JP2525797Y2 - 自動車用電光表示装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、各種自動車の主として後部に取り付けて後
続車に種々の内容を報知するのに用いる自動車用電光表
示装置に関するものである。

＜従来の技術＞ 斯かる自動車用表示装置としては、タクシーやバス等
の営業車の後側窓部に取り付けて広告宣伝内容を表示す
るものや、一緒にドライブする仲間同士で通知内容を表
示するもの等がある。

一方、自動車の走行状態や走行予定を前方車や後続車
に報知する表示手段として、ブレーキランプや方向指示
器が存在する。

＜考案が解決しようとする課題＞ 然し乍ら、前述のブレーキランプは、ブレーキペタル
が踏み込まれたことを単にランプの点灯により表示する
のみで、その踏力まで表示できない。そのため、急ブレ
ーキがかけられたり、スリップしていても、それを後続
車に伝達することができず、また、近年ではブレーキラ
ンプを後側窓部に取り付けて後続車に確実に視認できる
ようにした自動車もあるが、ブレーキランプの点灯は見
落とし易い。これらが追突事故発生の原因の一つになっ
ている。

本考案は、このような従来の問題点に鑑みてなされた
ものであり、通常時にはメッセージ等の表示を行なうと
ともに、異常走行の発生時にのみその状態を文字や図形
により自動的に表示して近くの走行車に確実に伝達でき
る自動車用電光表示装置を提供することを技術的課題と
するものである。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は、上記した課題を達成するための技術的手段
として、自動車用電光表示装置を次のように構成した。
即ち、電光表示板がその表示面を外部に向け表示するよ
う装設された自動車用電光表示装置において、宣伝広告
やメッセージ等の一般報知内容の表示データと、急ブレ
ーキやスリップ等の異常発生報知の文字や図形による表
示データとを記憶する記憶手段と、急ブレーキやスリッ
プ等の異常走行状態の発生を検知する異常検知手段と、
通常時には前記記憶手段から一般報知内容の表示データ
を読み出して前記電光表示板に表示させるとともに、前
記異常検知手段から検知信号が出力された時のみ前記記
憶手段から該検知信号に対応する異常発生報知の表示デ
ータを読み出して前記電光表示板に切り換え表示させる
制御部とを備えてなることを特徴として構成されてい
る。

＜作用＞ 走行異常の発生していない通常時には、制御部は記憶
手段から所定のまたは指示された一般報知内容の表示デ
ータを読み出して電光表示板に表示させる。

そして、急ブレーキやスリップ等の走行異常が発生す
ると、これを異常発生手段が検知して検知信号を制御部
に対し出力する。制御部は、入力検知信号に応じた異常
発生報知の表示データを記憶手段から読み出し、且つ電
光表示板に、一般報知内容の表示に代えて急ブレーキま
たはスリップの発生を文字や図形により表示させる。従
って、走行異常の発生を後続車等に確実に伝達すること
ができ、追突等の事故を未然に防止できる。

＜実施例＞ 以下、本考案の好ましい一実施例について図面を参照
しながら詳細に説明する。

第１図は本考案の一実施例のブロック構成を示し、同
図において、中央処理装置１は、ROM4に記憶されたソフ
トプログラムに従い信号処理して装置全体を制御するも
ので、急ブレーキ検知部２またはスリップ検知部３から
の検知信号の入力の有無に応じてRAM5に予め記憶されて
いる表示データを読み出し、且つこの表示データをドラ
イバー回路６を介して電光表示板７に表示させる。

急ブレーキ検知部２は、高分子複合圧電材料を用いて
構成された圧電形加速度センサ2aが、自動車の前後方向
の振動を検出するよう固設されており、この加速度セン
サ2aの振動検出信号がハイパスフイルタ2bを通過するこ
とにより急発信時および急ブレーキ時の信号のみが抽出
され、この抽出信号が増幅器2cで増幅された後にローパ
スフイルタ2dを通じて不要なビビリ振動ノイズが除去さ
れ、更に、比較器2eにおいて基準信号と比較されて一定
以上の負方向の加速度信号、即ち急ブレーキによる加速
度信号が検出される。

スリップ検知部３は、車輪の回転数から車輌の速度を
算出する車輪速度検出部3aと、車輪の対地速度を検出す
る車輌速度検出部3bと、車輌速度検知部3aと車輌速度検
知部3bとからそれぞれ出力される各電圧の差に比例した
電圧を出力する差動増幅器3cと、この差動増幅器3cの出
力電圧が一定値以上になったか否かを検出する比較器3d
とにより構成されている。車輌速度検出部3aは、殆んど
全ての自動車の運転席に設置されている速度計を作動さ
せるための車輪の回転数と車輪の周長および経過時間か
ら算出される速度信号を利用して車輪の回転による車輌
の推定速度を検知する。車輌速度検出部3bは、例えばレ
ーザ光のドップラー効果を利用して対地速度を測定する
もので、自動車から走行路面に対し二方向よりレーザ光
を照射し、一方向からの反射散乱光を検出し、この検出
する反射散乱光に発生する干渉じまによる交流波形の周
波数からこれに比例する速度を検出する。

