JP2525624C - - Google Patents

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JP2525624C
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gamma
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linolenic acid
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、特定な多価不飽和脂肪酸を特定量配合することにより、栄養及び生
理活性を一層高めた育児用粉乳に関する。 技術的背景 従来、多価不飽和脂肪酸であるガンマ・リノレン酸がアトピー性皮膚炎に対し
て治療効果を有することは知られており、また、同じくエイコサペンタエン酸並
びにドコサヘキサエン酸が血小板凝集抑制作用、血中中性脂肪低下作用、血中V
LDL及びLDLコレステロール低下作用等を有していて動脈硬化性疾患の予防
、治療効果を有することも知られている。 更に、ガンマ・リノレン酸から生合成されるジホモ・ガンマ・リノレン酸、ア
ラキドン酸及びエイコサペンタエン酸は、最近生理活性物質として注目されてい
るプロスタグランジンの前駆体として重要であることが報告されている。 一方、ガンマ・リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸は
、自然界において母乳、月見草種子、糸状菌(モルテイエレラ属、Mortierella)
、魚油、網膜、脳等に存在しており、また生体内においても、リノール酸及びア
ルファ・リノレン酸から不飽和化酵素(desaturase)及び鎖長延長酵素 (elongation enzyme)により合成されることが知られている。 しかしながら、ヒトの生体内におけるリノール酸からのガンマ・リノレン酸の
生成及びアルファ・リノレン酸からのエイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン
酸の生成は少なく、又摂取するリノール酸及びアルファ・リノレン酸の量により
抑制されること等、種々の合成阻止因子が存在することが報告されていることに
鑑み、これらの多価不飽和脂肪酸を直接食餌成分として摂取することが望ましい
と考えられている。 特に、乳児期においては、上記不飽和化酵素活性が低いと考えられること、一
方母乳中にはガンマ・リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン
酸が共に多く含まれていることを考慮すると、育児用粉乳による人工栄養で哺育
する乳児では、これらの多価不飽和脂肪酸を摂取することが必要であると言える
。 しかし、育児用粉乳による人工栄養児と母乳栄養児との間における上記多価不
飽和脂肪酸の摂取量の差異に基づく栄養代謝及び生理上の影響については未だ明
らかにされていないことから、育児用粉乳へのこれら多価不飽和脂肪酸の配合の
必要性も明らかでない。 なお、ガンマ・リノレン酸をミルクへ添加することについては、特開昭61-224
932号公報及び特開昭62-79732号公報に開示されているが、これらの開示は、前
述した不飽和酵素の機能低下による生体内でのガンマ・リノレン酸の合成能の欠
如に伴う健康上の障害を治療することを目的としており、特に人工栄養児におけ
る栄養代謝及び生理機能を、母乳栄養児に近似させることを意図したものでない
。 従来から、乳児にとっての最良の栄養源は母乳であるとの観点から、育児用粉
乳を母乳の組成及び機能に近似させるための種々の改良がなされてきたが、 上述したように、ガンマ・リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサ
エン酸からなる多価不飽和脂肪酸の乳児期における必要性については未だ明らか
にされていないことから、これらの多価不飽和脂肪酸の人工栄養児に対する摂取
の重要性も現在のところ明らかにされていない。 発明が解決しようとする課題 本発明は、ガンマ・リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン
酸を育児用粉乳に特定量配合して人工栄養児に摂取させることにより、人工栄養
児の血清リン脂質画分中脂肪酸組成を、母乳栄養児の血清リン脂質画分中脂肪酸
組成に近似させ得ることの知見に基づいてなされたものであって、乳児の細胞膜
機能及び血液凝固能等を正常に維持するうえで重要な因子である上記の多価不飽
和脂肪酸の未熟な乳児に対して該多価不飽和脂肪酸を母乳に近似して有効に補給
し得る育児用粉乳を提供することを課題とする。 以下本発明を詳しく説明する。 発明の構成 本発明の特徴は、脂肪含量が17.0〜30.0重量%の育児用粉乳に対し、その脂肪
酸組成中エイコサペンタエン酸0.03〜0.10%及びドコサヘキサエン酸0.20〜0.40
とガンマ・リノレン酸0.03〜0.40%を配合したことにある。 ここでいう“育児用粉乳”には、乳児用調製粉乳、未熟児用粉乳のほかに治療
