JP2527668B2 - 養殖魚用飼料 - Google Patents

養殖魚用飼料

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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は魚類感染症の病原体の増
殖を抑制し、該病原体の感染力を低下あるいは消失せし
める効果を持つシナモン油またはその精油成分であるシ
ナミックアルデヒドを配合してなる養殖魚用飼料に関す
る。
【0001】
【従来の技術】近年の漁業は、200海里問題及び乱獲
による漁業資源不足等により漁獲高が低下している。ま
た日本の漁業は養殖技術の進歩に伴い、獲る漁業から育
てる漁業へと急速に変化しており、現在ではブリ,カン
パチ,マダイ,クロダイ,ヒラメ等の海産魚及びニジマ
ス,アマゴ,ヤマメ,アユ,コイ,ウナギ,フナ,ティ
ラピア等の淡水魚の養殖が広く行われている。このよう
な状況下、養殖魚の感染症による被害も増加し、大きな
問題となってきた。
【0002】養殖魚の感染症は、細菌及びウイルスによ
るものが多い。具体的にはブリ類の連鎖球菌症,類結節
症、タイ類のビブリオ病、ニジマスのせっそう病,ビブ
リオ病,IHN(伝染性造血器壊死病),IPN(伝染
性膵臓壊死病),アユのビブリオ病,ウナギのパラコロ
病,鰭赤病,鰓病,キンギョの穴あき病等である。これ
らの魚種は養殖規模も大きく、一度感染症が発生すると
その被害額は莫大なものとなる。
【0003】従来、これら魚類感染症による被害を防ぐ
ため感染症が発症もしくは兆候が現れた際には、オキシ
テトラサイクリン,オキソリン酸,クロラムフェニコー
ル,アミノベンジルペニシリン等の抗生物質を飼料に添
加するか、あるいは養殖魚を薬液中で薬浴させる等の手
段を講じてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の抗生物質による
魚類感染症の防止には多くの問題点がある。各種抗生物
質の多用により多剤耐性菌が出現するようになり、抗生
物質による魚類感染症の治療が困難となっている。また
養殖魚への抗生物質の残留問題があり、さらに抗生物質
使用後は約半月から1ケ月間その養殖魚を市場へ出荷で
きない。この期間中に発生する感染症に対しては予防及
び治療方法がないのが現状である。
【0005】このような状況下、魚類感染症に対し抗生
物質に代わる安全性の高い新しい予防方法の開発が望ま
れている。本発明は上述の実状に鑑み、魚類感染症に対
して予防効果が強く、安全性の極めて高い養殖魚用飼料
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは安全性の点
から抗生物質や化学合成品より望ましいと考えられる天
然資源の中で魚類感染症の病原体の増殖を抑制する物質
について検討した。その結果、クスノキ科の植物体の精
油,シナモン油及びこの精油の成分であるシナミックア
ルデヒドが各種魚類の病原体に対し強い増殖抑制効果を
示すこと、さらにこのシナモン油またはシナミックアル
デヒドを配合してなる養殖魚用飼料が魚類感染症に対し
て優れた予防効果を示すことを見い出し本発明を完成し
た。
【0007】本発明に用いられるシナモン油は、植物体
から水蒸気蒸留抽出等公知の方法により得られる精油を
指し、樹木,枝葉,根,花及び種子等その抽出部位及び
製法については何ら限定するものではない。また本発明
に用いられる精油成分であるシナミックアルデヒドは、
前述のシナモン油をさらに分子蒸留及びカラムクロマト
等の方法により分離精製した単一の成分を指す。尚、そ
の精製方法については何ら限定するものではない。
【0008】このシナモン油及びその精油成分のシナミ
ックアルデヒドは、食品添加物として植物油,香辛料及
び香料としても広く利用されているものであり、その安
全性は高い。以上のようにして得られたシナモン油また
はその精油成分のシナミックアルデヒドを養殖魚の成長
に必要なビタミン類,ミネラル類,炭水化物,脂質,タ
ンパク質及び養殖魚の誘引物質等、一般に養殖魚用飼料
に用いられる原料と配合することにより本発明の養殖魚
用飼料が得られる。
【0009】本発明の養殖魚用飼料に配合される有効成
分の量は、使用目的に応じ適宜選択できるが、一般には
シナモン油の場合、0.1〜20重量%の範囲、その精
油成分のシナミックアルデヒドの場合、0.001〜5
重量%の範囲が実用性の面で好ましい。
【0010】次に実施例及び試験例をあげて、本発明を
詳しく説明する。尚、実施例に使用したものは、シナモ
ンから得られたシナモン油、およびシナモン油から得ら
れたシナミックアルデヒドである。
【0011】
【実施例】
実施例1 魚粉6.4kg,小麦グルテン1.0kg,デキストリ
ン0.8kg,その他(ビタミン類,ミネラル類,セル
ロース)0.8kg,カツオ油0.5kg及びシナモン
油0.1kgを混合し、湿式造粒後乾燥し、養殖魚用飼
料9.7kgを得た。
【0012】試験例1 シナモン油及びその精油成分のシナミックアルデヒドの
各種魚類感染症の病原体増殖抑制効果を調べた。効果の
