JP2524155B2 - 含フッ素エラストマ− - Google Patents

含フッ素エラストマ−

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JP2524155B2 JP62123699A JP12369987A JP2524155B2 JP 2524155 B2 JP2524155 B2 JP 2524155B2 JP 62123699 A JP62123699 A JP 62123699A JP 12369987 A JP12369987 A JP 12369987A JP 2524155 B2 JP2524155 B2 JP 2524155B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、含フッ素エラストマーに関する。更に詳し
くは、加工性、耐熱老化性、耐油性および耐寒性の良好
な含フッ素エラストマーに関する。
〔従来の技術〕
耐油性の良好なゴムとしては、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム、アクリルゴム、多硫化ゴム、シリコーン
ゴム、フッ素ゴム等が知られているが、アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴム、多硫化ゴムは耐熱老化性に劣り、
またシリコーンゴムは耐薬品性に劣っている。フッ素ゴ
ムとしては、ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリ
デン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロ
ピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフル
オロエチレン−プロピレン共重合体、テトラフルオロエ
チレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
等が知られているが、これらは非常に高価であり、また
充填剤を多量配合することができず、用途が制限されて
いる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者は、上記の欠点を改良すべく鋭意研究の結
果、テトラフルオロエチレン、アルキルビニルエーテル
およびこれらと共重合しうる他のビニルモノマーを特定
の割合で共重合させて得られた共重合体よりなるエラス
トマーが、低価格であるばかりでなく、充填剤の多量配
合を行なうことができ、しかも加工性、耐熱老化性、耐
油性、耐寒性に優れていることを見出した。
〔問題点を解決するための手段〕
従って、本発明は、テトラフルオロエチレン約30〜60
モル%、炭素数3〜8のアルキル基を有するアルキルビ
ニルエーテル約30〜55モル%およびアリルグリシジルエ
ーテル約1〜20モル%よりなり、ガラス転移温度が0℃
以下で、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が20以上であ
る3元共重合体よりなる含フッ素エラストマーに係る。
炭素数3〜8のアルキル基を有するアルキルビニルエー
テルは、エチルビニルエーテルと併用することができ
る。
本発明に用いられる共重合体中のテトラフルオロエチ
レン(TFE)の量は、約30〜60モルであり、好ましくは
約40〜50モル%である。TFEの量が約30モル%未満の場
合は、共重合体中のフッ素含有量が低いため、耐熱老化
性、耐油性が劣る。また、その量が約60モル%をこえる
と、TFEとビニルエーテルとの交互共重合反応が生じ難
くなるため好ましくない。
炭素数3〜8のアルキル基を有するアルキルビニルエ
ーテルのアルキル基の例は、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、イソアミ
ル、n−ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル
を含む。特に、n−ブチルビニルエーテルは、低温特性
が良いために好ましい。共重合体中のビニルエーテルの
量は、約30〜55モル%であり、好ましくは約40〜50モル
%である。この量が約30モル%未満では共重合体の柔軟
性が劣り、約55モル%をこえると共重合体中のフッ素含
有量が低くなり、耐熱老化性、耐油性が劣るようにな
る。また、全アルキルビニルエーテル中の約40モル%以
下の割合で、エチルビニルエーテルと併用することもで
きる。
本発明における3元共重合体は、そのガラス転移温度
が0℃以下であり、0℃をこえると柔軟性、低温脆化性
に劣り、エラストマー化させる上で好ましくない。
また、3元共重合体のムーニー粘度〔ML1+4(100
℃)〕は、約20以上であることが必要である。ムーニー
粘度が約20未満では、ミキシングロールによる混練によ
りエラストマー配合するときに、配合物がロール表面に
粘着し、事実上配合および加工ができない。約20以上の
ムーニー粘度を有する共重合体を製造するには、乳化重
合が最適である。
本発明において、共重合体を乳化重合法で製造する場
合、水あるいは水を主成分とし少量の有機溶剤を含む水
溶液が分散媒として使用される。乳化剤として、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン
酸塩、高級脂肪酸金属塩、アルキル硫酸エステル塩、ア
ルキルエーテル硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、パ
ーフルオロアルキル脂肪酸塩等のアニオン乳化剤、およ
びアルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、高級
アルコールエチレンオキサイド付加物、エチレンオキサ
イドとプロピレンオキサイド ブロック コポリマー等のノニオン乳化剤が使用でき
る。
乳化重合の際用いられるラジカル開始剤としては、例
えば水溶性の過酸化物あるいは水溶性過酸化物と水溶性
還元剤の組合せが用いられ、水溶性過酸化物の例として
は、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素
などが挙げられ、また水溶性還元剤の例としては、亜硫
酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、ア
スコルビン酸などが挙げられる。
なお、乳化重合の際には、連鎖移動剤、分散剤、架橋
剤、pH緩衝剤等も添加することができる。
架橋エラストマーは、前記の共重合体を、加硫即ち架
橋させることにより得ることができる。好ましい架橋法
