JP2527932Y2 - 変位検出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、機器本体に対してス
ピンドルが変位する際に、その変位の量を検出する変位
検出装置に関する。特に、例えばスピンドルが検出方向
に自動送りされ且つ低定圧で被測定物に当接するよう
に、スピンドルが変位検出の方向に出力モータによって
自動送りがなされ、しかもその自動送りとは独立してス
ピンドルが変位検出の方向にスライド可能である変位検
出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、スピンドルが変位検出の方向に自
動送りされ、且つスピンドルがその自動送りと独立して
変位検出の方向にスライド可能な変位検出装置では、ス
ピンドルが自動送りと独立して変位検出の方向にスライ
ド可能とする機構として、平行リンク機構を用いるもの
が知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】従来、スピンドルが変
位検出の方向に自動送りされ、且つスピンドルがその自
動送りと独立して変位検出の方向にスライド可能な変位
検出装置では、スピンドルが自動送りと独立して変位検
出の方向にスライド可能にする機構が平行リンク機構を
用いているため、部品組立てが煩雑であり、又リンク機
構及び逆の作動するスペースが必要であることから装置
全体が大型化するという問題があった。この考案は、上
記の事情に鑑みてなされたものであり、スピンドルが変
位検出の方向に自動送りされ、且つスピンドルがその自
動送りと独立して変位検出の方向にスライド可能のもの
であって、このスピンドルを自動送りと独立して変位検
出の方向にスライド可能とする機構が煩雑な組立作業を
必要とせず、装置全体がコンパクトである変位検出装置
を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この考案は、中間部材が
機器本体に対してスピンドルをその変位検出の方向に自
動的に案内送りされ、スピンドルがその中間部材に対し
てスピンドルの変位検出の方向にすべりガイド手段によ
って案内送り可能である変位検出装置である。その詳細
な構成は、水平方向に敷設されるベースを含む機器本体
と、前記ベースに立設される支柱と、前記機器本体内部
から前記ベースを貫通して下方に突設され、該機器本体
に対して相対的に垂直方向に変位するスピンドルと、前
記機器本体と前記スピンドルに設けられ、該機器本体に
対する該スピンドルの変位量を検出する検出手段と、前
記スピンドルに略水平方向に突設される係止ピンと、前
記係止ピンを介して前記スピンドルを前記機器本体に対
し変位検出方向にスライドさせる中間部材と、前記中間
部材を介して前記スピンドルを変位検出方向に自動送り
する案内送り機構と、前記支柱と前記スピンドルとの間
に介在され、前記案内送り機構とは独立して該スピンド
ルを変位検出方向および／またはその反対方向にスライ
ド可能なすべりガイド手段を有する案内送り係止機構
と、一端に前記係止ピンを挟持・係止する係止部を倫え
たレバーと、該係止部の他端に設けられたバランサと
が、該係止ピンの長手方向を軸として前記中間部材に回
動自在に併設された低定圧当接機構と、を備えた変位検
出装置である。

【０００５】

【作用】スピンドルは、案内送り機構及び案内送り係止
機構によって、機器本体に対してスライド可能である。
また、本考案における低定圧当接機構は、たとえばスピ
ンドルが下方向に変位して被測定物に当接した場合に
は、スピンドルに突設された係止ピンには低定圧当接機
構のバランサの重量により上方向の力が与えられること
となり、結果的に被測定物に低定圧で当接した停止状態
となる。従って、スピンドルの変位量に関係なく常に一
定の低定圧でスピンドルを被測定物に当接することがで
きる。

【実施例】この考案を、図１〜図２に示す実施例によっ
て詳述する。しかし、この実施例によって、この考案が
限定されるものではない。変位検出装置１は、図１〜図
２に示すように、装置本体２と、スピンドル３と、検出
手段４と、中間部材５と、案内送り機構６と、案内送り
係止機構７と、低定圧当接機構２４が備えられている。

【０００６】機器本体２は、ベース８と、アテ板９及び
カバーケース１０から主に構成されている。スピンドル
３は、機器本体２に対して矢印Ａ方向の変位を検出する
ためのものである。検出手段４は、メインスケール１１
と、インデックススケール１２及び演算表示手段（図示
省略）等から構成されており、機器本体２とスピンドル
３との間に介在され、機器本体２に対するスピンドル３
の変位の量を検出するものである。メインスケール１１
は、スピンドル３を固定保持する保持部材１３に固定さ
れている。中間部材５は、後述する案内送り機構６側か
らの変位検出方向の力をスピンドル３に伝えるためのも
のである。

【０００７】案内送り機構６は、機器本体２に対して中
間部材５を、スピンドル３の変位検出の方向に案内送り
するものである。案内送り機構６は、減速ギアを設けた
出力モータ１４と、出力モータ１４によって回動するネ
ジ棒１５と、中間部材５の側に取付け固定され、ネジ棒
１５と螺合するスライダ１６と、スライダ１６と中間部
材５の間に介在されスライダ１６を固定する固定部材１
７及びすべりガイド手段１８を有して構成されている。
又、すべりガイド手段１８は、スピンドル３の変位検出
の方向にベース８に立設された支柱１９と、支柱１９に
固定されて支柱１９と中間部材５の間に介在されたスラ
イドベアリング２０から主に構成されている。

【０００８】案内送り係止機構７は、スピンドル３を変
位検出の方向に案内送り可能にすると共に、スピンドル
３を中間部材５に係止するものである。案内送り係止機
構７は、スピンドル３の変位検出の方向にベース８に立
設された支柱１９と、支柱１９に固定されて支柱１９と
保持部材１３の間に介在されたスライドベアリング２１
（以上、すべりガイド手段）と、保持部材１３に水平方
向に立設された係止ピン２２と、中間部材５にコの字形
状で形成され、スピンドル３のスライド方向の動きを規
制することによって係止ピン２２を係止する係止部２３
から構成されている。

