JP2526040B2 - Cvd法 - Google Patents

Cvd法

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JP2526040B2
JP2526040B2 JP61170336A JP17033686A JP2526040B2 JP 2526040 B2 JP2526040 B2 JP 2526040B2 JP 61170336 A JP61170336 A JP 61170336A JP 17033686 A JP17033686 A JP 17033686A JP 2526040 B2 JP2526040 B2 JP 2526040B2
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淑郎 楠本
一雄 高桑
哲也 生田
章敏 鈴木
泉 中山
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、基板が表面の一部に絶縁薄膜を形成し、
表面のその他部分に絶縁薄膜を形成していないとき、表
面の絶縁薄膜を形成していない部分に金属薄膜を形成す
るCVD法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来のCVD法に用いられている装置は第15図に示され
ている。同図において、(21)は横型真空反応炉であ
る。横型真空反応炉(21)の一側には反応ガス導入口
(22)が設けられ、金属元素を含んだガスであるWF6
還元性ガスであるH2との混合ガスが横型真空反応炉(2
1)内に導入されている。横型真空反応炉(21)の他側
には反応ガス排気口(23)が設けられWF6とH2との混合
ガスが排気されている。横型真空反応炉(21)の内部に
は基板支持板(24)が水平に配設され、基板支持板(2
4)には複数の基板(25)が一定間隔をおいて縦方向に
保持されている。横型真空反応炉(21)の外周には加熱
用電気炉(26)が設けられている。
従って、従来のCVD法は加熱用電気炉(26)で横型真
空反応炉(21)を加熱すると、横型真空反応炉(21)の
炉壁が昇温され、横型真空反応炉(21)の炉壁の熱がWF
6とH2との混合ガスに伝達されたのち、基板(25)に伝
達されるようになる。このような熱伝達によって、基板
(25)が加熱されると、基板(25)の表面において、WF
6とH2との混合ガスによる化学反応が生じ、基板(25)
に薄膜が形成されるようになる。
上記のようなCVD法によって、第16図に示すように表
面の一部にSiO2の絶縁薄膜(27)を形成しているSiの基
板(25)の絶縁薄膜(27)を形成していない部分(25
a)に金属薄膜を形成する場合、基板(25)の表面の絶
縁薄膜(27)を形成していない部分(25a)では、初期
において、次の(1)式で示される。
WF6+3/2Si→3/2SiF4+W ……(1) のような化学反応が生じると考えられ、第17図に示すよ
うなWの金属薄膜(28)が基板(25)の表面の絶縁薄膜
(27)を形成していない部分(25a)に急速に形成され
るようになるが、その後は次の(2)及び(3)式で示
される 3H2 6H ……(2) WF6+6H→6HF+W ……(3) のような化学反応が生じると考えられ、Wが時間の経過
とともに成長し、初期にできたWの金属薄膜(28)表面
に次のWの金属薄膜(29)が第18図に示すように形成さ
れる。
この場合、Wの成長速度Gは、次の(4)式で表わさ
れるようになる。
G=A〔H21/2exp(−Ea/kTm) ……(4) なお、Aは正定数、〔H2〕は水素濃度、Eaは活性化エ
ネルギ、kはボルツマン定数、Tmは金属膜の成長する部
分の表面温度である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来のCVD法は、上記のように加熱用電気炉(26)で
横型真空反応炉(21)を加熱することにより、横型真空
