が80重量%以上であることが好ましい。
ポリアミド樹脂組成物から得られる成形体に優れた機械
的性質および低そり性を付与することに資する成分であ
る。
0.002〜1μmの範囲のものが好ましい。
間の距離をいい、層間距離の平均値とはある層に対して
最も近接する測定の済んでいない他の層との層間距離測
定を行い、これをその層の層間距離とし、繰り返し何枚
かの層の測定を行った後、算術平均を求めた値のことを
いう。
(B)が(A)成分中に分散した際、その50%以上が塊
を形成することなく一枚一枚に分離し、互いに平行およ
び/またはランダムに、20Å以上の層間距離を保って分
子状に分散している状態をいう。なお、層状珪酸塩の70
%以上がこのような状態にあれば、更に好ましい。
び有機物で膨潤する性質を有するものを用いるのがよ
く、珪酸マグネシウムまたは珪酸アルミニウムの層から
構成される層状フィロ珪酸鉱物を例示することができ
る。具体的には、モンモリロナイト、サポナイト、バイ
デライト、ノントロナイト、ヘクトライト、スティブン
サイトなどのスメクタイト系粘土鉱物やバーミキュライ
ト、ハロイサイトなどを例示することができ、これらは
天然のものであっても、合成されたものであってもよ
い。これらのなかでもモンモリロナイトが好ましい。ま
た、陽イオン交換容量は、50〜320ミリ当量/100g、より
好ましくは90〜200ミル当量/100gのものを用いるのがよ
い。
くはポリアミドを含む樹脂中に均一に分散させる方法に
ついては特に制限はないが、本発明の層状珪酸塩の原料
が多層状粘土鉱物である場合には、膨潤化剤と接触させ
て、予め層間を拡げて層間にモノマーを取り込みやすく
した後、ポリアミドモノマーと混合し、重合する方法
(特開昭62−74957号公報参照)によってもよい。ま
た、膨潤化剤に高分子化合物を用い、予め層間を100Å
以上に拡げて、これをポリアミド樹脂もしくはこれを含
む樹脂と溶融混練して均一に分散させる方法によっても
よい。
して0.05〜15重量部が好ましく、0.1〜10重量部がさら
に好ましい。(B)成分の配合割合が0.05重量部未満で
あると、成形体のそりの防止効果や剛性、耐熱性の向上
が小さくなるので好ましくなく、15重量部を超えると、
樹脂組成物の流動性が極端に低下し、射出成形用の材料
として適さない場合があるので好ましくない。
ポリアミド樹脂成形体に優れた機械的性質および耐熱性
を付与することに資する成分である。
して好ましくは20〜115重量部であり、さらに好ましく
は25〜100重量部である。(C)成分の配合割合が20重
量部未満であると繊維状充填材による優れた機械的性質
や熱的性質が十分でなく、耐衝撃強度も低いものとなる
ことから好ましくなく、115重量部を超えると組成物の
流動性が低下し、成形品の表面が滑らかに仕上がらず、
また満足な成形品が得られない場合があるので好ましく
ない。
ストナイトなどの繊維状無機充填材、窒化珪素、チタン
酸カリウムなどのセラミックスウィスカーなどを例示す
ることができる。
るものではないが、例えば、ガラス繊維および炭素繊維
の場合は、繊維径が2〜20μmであるものが好ましく、
さらには4〜15μmであるものが好ましくい。また、ア
スペクト比(繊維長さ/繊維径の比)が成形体中におい
て、3〜70になるものが好ましく、さらには5〜50にな
るものが好ましい。
り、あまり大きすぎると、成形体の機械的性質、特に衝
撃強さが低下するので好ましくない。また、アスペクト
比があまり小さすぎると、補強効果が無く、あまり大き
すぎると、成形時のそりが大きくなるために好ましくな
い。
ものが好ましく、窒化珪素、チタン酸カリウムは繊維径
が0.1〜3μmのものが好ましい。
ほかにも、その用途に応じて染料、顔料、成形性改良
剤、粒子状補強物、可塑剤、耐熱性改良剤、発泡剤、難
燃剤などを配合することができる。
に分散させることができる方法であれば特に制限される
ものではない。例えば、(B)成分の珪酸塩の原料が多
層状粘土鉱物である場合には、(A)成分を形成するモ
ノマーに、特開昭62−74957号公報に記載の方法で
(B)成分の珪酸塩鉱物を混合し、重合したのち、さら
に(C)成分の繊維状充填材を配合する方法、(A)お
よび(B)成分の溶融混練物に、(C)成分を混練・配
合する方法、または(A)および(B)成分からなる粉
末状またはペレット状の成形物に(C)成分を配合した
のち、溶融混練する方法などを適用することができる。
補強物を充填し、機械的強度および耐熱性を向上させた
組成物の欠点である成形時のそり、変形などの欠点を、
層状珪酸塩をポリアミド樹脂中に均一に分散することに
より改善するものである。その理由は明らかではない
が、層状珪酸塩をポリアミド樹脂中に均一に分散させる
ことにより、ポリアミド樹脂の結晶状態に何らかの影響
を及ぼし、冷却過程における結晶化速度を均一にする効
果があるためと考えられる。
平均長さが約0.1μmのモンモリロナイト100gを10の
水に分散し、これに51.2gの12−アミノドデカン酸と24m
lの濃塩酸を加え、5分間攪拌したのち、濾過した。さ
らにこれを十分洗浄したのち、真空乾燥した。この操作
により、12−アミノドデカン酸アンモニウムイオンとモ