電光表示板７は、第２図に示すように自動車８の後側
窓部8aの下端部において外部に向け表示するよう装設さ
れている。また、RAM5には、第２図に示すような宣伝広
告や第３図（ａ）に示すようなブレーキペタルの踏み込
み操作の表示、その他のメッセージ等の一般式な報知内
容の表示データと、第３図（ｂ）に示す急ブレーキの発
生表示や、同図（ｃ）に示すスリップの発生表示等の異
常発生報知の文字や図形による表示データとを記憶して
いる。尚、第１図において、A/D変換器やD/A変換器或い
はインターフェイス等の実用上において当然に付加され
る種々の構成要素は省略してある。

次に、前記実施例の作用について説明する。急ブレー
キやスリップ等の走行異常が発生していない通常時に
は、急ブレーキ検知部２およびスリップ検知部３の何れ
からも検知信号が出力されないので、中央処理装置１が
RAM5から宣伝広告の表示データを読み出して第２図に示
すように電光表示板７に表示させる。そして、走行時に
おいてブレーキペタルが踏み込まれると、図示していな
いが既存のブレーキランプの点灯信号が中央処理装置１
に入力され、それによりRAM5からブレーキ発生の表示デ
ータが読み出されて第３図（ａ）に示すように電光表示
板７にブレーキ力の発生を文字と図形により表示する。
このブレーキ表示は、ブレーキペタルが踏まれた時のみ
第２図に示す宣伝広告内容に代えて行なわれる。

そして、走行中に急ブレーキがかけられると、それを
急ブレーキ検知部２が検知して中央処理装置１に対し急
ブレーキ検知信号が出力されることにより、中央処理装
置１がRAM5から該当表示データを読み出して第３図
（ｂ）に示すように電光表示板７に急ブレーキの発生を
文字と図形により明確に表示する。この急ブレーキ表示
は、急ブレーキ検知部２から急ブレーキ検知信号が出力
されている期間のみ第２図に示す宣伝広告内容に代えて
表示される。

尚、前記実施例ではブレーキペタルを踏んだ状態と急
ブレーキ発生時との２種の表示を行なう場合について例
示したが、これらの表示に加えて、例えば下辺に沿って
レベルメータ式の表示部を設け、ブレーキペタルの踏込
み度合いを棒グラフ状に表示することもできる。

次に、凍結した道路や雪道等のように車輪との摩擦係
数が小さい道路においてブレーキペタルを踏んでスリッ
プが発生すると、車輌速度検出部3bで検出された車輌の
対地速度と車輪速度検出部3aで検出された車輌の回転に
伴う推定速度との差が比較器3dの設定値よりも大きくな
り、スリップ検知部３からスリップ検知信号が中央処理
装置１に対し出力されることにより、中央処理装置１が
RAM5から該当表示データを読み出して第３図（ｃ）に示
すように電光表示板７にスリップの発生を文字と図形に
より明確に表示する。このスリップ発生表示は、スリッ
プ検知部３からスリップ検知信号が出力されている期間
のみ第２図に示す宣伝広告内容に代えて表示される。従
って、走行異常の発生を後続車に確実に伝達することが
でき、追突等の事故を未然に防止できる。この表示と同
時に自車の車内に警報音を発するようにすれば、スリッ
プの発生し始めをいち早く察知してブレーキペタルを断
続的に踏むようにでき、自車の事故を未然に防げる。

尚、本考案は前記説明並びに図面の内容にのみ限定さ
れるものではなく、請求の範囲を逸脱しない限り種々の
変形例をも包含し得る。例えは、一般報知内容の表示デ
ータとして、右折や左折を示す矢印等の表示データや、
一緒にドライブする仲間に対するメッセージ等の表示デ
ータを予め記憶させておき、これらの表示データを方向
指示器の検知信号や操作釦による入力信号により読み出
して表示することもできる。

＜考案の効果＞ 以上のように本考案の自動車用電光表示装置による
と、通常時には宣伝広告やメッセージ等の一般報知内容
の表示を行な得るとともに、急ブレーキやスリップ等の
異常走行の発生時に、その発生時のみ一般報知内容の表
示に代えて文字や図形により明確に表示できるので、走
行異常の発生を後続車に確実に伝達することができ、追
突等の事故を未然に防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のブロック構成図、 第２図はそれの自動車に設置した状態の概略斜視図、 第３図はそれの電光表示板の表示例を示す図である。 １…中央処理装置（制御部） ２…急ブレーキ検知部（異常検知手段） ３…スリップ検知部（異常検知手段） ５…RAM（記憶手段） ７…電光表示板 ８…自動車

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】電光表示板がその表示面を外部に向け表示
   するよう装設された自動車用電光表示装置において、宣
   伝広告やメッセージ等の一般報知内容の表示データと、
   急ブレーキやスリップ等の異常発生報知の文字や図形に
   よる表示データとを記憶する記憶手段と、急ブレーキや
   スリップ等の異常走行状態の発生を検知する異常検知手
   段と、通常時には前記記憶手段から一般報知内容の表示
   データを読み出して前記電光表示板に表示させるととも
   に、前記異常検知手段から検知信号が出力された時のみ
   前記記憶手段から該検知信号に対応する異常発生報知の
   表示データを読み出して前記電光表示板に切り換え表示
   させる制御部とを備えてなることを特徴とする自動車用
   電光表示装置。