JP2525734B2 - インフルエンザワクチン - Google Patents

インフルエンザワクチン

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 (1) 発明の分野 この発明は、インフルエンザに対するワクチンの成分
として用いるウィルス株の選択方法、そのようなワクチ
ンの製造法および本発明の方法で製造されるワクチンに
関する。
(2) 従来技術の説明 インフルエンザは、主としてインフルエンザウィルス
と関連する抗原変異性をもっているため人類にとってい
まなお危険な疾病である。インフルエンザウイルスには
3つのタイプ(A、BおよびC)があり、それらの内部
蛋白質問に血清学的交差反応性がないことによって定義
されている。インフルエンザAウイルスはさらに、それ
らの糖蛋白質である赤血球凝集素(HAまたはH)および
ノイラミニダーゼ(NAまたはN)の抗原としての差異に
基づいてサブタイプに分類されている。ヒトのインフル
エンザウイルスの最も重要なタイプは現在、A型のサブ
タイプH1N1とH3N2およびB型である。それ故これらは、
インフルエンザワクチンに導入されるタイプである。
インフルエンザウイルスAとBの赤血球凝集素(HA)
抗原は、抗原特異性が再三しかも進行的に変化するが、
この変化によってウイルスは、ヒト身体の免疫応答によ
る中和を回避しょうとしている。この「抗原連続変異
(antigenic drift)」は、多分免疫応答の圧力下に自
然淘汰によって起こる、HA抗原とNA抗原のアミノ酸配列
の変化によってもたらされるものである。ある特定のイ
ンフルエンザの発生から分離したインフルエンザウイル
スの特定の株によるワクチン接種では、その後の発生に
対して到底完全には保護できない、ということはよく知
られている。それ故、新しいワクチンが、最新の抗原連
続変異に対抗するために、新しい分離株(recent isola
tes)から継続的に作製されている。インフルエンザA
ウイルスについては、ワクチンへの新しい株の導入は、
多くても年1回の頻度で行なわれている。
孵化鶏卵(embryonated hens'eggs)内で分類株を倍
養することは、商業規模でインフルエンザワクチンを製
造する際の慣行である。最初に当該ウイルスは、咽喉用
綿棒または類似の起源から回収され、鶏卵内で分離され
る。最初の鶏卵内での分離はむずかしいが、ウイルスは
鶏卵宿主に順応し、続いての鶏卵内での増殖が比較的容
易に起こる。これとは異なり、最初の分離株は、通常例
えばMDCKとして知られている周知のイヌの腎臓細胞を用
いて、哺乳動物組織倍養で作製できるが、哺乳動物組織
倍養は、形質転換細胞の使用によって逆の効果が起るか
もしれないという懸念があるので、インフルエンザワク
チンの大量生産には好ましくなかった。かような細胞を
ワクチン生産の基質として使用することは現在は認可さ
れていない。さらにヒト二倍体細胞のような代りの細胞
の使用にも生産上の問題がある。
最も重要な単一インフルエンザウイルス蛋白質である
赤血球凝集素(HA)の抗原連続変異のために、ワクチン
用の現行ウイルス株の適合性は、継続的に再評価されな
ければならない。この再評価は、孵化鶏卵内で分離・培
養されたフィールド株のHAの抗原構造を分析することに
よって、過去30年間行われてきた。かような候補のウイ
ルス株のいくつかは通常、血球凝集阻止反応(HI)テス
トを用いて、多クローン性のフェレットやヒトの抗血清
およびごく最近ではモノクローナル抗体に対してスクリ
ーニングされている。ヒト血清と反応性が低くまた反応
の頻度も低いウイルスが通常選択され、かようなウイル
ス(またはそのウイルスのHA及びNA遺伝子を含有するリ
ァソータント(reassortant)は、さらに鶏卵中を通過
させると、不活化ワクチン用に大量のウイルスを産生す
る。低い反応性の標準は、抗原連続変異をうけたために
人間集団はほとんど抵抗性を示さなくなったであろうウ
イルスを示すものであると考えられてきた。かようなウ
イルスは、将来伝染病を発生させる可能性があるので、
ワクチンに使用するための最良の選択であろう。
いくつかのインフルエンザワクチンの効力は凝わし
い、ということは臨床医学者によって長らくいわれてき
たことである。これらの事柄は、鶏卵順応ウイルス(eg
g−adapted virus)と哺乳類組織培養で専ら培養したウ
イルスとの抗原性の比較から得られた最近の証拠から重
要性が増加した。G.C.schildらNature303,706−709頁
(1983年)と「The Molecular Uirology and Epidemiol
ogy of Influenza」(Sir Cbarles Stuart−Harrisおよ
びC.M.Potter教授編集)、アカデミックプレス社、ロン
ドン、ニユーヨークおよびオーランド−,(1984年),1
63〜174頁の報告で、血球凝集阻止反応(HI)試験法と
ウイルス中和試験法にモノクローナル抗体と多クローン
性抗体の両方を用いて、鶏卵順応ウイルスが、同じ臨床
試料から得たウイルスではあるが組織培養(MDCK)細胞
内で専ら培養されたものとは抗原性が異なるということ
を立証している。さらにMDCK由来のインフルエンザB型
もしくはA(H1N1)型ウイルスは、血球凝集阻止反応テ
ストと中和反応テストを用いて、感染後のヒト血清中
で、鶏卵順応ウイルスよりも、高頻度かつ高力価で抗体
を検出する。G.C.schild及び同僚のJ.S.OxfordとJ.S.Ro
bertson(the Notional Institute for Biological Sta
ndards and Control,Blanche Lanc,South Mimms,Potter
s Bar,Hertford,EN6 3QG)は、これらの知見は、疫学
の研究、ウイルスの研究およびことによるとワクチン生
産に鶏卵順応ウイルス株を引続き使用することに関連し