ンモリロナイトの複合体を調製した。複合体中の層状珪
酸塩分は80重量%となった。また、この複合体のX線回
析による測定では珪酸塩層間距離が18.0Åであった。
タム、1kgの水および45kgの前記複合体を入れ、100℃で
反応系内が均一な状態になるように攪拌した。さらに温
度を260℃に上昇させ、15kg/cm2の加圧下で1時間攪拌
した。その後、放圧し、水分を反応容器から揮散させな
がら、常圧下で3時間反応を行った。反応終了後、反応
容器の下部ノズルから、ストランド状に取り出した反応
物を水冷し、カッティングを行い、ポリアミド樹脂(平
均分子量15,000)およびモンモリロナイトからなるペレ
ットを得た。このペレットを熱水中に浸漬し、未反応の
モノマー(約10%)を抽出、除去したのち、真空中で乾
燥した。
μmのガラス繊維43重量部を添加、混合したものを、ス
クリュー径50mmの単軸押出し機(宇部興産(株)製)に
より、溶融混練して本発明の樹脂組成物を得た。
された箱形状の試験片を得、これについてそりの度合い
を測定した。
℃;ノズルヒーター270℃ 射出圧力:一次圧 600kg/cm2 金型温度:移動金型80℃;固定金型80℃ 射出時間:13秒 冷却時間:20秒 反りの測定試験 そりは図(図はそりの測定方法を説明するための図で
ある)における寸法AおよびBを測定し、寸法Bを基準
として、次式から求めた。結果を表に示す。
ASTMに従う形状の試験片を得、これについて引張り降伏
点強さおよび曲げ弾性率を測定した。結果を表に示す。
ズル)260℃ 射出圧力:650kg/cm2 射出時間:14秒 冷却時間:30秒 引張り降伏点強さおよび曲げ弾性率測定法 引張り降伏点強さ:ASTM−D−638 曲げ弾性率:ASTM−D−790 いずれの試験も23℃において絶乾状態で行った。
る)を用い、実施例1と同様にして樹脂組成物を得、さ
らに同様にして各測定試験を行った。結果を表に示す。
てX線回析測定の結果、珪酸塩層間距離が100Å以上で
あった。
%以上と大きいのに対して、本実施例のものでは、それ
が6.1%以下であり、そりについて大幅に改良されてい
ることが分る。
出成形により得られた成形体の反りなどの変形を従来の
組成物より大幅に改良するものである。
Claims (2)
- 【請求項1】(A)ポリアミド樹脂またはポリアミド樹
脂を含む樹脂混合物、 (B)前記(A)成分中に、一単位の一辺が0.002〜1
μm、厚みが6〜20Åで、各々平均20Åの層間距離を保
って、分子状に均一に分散している層状珪酸塩および (C)繊維状無機充填材またはセラミックウィスカー を含有することを特徴とするポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項2】配合割合が(A)成分100重量部に対し、
(B)成分の0.05〜30重量部および(C)成分5〜70重
量部である請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63179096A JP2528164B2 (ja) | 1988-07-20 | 1988-07-20 | 低そり性ボリアミド樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63179096A JP2528164B2 (ja) | 1988-07-20 | 1988-07-20 | 低そり性ボリアミド樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0229458A JPH0229458A (ja) | 1990-01-31 |
JP2528164B2 true JP2528164B2 (ja) | 1996-08-28 |
Family
ID=16059976
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63179096A Expired - Lifetime JP2528164B2 (ja) | 1988-07-20 | 1988-07-20 | 低そり性ボリアミド樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2528164B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5385776A (en) * | 1992-11-16 | 1995-01-31 | Alliedsignal Inc. | Nanocomposites of gamma phase polymers containing inorganic particulate material |
CH695687A5 (de) * | 2002-09-06 | 2006-07-31 | Ems Chemie Ag | Polyamid-Formmassen mit ultrafeinen Füllstoffen und daraus herstellbare Lichtreflektier-Bauteile. |
