JP2524785Y2 - ヒータ付き電子レンジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はヒータ付き電子レンジ、より詳しくはマイク
ロ波によりオーブン庫内を加熱する第１の加熱手段と、
ヒータによりオーブン庫内を加熱する第２の加熱手段
と、前記オーブン庫内を冷却する冷却ファンと、該冷却
ファンからの風をオーブン庫内に案内する送風ガイド
と、該送風ガイドの出口に取り付けられて前記冷却ファ
ンによる前記オーブン庫内への風の流入状態を制御する
ダンパとを備えたヒータ付き電子レンジに関する。

従来の技術 ヒータ付き電子レンジは、マイクロ波により食品を加
熱するマイクロ波加熱モードと、ヒータにより食品を加
熱するヒータ加熱モードとを備え、加熱する食品等の種
類に応じてマイクロ波加熱モード又は／及びヒータ加熱
モードを選択し、オーブン庫内の食品（被加熱物）に所
定の加熱を施すものである。

この種のヒータ付き電子レンジにおいては、一般に、
オーブン庫内に風を導入する冷却ファンと、前記オーブ
ン庫内への風の流入状態を制御するダンパとが装備され
ている。

そして、マイクロ波加熱モードにおいては、マイクロ
波が照射されて食品が加熱されると共に、ダンパが
「開」状態とされてオーブン庫内に風が導入され、前記
マイクロ波加熱により発生したオーブン庫内の蒸気は排
気管を介して外部に排出される。

一方、ヒータ加熱モードにおいては、ダンパが「閉」
状態とされ、ヒータからの熱量によりオーブン庫内の食
品が加熱される。そして、ヒータ加熱モードの終了と同
時にダンパが「開」状態とされて冷却ファンからの風が
オーブン庫内に導入され、オーブン庫内の熱気を含んだ
空気は排気管を介して外部に排出される。

考案が解決しようとする課題 しかし、上記従来例においては、ヒータ加熱終了と同
時にダンパが「開」状態とされ、オーブン庫内の熱気を
含んだ空気が外部に排出されるため、一時的ではあって
も排気口近傍に位置する壁などの温度が上昇し、危険性
を有するという問題点があった。

また、ヒータ加熱終了と同時に風をオーブン庫内に導
入して排気を行なっているため、電子レンジ本体の様々
な隙間からも前記熱気を含んだ空気が排出される虞れが
ある。特に、電子レンジの前板と電子レンジの扉との間
に形成されている隙間から熱気が漏れた場合、この漏れ
た熱気は扉の耐熱性等において悪影響を及ぼすという問
題点があった。

本考案は上記問題点に鑑み、簡易な改良でもって、排
気温度の低下を図ると共に、熱気を含んだ空気がそのま
ま外部に漏れることのないヒータ付き電子レンジを提供
することを目的とする。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本考案は、マイクロ波によ
りオーブン庫内を加熱する第１の加熱手段と、ヒータに
よりオープン庫内を加熱する第２の加熱手段と、前記オ
ーブン庫内及び前記第１の加熱手段等の部品を冷却する
冷却ファンと、該冷却ファンからの風をオーブン庫内に
案内する送風ガイドと、該送風ガイドの出口に取り付け
られて前記冷却ファンによる前記オーブン庫内への風の
流入状態を制御するダンパと、前記オーブン庫内の排気
を行う排気管とを備えたヒータ付き電子レンジにおい
て、前記排気管内に設けられた前記オーブン庫内の温度
を検知する温度センサーと、前記第２の加熱手段による
運転モードの開始と同時に前記ダンパを閉成するととも
に前記冷却ファンを駆動させ、前記運転モードの終了
後、前記温度センサーで検知したオーブン庫内温度が所
定温度以下になると前記ダンパを開成し、前記冷却ファ
ンからの風をオーブン庫内へ流入させオーブン庫内の排
気を行う制御手段とが装備されていることを特徴として
いる。

作用 上記構成によれば、オーブン庫内の温度を検知する温
度センサーと、前記第２の加熱手段による運転モードの
開始により前記ダンパを閉成するとともに前記冷却ファ
ンを駆動させ、前記運転モードの終了後、前記温度セン
サーで検知したオーブン庫内温度が所定温度以下になる
と前記ダンパを開成し、前記冷却ファンからの風をオー
ブン庫内へ流入させオーブン庫内の排気を行う制御手段
とが装備されている。

従って、前記運転モードの開始時には前記ダンパが確
実に閉じられるとともに前記冷却ファンが駆動され、運
転モード開始後の前記オーブン庫内の温度を短時間で上
昇させるとともに前記冷却ファンからの風で第１の加熱
手段等の部品の冷却を行い、前記第２の加熱手段による
運転モードの終了後には、オーブン庫内温度が一定温度
以下に下がったことを温度センサーにより検知した後、
ダンパを開くことにより、排気温度を低下させることが
可能となり、ヒータ加熱終了時におけるオーブン庫内の
熱気がそのまま外部に排出されるのを防いだうえでオー
ブン庫内の排気を行う。