て重大な意味があると述べている。
赤血球凝集素(HA)抗原はインフルエンザウイルスの
主要な抗原決定基を提供する。その役割は、ウイルスを
宿主細胞に結合させ、その後、細胞内でウイルスのエン
ベロープを細胞膜に融合させることである。HAのH3サブ
タイプの三次元構造が確認されている。H1N1及びH3N2な
らびにインフルエンザBのHAの抗原性部位が同定され、
その蛋白質の「球状ヘッド」の表面に主として位置して
いることが確認されている。そのHAが細胞に結合してい
る部位も、球状ヘッド上にあることが確認された。
多くのHA類のヌクレオチドやアミノ酸の配列が知られ
ている。G.Winterらは、H1サブタイプ由来のHAの配列決
定を行ない(sequenced HA)、インフルエンザAのH2と
H3サブタイプのHAと比較したが(Nature292,72〜75頁
(1981年))、一方M.Kyrstalらは、B型ウイルスのHA
の配列決定を行ない(Proc.Natl.Acad.Sci、USA79,4800
〜4804頁(1982年))、またF.L.Raymondらは、1950年
から1983年にかけて分離されたA型サブタイプH1の19株
の球状ヘッド部分中のHAヌクレオチドの配列を分析した
(Virology148,275〜287頁(1986年))。この分野で
は、G.Winterらが上記論文の74頁で述べているように、
H3サブタイプに基くアミノ酸ナンバリングシステムを用
いるのが通例である。このナンバリングシステムは血清
型AのH1、H2およびH3サブタイプの欠失と挿入の差異を
考慮に入れており、B型にも使用される。またこのナン
バリングシステムは、特に記載がなければ、この明細書
でも用いている。
J.S.Robertsonらは、(a)細胞内で分離・培養した
ウイルスの株と(b)細胞内で分離して鶏卵に順応させ
たウイルスの株との間の、HAのアミノ酸の差異を分析し
たいくつかの報告を1984年と1985年に発表した。1985年
9月、英国ケンブリッジで口頭発表され標題が「Charac
terization of egg−adapted variants of human infeu
enza viruses」という報告が代表的なものと思われる。
この報告は、「The Biology of Hegatine Strand Virus
es」(B.W.J.MahyおよびD.Kolakofsky編集)、Elaevier
Biomedical Press社(1987年)の412〜416頁に掲載さ
れた。試験したすべての鶏卵順応ウイルスのHAに共通の
特徴は、受容体の結合部位に隣接しているアミノ酸の置
換位置であると報告されている。A(H1N1)では、残基
138、187、189、190および225はすべて前記受容体の結
合部位に近接して位置している。細胞培養由来のH1N1ウ
イルスのHAのグリコシル化部位の部分を形成する残基16
3は、分子の受容体結合部位の反対側に位置している
が、163におけるN(アスパラギン)残基に炭水化物側
鎖があり、これが隣接するHA分子の受容体特異性に影響
する可能性がある。A(H1N1)においては、これらの変
換のいつくか(残基163と190と、ある場合には残基22
5)によってはHAの抗原性が変化しなかったようである
が、他の変換(残基187と189と、ある場合には残基22
5)によってはHAの抗原性が変化し、また187と189にお
ける置換に時々付随して起こるいくつかの変換(残基6
5、138、300)は、これらの変異体の抗原性の変化に影
響を与えたようである。B血清型については、J.S.Robe
rtsonらのVirology143、166〜174頁(1985年)を参照さ
れたい。B型の命名法における、HA残基196〜198(H3ナ
ンバリングの187〜189に相当)は、グリコシル化部位を
構成する。B型ウイルスの鶏卵順応に伴って196のNと1
98のTのいずれかのアミノ酸の置換が起こり、抗原プロ
フィール(antigenic profile)の変化が同時に起こ
る。
米国ソルトレークシティのユタ大学の細胞ウイルス及
び分子生物学部のJ.S.Robertson博士が、米国ロサンジ
ェルスのカリフォルニア大学が1985年に催したシンポジ
ウムにおいて、1985年4月26日に口頭発表した報告で
は、MDCK細胞中で培養し次いで鶏卵に順応したウイルス
の抗原プロフィールが、いくつかの異なるモノクローナ
ル抗体と、ヒトとフェレットの多クローン性抗血清の試
験セットを用いるHIテストで、MDCK細胞で倍養されたウ
イルスと比較された。鶏卵順応ウイルスのいくつかは、
抗原性について細胞で培養されたウイルスと区別するこ
とができなかったので、「細胞状(cell−like)」と命
名された。他のウイルスは、最初の分離株を鶏卵中で作
製した時に得られた抗原プロフィールとは区別できなか
った異なる抗原プロフィールを有することが見出され
た。これらのウイルスは「鶏卵状(egg−like)」と命
名された。さらに上記のウイルスと異なる第三のグルー
プのウイルスがあり、このグループは一般にいずれの抗
体に対してもそれほど反応性でなかった。これらのウイ
ルスは「オッド(odd)」と命名された。MDCK細胞で分
離されたウイルスの鶏卵内通過に際して生ずるこれらの
抗原性の変化は、HAのアミノ酸の置換に関係があること
が見出された。これらの種々の先行報告はいずれも、イ
ンフルエンザワクチンを一層有効にするには何をなすべ
きかについてはいかなる結論にも到達していなかった。
J.L.Latheyらは、Journal of Medical Virology,19,1
55−159頁(1986年)に、細胞で倍養されたウイルス、
すなわちアフリカミドリザルの腎臓細胞中で培養された
ウイルスからの抗原性抽出物が、インフルエンザBの感
染経路の診断には、卵で倍養されたウイルスからのそれ
よりも優れているということを示した。これらの著者
は、鶏卵で培養したウイルスを続いて前記のサルの腎臓
