JP2526121B2 - 難加工金属棒線材の製造方法 - Google Patents

難加工金属棒線材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、圧延や伸線などの塑性加工が困難でかつ
十分な耐食性を有していない金属、例えば合金元素の含
有率が高い高速度鋼などの棒状または線材の製造に関す
るものである。
〔従来の技術〕
従来、比較的低級な高速度鋼の棒材または線材は、溶
製インゴットを圧延してから冷間引抜加工を行って製造
している。しかし、合金元素の添加量が多い高級な高速
度鋼(例えば2.3%C−4%Cr−7%Mo−5%V−8.5%
W−10%Co)は、冷間引抜加工が困難なために、粉末材
を焼結して圧延した後、この圧延材を所定の寸法まで切
削、研磨加工したり、最初から近似寸法に焼結したり、
熱間等方圧プレスしたりして、1個づつ製造するしかな
かった。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述のような冷間塑性加工が困難な金属材の棒材また
は線材は、生産性が悪いために極めて高価なものとなら
ざるを得ないため、その性能(例えば靭性、耐摩耗性
等)が極めて優れているにも拘らず、広く産業界に利用
されるに至っていない。
従って、このような難加工金属の棒材や線材を、低コ
ストで生産性よく製造する方法の開発が望まれていた。
この発明は、このような要望への対応の一環として、特
に高速度鋼のような比較的耐食耐酸性が低い難加工金属
の棒材または線材の高能率の製造方法を実現しようとす
るものである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明においては、非耐食性難加工金属の線材は、
粉末の熱間押出加工によって製造する。
熱間押出に先立ち、非耐食性の難加工金属の粉末を耐
食性の金属管内に充填する。そして、このような粉末を
充填した金属管の複数本を金属カプセルに収容し、かつ
これら金属管の相互間隙及びこれら金属管とカプセル内
壁面との間隙に、非耐食性金属粉末を充填し、カプセル
を封止して、上述の熱間押出を実施する。
得られた熱間押出棒は、先づ金属カプセルに由来する
金属層を機械的加工により除去し、次いで酸に浸して上
記の非耐食性金属粉末に由来する部分を溶解除去する
か、電解的手法により適当な塩類溶液中で通電しながら
溶解除去する。また、上記金属カプセルとして非耐食性
金属が用いられているときは、上述の金属カプセルに由
来する金属層の除去と、非耐食性金属粉末に由来する金
属部分の除去とを、一挙に溶解によって行う。これによ
り、耐食性金属層で包まれた難加工金属のクラッド棒ま
たは線の束が残る。耐食性金属のクラッド層を必要とし
ない場合は、シェービング、ピーリング、研摩などの機
械的加工によってこれを除去し、難加工金属の棒または
線のみを取出す。
製品として、例えば直径1mm以下のような細線を必要
とする場合は、これらの機械加工を行う前に、耐食性金
属層で包まれたクラッド棒または線を、適当な寸法に切
断した上で、上述のような非耐食性金属粉末と共にカプ
セルに封入して再度熱間押出を実施し、この熱間押出棒
の不用部分を上記と同じ手法によって除去して、細径の
クラッド線を得る。
上述の金属管相互間及び金属管とカプセル内壁面との
間に充填する非耐食性金属粉末の使用量を節減するため
に、適当な寸法の棒状金属を非耐食性金属粉末中に挿入
したり、非耐食性金属粉末に上記溶液に反応しない非金
属の粉末または粒を混入してもよい。
なお、上記金属管内の中心部に異種の金属棒を予め配
置し、その周囲に難加工金属の粉末を充填するときは、
製品としてクラッド棒材または線材を得ることができ
る。
〔作用〕
上述のように、非耐食性の難加工金属粉末を充填した
耐食性金属管と非耐食性金属粉末とを収容したカプセル
に熱間押出加工を施こすときは、耐食性金属層で包まれ
た難加工金属の棒材または線材が内部に埋込まれた形の
非耐食性金属棒が得られる。そして、カプセルに耐食性
材料を用いたときは、この金属棒の外面は耐食性金属層
で覆われている。
