JP2524142Y2 - アクセル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、アクセルペダルの踏込み量によってエンジ
ンの出力を調整するアクセル装置に関する。

＜従来の技術＞ エンジンは燃焼室に閉じ込められた霧状の燃料と空気
を瞬時に燃焼させ、その膨張ガス圧でピストンを押して
動力を生み出している。この場合、エアクリーナから空
気が吸い込まれる一方、この吸気量に適量の燃料が噴射
され、両者が混合気となり吸気管を通って燃焼室に送ら
れる。従って、エンジン出力は吸入空気量によって調整
される。

第４図に従来のアクセル装置の概略図を示す。同図に
示すように、エンジンのサージタンク１にはスロットル
ボディ２が取付けられている。このスロットルボディ２
にはスロットルバルブ３が回動自在且つ吸気路を開閉自
在に設けられている。そして、このスロットルバルブ３
の回動軸４には扇形状のスロットルレバー５が固結され
ることで、スロットルバルブ３とスロットルレバー５は
一体に回動自在となっている。スロットルレバー５には
これを第４図にて反時計方向に付勢力してスロットルバ
ルブ３を常時閉位置に保持するリターンスプリング６が
設けられている。更に、このスロットルレバー５にはア
クセルケーブル７の一端が連結され、その他端はアクセ
ルペダル８に連結されている。

而して、アクセルペダル８を踏込むことでアクセルケ
ーブル７を介し、リターンスプリング６に抗してスロッ
トルレバー５を回動させると、このスロットルレバー５
と一体にスロットルバルブ３が開いて適量の空気が導入
される。そして、アクセルペダル８から足を放すことで
スロットルバルブ３（スロットルレバー５）はリターン
スプリング６の付勢力によって閉位置に戻る。

＜考案が解決しようとする課題＞ 上述した従来のアクセル装置において、アクセルペダ
ル８の踏込み力はリターンスプリング６の付勢力によっ
て決定されるものであり、このリターンスプリング６の
付勢力はある程度強くしておく必要がある。スロットル
レバー５とアクセルペダル８とはアクセルケーブル７に
よって連結されており、このアクセルケーブル７はチュ
ーブ状のアウタケーブル内にインナケーブルを挿通する
ことで形成されている。スロットルバルブ３の駆動時に
はアウタケーブル内をインナケーブルが摺動することと
なり、ここに摩擦抵抗が発生する。そのため、アクセル
ペダル８から足を放したときに、スロットルバルブ３
（スロットルレバー５）がリターンスプリング６の付勢
力によって閉位置に戻るようにリターンスプリング６の
付勢力をある程度強く設定している。

ところが、予め設定されているリターンスプリング６
の付勢力はスロットルレバー５やリターンスプリング６
などの製造誤差、取付誤差、あるいは、アクセルケーブ
ル７の摺動性などによってその付勢力が異なってしま
う。そのため、アクセルペダル８の踏込み力が必要以上
に強くなって操作性が悪くなったり、踏込み力が弱くな
ってスロットルバルブ３の作動性が悪くなってしまうと
いう問題点があった。

また、最近は女性ドライバーも増加しており、アクセ
ルペダル７が重く、その操作性が良くなかった。

本考案は、このような問題点を解決するものであっ
て、アクセルペダルの踏力の多様化を図ったアクセル装
置を提供することを目的とする。

＜課題を解決するための手段＞ 上述の目的を達成するための本考案のアクセル装置
は、エンジンの吸気管内に配設され且つ連結部材を介し
てアクセルペダルに連結されたスロットル弁と、同スロ
ットル弁を回動自在に支持する回動軸と、上記アクセル
ペダルの開放時に上記スロットル弁を閉方向へ付勢する
リターンスプリングと、同リターンスプリングの付勢力
を調整自在とする付勢力可変機構とを具えたアクセル装
置において、上記付勢力可変機構は上記回動軸外周に形
成されたねじ部と同ねじ部に回動自在に螺合された係止
部材とを有し、上記リターンスプリングは上記回動軸と
同軸上に配設されると共に、一端が上記スロットルバル
ブ側に連結されて他端が上記係止部材により係止される
ことを特徴とするものである。

＜作用＞ リターンスプリングの付勢力を調整自在とする可変機
構がこのリターンスプリングが配設された回動軸に設け
られることで、極めて簡単な構造で必要に応じてアクセ
ルペダルの踏力を調整できる。