細胞を通過させると抗原性が変化することに注目し、鶏
卵通過によって誘導されたアミノ酸配列の変化は続いて
哺乳類の細胞を通過させる際には可逆的となるという考
えを提唱した。
S.PattersonとJ.S.Oxfordは、Vaccine,79〜90頁(1
986年)に掲載の報告で、ウイルスと宿主細胞との相互
作用について、最近総説を発表した。この報告の第1表
は、分離と通過の様々の経歴をもったウイルス間の抗原
性の差異を査定するため、3つのモノクローナル抗体の
HIテストの結果を示している。これらの抗原性の差異を
検討した後、得られた結果のワクチンに対する関連につ
いて意見を述べている。回復期のインフルエンザ患者の
高血清が、卵内で倍養されたウイルスよりも細胞内で培
養されたウイルスとよく反応することに注目して、彼等
は、哺乳類の細胞内で作製されたインフルエンザワクチ
ンのポテンシャルを研究中であると述べている(81頁右
側欄)。
Robersonらの前記の先行開示事項は、動物細胞内で分
離し鶏卵内を通過させたウイルスの抗原特性が「細胞
状」のまゝであるかも知れないということを示している
点で、本願発明者らは科学的に重要であると考えたので
ある。この事柄は、卵内で分離し細胞内を通過させたウ
イルスは抗原特性が「鶏卵状」のまゝであるという、Na
tureの1983年の前記報告におけるScildらのさらに早い
知見を補足する。本願発明者らには、通常の方法により
鶏卵内でウイルスを培養してワクチン株を生産すると、
インフルエンザに羅患している患者から採取した試料中
に存在するウイルスの特質を示す抗原プロフィールが変
るかも知れない、と思われた。それ故、本願発明者らに
は、ワクチン株を動物細胞内で分離・培養する方がよい
のかも知れない、と思われた。形質転換された細胞が使
用される心配があれば(前記参照)、ヒト二倍体細胞ま
たはなにか他の形質転換されていない動物細胞を用いな
ければならないであろう。かような細胞では、産生が困
難なことが予想されるのでウイルスは低い力価で生産さ
れるにすぎないであろう。
発明の要約 鶏卵内で分離され、細胞内では全く培養されたことの
ないある種の株が、「細胞状」抗原特性を示すというこ
とが見出されたのである。さらに、これらの「細胞状」
の鶏卵内で分離されたウイルス株は、抗体類と高い力価
で反応し、ワクチンの製造用の価値の高いものであるこ
とが見出された。したがって、鶏卵で分離された候補株
をテストしてその抗原特性を測定して「細胞状」の候補
株だけを選択することによってワクチン株を提供するこ
とができるのである。
かくしてこの発明は、孵化鶏卵内で候補のインフルエ
ンザウイルスを分離し、これらのウイルスが動物細胞内
でのみ分離・培養したこと以外は同じ株との抗原類似性
を有するかどうか、すなわち「細胞状」であるか否かを
決定し、次いでそのような細胞状株またはそのHA遺伝子
およびNA遺伝子をもつリアソータントを少なくのも1株
ワクチン製造用に選択することからなる、キルドワクチ
ン(Killed vaccine)製造に用いるインフルエンザウイ
ルス株の製造方法を提供するものである。
この発明には、特に非常によく流行しているA(H1N
1)サブタイプ、A(H3N2)サブタイプおよび余り一般
的でないB型を含むすべてのヒトインフルエンザウイル
ス、ならびに他の哺乳動物特に馬及び豚更に鳥に感染す
るインフルエンザウイルスが含まれる。
抗原特性はいずれの通常の方法でも分析することがで
きるが、フエレットもしくはヒトのような適切な動物の
モノクローナル抗体および/または多クローン性血清の
パネルを用いるのが好ましい。鶏卵内で各候補株の分離
株を作製し、また別個に例えばイヌの腎臓細胞で分離株
を作製して、それぞれを鶏卵内のみで及び動物の細胞内
のみでそれぞれ培養し、次いで同じ起源もしくは試料由
来の鶏卵分離・鶏卵培養株および細胞分離・細胞培養株
の抗原プロフィールを比較するのが望ましい。この方法
は、細胞状鶏卵培養株と強く反応する抗体が、対応する
細胞培養株、すなわち同じもとの起源もしくは試料由来
の細胞培養株と強く反応する抗体であるということを確
認するための、内部参照(internal reference)のよい
手段である。
また、多くの鶏卵培養株は鶏卵状特性を有しているの
で、この事実より、細胞状鶏卵培養株と強く反応する抗
体は鶏卵状鶏卵培養株とは余り反応しない、ということ
及びその逆のことを示すことができる。かような参照用
の鶏卵培養株は、鶏卵内を成功裡に通過させられるなら
ば、鶏卵内で分離する必要はない。
そらにこの発明は、この発明の方法でウイルス株を選
択し、次いでウイルス粒子を例えばホルムアルデヒドで
不活化することを特徴とする「キルド」(不活化)ワク
チンの製造方法を提供するものである。またこの発明に
は、この発明の方法によりウイルス株を選択し、それを
好ましくは選択された株のHAおよびNAの遺伝子を有する
そのリアソータントを作製することにより弱毒化するこ
とを特徴とする生ワクチンの製造方法が含まれる。
好ましい実施態様の説明 インフルエンザが流行しはじめると、地区の公的保健
研究所が試料を採取し、必要に応じて−70℃で貯蔵す
る。次いでこの試料を専門の研究所に送って、新しいワ
クチンを製造する必要があるのかどうかをチェックす
る。すなわち、最近のワクチン株を作製した後に生じた
抗原連続変異の程度を検査する。新しい流行で得た試料
を鶏卵内で分離し、好ましくはまたすでに説明したよう
に動物細胞内で分離する。この動物細胞は、組織培養が
可能な安定な細胞系の細胞であり、例えば市販され普及
しているMDCK細胞である。
十分量のウイルスを増殖させるには、さらに鶏卵中を
通過させる必要があるかも知れない。しかし候補のウイ
ルスを鶏卵中を過剰に、例えば約12回を超えて通過させ
るのは得策ではない。その理由は、候補ウイルスに変化
が起こる可能性があるからである。例えば候補ウイルス
が細胞状の場合、鶏卵中を約12回を超えて通過させると