金属棒が耐食性金属層を有する場合には、先ず研削な
どの機械的加工によってこの層を除き、このような耐食
性層が存在しない場合は直に、金属棒を酸に浸漬し、或
いは適当な塩類の溶液中で通電すると、上記非耐食性金
属部分が溶解して、内部の耐食性金属層を被った難加工
金属棒または線の束を取出すことができる。
カプセル製作時に、内部の間隙に非耐食性金属粉と共
に棒状金属を収容させた場合、この棒状金属が非耐食性
であれば、これに由来する部分は上述の溶液浸漬工程で
溶解する。しかし、カプセル5に収容させた棒状金属が
耐食性であれば、これに由来する部分は溶液中で溶解せ
ずに金属線となって残るので、この金属線を上記難加工
金属の棒または線から選別除去する。また、カプセル内
の隙間に充填される非耐食性金属粉末に耐食性の非金属
の粉末または粒を混用した場合は、これらの非金属は溶
液を入れた浸漬槽の底に沈殿する。
このようにして得た耐食性金属層を被った難加工金属
の棒または線は、その耐食性金属層が必要な場合は、そ
のまま製品とする。しかし、その耐食性金属層が不要な
場合は、シェービング、ピーリング、研削などの機械的
加工によってこれを除いた上で製品とする。
以上のように、この発明によるときは、難加工金属粉
末を充填する金属管の内径と、熱間押出機の押出口の減
径率とによって決まる径の難加工金属の棒材または線材
を、良好な寸法精度、歩留及び生産性のもとに製造する
ことができる。そして、粉末冶金法を導入したことによ
って、その金属組織は、成分の偏析が無く、ミクロ組織
も均一であり、かつ靭性、抗張力などの機械的強度も優
れている。
〔実 施 例〕
第1図に示すように、カプセル底蓋1の上面に鋼管
2、2……の下端を溶接し、かつ底蓋1の周縁をカプセ
ル3の下端に溶接する。鋼管2、2……内には非耐食性
の難加工金属の粉末4、4……を充填し、カプセル3内
の鋼管2、2……の外方の空間には非耐食性金属の粉末
5を充填し、カプセル3の上端に上蓋6を溶接して、カ
プセルを封止する。上蓋に設けた排気孔(図示せず)よ
りカプセル内を脱気し、排気孔を閉塞した後、必要に応
じた冷間等方圧圧縮を施こして内部の粉末充填密度を高
め、最後に熱間押出用ダミー7を溶接してビレットを作
る。
このビレットを所定の温度で熱間押出すると、第2図
に示すような充実質の金属棒8が得られる。この金属棒
8は、耐食性金属層9を被った難加工金属棒材10、10…
…の束が、非耐食性金属11中に埋込まれた形となってい
る。この金属棒8を適当な酸に浸漬し、或いは適当な溶
液中で通電することにより、非耐食性金属11を溶解させ
て、第3図に示すように耐食性金属層9を被った難加工
金属棒材10、10……を得ることができる。この金属棒材
の外面の耐食性金属層9を機械的加工によって除去すれ
ば、第4図に示すように、難加工金属棒材10、10……を
製品として得ることができる。
実施例1 下表に示す材料及び寸法により、熱間押出用ビレット
(第1図)を製作した。
このビレットを、1100℃に加熱して2000トン横型熱間
押出機に装填し、直径40mm、長さ5000mmの押出材(第2
図)を製造した。これを30℃、30%の硝酸に約24時間浸
漬して、非耐食性金属部分11を溶解した後、5%苛性ソ
ーダ溶液に浸漬して中和し、水洗して、外径6.5mm、高
速度鋼の直径6mmの複合棒材の束(第3図)を得た。最
後に、この各複合棒材のSUS材の外層をピーリング加工
によって除去し、直径5.8mmの高速度鋼棒材(第4図)
を得た。
上述のようにして得た高速度鋼棒材の比重は7.96で、
この高速度鋼の本来の比重と一致し、100%の真密度で
あることが確認された。
また、本実施例による高速度鋼棒材と、従来の焼結→
圧延→切削の工程で作った同組成の高速度鋼の比較材と
を、何れも次の条件で熱処理した後に、測定して得た機
械的諸特性は下表の通りであった。
熱処理条件 焼入れ 1190℃×3分 → 油冷 焼戻し 570℃×1時間 → 空冷(3回) この表によって明らかなように、本実施例による製品
の機械的諸特性は、従来法による製品の機械的諸特性と
全く同等であることが確認された。
実施例2 下表に示す材料及び寸法により、熱間押出用ビレット