用粉乳等乳幼児の人工哺育に用いる粉乳類を包含する。 課題を解決するための手段 本発明における育児用粉乳は、育児用粉乳の通常知られている成分の蛋白質、
糖質、脂肪、ビタミン類、及びミネラル類等から構成される。これらの成分につ
いては、例えば、昭和61年5月5日同文書院発行「綜合食品事典(第6版)」「
調製粉乳」の項に示される成分やあるいは昭和58年社団法人日本国際酪農連 盟発行 FAO/WHO合同食品規格計画 CODEX食品規格委員会著「乳幼児食品を含む特
殊用途食品の CODEX規格及び関連衛生作業規則」の「乳児用食品に使用する無機
塩類及びビタミン化合物の勧告リスト」に記載されているビタミン類、ミネラル
類等を用いることができる。 特に、本発明では、脂肪を17.0〜30.0重量%(以下、%は重量%を示す)含有
する育児用粉乳に、その脂肪酸組成中、エイコサペンタエン酸0.03〜0.10%及び
ドコサヘキサエン酸0.20〜0.40%とガンマ・リノレン酸を0.03〜0.40%配合する
。 このように多価不飽和脂肪酸を特定量配合した育児用粉乳の乳児に対する生理
上の影響を調べた結果を下記に示す。 試験方法: 脂肪を27.8重量%含有する育児用粉乳に、その脂肪酸組成中エイコサペンタエ
ン酸を0(無添加)、0.03%並びに0.20%、ドコサヘキサエン酸を0(無添加)
、0.20%並びに2.0 %、及びガンマ・リノレン酸を0(無添加)、0.03%並びに
0.40%をそれぞれ配合して調製した粉乳を、生後3〜4週齢乳児に自律哺乳させ
、哺乳児の血清リン脂質画分中の脂肪酸組成を測定した。なお、参考として母乳
栄養児の血清リン脂質画分中の脂肪酸組成も同様に測定した。 結果は表1に示すとおりである。 【表1】 表1にみられるとおり、ガンマ・リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びドコ
サヘキサエン酸を配合しない育児用粉乳哺育児の血清リン脂肪では、リノール酸
、アルファ・リノレン酸の量は母乳栄養児に比べて差異が認められないものの、
ジホモ・ガンマ・リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びドコサペンタエン酸の
量が少ないことがわかる。 これに対し、本発明により得られた脂肪酸組成中エイコサペンタエン酸を0.03
%及びドコサヘキサエン酸を0.20%配合し、更にガンマ・リノレン酸を0.03% 配合した育児用粉乳をそれぞれ哺乳させた乳児の血清リン脂質の脂肪酸組成は母
乳栄養児のそれに近似しており、更にエイコサペンタエン酸を0.20%とドコサヘ
キサエン酸を2.0 %及びガンマ・リノレン酸を0.04%を配合した育児用粉乳哺乳
児の血清リン脂質の脂肪酸組成は母乳栄養児のそれに近似しているも、ジホモ・
ガンマ・リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸及びドコサヘ
キサエン酸の量がいずれも母乳栄養児の血清リン脂質脂肪酸組成を越えているこ
とが認められる。 したがって、上記試験結果及び後述の実施例から、本発明によりエイコサペン
タエン酸0.03〜0.10%及びドコサヘキサエン酸0.20〜0.40%、更にはガンマ・リ
ノレン酸0.03〜0.4 %をそれぞれ配合した育児用粉乳の乳児に対する優れた生理
上の効果を認めることができる。 また、本発明において育児用粉乳へ配合するためのガンマ・リノレン酸は、月
見草油(種子油)、モルテイエレラ属に属する糸状菌体油等を給源として用いる
ことができ、エイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸は、カツオ、サンマ、
カマス及びフグ等の魚油を給源として用いることができる。 以下実施例により本発明を具体的に説明する。 実施例 育児用粉乳の調製: 脱脂乳 239kgにホエー粉52.7kg、ビタミンとミネラル成分 1kgを混合して溶解
し、これに植物油23.3kg、月見草油0.13kg及びカツオ油 0.4kgを加えて混合し、
均質化し、次いで殺菌処理した後、濃縮、乾燥して粉乳 100kgを得た。 得られた粉乳中のガンマ・リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキ
サエン酸の含有量は脂肪酸組成で下記のとおりであった。 ガンマ・リノレン酸 0.03(%) エイコサペンタエン酸 0.10 ドコサヘキサエン酸 0.40 次に、上記育児粉乳を乳児に自律哺乳し、生後3〜4週齢時の血清リン脂質中
の脂肪酸組成を測定した。結果は表2に示すとおりである。 【表2】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1) 脂肪含量が17.0〜30.0重量%の育児用粉乳に、その脂肪酸組成中エイコサペ
    ンタエン酸0.03〜0.10%及びドコサヘキサエン酸0.20〜0.40%とガンマ・リノレ
    ン酸0.03〜0.40%を配合したことを特徴とする育児用粉乳。

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