この特性を失うであろう。選択した候補株は、さらに細
胞内を通過させるべきでないということは明らかであ
る。換言すれば、最初の分離後の選択株の培養はいずれ
も鶏卵内でなければならない。同じことがリアソータン
トの作製にも云える。
鶏卵培養・鶏卵分離の候補株と好ましくはまたその細
胞培養株および任意的にまた鶏卵培養鶏卵状参照株は次
いで赤血球凝集素阻止反応テストに付するのが便利であ
る。このテストでは、ウイルスが最初抗体と混合され、
次に赤血球が添加される。ウイルスが抗体とよく相互反
応する場合は凝集反応への関与が妨害される。その結
果、凝集反応の程度が低い場合(実際には、ウイルスの
高稀釈度での固定した凝集度で表わされる)は、ウイル
スが抗血清と非常によく反応することを意味する。他の
事柄が同じならば、ヒト血清との高い反応性はそのウイ
ルスにワクチンとしての用途の可能性があることを示唆
している。
与えられた候補ウイルスが細胞状の特性であるかいな
いかを決定するには、抗体の十分大きなパネルを用いる
必要がある。抗体の選択は、経験および試行錯誤によっ
て行われる。一つの好ましい実施態様としては、モノク
ローナル抗体が用いられる。通常、その抗体としては、
同じ流行源の株由来または集団移動度が同じ範囲内にあ
る他の最新流行由来のものが最もよい。古い株が、時と
して有用な抗原を提供することがあるが、余り信頼性が
ない。本願出願人らがハイブリドーマ細胞系を全く寄託
しないのは次の理由からである:すなわち、数年以内
に、特許が発行されると考えると、インフルエンザウイ
ルスにあまりに多くの抗原連続変異が起ってしまってい
て、現在のハイブリドーマによって分泌されたモノクロ
ーナル抗体が将来に流行するインフルエンザに対して有
用である見込みが少ないからである。
この発明に用いるモノクローナル抗体を分泌するハイ
ブリドーマは、通常の方法によって、マウスの骨髄腫と
マウスの脾臓細胞とから製造できる。すなわちマウスに
100μgのインフルエンザウイルス蛋白を腹腔内接種し
た。最初の接種から6週間後と10週間後に同じ蛋白質の
追加免疫接種を行った。3日後に脾臓を取出し、通常の
方法で融合するのに用いた。
例えばフエレットまたはヒトのような免疫適格性のイ
ンフルエンザ感染性動物由来の多クローン性抗血清を、
候補株試験用の抗血清として使用することもできる。フ
エレットは、感染後短時間で、一般に約3日間で目視可
能なインフルエンザ症状を示す。したがってフエレット
は、例えば鼻腔内に新しい分離株を感染させることがで
き、インフルエンザの流行確認後速やかに抗血清を得る
ことができる。経験によれば、5匹以上のフエレットを
使用する必要はないと考えられる。すなわち2匹の細胞
分離株を感染させ、2匹は同じ親ウイルス株の鶏卵分離
株を感染させる。
細胞状と鶏卵状との鶏卵培養ウイルスの差異は、フエ
レット、ハムスターおよびテンジクネズミにおける感染
後もしくは免疫感作後の免疫応答から見ることができ、
初期徴候はヒトの免疫応答も両ウイルスを識別するとい
うことである。
この発明は、第一に、野生株の候補からワクチン製造
に使用するのに適切な株(この明細書ではワクチン株と
呼称する)を選択するのに利用できるが、同じ技術は候
補のワクチンウイルスで作製されるリアソータントを分
析するのに利用できる。ウイルスリアソータントは、2
つの異なるウイルス株(XとY)が共培養される(are
co−cultured)場合の遺伝子混合現象(genetic mixing
events)によって得られ、その時にウイルスXはウイ
ルスYからある遺伝子を得、ウイルスYはウイルスXか
ら遺伝子を得る。インフルエンザウイルスX由来の単数
もしくは複数の高増殖性遺伝子を、所望の細胞状鶏卵培
養ウイルスY由来の赤血球凝集素とノイラミニダーゼと
の遺伝子と結合させて、ウイルスYの赤血球凝集素とノ
イラミニダーゼとの遺伝子の増殖性を改善するためにリ
アソータントを作製することは有用である。リアソータ
ントの公知の作製法はいずれも用いることができる。例
えばA型ウイルスのH3とH2由来の異なるHA遺伝子とNA遺
伝子を有する株をこの作製法で親株「X」(高増殖性)
として用いることが好ましい。このようにすることによ
って、高い増殖性のリアソータントをそれらが例えばA
型ウイルスH1N1の親株「Y」(細胞状・鶏卵培養)のHA
とNAとの遺伝子をもっていることによって識別すること
ができる。
先の説明では、免疫学的方法による抗原プロフィール
の測定を強調したが、この方法が唯一の方法ではない。
HA遺伝子のRNAまたはアミノ酸配列によって、細胞状鶏
卵培養ウイルスを鶏卵状ウイルスから識別することがで
きる。例えばA(H1N1)ウイルスにおいては、同じ起源
由来の細胞状鶏卵培養ウイルスと鶏卵状鶏卵培養ウイル
スとは、残基163、187、189、190もしくは225における
アミノ酸配列がMDCK培養ウイルスと異なる。鶏卵培養ウ
イルスの下記の変換のいずれも細胞状抗原性と関連があ
る:すなわち、163におけるアスパラギン残基の消失、1
90におけるアスパラギンへの変換および225におけるア
スパラギンもしくはグリシンへの変換である。それ故、
細胞状ウイルスと鶏卵状ウイルスとの必須の抗原性の差
異をこの方法で確認・確定することはRNAの配列決定技
術によって可能である。細胞状ウイルスと鶏卵状ウイル
ス間の抗原性の差異を決定するのに配列変化を利用する
ことは、同じ元の試料由来のウイルス間の直接比較をす
る場合に特に重要であるが、異なる試料から得られたも
のであるけれどもその他の点では明らかに類似している
ウイルスにも使用できる。遺伝子のこれらの領域の抗原
決定基に特異的なモノクローナル抗体を生成させる(ra
ise)ことが可能になり、その結果、少数のモノクロー
ナル抗体との相互作用に基づいて識別が可能になること
が確実に期待できる。
ウイルスの分離と培養に用いられる鶏卵は、ほとんど
いつも孵化鶏卵である。ウイルスは羊膜腔もしくは尿膜
