JP2525211B2 - オ―ステナイト構造を有するFe系合金薄膜の製造方法 - Google Patents

オ―ステナイト構造を有するFe系合金薄膜の製造方法

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JP2525211B2 JP62294120A JP29412087A JP2525211B2 JP 2525211 B2 JP2525211 B2 JP 2525211B2 JP 62294120 A JP62294120 A JP 62294120A JP 29412087 A JP29412087 A JP 29412087A JP 2525211 B2 JP2525211 B2 JP 2525211B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、スパッタリングによりオーステナイトの結
晶構造を有した非磁性のFe系合金薄膜を安価に且つ容易
に製造する方法に関する。
[技術背景] 現在、磁性薄膜として注目されているメタル系の磁性
薄膜は一般に耐蝕性が良くないため、その表面に磁性を
損なわない耐蝕性膜を施す必要がある。ステンレス鋼は
耐蝕性に優れた材料の1つであり、上記耐蝕性膜として
ステンレス鋼の薄膜を用いることが考えられる。但し此
の場合、核ステンレス鋼薄膜は非磁性であるオーステナ
イト構造を有するものでなければならない。ところが、
従来の方法によって得られるFe系合金薄膜はフェライト
単相構造か、或いはフェライト構造とオーステナイト構
造との混合層であっても、フェライト構造が主体であ
り、オーステナイト構造を有するFe系合金薄膜を製造す
るのが難しい。
例えば、従来、Fe系合金薄膜を製造する方法として、
電気鍍金法、或いは物理的方法である真空蒸着法、スパ
ッタリング法等が知られている。此れ等のうち、スパッ
タリング法は、スパッタ室内部に、薄膜材料をターゲッ
トとして基板に面して設け、スパッタガス雰囲気中で薄
膜材料に高電圧を印加し、該薄膜材料を放電蒸発させて
基板上に付着させ、薄膜を形成する方法である。此のス
パッタリング法は、合金をスパッタする際にも、ターゲ
ット材料に近い組成を有する薄膜を形成できる利点を有
する。
ところが、オーステナイトFe合金として最も多用され
ている18Cr−8Ni−Feステンレス鋼(SUS304)をターゲ
ットとして、従来のスパッタリングを行なうと、基板上
に形成される薄膜はフェライト構造になる。
本発明者は、オーステナイト構造を主体とするFe系合
金薄膜を製造できるスパッタリング法の開発を試み、オ
ーステナイト安定化元素であるNをスパッタガス中に導
入すれば、薄膜中にNを熱平衡状態以上に固溶でき、此
れにより薄膜の結晶構造をオーステナイト構造にするこ
とが出来る知見を得た。
[発明の効果] 本発明によれば、スパッタリング法により基体上にFe
系合金薄膜を形成する際,オーステナイト系ステンレス
鋼をターゲットとし且つ窒素ガス又はアンモニアガスを
含有するスパッタガス雰囲気でスパッタリングすること
を特徴とする非磁性Fe系合金薄膜の製造方法が提供され
る。また、その好適な実施態様として、上記スパッタガ
ス組成が元素比でN/Ar=0.02〜2.0である上記方法が提
供される。
本発明においては、ターゲットとしてオーステナイト
系ステンレス鋼を用いることと、N2あるいはNH3を含有
するスパッタガスを用いる以外は通常のスパッタリング
法による。基板の材質、印加電圧の大きさ等他の条件は
適宜定めることが出来る。
スパッタリングにおいてはArガスを主体とするスパッ
タガスが通常用いられる。本発明においては該Arガスに
N2ガスが混合されたスパッタガスを用いる。Arガスを単
独に用いた場合には、ターゲットにオーステナイト構造
のステンレス鋼を用いても、基板上に形成された薄膜の
結晶構造は大部分がフェライト構造になる。スパッタガ
ス中にNが存在することにより、薄膜の構造がオーステ
ナイト構造となる。此の理由は、スパッタ雰囲気は極め
て活性な状態にあり、此処にN2あるいはNH3が導入され
ると、オーステナイト安定化元素であるNが薄膜に熱平
衡状態以上に固溶されるためであると推察される。有効
なN量の下限はN/Ar≒0.02である。N量がこの値より低
過ぎるとオーステナイト安定化効果が得られない。N/Ar
比が大きいほど薄膜中のN濃度が高くなり、オーステナ
イト構造の比率が高くなる。一例では、N/Ar=0.6のと
き、オーステナイト単相構造の薄膜となる。他方、スパ
ッタガス中のN量が多すぎると、ターゲット表面に窒化
物が沈着してスパッタリング速度が低下し、且つ薄膜の
密着性も低下する。この点を考慮し、N/Arは2.0以下に
定められる。
[実施例および比較例] 実施例 1 オーステナイト系ステンレス鋼SUS310Sをターゲット
に用い、ArとN2の混合ガス(N2/Ar=0.1)を導入してFe
−Sm系磁性合金からなる基体上に薄膜を形成した。以
下、実施例においてArとNの量比は便宜上N2/Arの流量
比較で示した。一方、比較のため、導入ガスをAr単独の