反応炉(21)の炉壁を昇温し、横型真空反応炉(21)の
炉壁の熱をWF6とH2との混合ガスに伝達したのち、基板
(25)と絶縁薄膜(27)とに伝達して、これらを加熱
し、基板(25)の表面の絶縁薄膜(27)を形成していな
い部分(25a)において、Wの金属薄膜(28)及びWの
金属薄膜(29)を形成するようにしている。
ところが、基板(25)の表面の絶縁薄膜(27)を形成
していない部分(25a)の表面温度Tmと絶縁薄膜(27)
の表面温度Tiとがほゞ等しくなるので、基板(25)の表
面の絶縁薄膜(27)を形成していない部分(25a)の表
面温度Tmを大きくすれば、(4)式からもわかるよう
に、Wの成長速度Gが速くなるが、同時に絶縁薄膜(2
7)の表面温度Tiも大きくなり、基板(25)の表面の絶
縁薄膜(27)を形成していない部分(25a)においての
みWの金属薄膜(28)及びWの金属薄膜(29)が形成さ
れず、絶縁薄膜(27)の表面においても上記(2)及び
(3)式の化学反応が生じ、第18図に示すようなWの金
属薄膜(30)が形成されるようになる問題点があった。
また、第19図は第18図に示す基板(25)の一部の拡大
を示すものであるが、金属薄膜(29)の成長過程におい
て、Siの基板(25)と絶縁薄膜(27)との間に金属Wが
侵入して成長するエンクローチメント(encroachment)
現象が不可避であった。第19図において(40)は金属元
素侵入部位(エンクローチメント)を表わす。また甚し
くはSiの基板(25)に空洞(41)を生じる事があった。
従来の方法では乱流又は自然対流が基板の(25)の近
傍で生じているが、これが上述のエンクローチメント
(40)や空洞(41)の成長を促進させているのではない
かと本願発明者達は推定した。
然しながら制御パラメータとしては圧力と反応ガス流
量と云う2つの内部パラメータのみであり、乱流発生の
抑止、自然対流の抑止等のために外部的にコントロール
する事は不可能である。従ってエンクローチメントや空
洞の成長を抑えて広い圧力、流量領域で再現性、制御
性、均一性に優れた金属成膜を行えない問題点がある。
また従来のいづれの方式でも反応成分は炉内全域に拡散
するので、炉壁、覗き窓等への反応成分の付着は不可避
である。これによりダストの発生、薄膜内への不純物の
混入などの問題点もある。
エンクローチメント現象や空洞形成を抑止する手段と
して低温、低濃度成長が考えられるが、その成長速度は
数10A/minに過ぎず(Broadken etal.J.Electrochem.So
c.131、(42)(1984);Blewer.VMIC(1985))、例え
ば、深さ1μmのコンタクトホールを埋めるのに2時間
近くも要するといった問題があった。
この発明は、上記のような従来の方法のもつ問題点を
解決して、表面の一部に絶縁薄膜を形成している基板の
絶縁薄膜を形成していない部分にのみ金属薄膜を上述の
ようなエンクローチメントや空洞の成長を抑止しながら
高速度で形成することのできるCVD法を提供することを
目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
以上の目的は、少なくとも金属元素を含んだガスを減
圧下の反応槽内の基板の表面にほぼ平行にシート状の流
れで導入しかつ前記基板の表面に対向するように不活性
ガスのガス流又は不活性ガスを主体とするガス流を制御
して導入しながら、前記少なくとも金属元素を含んだ前
記ガスを層流状態とし、前記表面の一部に絶縁薄膜を形
成している前記基板の前記絶縁薄膜を形成していない部
分に、前記金属元素をもった第1の金属薄膜を形成した
のち、前記金属元素を含んだガスと還元性ガスとを前記
反応槽内の前記基板の表面にほぼ平行にシート状の流れ
で導入し、かつ前記基板の表面に対向するように不活性
ガスのガス流又は不活性ガスを主体とするガス流を制御
して導入しながら、前記金属元素を含んだガスと前記還
元性ガスとを層流状態とし、前記基板に波長0.75〜5μ
mで最大強度の光を与える加熱ランプの前記光を照射