【０００９】変位検出装置１は更に、スピンドル３が被
測定物ピン２１に低定圧で当接するための低定圧当接機
構２４が備えられている。低定圧当接機構２４は、一端
に保持部材１３の係止ピン２２と、係止ピン２２を係止
する係止部２５が設けられ、中間部材５に回動可能（矢
印Ｂ方向）に取付けられたレバー２６及びレバー２６の
他端に保持されたバランサ２７から構成されている。変
位検出装置１は、上述したように構成されている。従っ
て、変位を検出する際には、測定者は案内送り機構６を
作動させてスピンドル３の自動送りを行う。つまり、出
力モータ１４を出力させると、ネジ棒１５の回転によっ
てスライダ１６が下方向にスライダする。この下方向の
スライドによって、スライダ１６と一体の固定部材１７
はスライドベアリング２０の案内によって矢印Ａ下方向
にスライドする。これと共に、固定部材１７と一体であ
る中間部材５が矢印Ａ下方向にスライドし、中間部材５
の係止部２３が係止ピン２２の下方へのスライドを可能
にする。これによって、係止ピン２２を立設している保
持部材１３はスピンドル３と共に、スライドベアリング
２１の案内に従って矢印Ａ下方向にスライドする。

【００１０】ここで、スピンドル３が矢印Ａ下方向にス
ライドして被測定物（図示省略）に当接するが、その
際、スピンドル３は低定圧当接機構２４が作動して被測
定物に低定圧で当接する。更に、案内送り機構６が自動
送りの作動を続けると、スピンドル３は被測定物から相
対的に上方向の力を受けることになる。しかしながら、
スピンドル３は、上記自動送りと独立して変位検出の方
向にスライド可能であるから、自動送りの力と相対的に
働く上方向の力がスピンドル３や被測定物等に同時に働
くことはない。つまり、スピンドル３は案内係止機構７
によって機器本体２に対して矢印Ａの上下両方向にスラ
イド可能であるから、矢印Ａ下方向にスライドしていて
も被測定物からの相対的に働く上方向の力によって矢印
Ａ下方向にスライドは停止し、結果的に被測定物に低定
圧で当接した停止状態を続ける。

【００１１】そうして、案内送り係止機構７は、単に支
柱１９と、スライドベアリング２１と、係止ピン２２
と、中間部材５の係止部２３から構成されており、従来
の技術に示すような平行リンク機構を用いる場合に比べ
て、部品点数が少なく組立てが簡便であり、又、各部材
が比較的コンパクトであって装置全体の小型化が図れて
いる。この実施例の作動説明ではスピンドル３が矢印Ａ
下方向にスライドする例を示したが、スピンドル３が矢
印Ａ上方向にスライドする場合であっても案内送り機構
６及び案内係止機構７の作動によって機器本体２に対し
てスライド可能であり、被測定物や障害物等当接すると
低定圧で当接した停止状態を続ける。尚、変位検出装置
１は、オーストッパを付加することにより、スピンドル
３が被測定物に当接すると案内送り機構６の出力モータ
１４を自動停止させることができる

【００１２】

【考案の効果】この考案は、スピンドルが自動送りと独
立して変位検出の方向にスライド可能とする機構を有
し、その機構が少ない部材で簡便に構成されていること
により、組立が簡便であって、また、装置全体のコンパ
クト化が図れ得る変位検出装置である。さらに、本考案
においては、一端に前記係止ピンを挟持・係止する係止
部を備えたレバーと、該係止部の他端に設けられたバラ
ンサとが、該係止ピンの長手方向を軸として前記中間部
材に回動自在に併設された低定圧当接機構を備えたこと
により、スピンドルの変位量に関係なく常に二定の低定
圧でスピンドルを被測定物に当接させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す、一部切欠き及び一
部省略を含む正面図である。

【図２】図１に示す実施例の要部分解斜視図である。

【符号の説明】

１…変位検出装置 ２…機器本体 ３…スピンドル ４…検出手段 ５…中間部材 ６…案内送り機構 ７…案内送り係止機構 １４…出力モータ １８…すべりガイド手段 ２０，２１…スライドベアリング

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平方向に敷設されるベースを含む機器
   本体と、 前記ベースに立設される支柱と、 前記機器本体内部から前記ベースを貫通して下方に突設
   され、該機器本体に対して相対的に垂直方向に変位する
   スピンドルと、 前記機器本体と前記スピンドルに設けられ、該機器本体
   に対する該スピンドルの変位量を検出する検出手段と、 前記スピンドルに略水平方向に突設される係止ピンと、 前記係止ピンを介して前記スピンドルを前記機器本体に
   対し変位検出方向にスライドさせる中間部材と、 前記中間部材を介して前記スピンドルを変位検出方向に
   自動送りする案内送り機構と、 前記支柱と前記スピンドルとの間に介在され、前記案内
   送り機構とは独立して該スピンドルを変位検出方向およ
   び／またはその反対方向にスライド可能なすべりガイド
   手段を有する案内送り係止機構と、 一端に前記係止ピンを挟持・係止する係止部を備えたレ
   バーと、該係止部の他端に設けられたバランサとが、該
   係止ピンの長手方向を軸として前記中間部材に回動自在
   に併設された低定圧当接機構と、 を備えたことを特徴とする変位検出装置 。