JP2526370Y2 - 導電接続装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は導電接続装置に係り、さらに詳しくは通常
バスバーと称する小幅導電板の折曲立上り基部を有底絶
縁筒体の透孔とその周辺下面と絶縁基体の面とできつく
挟持して小幅導電板の折曲片が外力で変形したり、妄り
に位置ずれしない接続装置に関する。

［従来の技術］ この種の導電接続装置であるコネクタハウジングとし
ては従来例えば実公昭58-10306号公報に記載されている
ものがある。

この従来の技術は、並設した複数の雄端子に一方を嵌
合して設けた複数の雌形双極端子を収容するコネクタハ
ウジングにして、上下開口する枠体の内部に、長手方向
の側壁と直交する隔壁を設けて複数の端子収容室を形成
すると共に、前記枠体の左右側壁及び隔壁の下端縁に傾
斜案内面を形成し、前記隔壁の下端を枠体の下部開口端
と不一致の内外側部に位置せしめることを特徴とするコ
ネクタハウジングである。

［考案が解決しようとする課題］ 前記した従来の技術は、ハウジングの下部に張り出し
て形成した鍔を別に用意した蓋板の孔の周囲で押さえ込
んだ状態で蓋板を配線基板にネジ止めしてハウジングを
配線基板に取着するものである。

したがって蓋板を別途用意する必要があるので、部品
管理上繁雑でしかもコスト高になるし、そのネジ止めを
必要とする点で狭所や暗所では作業性が悪い上にドライ
バー等の工具が必要であるという第１の問題点がある。

特にこの従来例では小幅の回路板の立上り部（折曲
片）の基部自体をハウジングの下面で押さえることがで
きず、基部から離れた回路板の上面をハウジングの鍔の
傾斜内面の下部で配線基板に圧接するものであるので、
上記立上り部が外力で変形したり位置ずれし易い等の第
２の問題点があった。

またこの他に実開昭58-109184号公報記載のように、
印刷配線基板の導電プリント部分にカシメ付けなどの手
段で後付け立設した接続端子の周辺を端子案内アダプタ
で囲んだものも有るが、このものはプリント面と端子と
をカシメやハンダ付けしたものでその作業性が悪く、し
かも上記公報図面第２図および第３図に示すように肝心
の接続端子の基部は上記アダプタの孔に単に挿通しただ
けでアダプタの下面とプリントハードボードの上面とで
挟み込んでいないので補強できないという問題点が有
る。

さらに実開昭55-160087号公報のように小幅導電板の
端部を起立しただけのものもあるが、このものではコネ
クタの着脱に際し、接続ピンや接続端子がこじれて変形
し易いという問題点が有る。

そして上記両者を組合せたとしても前記の問題点と同
じようにアダプタ下面と導電板上面との間にスキマが生
じるので折曲片基部を挟めずその補強もできないという
問題点が有る。

この考案は前記した各問題点を除去するために、絶縁
基体に配設した小幅導電板の折曲片基部（立上り基部）
を直接に絶縁材で作った有底筒体の折曲片挿通孔とその
周辺下面とで絶縁基体の面に圧接させて折曲片の変形と
その位置ずれを防ぐことを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 上記したこの考案の目的は、プラスチックなどで作っ
た絶縁基体の一面に配設した細長い小幅導電板と、この
小幅導電板に形成した折曲片と、この折曲片を通す透孔
が形成されかつ係止弾片で前記基体にその縁辺で取着さ
れた絶縁性の有底筒体と、この有底筒体内において前記
折曲片に挿着される雌形接続片を備えた雄形係合体とを
それぞれ具備してなり、前記折曲片の基部を前記有底筒
体の透孔の周辺と前記基体の面とで挟持することで達成
される。

［作用］ 絶縁基体に固定して配設された小幅導電板（バスバ
ー）の折曲片基部、すなわち立上り基部を係止弾片で絶
縁基体に取着した有底筒体の孔の周辺下面と基体の上面
とできつく挟持することで補強することができ、折曲片
が雌形接続片の挿脱等による外力で妄りに変形したり位
置ずれすることがない。

また有底筒体はその係止弾片で基体の縁辺に蓋板や工
具を用いることなくパチンと一発係止で立設できる。

［実施例］ 実施例について図面を参照して説明する。

先ずこの考案の基本構成は第１図、第２図に示すよう
に、プラスチック等で作った絶縁基体１の一面に例えば
埋込んで配設した細長い金属板製の小幅導電板２と、こ
の小幅導電板２の例えば端部に立上り形成した幅狭の折
曲片３と、この折曲片３を通す透孔４が第２図および第
７図に示すように底部に形成されかつ、両側に突設した
係止弾片5,5で前記基体１に例えばその孔1Bの縁辺1Aで
第３図、第４図に示すように取着され66ナイロン等の耐
熱性プラスチックで成形した有底筒体６と、この有底筒
体６内において前記折曲片３に挿着される弾性金属で作
った雌形接続片７を第５図、第６図のように備えた耐熱
性の雄形係合体８とをそれぞれ具備してなり、前記折曲
片３の基部3Aを第４図、第７図および第８図で示すよう
に前記筒体６の透孔４の周辺と前記基体１の上面とで挟
持してこの考案による導電接続装置を構成する。