し、前記絶縁薄膜、前記基板及び前記第1の金属薄膜の
それぞれの前記光の吸収率の差を利用して、前記絶縁薄
膜と前記第1の金属薄膜とに温度差をつけ、前記第1の
金属薄膜の表面においてのみ化学反応を生じさせ、前記
第1の金属薄膜の表面に前記金属元素をもった第2の金
属薄膜を形成することを特徴とするCVD法によって達成
される。
〔作用〕
金属元素を含んだガスと還元性ガスとのガス流を基板
近傍全域に於いて制御性の良い層流状態に保つ事ができ
る。即ち不活性ガスのガス流又は不活性ガスを主体とす
るガス流は基板近傍で上記金属元素を含んだガスと還元
性ガスとのガス流の舞い上がりを力学的に押え込むと共
にこれらのガスの成分の乱流拡散を防止する。なお、金
属元素を含んだガスと還元性ガスとのガス流が、基板の
表面にほぼ平行にシート状に導入されるので、これらガ
スの流れが基板の側面に逃げることがなく、確実に、こ
れらガスの流れは、層流状態となる。
また、第2の金属薄膜を形成する際に、波長0.75〜5
μmで最大強度の光を与える赤外線ランプからの光を照
射するので、絶縁薄膜と第1の金属薄膜との温度差がつ
き、この第1の金属薄膜の表面においてのみ化学反応が
生じる。
このを結果として、 (1) 金属を含んだガスと還元性ガスの流れが層流状
態である為、エンクローチメントや空洞の成長を抑えて
上記基板表面の他の部分における金属薄膜の制御性、再
現性に優れている。
(2) 第1の金属薄膜の上にのみ第2の金属薄膜を高
速度で形成することができる。
(3) 上記ガスの成分が基板近傍のみに押さえ込まれ
る為、炉壁、覗き窓の汚染を防止できる。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例について図面を参照しながら
説明する。第1図はこの発明の実施例に用いられる装置
の概略構成図である。同図において、(1)は減圧され
る反応槽である。反応槽(1)内には、回動自在な基板
ホルダ(2)に載置された基板(3)が配設されてい
る。反応槽(1)の側部(1a)にはスリット状の開口を
もった2つのガス導入部(4a)(4b)が設けられ、一方
のガス導入部(4a)からは還元ガスであるH2が反応槽
(1)内にシート状に導入され、他方のガス導入部(4
b)からは金属元素を含んだガスであるWF6が反応槽
(1)内にシート状の導入されている。反応槽(1)内
に導入されるH2とWF6とは、反応槽(1)内において、
基板(3)の表面に沿って流れるようになっている。反
応槽(1)の天部(1b)には透明な石英ガラス製透過窓
(5)と不活性ガス導入部(6)とが設けられている。
不活性ガス導入部(6)のガス噴出部(6a)は多孔板に
なった透明な石英ガラスでできており、石英ガラス製透
過窓(5)の下方に位置して、不活性ガスであるArガス
を反応槽(1)内に下方に噴出するようになっている。
反応槽(1)内に下方に噴出するArガスは、基板(3)
の表面に沿って流れるH2とWF6とが流れる過程で上方に
拡がるのを防止するためにH2とWF6との流れに対して、
上方より略垂直、に交わるようになっている。反応槽
(1)の底部(1c)には排気部(7)が設けられH2とWF
6とArガスとが反応槽(1)内に排気されている。反応
槽(1)の天部(1b)より上方に位置する反応槽(1)
外のところには、赤外線ランプ(8)が配設されてい
る。赤外線ランプ(8)からの赤外線は、石英ガラス製
透過窓(5)と透明な石英ガラスでできている不活性ガ
ス導入部(6)のガス噴出部(6a)とを透過して、基板
(3)の表面を照射するようになっている。
従って、上記第1図の装置を用いて、第2図に示すよ
うな表面の一部にSiO2の絶縁薄膜(9)を形成している
Siの基板(3)の絶縁薄膜(9)の形成されていない部
分(3a)にWの金属薄膜を形成するときのCVD法は、還
元性ガスであるH2と金属元素を含んだガスであるWF6
を減圧下の反応槽(1)内に導入しながら、かつ基板ホ
ルダ(2)を回転させながら最大強度を与える波長が1.