測定はペーパーディスク法を用いた。魚類感染症(病原
体名)及びその培養条件を下記する。ビブリオ病(ビブ
リオ アンギュイレイラム),食塩1.5%含有ブイヨ
ン寒天培地,25℃,48時間、パラコロ病(エドワル
ドジェラ タルダ),食塩1.5%含有ブレインハート
インフュージョン(BHI)寒天培地,37℃,48時
間、類結節症(パスツレラ ピシシダ),食塩1.5%
含有BHI寒天培地,25℃,96時間、連鎖球菌症
(ストレプトコッカス属細菌),食塩1.5%含有BH
I寒天培地,25℃,48時間、セッソウ病(アエロモ
ナス サルモニシダ),食塩1.5%含有BHI寒天培
地,25℃,48時間、穴あき病(アエロモナス ハイ
ドロフィラ),食塩1.5%含有BHI寒天培地,25
℃,48時間。
【0013】まず各病原体を上述の液体培地で培養し、
菌液を得る。この菌液0.5mlをあらかじめオートク
レーブ(120℃,15分間)した寒天培地と無菌シャ
ーレ内で混合し、プレートを作製する。直径8mmのペ
ーパーディスクにシナモン油は1mg、シナミックアル
デヒドは200μgとなるように塗布し、このペーパー
ディスクを作製したプレート上に置く。各々の培養条件
で培養後、ペーパーディスクの回りに生じた阻止円の直
径(mm)から病原体に対する増殖抑制効果を判定し
た。結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】以上の試験結果より、シナモン油及びその
精油成分のシナミックアルデヒドは、各種魚類感染症の
病原体に対して、増殖抑制効果を持つことが示された。
【0016】試験例2 魚類感染症の病原体であるエドワドジェラ・タルダ菌に
対する感受性の比較試験を精油成分と市販抗生物質につ
いて行った。試験は感受性ディスクを用いた濃度拡散法
により行った。試験例1と同様に調製した菌液を食塩
1.5%含有BHI寒天培地上に、菌数が103 〜10
4 個/cm2 となるように塗布し、その培地上に市販の感
受性ディスク(昭和ディスク,昭和薬品化工株式会社
製)とシナミックアルデヒドを塗布したペーパーディス
クを置き、37℃、48時間培養後、ディスクの回りに
生じた阻止円の直径から抗生物質とシナミックアルデヒ
ドとの病原体に対する感受性の強弱を判定した。試験に
供した薬剤は抗生物質である塩酸オキシテトラサイクリ
ン200μgおよびシナミックアルデヒド200μgで
ある。
【0017】その結果、塩酸オキシテトラサイクリンお
よびシナミックアルデヒドの阻止円の直径はそれぞれ2
7mmおよび20mmを示し、シナミックアルデヒドは
現在魚類感染症の防止に使用されている抗生物質と同程
度の感受性、すなわち増殖抑制効果を持つことが示され
た。
【0018】試験例3 実施例1で得られた本発明の養殖魚用飼料を用いてブリ
の稚魚(モジャコ)の類結節症に対す感染予防効果を調
べた。対照飼料としてシナモン油を含まない養殖魚用飼
料を調製した。体重約2〜3gのモジャコ100尾を5
0尾づつ2群に分け、1群は本発明の養殖魚用飼料で飼
育し、他群はその対照飼料で飼育した。飼育は100リ
ットル容アクリル水槽に60リットルの人口海水を入
れ、循環濾過とエアレーションをしながら行った。水槽
にヒーターを入れ、水温を23〜25℃にコントロール
した。飼育期間中、それぞれの群に対し、類結節症の病
原体であるパスツレラ・ピシシダ菌を人為感染させ、感
染による両群の斃死数を14日間観察した。
【0019】感染方法は、1.5%食塩を含むBHI培
地で25℃,24時間培養したパスツレラ ピシシダ菌
液を飼育水にて5×105 個/mlとなるように希釈
し、その希釈菌液10L中にエアレーション下、各群の
モジャコを5分間浸漬した。人為感染後、14日間の両
群の斃死率は、対照飼料群で75%、本発明の養殖魚用
飼料で10%であった。
【0020】以上の結果より、その作用機作は不明であ
るが養殖魚の飼育において、本発明の養殖魚用飼料は各
種の魚類感染症に対して予防効果を有することが示され
た。
【0021】
【発明の効果】以上の試験例から明らかなように、シナ
モン油またはその精油成分のシナミックアルデヒドは魚
類感染症の病原体の増殖を抑制すること、シナミックア
ルデヒドは、現在魚類感染症の感染予防に使用されてい
る抗生物質と同程度の効果を有すること及びこのシナモ
ン油またはシナミックアルデヒドを配合してなる本発明
の養殖魚用飼料は各種の魚類感染症に対し予防効果を有
する。また本発明の有効成分であるシナモン油またはシ
ナミックアルデヒドは安全性が極めて高く、さらに本発
明の養殖魚用飼料の製造方法が、従来用いられてきた養
殖魚用飼料の原料に添加するだけでよく、極めて簡単で
あることから本発明の養殖魚用飼料を用いることは魚類
感染症の安全な予防法として極めて有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シナモン油もしくはシナミックアルデヒ
    ドを配合してなる養殖魚用飼料。
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