ガスに変え、他は本実施例と同一条件で基体上に薄膜を
形成した。本実施例に係る薄膜のX線回析の結果を第1
図(A)に示す。また比較試料の薄膜のX線回析の結果
を第1図(B)に示す。
第1図(A)に示すように本発明に係る薄膜はオース
テナイト単相構造を有する。一方、第1図(B)に示す
ように比較試料の薄膜ほ一部にオーステナイト構造が存
在するもののフェライト構造である。
実施例 2 オーステナイト系ステンレス鋼SUS304をターゲットに
用い、N2ガスとArガスとの流量比を夫々0.1、0.3に設定
した他は実施例1と同一の条件で基体上に薄膜を形成し
た。また、比較のため、導入ガスをAr単独のガスに変
え、他は本実施例と同一条件で基体上に薄膜を形成し
た。本実施例に係る薄膜のX線回析の結果を第2図
(A)及び第2図(B)に示す。また比較試料に薄膜の
X線回析の結果を第2図(C)に示す。
第2図(A)に示すようにN3/Ar=0.1のとき、形成さ
れた薄膜にはオーステナイト構造とフェライト構造が混
在する。但しフェライト構造の部分は極く僅かであり、
オーステナイト構造が主体である。また同図(B)に示
すようにN2/Ar=0.3のときには薄膜の結晶構造はオース
テナイト単相構造である。このようにN2/Ar比が高いほ
ど薄膜中のN濃度が高く、オーステナイト構造が形成さ
れやすい。
一方、第2図(C)に示すように比較試料の薄膜はフ
ェライト単相構造であり、オーステナイト構造は形成さ
れない 実施例 3 N2ガスとArガスとの流量比を夫々0.1、0.5、1.0、1.5
に設定する以外は実施例1と同一の条件で、基板上に薄
膜を形成した。成膜速度は夫々次の通りであった。
N2/Ar=1.5の場合には薄膜が粉化し、密着性が極めて
低いものであった。以下のように導入ガス中のN2量が増
加するにつれて次第に成膜速度が低下する。この理由は
ターゲット表面に窒化物が付着する為であると考えられ
る。また、N2/Ar比が1.5を越えると、密着性の良い薄膜
を得ることが出来ない。
実施例 4 オーステナイト系ステンレス鋼SUS304をターゲットに
用い、N2ガスとArガスとの流量比を夫々0.005、0.01に
設定した他は実施例1と同一の条件で基体上に薄膜を形
成した。
N2/Ar=0.005の場合には、全くN2ガスを導入しなかっ
た場合と同様に、得られた薄膜はフェライト単相構造で
あった。一方、N2/Ar=0.01の場合には、第3図に示す
ように薄膜の結晶構造はフェライト構造とオーステナイ
ト構造との混合相であり、薄膜中でのNによるオーステ
ナイト安定化効果が認められた。
[発明の効果] 本発明の方法によれば、オーステナイト構造を主体と
するFe系合金薄膜をスパッタリング法を用いて安価に且
つ容易に製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)、第2図(A)、(B)は夫々本発明の実
施例1、2に係る薄膜のX線回析結果を示すグラフ、第
1図(B)、第2図(C)は夫々実施例1、2で述べた
比較試料の薄膜のX線回析結果を示すグラフ、第3図は
実施例4の薄膜のX線回析結果を示すグラフである。 図中 α−フェライト構造のピーク、 γ−オーステナイト構造のピーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−158306(JP,A) 特開 昭59−45911(JP,A) 特開 昭61−148809(JP,A) 特開 昭51−87004(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スパッタリング法により基体上にFe系合金
    薄膜を形成する際,オーステナイト系ステンレス鋼をタ
    ーゲットとし且つ窒素ガス又はアンモニアガスを含有す
    るスパッタガス雰囲気でスパッタリングすることを特徴
    とする非磁性Fe系合金薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】スパッタガス雰囲気は,元素比でN/Ar=0.
    02〜2.0のガス組成である特許請求の範囲第1項記載の
    非磁性Fe系合金薄膜の製造方法。
JP62294120A 1987-11-24 1987-11-24 オ―ステナイト構造を有するFe系合金薄膜の製造方法 Expired - Lifetime JP2525211B2 (ja)

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JPH0618136B2 (ja) * 1984-12-21 1994-03-09 株式会社日立製作所 負荷時タツプ切換装置
GB2169096A (en) * 1984-12-28 1986-07-02 Int Standard Electric Corp Joining optical fibres using numerical aperture transformer

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