1〜3μmである赤外線ランプ(8)からの赤外線を石
英ガラス性透過窓(5)と、透明な石英ガラスでできて
いる不活性ガス導入部(6)のガス噴出部(6a)とを透
過させて、基板(3)の表面に照射させると、従来のCV
D法と同様に基板(3)の表面の絶縁薄膜(9)の形成
されていない部分(3a)においては、初期において、次
の(5)式で示される WF6+3/2Si→3/2SiF4+W ……(5) のような化学反応が生じると考えられ、第1の金属薄膜
に相当するWの金属薄膜(10)が第3図に示すように形
成される。しかし、上記(1)式で示される化学反応は
基板(3)の表面の絶縁薄膜(9)の形成されていない
部分(3a)にWの金属薄膜(10)が形成されると、自動
的に停止し、Wの金属薄膜(10)は1000Å以下の膜厚に
とどまることが知られている。
Siの基板(3)は波長1.1μm以上の赤外線に対して
微小な吸収率になり、SiO2の絶縁薄膜(9)は波長3μ
m以下の赤外線に対して微小な吸収率にあり、Wの金属
薄膜(10)は1.1〜3μmの波長域全般においてSiの基
板(3)やSiO2の絶縁薄膜(9)よりも大きな吸収率に
なることが知られているので、Wの金属薄膜(10)はSi
Oの絶縁薄膜(9)より加熱され、Wの金属薄膜(10)
とSiO2の絶縁薄膜(9)とに温度差がつくようになる。
そのためWの金属薄膜(10)の表面においてのみ、次
の(6)及び(7)式で示される 3H2→6H ……(6) WF6+6H→6HF+W ……(7) のような化学反応が生じると考えられ、Wが時間の経過
とともに成長し、第2の金属薄膜に相当するWの金属薄
膜(11)が第1の金属薄膜に相当するWの金属薄膜(1
0)の表面に第4図に示すように形成される。
なお上記実施例によれば、初期において、基板(3)
の表面の絶縁薄膜(9)の形成されていない部分(3a)
にWの金属薄膜(10)が形成されたのち、このWの金属
薄膜(10)とSiO2の絶縁薄膜(9)とが赤外線ランプ
(8)からの赤外線によって温度がつきWの金属薄膜
(10)の表面においてのみ化学反応が生じるようになる
ので、基板(3)の表面の絶縁薄膜(9)の形成されて
いない部分(3a)においてのみWの金属薄膜を形成する
ことができるようになり、第5図で示すように、その形
成する成長速度(符号C)は従来の方法による成長速度
(符号B)に比べて高速度になる。
なお、またガス導入部(4a)からは2次元ジェット状
に反応ガスRとして還元ガスであるH2が反応槽(1)内
の空間Aに噴出される。またガス導入部(4b)からは反
応ガスR′として金属元素を含んだガスであるWF6が同
じく2次元ジェット状に噴出される。他方、上方の不活
性ガス噴出部(6a)からは不活性ガスQとしてArガスが
下方へと噴出される。反応ガスRR′及び不活性ガスQの
噴出流量は外部から制御可能であるが、例えば後者は前
者の3倍の流量とされる。
第6A図に示されるように反応ガスR、R′の流れは基
板(3)の近傍に限られ、しかも層流状態とされる。こ
れは不活性ガスQの流れが反応ガスR、R′の流れを上
方から抑圧するためであると思われるが、このような安
定化作用はコンピュータによる数値シュミレーション並
びに四塩化チタン法可視化実験によって確認されてい
る。なお、流れを全体として見れば、第6C図に示すよう
に反応ガスR、R′の流れ(ハッチングしてある)は局
限化された層流となっており、不活性ガスQの流れがこ
の範囲を定めている。還元すれば、不活性ガスQの流量
を制御することにより、ハッチングの部分の形状、大き
さ、もしくは領域を制御することができる。
第6B図は上方からの不活性ガスQの流れがない場合を
示すが、この場合には反応ガスR、R′の流れは図示す
るように拡散し、空間rの領域では乱流状態となる。こ
のような流れによって従来方式のように炉壁、のぞき窓