実施例 以下、本考案に係る実施例を図面に基づき詳説する。

第２図は本考案に係るヒータ付き電子レンジの一例を
模式的に示した平面図であって、マイクロ波発振器１
（第１の加熱手段）と、該マイクロ波を伝播させる導波
管２と、ヒータユニット３（第２の加熱手段）と、該ヒ
ータユニット３又は／及びマイクロ波発振器１からの熱
が内部に供給されるオーブン４と、該オーブン４の内部
（以下、「オーブン庫内５」という）を冷却する冷却フ
ァン６と、該冷却ファン６の駆動により発生した風をオ
ーブン庫内５に案内する送風ガイド７と、オーブン庫内
５の熱気を外部に排出する排気管８とが、電子レンジ本
体９に内装されている。10はオーブン４の開閉操作を行
なう扉、16はヒータ加熱モード又は／及びマイクロ波加
熱モードの選択操作等を行なうコントロールパネル、17
は電子レンジ本体９に装着される前板、18は同じく電子
レンジ本体９に装着されている後板である。

オーブン４は、具体的には、扉10によって開閉可能と
なるように該扉10の対向位置に配設されている。

送風ガイド７は、管状に形成されると共に、その基端
が冷却ファン６に接続され、かつ側壁部11の一部が前後
方向に対して傾斜した状態に配置され、さらにその先端
はオーブン４の前方右側面に接続されている。また、こ
の送風ガイド７の先端近傍には矢印Ａ方向に開閉可能な
ダンパ12が取り付けられ、冷却ファン６からオーブン庫
内５に案内される風の流入状態が制御可能となってい
る。

さらに、オーブン４の左方上方部には排気管８が接続
されている。そして、冷却ファン６の駆動により発生す
る風は、送風ガイド７→オーブン庫内５→排気管８の経
路を経て外部に排出される。

また、マイクロ波発振器１は、冷却ファン６により空
冷可能となるように送風ガイド７内に配設されており、
かつ導波管２に封止状に接続されている。また、該導波
管２はオーブン４の上方にまで延設され、マイクロ波発
振器１により発振されたマイクロ波は導波管２からオー
ブン庫内５に照射されて該オーブン庫内５に載置されて
いる被加熱物の加熱を行なう。

さらに、ヒータユニット３は、オーブン４の奥方に配
設され、オーブン庫内５に熱を供給して該オーブン庫内
５に載置されている被加熱物の加熱を行なう。

ヒータユニット３近傍であって排気管８の下方にはサ
ーミスタ13（温度検知手段）が配設されている。該サー
ミスタ13は、ヒータユニット３による運転モード終了後
の温度測定値を逐次制御手段（図示せず）に送信するよ
うに構成されている。

しかして、前記制御手段においては、サーミスタ13か
ら送信されてくる温度測定値と、予め設定されている所
定温度とが比較され、前記温度測定値が前記所定温度と
同一温度かそれよりも低い場合、ダンパ12に対して
「開」命令が発せられるように構成されている。尚、前
記所定温度は、オーブン庫内５に導入された風が排気管
８から排出されても排気口15近傍の壁などに悪影響を及
ぼさない温度、及びオーブン庫内５に導入された風が扉
10と前板17との隙間等から漏れても扉10などの耐熱性に
悪影響を及ぼさない温度に設定され、本実施例では前記
所定温度は150℃に設定されている。

このように構成されたヒータ付き電子レンジにおいて
は、マイクロ波発振器１によるマイクロ波加熱モードの
時は、第３図に示すように、ダンパ12が「開」状態とさ
れ、冷却ファン６の駆動により発生している風によりマ
イクロ波発振器１が空冷されると共に、該風は送風ガイ
ド７とオーブン４とを仕切るパンチングメタル14を通過
してオーブン庫内５に案内される（風の流れを矢印Ｂで
示す）。そして、マイクロ波の照射により発生した蒸気
と共に、排気管８へと導かれ、外部に排出される。

一方、ヒータユニット３によるヒータ加熱モードの時
は、第４図に示すように、ダンパ12が「閉」状態とさ
れ、オーブン庫内５はヒータユニット３から発生する熱
により加熱され、被加熱物の加熱を行なう。尚、この
時、冷却ファン６の駆動により発生している風は、ヒー
タユニット３の後方から隙間を通って外部に排出されて
いる。このとき、ダンパ12は「閉」状態にあるので、オ
ーブン庫内５の温度が上昇してもオーブン庫内５の熱気
を含んだ空気がパンチングメタル14を通過して冷却ファ
ン６などの部品が設置されている空間に流れ込んでくる
ことはない。また、冷却ファン６の駆動により発生する
風によってオーブン庫内５の周辺に存在する前記部品な
どが冷却されるので、前記部品の故障等の発生を確実に
防止することができる。