腔内で増殖する。他の家禽の卵は余り有用ではない。常
に特定の病原体のない鶏卵を用いることが得策である。
ワクチン製造には、インフルエンザ技術の通常のいか
なる方法も利用できる。ウイルス成分は、例えばホルマ
リンやβ−プロピオラクトンによって不活化された全ウ
イルス粒子としてかまたは破砕ビリオンを含有する「ス
プリット」ワクチンとして(破砕は界面活性剤の作用で
行うのが便宜である。)製剤される。第3番目に可能な
ことは、ウイルス粒子から抽出して精製した赤血球凝縮
素とノイラミニダーゼから純粋なサブユニットウイルス
成分を製造することである。スプリットワクチンまたは
サブユニットワクチンを製造する時には、ウイルス粒子
は最初に不活化される。サブユニットワクチンの1つの
有用な製造法が、M.I.BradyとI.G.S.FurmingerによりJo
urnal of Hygiene77,161〜172頁(1976年)に記載され
ている。
キルドワクチンは、リン酸塩緩衝生理的食塩水のよう
な、好ましくは防腐剤を含有する、適切な滅菌媒体で、
アジエバントなしで製剤するのが好ましい。しかしどの
ようにして製剤しても、ワクチンの効力は、周知の単純
放射拡散法(Single Radial Diffusion method)よって
測定される血球凝集素の当量値で通常測定される。不活
化ワクチンすなわち「キルド」ワクチンを筋肉内投与す
る場合の一般的な投与量は、体積が0.5mlで10μgのHA
を含有するものである。この発明のために提案される投
与量の範囲は、現行の用法におけると同じである。投与
量は菌株によって変るが、一般に0.5ml当りHA10〜20μ
gの範囲内である。
生ワクチンは、この発明によって選択された細胞状鶏
卵培養株のHAとNAの遺伝子をもった、例えば温度感受性
もしくは寒冷順応化株である弱毒化株のリアソータント
として作ることができる。また生ワクチンは、緩衝剤ま
たは分解防止用の安定剤のような通常の添加剤を含有さ
せてもよい。生ワクチンは鼻腔内投与が好ましい。
下記実施例によってこの発明を説明する。
実施例1 この実施例では、細胞状の抗原特性を有する鶏卵培養
のA(H1N1)ウイルス株をキルドワクチンとしてテンジ
クネズミまたはフエレットに投与した時に、対応する細
胞培養株(同じ咽喉綿棒由来のものであるという意味で
対応する)に匹敵する免疫応答が起ったということを示
す。
この実施例におけるインフルエンザウイルス株はすべ
て(Christ′s Hosptial School,Horsham,Sussex,Engla
nd)の一少年から1983年に採取した咽喉綿棒由来のもの
でA(H1N1)型である。この株はA/Christ/157/83と呼
称する。MDCK細胞中で作製しMDCK細胞を1回通過させた
このウイルスの第1の分離株は、簡略にするため「157
M」と呼称する。元の綿棒からの第2の分離株は、孵化
鶏卵の尿膜腔で作製され、尿膜腔を一度通過させたもの
で、簡略にするため「157E」と呼称する。この分離株
は、鶏卵状抗原プロフィールを有し、細胞培養ウイルス
157Mの抗原プロフィールとは異なる。第3の分離株は、
A/Christ/157/83咽喉綿棒からウイルスを採取し、それ
を孵化鶏卵の羊膜腔内で分離し、尿膜腔を1回通過させ
ることによって作製された。この分離株は157Eとは別個
に製造されたが、細胞状抗原プロフィールを有するこ
と、すなわち「157M」と同様にしかし「157E」とは異な
って抗血清と反応することが分かった。これは「157G」
と呼称する。
以下、通過分離の経過は、MDCK細胞および孵化鶏卵の
尿膜腔と羊膜腔を示す記号の「M」、「Al」および「A
m」によってカッコを用いて示す。提示された数字は、
次の実例に示すように、分離とこれに続く通過を示す。
157M、157Eおよび157GのHAのRNA配列決定をした。次
に残基147と残基226との間のアミノ酸配列を157Mについ
て示し、併せて157Eと157Gについては157Mと異なること
となる置換を示した。
テンジクネズミについてのテスト テンジクネズミは、2μgという少量のHAに相当する
少量のインフルエンザウイルスに対して免疫学的に応答
する。これらの実験では、12匹の動物を4匹づつの3グ
ループに分けて、8μgのHAに相当する量のワクチンを
筋肉内投与して免疫感作を行ない、10日後に2μgのHA
に相当する量のワクチンを追加投与した。ワクチンは、
157M、157Eもしくは157Gの精製全ウイルス粒子(次に詳
細に述べるようにさらに通過させた)で次のようにして
作製した。精製ワクチンを濃縮し、次いで次の3段階の
分画遠心分離(differential centrifugation)を行っ
て精製した:(i)バルク流体からのペレツト化(ベッ
クマンT19ローター内90分間最大回転数にて54,000g)、
(ii)蔗糖の勾配液(sucrose gradients)を通しての
速度領域沈降法(rate Zonal sedimentaion)(10〜40w
/v%の蔗糖含有のリン酸塩緩衝生理的食塩水(PBS)
「A」、(ベックマンSW28ローター内60分間最大回転数
にて90,000g)、(ii)蔗糖からウイルスの取出し(ベ
ックマンT35ローター内90分間最大回転数にて100,000
g)。次いで最終的にPBS「A」中に再懸濁させ、10mg/m
lの濃度にした(蛋白質分析法で測定)。この濃厚物を
別々のバイアルに入れ−70℃で貯蔵した。次にPBS中で
濃厚物を0.008%ホルムアルデヒドと最終濃度0.015%
(v/v)で混合して得られた混合物を暗所で48時間4℃
にてインキュベートすることによって不活化した。ワク
チンは、孵化鶏卵とMDCK細胞に接種することによって生
きたウイルスが存在しないことが判明した。
ワクチンのHA濃度は、J.M.Woodら、J.Biol.Standards
,237−247頁(1977年)に記載の単純放射拡散(singl
e−radial−diffusion(SRD))テストを次のように改