などが汚染されることになる。
然しながら、本実施例によれば、反応ガスR、R′の
流れは第6A図又は第6C図に示すように安定化されるの
で、反応成分は基板(3)の近傍のみに限定され、炉
壁、のぞき窓などの汚染が防止される。従って、基板
(3)の金属薄膜(10)に形成される金属薄膜Wの膜質
の向上とダストパーティクルの低減が可能となる。すな
わち、第4図に示すようにWの金属薄膜(10)上に第2
の金属薄膜に相当する次のWの金属薄膜(11)が形成さ
れるのであるが、第19図に示すようなエンクローチメン
ト(40)や空洞(41)の成長を抑えることができて素子
製造の歩留りを向上させることができる。
また反応ガスR、R′の流れが層流とされるため制御
性、再現性にすぐれ不活性ガスQの流量制御により基板
(3)上に形成されるWの金属薄膜(10)及びWの金属
薄膜(11)の金属膜厚分布制御が可能となってくる。
こゝで本実施例のガスフロー方式による効果の理論的
根拠について簡単に述べる。
反応ガスR、R′の流れの状態がエンクローチメント
現象に及ぼす作用機序については未だ不明な点はある
が、以下のような作業仮説を立てる事が可能であろう。
著しいエンクローチメントは本来、金属薄膜によるシリ
コン(Si)面の被覆を以て自発的に停止する筈のシリコ
ン還元反応、すなわち なる反応が反応初期以降も持続する現象である。この時
反応ガスは金属薄膜(10)(11)と絶縁膜(9)側壁間
の間隙、金属薄膜(10)(11)結晶粒界間の微細な間隙
を通過して供給されるものと考えられる。金属薄膜−シ
リコン界面に於てシリコン還元が進行し続ける為には反
応生成物(上記反応式ではSiF4)が有効に空間に排出さ
れなければならない。基板表面近傍に乱流域が存在する
と、乱流拡散によるポンピング作用により、反応生成物
は上記間隙を通して速やかに拡散排出される。しかし表
面が全面層流で被覆されている場合、反応生成物の排出
は分子拡散に因る他なく、これは上記間隙が十分狭隘で
あれば乱流拡散に対して無視できる程に遅い過程であ
る。以上の仮説により基板表面近傍のガス流制御がエン
クローチメント現象に大きく関与する事実が理解されよ
う。
なお、本実施例において成長温度、全圧、反応ガス分
圧を同一条件とし不活性ガス流Qによるガス流R、R′
の整流を行った場合と行なわなかった場合につき比較実
験を実施した。この時反応性ガスとしては上述と同様に
六弗化タングステン(WF6)と水素H2、不活性ガスとし
てはアルゴArを用い成長温度400℃、全圧約0.7torr、タ
ングステン(W)膜をコンタクトホールに凡そ7000Å堆
積した場合の電気顕微鏡断面観察によれば、不活性ガス
流Qを用いなかった場合の水平、垂直侵蝕長は各々320
0、8000Å以上であり、不活性ガス流Qを用いた場合は
各々400、8000Å以下である事が確認された。又広範囲
に互る種々の条件下での成膜実験により上記整流作用に
よりエンクローチメント抑止効果は、成長温度、圧力と
は独立なパラメータとして作用する事も確認された。
なお上記実施例では、還元性ガスにH2、金属元素を含
んだガスにWF6をそれぞれ用いているが、これらに限定
されず還元性ガス及び金属元素を含んだガスはいかなる
ものであってもよく、例えば、金属元素を含んだガスは
MoF6、TaF5、CrF4、TiF4、TiCl4、MoCl5、WCl6、AlCl3
等であってもよい。又絶縁薄膜(9)にSiOを用いてい
るが、これに限定されることなく、例えば、Al3O3、BSG
(Borosilicate glass)PSG(Phosposilicate glas
s)、BPSG(Borophoshosilicate glass)等の酸化物、
若しくはBN、SiNx等の窒化物、又はSiNxOy等の化合物で
あってもよい(但しx、yは数値)。更に、第1の金属