しかして、ヒータ加熱モード終了後の温度は、サーミ
スタ13（第２図）により検知されてその温度測定値が制
御手段に送信され、ダンパ12の開閉動作が制御される。

第１図はヒータ加熱モード時のダンパ12の開閉動作を
示したフローチャートである。

すなわち、ヒータユニット３を「ON」にすると冷却フ
ァン６が駆動されると共に、ダンパ12が「閉」状態に設
定されて調理を開始する（S1）。

次いで、所要の運転を行なった後、ヒータユニット３
を「OFF」して調理を終了する（S2）。この時、ダンパ1
2は「閉」状態を保っている。

次に、ダンパ12を「閉」状態に保持したまま、冷却フ
ァン６を駆動し続けて周囲からオーブン庫内５を空冷
し、前記制御手段はサーミスタ13から逐次送信されてく
る温度測定値と所定温度（150℃）とを比較する（S
1）。そして、オーブン庫内５の温度が150℃以上の時
は、前記（S2）にフィードバックされ、ダンパ12は
「閉」状態を維持する。一方、オーブン庫内５の温度が
150℃以下に到達するとダンパ12が「開」状態に設定さ
れる。そして、冷却ファン６からの風はオーブン庫内５
に案内され、排気管８を経て外部に排出される（S4）。

このように上記実施例においては、オーブン庫内５の
温度を検知するサーミスタ13と、ヒータ加熱モード終了
後においてサーミスタ13からの信号を受信してダンパ12
の開閉動作を制御する制御手段とが装備されているの
で、ヒータ加熱終了後、オーブン庫内５の温度が或る一
定温度以下になるまで、ダンパは「閉」状態となるよう
に制御することが可能となり、ヒータ加熱終了時におけ
る熱気を含んだ空気が、排気管８や、扉10と前板17との
隙間などからそのまま排出されるのを防止することがで
き、所期の目的を達成することができた。

尚、本考案は上記実施例に限定されることはなく要旨
をを逸脱しない範囲において変更可能なことはいうまで
もない。

考案の効果 以上詳述したように本考案に係るヒータ付き電子レン
ジにあっては、オーブン庫内の温度を検知する温度セン
サーと、第２の加熱手段による運転モードの開始により
ダンパを閉成するとともに冷却ファンを駆動させ、前記
運転モードの終了後、温度センサーで検知したオーブン
庫内温度が所定温度以下になると前記ダンパを開成し、
前記冷却ファンからの風をオーブン庫内へ流入させオー
ブン庫内の排気を行う制御手段とが装備され、前記運転
モードの開始時には前記ダンパが確実に閉じられるとと
もに前記冷却ファンが駆動されているので、運転モード
開始後の前記オーブン庫内の温度を短時間で上昇させる
ことができるとともに前記冷却ファンからの風で第１の
加熱手段等の部品の冷却を前記運転モード開始と同時に
行い、部品の温度上昇を確実に防止することができ、該
部品の温度上昇による故障を確実に防止することができ
る。

そして、前記第２の加熱手段による運転モードの終了
後には、オーブン庫内温度が一定温度以下に下がったこ
とを温度センサーにより検知した後、ダンパを開成して
いるので、運転モードの終了直後の温度の空気が排気さ
れることなく、温度の空気による壁等の温度上昇を確実
に防止することができ、しかも、オーブン庫内温度の低
下により該オーブン庫内空気の排気を行い、オーブン庫
内に調理時に発生した水分等を含んだ空気が滞るのを確
実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るヒータ付き電子レンジの制御手段
の一例を示したフローチャート図、第２図は本考案に係
るヒータ付き電子レンジの平面図、第３図はマイクロ波
加熱モードにおけるダンパの閉状態を示す要部平面図、
第４図はヒータ加熱モードにおけるダンパの閉状態を示
す要部平面図である。 １……マイクロ波発振器（第１の加熱手段）、３……ヒ
ータユニット（第２の加熱手段）、５……オーブン庫
内、６……冷却ファン、７……送風ガイド、12……ダン
パ、13……サーミスタ（温度検知手段）、16……コント
ロールユニット。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】マイクロ波によりオーブン庫内を加熱する
   第１の加熱手段と、ヒータによりオーブン庫内を加熱す
   る第２の加熱手段と、前記オーブン庫内及び前記第１の
   加熱手段等の部品を冷却する冷却ファンと、該冷却ファ
   ンからの風をオーブン庫内に案内する送風ガイドと、該
   送風ガイドの出口に取り付けられて前記冷却ファンによ
   る前記オーブン庫内への風の流入状態を制御するダンパ
   と、前記オーブン庫内の排気を行う排気管とを備えたヒ
   ータ付き電子レンジにおいて、前記排気管内に設けられ
   た前記オーブン庫内の温度を検知する温度センサーと、
   前記第２の加熱手段による運転モードの開始と同時に前
   記ダンパを閉成するとともに前記冷却ファンを駆動さ
   せ、前記運転モードの終了後、前記温度センサーで検知
   したオーブン庫内温度が所定温度以下になると前記ダン
   パを開成し、前記冷却ファンからの風をオーブン庫内へ
   流入させオーブン庫内の排気を行う制御手段とが装備さ
   れていることを特徴とするヒータ付き電子レンジ。