変した方法で測定した。すなわち、Zwittergent3−14界
面活性剤(米国、カリフォルニア92037、ラジョラのCal
biocbem−Behring社から入手)を、テスト前にワクチン
を破砕するために用いた。
抗体応答は、血球凝集阻止反応(HI)テストで測定し
た。このHIテストでは、ウイルスは、血球凝集反応を阻
止する抗体と結合する。上記反応を阻止する抗体の最小
濃度をウイルスの抗原性の尺度とする。用いた抗体は、
同じ株のウイルス、すなわち157E、157Gおよび157Eによ
って精製された抗体であった。第1表に、4匹の動物か
らなる各グループの平均値で結果を示す。数値(希釈濃
度の逆数)が高い程抗体反応が大きい。対応応答(homo
logous responses)には下線を付てある。
第1表は、鶏卵状鶏卵倍養157Eワクチンが対応ウイル
ス(homologsus uirus)に対し特異的な免疫応答をした
ことを示している。対照的に、細胞状鶏卵倍養ウイルス
および細胞状細胞倍養ウイルスの157Gと157Mを用いて製
造したワクチンは、一層広範囲に反応する抗体集団を誘
発した。
実施例2 この実施例は、細胞状細胞倍養ウイルスが、ある範囲
のモノクローナル抗体を用いて鶏卵状鶏卵倍養ウイルス
から容易に分画できることを示す。
A(H1N1)型インフルエンザの種々の株に対してモノ
クローナル抗体を分泌するハイブリドーマを通常のマウ
ス脾臓細胞−マウス骨髄腫融合法で作製した。ウイルス
に対してモノクローナル抗体を分泌した細胞は、酵素標
識固相結合分析法(enzyme−labelled soeid phase bin
ding assay)での純粋ウイルスとの反応性に基づいて選
択した。
鶏卵の羊膜腔内で分離し次いで尿膜腔を2回通過させ
た実施例1の細胞上鶏卵倍養ウイルス157G(「157G(Am
1Al2)」と命名)を63種の異なるモノクローナル抗体を
用いて実施例1に記載したのと同じHIテストで、157M
(M3)と157E(Al3)と比較した。
結果を第2表に示す。第2表によれば、特定のモノク
ローナル抗体は、157Mと157Gに対して類似した高い力価
をしばしば示すが、157Eに対する力価は非常に低いこと
が分かる。最も明確な例には星印を付けた。1983年に流
行したインフルエンザ由来のA/Christ/157/83株でこの
インフルエンザより前に流行したインフルエンザ株由来
の抗体とよく反応したものはほとんどなかったことが理
解されよう。株コードの最後の2つの数字は、分離株が
作成された年を示し、A/VSSR/92/77は1977年の分離株で
あるなどである。A/Christ/91/83は同じ1983年の流行か
ら得た他の株であり、A/Christ/157/83に対してよく反
応するモノクローナル抗体をこの表から容易に見つける
ことができる。2つの例をのぞいたすべての例で、157G
の細胞状特性を、157Mと比較して観察することができ
た。
実施例3 この実施例は、多クローン性のフエレットの血清を用
いて細胞状鶏卵倍養ウイルスと鶏卵状鶏卵倍養ウイルス
とを識別する方法を示す。
フエレット血清を使用する以外、実施例1に記載した
のと同様のHIテストの結果(第3表参照)、157G株(細
胞状、鶏卵内倍養)は、157M(細胞倍養)と類似してい
るが157E(鶏卵状、鶏卵内倍養)とは類似していないこ
とを示している。
実施例4 この実施例は、一方を細胞状のものとして選択し他方
を鶏卵状のものとして排除する2種のリアソータントイ
ンフルエンザワクチンウィルスの製造法を示す。
リアソータントの製造技術は、特に親ウィルス(すな
わち、鶏卵内では増殖性が比較的低いA/Christ/157/83G
またはA/Christ/157/83E)とA/PR/8/34(H1N1)ウィル
スまたはX−31(H3N2)ウィルスとを鶏卵に同時に感染
させる方法である。後者の2つのウィルスは、鶏卵内で
高い増殖能を有する。X−31は、A/PR/8/34ウィルス由
来の6個の遺伝子をもっているので、「高増殖性遺伝
子」を与えるためのA/PR/8/34の代替ウィルスとして使
用できる。この高増殖性の親ウィルスは抗血清では抑圧
されるが、157Gと157Eの必要なHAもしくはNAの蛋白質の
みならずA/PR/8/34ウィルスの高増殖性をもったウィル
スの増殖は行なわれる。この技術は次の通りである。
1.H1N1親株(A/Christ/157G(Am1Al1)またはA/Christ/
157E(Al2))とX−31ウィルス(National Institute
of Biological Standards & Control,BlancheL ane,So
uth Mimms,Potters Bar,Hertford,EN6 3QG,Englandを
含む多くの研究所から入手できる)との鶏卵への二重接
種。これらのウィルス株(それぞれ105と103p.f.u.)を
孵化鶏卵の尿膜腔に注射して鶏卵を35〜36℃で24時間イ
ンキュベートした。
2.尿膜流体を鶏卵から取出して、抗HA(X−31)ヤギ血
清と抗NA(MRC−11)ラビット血清の各種希釈物ととも
に1時間室温でインキュベートした。これらの抗血清は
親のX−31ウィルスの増殖を抑圧する。インキュベーシ
ョン中和を生き残る最大希釈率の試料は、リアソートさ
れていない高増殖性ウィルス(un−reassorted high−g
rowing virus)が最も存在しそうでないものであり、孵
化鶏卵内で2−3日間35〜36℃で培養することによって
次の段階用に選択した。この段階でウィルスに対して陽
性の個々の鶏卵は、当該技術分野で「ターミナルクロー
ン(terminal clone)」として知られている。
3.このターミナルクローンは、感染後のフェレットの抗
HA抗血清によって血清学的に分析した。これらのクロー
ンで、赤血球凝集素を必要な高収率で与えるものを選択
した。