薄膜及び第2の金属薄膜に相当するものとしてWの金属
薄膜を用いているが、これに限定されることなく、第1
の金属薄膜及び第2の金属薄膜は、例えば、Mo、Ta、C
r、Ti、Al等の金属、若しくはこれらの合金又はWの合
金であってもよい。基板(3)にSiを用いているが、第
7図に示すようにSiの基板(3)の表面の一部に元素周
期律表の第III属又は第V属に属する元素(12)をイオ
ン注入で打込みSiの基板(3)の表面の絶縁薄膜(9)
を形成していない部分(3a)には少なくともSi元素が露
出しているだけの基板でもよい。又、基板(3)は最上
層にSiの薄膜が形成されていれば、いかなる構造・材質
のものでもよく、例えば、第8図に示すように、サファ
イヤ(13)の表面にSiの薄膜(14)を形成したものであ
ってもよい。更に、第1の金属薄膜に相当するWの金属
薄膜が成長する場合、あらかじめ基板(3)の表面に露
出していたSi元素がWの金属薄膜中に拡散したものであ
ってもよく、第1の金属薄膜に相当するMo、Ta、Cr、T
i、Al等の金属、若しくはこれらの合金又はWの合金の
金属薄膜が成長する場合にも、あらかじめ基板(3)の
表面に露出していたSi元素がWの金属薄膜中に拡散した
ものであってもよい。赤外線ランプ(8)の最大強度を
与える波長を1.1〜3μmにしているが、0.75〜5μm
の波長であれば、同様の効果を得ることができる。第9
図に示すように加熱ランプ(15)を用い、加熱ランプ
(15)と透明な石英ガラス製透過窓(5)との間に光学
フィルタ(16を配設して、光学フィルタ(16)を透過し
た光の最大強度を与える波長を、0.75〜5μmにしても
よい。赤外線ランプ(8)からの赤外線による照射は、
第10図及び第11図に示すように、基板(3)からの背面
からであってもよい。第10図及び第11図において、基板
ホルダ(2)は石英等の透明な部材でできており(17)
は不活性ガス導入口である。これからの不活性ガスによ
り赤外線ランプ(8)及び基板ホルダ(2)に反応物が
付着するのを防止する。第12図に示すように、基板ホル
ダ(2)は加熱手段(18)を備えたものであってもよ
い。あるいは、透明な基板ホルダ(2)内に赤外線ラン
プ(8)を備えてもよい。この場合には上方の赤外線ラ
ンプ(8)を省略することができる。また第1図では基
板ホルダ(2)を回転させるようにしたがしないように
してもよい。
また以上の実施例では反応ガスR、R′を噴出するガ
ス導入部(4a)(4b)はスリット状開口を有するもので
あったが、第13図に示すように上述の実施例のような偏
平な中空管体(50)の端壁に多数の小孔(51)を形成さ
せたものであってもよい。この場合には金属元素を含ん
だガスと還元性ガスとの混合ガスが小孔(51)から噴出
される。あるいは、第14図に示すように偏平な中空管体
(60)の端壁に横方向に並ぶスリット(61)(62)を形
成させるようにしてもよい。
また以上の実施例では不活性ガス噴出部(6a)にいわ
ゆる多孔板が用いられたが、これに代えて適当なアスペ
クト比をもつ透明なストレイナー又はハネカム(honeyc
omb)を用いてもよい。あるいはこれと多孔板とを併用
するようにしてもよい。
また、以上の実施例では基板に対向するガスとして不
活性ガスを用いたが、これに代えて一部反応性ガスを含
んでいるガスであってもよい。その場合、この反応性ガ
スはダストパーティクルを発生させないガス種であるこ
とが必要である。例えば、H2、N2、O2などが含まれてい
てもよい。
また以上の実施例ではH2のガス導入部(4a)とWF6
ガス導入部(4b)とを別に設けたが、これらを一つにし
て、これらの混合ガスを槽(1)内に導入するようにし
てもよい。
〔発明の効果〕
この発明は、上記のような構成をしているので表面の