JP5313521B2 (ja) * | 2008-03-03 | 2013-10-09 | ユニチカ株式会社 | 樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 |
CN113480846B (zh) * | 2021-08-19 | 2022-03-08 | 台州市春晓工业产品设计有限公司 | 一种耐热低翘曲尼龙复合工程塑料及其制备方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IT1083439B (it) * | 1976-08-26 | 1985-05-21 | Allied Chem | Composizioni di stampaggio a base di nailon caricato con sostanze minerali presentanti bassa deformazione permanente |
JPS6058466A (ja) * | 1983-09-09 | 1985-04-04 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 含油樹脂組成物 |
JPH0822946B2 (ja) * | 1985-09-30 | 1996-03-06 | 株式会社豊田中央研究所 | 複合材料 |
-
1988
- 1988-07-20 JP JP63179096A patent/JP2528164B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0229458A (ja) | 1990-01-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0398551B1 (en) | Method for preparing a polyamide composite material | |
JP2003515648A (ja) | 非晶質オリゴマーを含むポリマー−クレーナノ複合材 | |
JP2528164B2 (ja) | 低そり性ボリアミド樹脂組成物 | |
JPH11315204A (ja) | ポリアミド複合材料 | |
JP5191154B2 (ja) | ポリアミド成形品の製造方法およびエンジンカバー | |
JP2674605B2 (ja) | 高剛性及び耐熱性ポリアミド樹脂組成物 | |
JP2690013B2 (ja) | 射出成形用ポリアミド樹脂組成物 | |
JPH0739540B2 (ja) | 液体または気体バリヤー性を有する成形品用材料 | |
JP3452469B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物 | |
JP2834477B2 (ja) | 中空成形品 | |
JP2528163B2 (ja) | 高剛性および耐衝撃性ボリアミド樹脂組成物 | |
JP3017234B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JPH02240160A (ja) | 自動車エンジンルーム内部品用材料 | |
JP3111449B2 (ja) | 早められた結晶化速度を有するナイロン樹脂組成物 | |
JPH0816190B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JPH05186685A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP4263929B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物 | |
JP3078275B2 (ja) | 液体または気体バリヤーストレーナー用材料 | |
JP3078274B2 (ja) | 液体または気体バリヤーチューブ用材料 | |
JP3385103B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JPH11228817A (ja) | ガスバリヤー性に優れたポリアミド樹脂組成物及びその製造法、並びにこれを用いたフィルム及び容器 | |
JPH10130493A (ja) | 低成形収縮・低反りナイロン樹脂組成物 | |
JPH02208357A (ja) | 自動車内装部品用材料 | |
WO2000012630A1 (fr) | Composition de resine polyamide et procede de preparation de cette derniere | |
JP2002079517A (ja) | 自動車外装部品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080614 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090614 Year of fee payment: 13 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090614 Year of fee payment: 13 |