は、パーオキサイド架橋およびアミン架橋である。パー
オキサイド化合物の例には、メチルエチルケトンパーオ
キサイドのようなケトンパーオキサイド類、ベンジルパ
ーオキサイドのようなジアシルパーオキサイド類、クメ
ンハイドロパーオキサイドのようなハイドロパーオキサ
イド類、1,3−ビス−(第3ブチルパーオキシ−イソプ
ロピル)ベンゼンのようなジアルキルパーオキサイド類
があり、これらはトリアリルシアヌレート、トリアリル
イソシアヌレート等の共架橋剤と併用して使用すること
ができる。また、アミン架橋剤の例としては、トリエチ
レンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミンカーバメート、N,N′−ジシナミリデンヘ
キサメチレンジアミン等のジアミン化合物が挙げられ
る。また、有機カルボン酸アンモニウム、ジチオカルバ
ミン酸塩などが好んで用いられる。
本発明のエラストマーには、SAF、HAF、FEF(オイ
ル、ファーネス系)、FF、MT(サーマル系)、アセチレ
ンブラック等のカーボンブラック;SiO2のようなホワイ
トカーボン;炭酸カルシウム、金属粉、木粉、タルク、
マイカ、アスベスト、ガラス繊維等の充填剤;ステアリ
ン酸、ステアリン酸ナトリウム等の滑剤;帯電防止剤;
紫外線吸収剤;難燃剤;着色剤;発泡剤および天然ゴ
ム、イソブチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブ
タジエンゴム、ポリエステルゴム、アクリロニトリル−
ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピ
レンゴム、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン
ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、多硫化ゴム、シリ
コーンゴム、フッ素ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合
ゴム、エチレン−アクリル共重合ゴム等のゴムを添加す
ることもできる。
これらの混合物は、適宜な方法で混練、押出し、また
はカレンダー法、圧縮成形法、トランスファー成形法、
射出成形法などで加工することができる。本発明のエラ
ストマーの架橋においては、混練温度より高く、かつ共
重合体の分解温度以下の温度における熱処理が行われ
る。熱処理温度は、通常約160〜180℃が望ましい。
〔発明の効果〕
本発明に係る含フッ素エラストマーは、加工性が良好
で、充填剤を多量に配合することができるので、成形品
を安価に提供することができる。
また、耐熱老化性は、フッ素ゴムに近く、耐油性はフ
ッ素ゴムとアクリルゴムの中間の物性を示し、低温特性
も良好である。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて本発明を更に説明する。
実施例 容量3のステンレス製オートクレーブに、イオン交
換水1514部(重量、以下同じ)、パーフルオロオクタン
酸アンモニウム7.572部、硫酸ナトリウム0.757部、炭酸
ナトリウム3.786部、過硫酸アンモニウム3.407部、n−
ブチルビニルエーテル(以下、n−BVEと略す。)354.4
部およびアリルグリシジルエーテル(以下、AGEと略
す。)25.7部を仕込んだ後、窒素で5kg/cm2に加圧し、
次いで脱気する。この操作を3回繰り返した後、オート
クレーブを液体窒素で冷却し、TFE377.1部を自圧にて仕
込んだ。
オートクレーブを55℃まで昇温させ、反応を開始させ
る。55℃での内圧は32kg/cm2であったが、55℃で2時
間、更に70℃で1時間反応を継続させたところ、内圧が
5kg/cm2まで低下した。その時点で内容物を取り出す
と、固形分濃度32.3%の乳白色エマルジョンが得られ
た。
得られたエマルジョンを、90℃の温度で10%硫酸ナト
リウム水溶液で塩析し、次いで水洗、乾燥することによ
り、719部の白色ポリマー(TFE50モル%、n−BVE47モ
ル%およびAGE3モル%の共重合組成を有する)が得られ
た。
このポリマー100部に対し、HAFカーボンブラック40
部、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛2部および酸化マ
グネシウム7部を水冷8インチミキシングロール上で約
20分間混練し、次いで混合物を190℃で20分間プレス架
橋させた後、150℃のオーブン中で15時間アフターキュ
アを行なってエラストマーを得た。このようにして得ら
れたエラストマーを、後記表に示すような物性試験に供
した。
比較例1 フッ素ゴムとしてダイエルG−501(ダイキン製品;
テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン−ヘキサフ
ルオロプロペン3元共重合ゴム)を使用し、実施例1と
同様にしてエラストマー配合し、ミキシングロール上で
混練したが、20分混練しても40部のカーボンブラックを
混合することができなかったので、カーボンブラック量
を20部に減らして混練し、成形したものを試料とした。
比較例2 アクリルゴムとしてノックスタイトA−1095(NOK製
品;エチルアクリレート−2−クロロエチルビニルエー
テル共重合ゴム)を使用し、また老化防止剤としてノッ
クラックホワイト(大内新興製品)2部を用いた以外
は、実施例1と同様にエラストマー配合し、試料を作成
した。
実施例および比較例1〜2でそれぞれ得られたエラス
トマーの物性値を、次の方法に従って測定し、その結果
を下記表に示した。
ガラス転移温度:DSC法 ムーニー粘度:JIS K−6300 引張試験:JIS K−6301 耐熱老化試験:175℃、70時間−ギャーオーブン中 耐油性試験:150℃、70時間、JIS3号油 圧縮永久歪、脆化温度:JIS K−6301

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共重合組成がテトラフルオロエチレン30〜
    60モル%、炭素数3〜8のアルキル基を有するアルキル
    ビニルエーテル30〜55モル%およびアリルグリシジルエ
    ーテル1〜20モル%よりなり、ガラス転位温度が0℃以
    下で、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が20以上である
    3元共重合体よりなる含フッ素エラストマー。
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