なお各図中符号1Bで示される部分は係止弾片５の鉤部
5Aを係止するための縁辺1Aを絶縁基体１に形成する一例
を示す透孔、7Aは雌形接続片７を第７図に示すように雄
形係合体８内に係止するための係止爪、９は雌形接続片
７にその圧着接続部7Bで第２図、第７図に示すように導
通接続された絶縁被覆の導出線、また符号6Aと8Aはそれ
ぞれ第３図に示すように絶縁筒体６と雄形係合体８とに
形成した挿着向き規制用の凸凹部である。

さらに有底筒体６は円筒状にしてもよく、これに対応
して雄形係合体８は中空円柱状にしてもよい。

また小幅導電板２と折曲片３はそれぞれ２つずつ設け
た例につき説明したが、いずれも１つずつまたは第９図
から第13図までに示すように２つずつあるは３つずつ以
上の複数をそれぞれ絶縁基体に配設し、その数に対応さ
せて上記各図に示すように雌形接続片７の数を選定しか
つ雄形係合体８や有底筒体６の姿形を選定すればよい。

なおこれら他の例では絶縁基体１に透孔1Bを設ける必
要はなく、基体１の縁辺1A,1Aにそれぞれ内側鉤部5A,5A
を有する係止弾片５で有底筒体を基体１に立設できる。

この考案の導電接続装置は以上のような構成となした
ので、第１図、第２図に示すように三者分離の状態から
第３図および第４図に示すように先ず絶縁基体１の上方
からその透孔1Bによる縁辺1Aを目掛けて有底筒体６の係
止弾片５を当てがいつつ下動させると、係止弾片５はそ
の傾斜面に加わる応力で弾力に抗し外側にしなりつつ広
がった直後その鉤部5Aが基体１の縁辺1Aにパチンと弾接
係合して１発係止により有底筒体６を絶縁基体１にカセ
ットポン式で立設できる。

この立設状態では絶縁基体１に固定して配設された小
幅導電板２（バスバー）の折曲片基部3A、すなわち立上
り基部を係止弾片５で絶縁基体１に取着した有底筒体６
の孔４の周辺下面と基体１の上面とできつく挟持するこ
とができ、折曲片３が雌形接続片７の挿脱等による外力
で妄りに変形したり位置ずれすることがない。

そして小幅導電板２はその折曲片３、雌形接続片７お
よび導出線９を経て外部回路に接続使用できる。

［考案の効果］ この考案は以上説明したように構成されているので、
以下に記載する効果を奏する。

この考案では、絶縁基体１に固定して配設された小幅
導電板２（バスバー）の折曲片３の基部3A、すなわち立
上り基部を係止弾片５で絶縁基体１に取着した有底筒体
６の孔４の周辺下面と基体１の上面とできつく挟持する
ことで補強することができ、折曲片３が雌形接続片７の
挿脱等による外力で妄りに変形したり位置ずれすること
がない等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】 図はいずれもこの考案の１実施例を示すもので、第１図
は絶縁基体と有底筒体と雄形係合体とを分離した状態の
斜視図、第２図は同じく縦断面図、第３図は絶縁基体に
有底筒体を取付けた状態の斜視図、第４図は同上の縦断
面図、第５図は第４図に示すものの雄形係合体を有底筒
体内に係入した状態の縦断面図、第６図は第５図のＡ−
Ａ線における横断平面図、第７図は第４図に示すものの
切断方向を異にした縦断面図、第８図は第５図に示すも
のの切断方向を異にした縦断面図、第９図から第13図ま
ではそれぞれこの考案の他の実施例を示す断面図で、第
９図は横断平面図、第10図および第11図はそれぞれ第９
図のＢ−Ｂ線およびＣ−Ｃ線における縦断面図、第12図
はさらに他の例を示す横断平面図、第13図は第12図のＤ
−Ｄ線における縦断面図である。 １……絶縁基体、４……透孔 1A……縁辺、５……係止弾片 ２……小幅導電板、６……有底筒体 ３……折曲片、７……雌形接続片 3A……基部、８……雄形係合体

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プラスチックで作った絶縁基体１の一面に
   配設した細長い小幅導電板２と、この小幅導電板２に形
   成した折曲片３と、この折曲片３を通す透孔４が形成さ
   れかつ係止弾片５で前記基体１にその縁辺1Aで取着され
   た絶縁性の有底筒体６と、この有底筒体６内において前
   記折曲片３に挿着される雌形接続片７を備えた雄形係合
   体８とをそれぞれ具備してなり、前記折曲片３の基部3A
   を前記有底筒体６の透孔４の周辺下面と前記基体１の面
   とできつく挾持することで補強してなる導電接続装置。