一部に絶縁薄膜を形成している基板の絶縁薄膜を形成し
ていない部分にのみ金属薄膜を高速度で形成することの
できるようになる。しかも基板の表面に対向するように
導入された不活性ガスのガス流又は不活性ガスを主体と
するガス流は、基板近傍で金属元素を含んだガスと還元
性ガスとのガス流の舞い上がりを力学的に押え込むと共
に、これらガスの成分の乱流拡散を防止するので、これ
らガスの流れが層流状態となり、第1の金属薄膜下の基
板及び絶縁薄膜下の基板への金属元素の侵蝕現象(エン
クローチメント)や空洞の発生を成長温度、圧力とは独
立な外部から制御し得るパラメータで抑制することがで
き、そのめ制御性、再現性の良い成膜ができるので、エ
ンクローチメントや空洞の成長を抑止して良質の金属薄
膜を形成することができる。不活性ガスの流量制御によ
り層流となる反応ガス部分の形状、大きさ、もしくは領
域をも制御することができるので、制御性、再現性にす
ぐれ、基板の絶縁薄膜を形成していない部分に形成され
る金属膜厚分布制御が可能となる。更に、金属元素を含
んだガス及び還元性ガスの成分が基板近傍にのみ押し込
まれる為、炉壁や覗き窓等の汚染を防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例に用いられる装置の概略断面
図、第2図は基板(3)の表面の一部にSiO2の絶縁薄膜
(9)を形成し、表面のその他の部分(3a)に絶縁薄膜
(9)を形成していない状態を示す断面図、第3図は基
板(3)の表面の絶縁薄膜(9)を形成していない部分
(3a)に第1の金属薄膜に相当するWの金属薄膜(10)
を形成した状態を示す断面図、第4図は第3図に示す第
1の金属薄膜に相当するWの金属薄膜(10)の表面に第
2の金属薄膜に相当するWの金属薄膜(11)を形成した
状態を示す断面図、第5図は横軸に1000/基板の温度
(K)、縦軸にWの金属薄膜の成長速度(Å/min)をと
り、この発明の実施例の方法によるWの金属薄膜の成長
速度(符号C)と従来の方法によるWの金属薄膜の成長
速度(符号B)との実験データをそれぞれ示すグラフ、
第6A図〜第6C図はガス流の作用を示す第1図と同様な概
略断面図、第7図はSiの基板(3)の表面の一部に元素
周期律表の第III属又は第V属に属する元素(12)をイ
オン注入で打込みSiの基板(3)の表面の絶縁薄膜
(9)を形成していない部分(3a)に少なくともSi元素
を露出させている状態を示す断面図、第8図はサファイ
ヤ(13)の表面にSiの薄膜(14)を形成した基板(3)
を示す断面図、第9図は加熱ランプ(15)と透明な石英
ガラス製透過窓(5)との間に光学フィルタ(16)を配
設して、光学フィルタ(16)を透過した光の最大強度を
与える波長を、0.75〜5μmにする装置の概略構成図、
第10図及び第11図は基板(3)の背面より赤外線ランプ
(8)からの赤外線を照射する断面図、第12図は基板ホ
ルダ(2)に加熱手段(18)を備えた断面図である。第
13図、第14図は第5、第6変形例を示す要部の正面図。
第15図は従来の方法に用いられる装置の概略断面図、第
16図は基板(25)の表面の一部にSiO2の絶縁薄膜(27)
を形成し、表面のその他の部分に絶縁薄膜(27)を形成
していない状態を示す断面図、第17図は基板(25)の表
面の絶縁薄膜(27)を形成していない部分(25a)にW
の金属薄膜(28)を形成した状態を示す断面図、第18図
は初期にできたWの金属薄膜(28)の表面に次のWの金
属薄膜(29)を形成した状態を示す断面図、第19図は第