＜実施例＞ 以下、図面に基づいて本考案の実施例を詳細に説明す
る。

第１図乃至第３図に本考案の一実施例に係るアクセル
装置を示す。

第１図及び第２図に示すように、スロットルボディ11
は筒状をなし、内部には図示しないスロットルバルブが
回動軸12によって回動自在で、且つ、吸気路を開閉自在
に設けられている。この回動軸12は一端がスロットルボ
ディ11の外部に突出し、ここには扇形状のスロットルレ
バー13が固結されている。これによってスロットルバル
ブとスロットルレバー13は一体に回動できるようになっ
ている。

このスロットルレバー13は外周部に図示しないアクセ
ルケーブルの一端が連結される係止部14とこれを案内す
る案内部15が一体に形成されている。このアクセルケー
ブルの他端は図示しないアクセルペダルに連結されてい
る。

また、スロットルボディ11から外部に突出した回動軸
12にはリターンスプリング16が巻装されている。そし
て、このリターンスプリング16の一端はスロットルレバ
ー13に係止される一方、他端はリターンスプリング16の
付勢力を調整自在とする付勢力可変機構に連結されてい
る。

即ち、スロットルバルブ及びスロットルレバー13の回
動軸12の外周部にはねじ部21が形成され、このねじ部21
にはリターンスプリング16の付勢力を調整自在とする可
変機構を構成する係止部材としての係止ナット22とロッ
クナット23が螺合している。そして、この回動軸12に巻
装されたリターンスプリング16の一端17はスロットルレ
バー13の係止孔18に係止される一方、他端19は係止ナッ
ト22に固定された係止ピン24に係止されている。

而して、アクセルペダルを踏込むと、アクセルケーブ
ルを介してスロットルレバー13がリターンスプリング16
の付勢力に抗して回動することで、スロットルバルブが
開いて適量の空気が導入される。そして、アクセルペダ
ルから足を放すことでスロットルバルブ（スロットルレ
バー13）はリターンスプリング16の付勢力によって閉位
置に戻る。

また、アクセルペダルの踏力を調整する場合には、係
止ナット22を回転させることで係止ピン24に係止されて
いるリターンースプリング16の他端19を移動することで
スロットルレバー13に働く付勢力が変化し、アクセルペ
ダルの踏力が変わる。その後、ロックナット23を回転さ
せて締め込むことで、係止ナット22がその位置に締結さ
れる。

このように係止ナット22を回転させるだけでリターン
スプリング16の他端19の位置を変え、このリターンスプ
リング16の付勢力を変化させることで、誰でも簡単にア
クセルペダルの踏力を調整することができる。

このアクセルペダルの踏力の調整において、第３図に
表すグラフからわかるように、アクセルペダルの踏込み
量（スロットル開度）が増加するのにしたがってアクセ
ルペダルの踏力も増加し、アクセルペダルを踏み込んで
いくときと放していくときとは、アクセルペダルの踏力
に若干の差が出る。そして、リターンスプリング16の付
勢力が大きい場合（同図実線で示す）に対して、リター
ンスプリング16の付勢力が小さい場合（同図二点鎖線で
示す）にはアクセルペダルの踏力の絶対値も低下する。

＜考案の効果＞ 以上、実施例を挙げて詳細に説明したように本考案の
アクセル装置によれば、スロットル弁を閉位置に保持す
るリターンスプリングの付勢力を調整自在とする可変機
構を、このリターンスプリングが配設される回動軸のね
じ部とこのねじ部に螺合する係止部材とによって構成し
たので、この係止部材を回転させてリターンスプリング
の付勢力を調整することで、必要に応じて容易にアクセ
ルペダルの踏力を調整することができ、簡単且つ低コス
トな構成でアクセルペダルの踏力の多様化を図ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るアクセル装置の正面
図、第２図はその上面図、第３図はアクセルペダル踏込
み量に対するアクセルペダル踏力を表すグラフ、第４図
は従来のアクセル装置の概略図である。 図面中、11はスロットルボディ、12は回動軸、13はスロ
ットルレバー、16はリターンスプリング 21はねじ部、22は係止ナット（係止部材）、23はロック
ナット 24は係止ピンである。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】エンジンの吸気管内に配設され且つ連結部
   材を介してアクセルペダルに連結されたスロットル弁
   と、同スロットル弁を回動自在に支持する回動軸と、上
   記アクセルペダルの開放時に上記スロットル弁を閉方向
   へ付勢するリターンスプリングと、同リターンスプリン
   グの付勢力を調整自在とする付勢力可変機構とを具えた
   アクセル装置において、上記付勢力可変機構は上記回動
   軸外周に形成されたねじ部と同ねじ部に回動自在に螺合
   された係止部材とを有し、上記リターンスプリングは上
   記回動軸と同軸上に配設されると共に、一端が上記スロ
   ットルバルブ側に連結されて他端が上記係止部材により
   係止されることを特徴とするアクセル装置。