JP2524582Y2 - 吸着搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ワークを吸着し、あるいは吸着後にこのワ
ークを搬送するための吸着搬送装置に関する。

［従来の技術］ 従来、例えば、薄板状のワークを搬送するために真空
吸引源に接続された吸着用パッドが用いられる。

従来技術に係る吸着用パッド並びにアダプタについて
説明する。

吸着用パッドのアダプタは、金属材料により構成さ
れ、吸着用パッドの根本部に装着される。該アダプタの
内部には、チューブによって真空吸引源に連通し、吸着
用パッドに通じる貫通孔が成形されている。

吸着用パッドを用いてワークを搬送する場合、該吸着
用パッドの薄く且つ可撓性に富むスカート部の端部をワ
ークに接触させ、真空吸引源を付勢し、スカート部の内
部の空気を根本部、アダプタ、チューブを介して吸引す
る。すなわち、スカート部の内部の減圧作用下にワーク
を吸着する。ワークの搬送は、アダプタの外部壁面に装
着された取付部材をロボットのアームの変位動作により
変位させて行う。その後、スカート部の内部に圧縮空気
を導入し、負圧状態を解除して吸着用パッドからワーク
を離脱させる。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、金属材料で成形されたアダプタの場
合、プラスチックで成形されたアダプタに比して一般的
にコスト、重量とも大きくならざるを得ず、経費の削減
並びに搬送動作の容易な制御等の要望と相入れない。

本考案は前記の不都合を解決するためになされたもの
で、吸着用パッドのアダプタをプラスチックで成形し、
低コスト、且つ軽量の吸着搬送装置を提供することを目
的とする。

［課題を解決するための手段］ 前記の課題を解決するために、本考案は、吸着用パッ
ドとアダプタとからなる吸着搬送装置において、 前記アダプタは、吸着用パッドの根本部に装着され且
つ前記根本部に穿設された孔部と連通する貫通孔を有
し、 前記吸着用パッドを導電性ゴム材料で形成し、 前記アダプタを導電性プラスチック材料で形成すること
を特徴とする。

［作用］ 上記の本考案に係る吸着搬送装置では、アダプタをプ
ラスチックで成形されるため、金属材料で成形されるア
ダプタに比して、低コスト化、且つ軽量化することがで
きる。

［実施例］ 次に、本考案に係る吸着搬送装置について好適な実施
例を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明す
る。

第１図並びに第２図は本実施例に係る吸着搬送装置10
を示す。

前記吸着搬送装置10は、アダプタ11と吸着用パッド12
からなり、前記アダプタ11は前記吸着用パッド12の根本
部13に装着される。吸着搬送装置10のアダプタ11は、基
本的に円筒形状であり、プラスチックで一体的に成形さ
れる。前記アダプタ11の一方の先端部は吸着用パッド12
の根本部13に装着するために根本部13の凹形状に対応し
て凸形状に成形されている。前記アダプタ11の内部に
は、前記根本部13の孔部20から連通し、図示しない真空
吸引源に連通する貫通孔14が軸線方向に延在する。前記
貫通孔14の内面上部には雌ねじ16が成形され、一方、前
記アダプタ11の外面上部には雄ねじ18が成形されてい
る。

本実施例に係る吸着用パッドのアダプタは基本的には
以上のように構成されるものであり、次にその作用並び
に効果について第１図並びに第２図を参照して説明す
る。

吸着用パッド12が搬送動作に供される場合、例えば、
図示しないロボットハンドに取付部材が固着され、前記
取付部材は、吸着用パッド12のアダプタ11の雄ねじ18を
使ってアダプタ11に装着される。

この場合、吸着用パッド12の孔部20と連通する貫通孔
14は、真空吸引源に連通するチューブに連通する。前記
チューブは、アダプタ11の雌ねじ16によって装着される
継手によってアダプタ11に連結される。その後、前記真
空吸引源を付勢し、ワークに接しているスカート部22の
内部の空気を吸引し、スカート部22の内部の源圧作用下
に前記吸着用パッド12がワークを吸着する。この後、ロ
ボットのアームの変位動作下に吸着用パッド12はワーク
を搬送、位置決めし、ワークを設置した後、スカート部
22の内部に貫通孔14を通じて空気を導入し、ワークを離
脱する。

前記アダプタ11はプラスチックで成形されることによ
り金属材料で成形されたアダプタに比して一般的に低コ
ストになり、軽量化することができる。

次に、前記アダプタ11を導電性プラスチックで成形、
若しくは金属めっきした場合の実施例について説明す
る。

従来、摩擦等、何らかの原因で吸着用パッド12に生じ
た静電気は、通常、金属製のアダプタを通じて流れ、放
電される。ところが、アダプタ11をプラスチックのみで
成形すると、該アダプタ11の導電率が低く、吸着用パッ
ド12の静電気が帯電したまま吸着用パッド12がワークに
接触した場合、次のように不都合が生じる。例えば、IC
が実装されているプリント基板を吸着搬送する場合、静
電気が帯電した吸着用パッドがICに接触すると、静電気
の高電圧によりICが破壊される。あるいは、ビニールを
吸着搬送する場合、静電気によりビニール同士がまとわ
りついて、搬送に悪影響を及ぼすおそれがある。しかし
ながら、アダプタ11を導電性プラスチックで成形し、若
しくは金属めっきを施すことにより、アダプタ11の導電
率を高めることができる。さらに、前記アダプタ11に加
えて吸着用パッド12に導電性ゴムを使用すれば、静電気
のワークに対する影響を防ぐことができる。なお、貫通
孔14の形状は一連の実施例に限定されるものではなく、
例えば、軸方向に延在している貫通孔14を中途より直角
方向に屈曲させる構成のものも本考案に含まれるのは勿
論である。

［考案の効果］ 本考案によれば、アダプタをプラスチックで成形する
ことにより、金属材料で成形されたものに比してはるか
に軽量で低コストの吸着搬送装置を製作できる。

また、導電性プラスチック若しくは金属めっきを施し
たアダプタを用いることによってワークは静電気による
影響を受けずに金属で成形されたアダプタと同様に吸着
用パッドの静電気がアダプタに流れ、放電される。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案に係る吸着搬送装置の縦断面図、 第２図は本考案に係る吸着搬送装置の斜視図である。 10……吸着搬送装置 11……アダプタ 12……吸着用パッド 13……根本部 14……貫通孔 16……雌ねじ 18……雄ねじ 20……孔部 22……スカート部

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】吸着用パッドとアダプタとからなる吸着搬
   送装置において、 前記アダプタは、吸着用パッドの根本部に装着され且つ
   前記根本部に穿設された孔部と連通する貫通孔を有し、 前記吸着用パッドを導電性ゴム材料で形成し、 前記アダプタを導電性プラスチック材料で形成すること
   を特徴とする吸着搬送装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の吸着搬送装置において、導
   電性プラスチック材料で形成されたアダプタに代替し
   て、金属製材料で形成され表面に金属めっきが施された
   アダプタを設けることを特徴とする吸着搬送装置。