4.第3段階で得たクローンに対し第2と第3の段階を一
回繰返して行った。
5.第4段階で得たクローンをラビット抗NA抗血清で分析
し、正しいノイラミニダーゼをもつクローンを選択し
た。この操作のさらに詳細な説明は、C.H.Stuart−Harr
is,G.C.SchildおよびJ.S.Oxfordによる「Influenza,the
Virus and the Disease」(Edward Arnold Ltd.,1985
年)の15〜17頁を参照のこと。
6.感染性と増殖性の実験を選択したクローンが鶏卵中で
高収率で得られることを確認するために行った。
7.種ウィルスをSPF鶏卵(特定病源体がいないめんどり
の卵)から前記のターミナル希釈法によって作製した。
8.表面HA抗原と表面NA抗原を、モノクローナル抗体と多
クローン性抗体を用いる前記HIテストおよびNIテストの
ような血清学的テストを用いて再検査した。
9.HAの収量のような増殖性、電子顕微鏡により形態学お
よび10〜40w/v%蔗糖勾配溶液中での沈降特性を検査す
るための精製濃縮NIB−14(Am1Al6)とNIB−15(Al12
のウィルスの実験用バッチの作製。ウィルスを、実施例
1の「テンジクネズミの試験」の項に記載したのと同様
にして分画遠心法で精製した。ウィルス濃厚物を再びPB
S中に懸濁させて蛋白質濃度10mg/mlとし、別々のバイア
ルに−70℃で貯蔵した。
10.リアソータントの蛋白質とRNA遺伝子の分析を行い、
それら遺伝子の親の起源を確認した。この段階の方法論
は、J.S.Oxfordら、Vaccine,9−14頁(1985年)に記
載されている。
第9段階の後で、157G(細胞状鶏卵培養株)由来のリ
アソーターントNIB−14からのクローン1種と157E(鶏
卵状鶏卵培養株)由来のリアソーターントNIB−15から
の鶏卵状クローン多種とをモノクローナル抗体のパネル
を用いてHIテスト23に付した。これらを、参照株のA/Ch
rist/157/83EとA/Christ/157/83M(それぞれ「157E」
(鶏卵培養)および「157M」(細胞培養)と略称)と比
較した。結果を第4A表に示した。NIB−14クローン40は
細胞状で、157Mのプロフィールに類似するプロフィール
を有し、一方NIB−15クローンは鶏卵状であった。した
がって、NIB−14クローンがワクチン製剤用に選択され
た。
第4B表は、多クローン性のフェレット血清を用いたHI
テストの結果を示すが、この場合参照株は第4A表の場合
と同じものを用いた。これらの結果から「157」とNIB−
14から得たリソータントの細胞状特性が確認された。
サブユニットワクチンをNIB−14クローン40とNIB−15
クローン59から製造し、ハムスター、テンジクネズミお
よびマウスで試験した。
試験された動物は、通常の生活ではインフルエンザに
はかからないが感受性を有する。それ故インフルエンザ
の経歴の全くないかのような動物は、試験用に非常に有
用である。(ヒトについてのテストのむずかしさは、ヒ
トが以前の通常生活での感受性のために通常インフルエ
ンザウィルスの各種株に対してすでに抗体を作っている
ということである。) ハムスター,テンジクネズミおよびマウスについての
テスト用に、サブユニットワクチンを、M.I.Bradyおよ
びI.G.S.Furminger,Journal of Hygiene77,161−172頁
(1976年)の方法で製造した。ハムスターとテンジクネ
ズミについては、β−プロピオラクトンを不活化剤とし
て用いたが、マウスについては実施例1のテンジクネズ
ミに対して用いたのと同じホルマルンによる不活性法を
用いた。動物は筋肉内もしくは腹腔内ワクチン接種を行
い、ワクチン接種後の血清を収集し、ウィルス(同じNI
B−14もしくはNIB−15に対する抗体をHIテストで試験し
た。HIテストで用いたウィルスは、血球凝集素の8種の
凝集投与量に等しい量に標準化した。第4C、4Dおよび4E
表は結果を示し、試験手順の詳細について註釈が付けら
れている。すべての場合について、対応ウィルスに対す
る抗体応答は、非対応ウィルス(heterologous virus)
に対する応答より著しく強かった。
第4C表の註:20匹づつ2グループの動物に、10μgHA/
0.5mlの投与量で14日間隔で2回筋肉内にワクチン接種
した。動物は、2回目の接種をしてから14日後に採血し
た。結果は幾何平均値で示した。有意な増大(10より小
さいワクチン接種前の力価から40以上のワクチン接種後
の力価への増大と定義する)を示す各動物の数をかぞえ
て試験動物の数の百分率で示した。
第4D表の註:4匹づつ2グループの動物に16μgHA/0.5m
lの投与量で1回筋肉内にワクチン接種し、14日後にさ
らに4μg/HA/0.5mlの投与量で接種した。2回目の投与
から7日後に動物から採血した。
第4E表の註:5匹づつの複数グループに、フロイントの
完全アジェバントに入れ30μgHAを1回、腹腔内にワク
チン接種した。23日後動物から採血した。
実施例5 この実施例は、B型の鶏卵培養インフルエンザウィル
スも細胞状抗原特性をもっていることに基づいて選択で
きることを示す。またこの実施例は、MDCK細胞内で分離
されたが鶏卵内を1回通過させることによって付与され
た鶏卵状特性を有する鶏卵状参照株の利用をも示す。
この実施例の候補株は、the Medical Research Counc
il's Common Cold Unit Salisbury,EnglandにおいてB
型インフルエンザ株を計画的に感染させた1名のボラン
ティアの患者から得たものである。この患者には、1982
年に前記のChrist's Hospital Schoolで分離したB/Chri
st/112/82株を感染させた。この株を感染させたボラン
ティアから得た鼻の洗浄水を鶏卵内で分離し鶏卵内を1
回通過させて(Al2)「4465」と命名する株を作製し
た。また同じ鼻の洗浄水をヒト萠芽気管細胞(embryo t