18図の基板の部分拡大断面図である。 なお図において、 (1)……反応槽 (3)……基板 (3a)……絶縁薄膜の形成されていない部分 (8)……赤外線ランプ(加熱ランプ) (9)……絶縁薄膜 (10)……Wの金属薄膜(第1の金属薄膜) (11)……Wの金属薄膜(第2の金属薄膜) 図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/285 301 H01L 21/285 301R 21/3205 21/88 K (72)発明者 中山 泉 平塚市菫平12−12−2−707 パレ平塚 すみれ平 (56)参考文献 特開 昭59−4434(JP,A) 特開 昭60−145376(JP,A) 特開 昭63−7619(JP,A) 特開 昭63−14870(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも金属元素を含んだガスを減圧下
    の反応槽内の基板の表面にほぼ平行にシート状の流れで
    導入しかつ前記基板の表面に対向するように不活性ガス
    のガス流又は不活性ガスを主体とするガス流を制御して
    導入しながら、前記少なくとも金属元素を含んだ前記ガ
    スを層流状態とし、前記表面の一部に絶縁薄膜を形成し
    ている前記基板の前記絶縁薄膜を形成していない部分
    に、前記金属元素をもった第1の金属薄膜を形成したの
    ち、前記金属元素を含んだガスと還元性ガスとを前記反
    応槽内の前記基板の表面にほぼ平行にシート状の流れで
    導入し、かつ前記基板の表面に対向するように不活性ガ
    スのガス流又は不活性ガスを主体とするガス流を制御し
    て導入しながら、前記金属元素を含んだガスと前記還元
    性ガスとを層流状態とし、前記基板に波長0.75〜5μm
    で最大強度の光を与える加熱ランプの前記光を照射し、
    前記絶縁薄膜、前記基板及び前記第1の金属薄膜のそれ
    ぞれの前記光の吸収率の差を利用して、前記絶縁薄膜と
    前記第1の金属薄膜とに温度差をつけ、前記第1の金属
    薄膜の表面においてのみ化学反応を生じさせ、前記第1
    の金属薄膜の表面に前記金属元素をもった第2の金属薄
    膜を形成することを特徴とするCVD法。
  2. 【請求項2】前記還元性ガスをH2、前記金属元素を含ん
    だガスをWF6、MoF6、TaF5、CrF4、TiF4、TiCl4、moC
    l5、WCl6、AlCl3等の金属ハロゲン化物のガスのいずれ
    か1つ又はそれらの2つ以上の組み合わせガスにするこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のCVD法。
  3. 【請求項3】前記絶縁薄膜をSiO2、Al2O3、BSG、PSG、B
    PSG等の酸化物、若しくはBN、SiNX等の窒化物、又はSiN
    XOy等の化合物のいずれか1つ又はそれらの2つ以上の
    組み合わせにすることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項又は第2項記載のCVD法。
  4. 【請求項4】前記第2の金属薄膜をW、Mo、Ta、Cr、T
    i、Al等の金属のいずれか1つ又はこれらの合金にする
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項から第3項まで
    のいづれかの項に記載のCVD法。
  5. 【請求項5】前記基板をSiにし、前記基板の表面の前記
    絶縁薄膜を形成していない部分には少なくともSi元素が
    露出していることを特徴とする特許請求の範囲第1項か
    ら第4項までのいずれかの項に記載のCVD法。
  6. 【請求項6】前記基板は最上層にSiの薄膜が形成されて
    いることを特徴する特許請求の範囲第1項から第4項ま
    でのいずれかの項に記載のCVD法。
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