(第1図)を作製した。
このビレットを1100℃に加熱して2000トン横型熱間押
出機に装填し、直径30mm、長さ9000mmの押出材(第2
図)を製造した。これを14%硫酸に硝酸ソーダ60g/を
添加した60℃の溶液に約24時間浸漬して、非耐食性金属
部分11を溶解した後、5%苛性ソーダ溶液に浸漬して中
和し、水洗して外径5.3mm、高速度鋼の直径4.8mmの複合
棒材の束(第3図)を得た。
この複合棒材を550mmの長さに切断し、上記非耐食性
金属粉末5と共に上記カプセル3と同じカプセルに封入
してビレットを作り、同条件で再度熱間押出加工し、直
径30mm、長さ9000mmの押出材を製造し、同様な酸による
溶解加工を行って、外径1.03mm、高速度鋼直径0.94mmの
複合線材の束を得た。
上記の工程によって得た高速度鋼線材と、比較のため
に同組成の高速度鋼を従来の焼結→熱間圧延→切削の工
程によって加工した比較材とを、何れも次の条件で熱処
理した後に測定して得た諸特性は下表の通りであった。
熱条理条件 焼入れ 1130℃×3分 → 油冷 焼戻し 570×1時間 → 空冷(第3図) 上記表で明らかなように、本実施例による線材の諸物
性は、従来法による製品と全く同等であることが確認さ
れた。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によるときは、冷間における
圧延、伸線等の塑性加工が著るしく困難な金属の棒材や
線材、特に冷間伸線加工でしか得られないような細径の
線材を、高い生産性で歩留りよく生産することができ、
加工する金属が耐食性、特に耐酸性に乏しくても実施す
ることができる。そして、その製品は、組織がマクロ的
にもミクロ的にも高度に均質である。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例におけるビレットの横断面図
及び縦断面図、第2図は同実施例における熱間押出棒の
断面図、第3図は同実施例における酸溶解処理後の断面
図、第4図は同実施例における製品の断面図である。 2……耐食性金属管、3……カプセル、4……難加工金
属粉末、5……非耐食性金属粉末、10……金属棒線材
(製品)。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非耐食性の難加工金属の粉末を耐食性金属
    管内に充填し、このような粉末を充填した金属管の複数
    本を金属カプセルに収容すると共に、これら金属管相互
    間及びこれら金属管と金属カプセル内壁面との間に非耐
    食性金属粉末または非耐食性金属粉末及び適当な充填材
    料を充填し、この金属カプセルをビレットとして所定の
    温度で熱間押出加工を行った後、上記金属カプセルに由
    来する金属層を除去すると共に上記非耐食性金属粉末に
    由来する金属部分を酸溶解または電解により溶解除去
    し、更に上記金属管に由来する耐食性金属層を機械的加
    工により除去して、上記難加工金属に由来する棒材また
    は線材を取出すことを特徴とする難加工金属棒線材の製
    造方法。
  2. 【請求項2】非耐食性の難加工金属の粉末を耐食性金属
    管内に充填し、このような粉末を充填して金属管の複数
    本を金属カプセルに収容すると共に、これら金属管相互
    間及びこれら金属管と金属カプセル内壁面との間に非耐
    食性金属粉末または非耐食性金属粉末及び適当な充填材
    料を充填し、この金属カプセルをビレットとして所定の
    温度で熱間押出加工を行った後、上記金属カプセルに由
    来する金属層を除去すると共に上記非耐食性金属粉末に
    由来する金属部分を酸溶解または電解により溶解除去し
    て、上記金属管に由来する耐食性金属クラッド層と上記
    難加工金属に由来する芯材とよりなるクラッド棒材また
    はクラッド線材を取出すことを特徴とする難加工金属棒
    線材の製造方法。
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