racbea cell)内で分離し、鶏卵内を1回通過させて(H
EI1Al1)「4468」と命名する株を得た。こらの株をHIテ
ストによって、同じ鼻の洗浄水から得たB/EFR/83と命名
した参照株と比較した。これらの参照株はMDCK細胞で分
離したウィルス由来のものである。1つはさらにMDCK細
胞を通過させ(M2)、もう1つはさらに孵化鶏卵の尿膜
腔を通過させた(M1Al1)。結果を下記第5表に示す。4
465は細胞状特性をもっているが4468は鶏卵状であるこ
とが第5表から明らかである。従って4465はワクチン用
に選択された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジエームス・サール・ロバートソン イギリス国、ハートフオードシヤー・エ ー・エル・1・1・ピー・エフ、セイン ト・アルバンズ、パクストン・ロード・ 7 (72)発明者 ジエフリー・クリストフアー・シールド イギリス国、ロンドン・エヌ・ダブリ ユ・7・4・アール・デー、ミル・ヒ ル、サニーフイールド・17 (72)発明者 デビツト・アーサー・ジヨン・テイレル イギリス国、ウイルトシヤー・エス・ピ ー・5・2・アール・エヌ、ソーリズベ リ、ホワイトパリツシユ、デイーン・レ ーン、アシユ・ロツジ(番地なし)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワクチン製剤用インフルエンザウィルス株
    の選択方法であって、 孵化鶏卵内で、感染源から取り出したインフルエンザウ
    ィルス候補株を分離し、 分離候補株が、動物細胞内でのみ分離・培養されたこと
    以外は前記分離候補株と同じ細胞培養対照株と抗原類似
    性を有するか否かを免疫学的に決定し、 前記抗原類似性の(細胞状)候補株またはインフルエン
    ザウィルスの細胞状候補株のHA遺伝子とNA遺伝子を有す
    るそのリアソータントの少なくとも1つをワクチン用に
    選択することからなり、 前記抗原類似性は、血球凝集阻止テストにおいて、候補
    株と同一であるが動物細胞内のみで分離・培養された第
    一の対照株と候補株と同一であるが鶏卵内のみで分離・
    培養された第二の対照株とを区別し得るインフルエンザ
    ウィルスの赤血球凝集素蛋白に対する複数の抗体と前記
    候補株との反応により定義され、各抗体に対する候補株
    の反応は第二の対照株との反応よりも第一の対照株との
    反応により類似していることを特徴とする前記方法。
  2. 【請求項2】インフルエンザに対する不活化ワクチンの
    製造方法であって、 孵化鶏卵内で、感染源から取り出したインフルエンザウ
    ィルス候補株を分離し、 分離候補株が、動物細胞内でのみ分離・培養されたこと
    以外は前記分離候補株と同じ細胞培養対照株と抗原類似
    性を有するか否かを免疫学的に決定し、 前記抗原類似性の(細胞状)候補株またはインフルエン
    ザウィルスの細胞状候補株のHA遺伝子とNA遺伝子を有す
    るそのリアソータントの少なくとも1つをワクチン用に
    選択し、 選択株を孵化鶏卵内で培養し、 ウィルス粒子を不活化して、不活化粒子を製造すること
    からなり、 前記抗原類似性は、血球凝集阻止テストにおいて、候補
    株と同一であるが動物細胞内のみで分離・培養された第
    一の対照株と候補株と同一であるが鶏卵内のみで分離・
    培養された第二の対照株とを区別し得るインフルエンザ
    ウィルスの赤血球凝集素蛋白に対する複数の抗体と前記
    候補株との反応により定義され、各抗体に対する候補株
    の反応は第二の対照株との反応よりも第一の対照株との
    反応により類似していることを特徴とする前記方法。
  3. 【請求項3】前記不活化粒子を破砕してスプリットワク
    チンを製造するかまたは前記粒子からHA成分とNA成分を
    抽出してサブユニットワクチンを製造することを特徴と
    する請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】インフルエンザに対する生ワクチンの製造
    方法であって、 孵化鶏卵内で、感染源から取り出したインフルエンザウ
    ィルス候補株を分離し、 分離候補株が、動物細胞内でのみ分離・培養されたこと
    以外は前記分離候補株と同じ細胞培養対照株と抗原類似
    性を有するか否かを免疫学的に決定し、 前記抗原類似性の(細胞状)候補株の少なくとも1つを
    ワクチン用に選択し、 インフルエンザウィルスの細胞状候補株のHA遺伝子とNA
    遺伝子を有する弱毒化リアソータントを作製することか
    らなり、 前記抗原類似性は、血球凝集阻止テストにおいて、候補
    株と同一であるが動物細胞内のみで分離・培養された第
    一の対照株と候補株と同一であるが鶏卵内のみで分離・
    培養された第二の対照株とを区別し得るインフルエンザ
    ウィルスの赤血球凝集素蛋白に対する複数の抗体と前記
    候補株との反応により定義され、各抗体に対する候補株
    の反応は第二の対照株との反応よりも第一の対照株との
    反応により類似していることを特徴とする前記方法。
  5. 【請求項5】抗体がモノクローナル抗体またはインフル
    エンザウィルスに対して免疫応答性を有する動物由来の
    血清である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】フェレットの血清が用いられる請求項5記
    載の方法。
  7. 【請求項7】インフルエンザウィルスがA型(H1N1)ま
    たはB型のヒトインフルエンザウィルスである請求項1
    〜6のいずれかに記載の方法。
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