JP2523990Y2 - 金属線条体巻装用リール - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ワイヤ，スチールコード等の金属線条体を
巻装するリールに関するものであり、より具体的には、
金属線条体巻装によるリールの破損や変形を防ぐための
金属線条体巻装用リールの改良に係るものである。

〔従来の技術〕

従来の金属線条体巻装用リールは、フランジが互いに
平行に配置された構成であった。

〔考案が解決しょうとする問題点〕

上記構成の従来のリールでは、金属線条体を巻装する
過程において、金属線条体巻装による側圧がフランジに
かゝり、フランジ径が小さくなるように圧縮応力が働く
ため、フランジは外側へ拡がって、変形したり、時に破
損することがあった。

近年、上記事情に鑑みて、両フランジに補強用リブを
設け剛性を図ったり、材質，厚みを変えて強度を向上さ
せるといったことが実施されている。しかし、フランジ
が巻胴との接合部を支点とし、外側方向へ拡がったり、
フランジ外周端部が波状に変形するといった課題があ
る。

本考案は上記課題に鑑みてなしたものであり、その目
的はより強度に優れた金属線条体巻取ボビンを提供する
ことにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案の金属線条体巻装
用リールは、巻胴の両端のフランジの間隔が巻胴部から
外周部にかけて狭くなるよう、両フランジを均等に傾斜
するよう構成したものである。

〔作用〕

前記構成である本考案のリールは、両フランジに金属
線条体巻装による側圧がかかると、両フランジは外方向
へ拡がろうとするが、この場合、両フランジの径が大き
くなる方向であるため、つまり引張応力が働き、また、
この引張応力が両フランジに均等に働くので、両フラン
ジの拡がり及び変形が生じ難い。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明する。

第２図において、（１）は巻胴であり、その両端には
補強外周縁（２）および複数の補強用リブ（３）を有す
る円板状のフランジ（４）を配設する。上記フランジ
（４），（４）は、巻胴部からフランジ最外周部へ向か
って内方に均等に傾斜して、上記巻胴（１）にスポット
溶接により溶着して金属線条体巻装用リールを形成す
る。なお、上記両フランジの巻胴部と最外周部との間隔
差は約3.5mm程度が好ましい。

ところで、本考案の金属線条体巻装用リールにおい
て、巻装する金属線条体の線径が0.4〜1.5mmの場合、上
記間隔差が大きくなると、巻状態を悪化せしめると共
に、繰り出し時、金属線条体がフランジと擦れるため品
質を損ない好ましくないので、このような場合、両フラ
ンジの内面に内方に突出するリブ状の突起部を設けるこ
とも可能である。また、上記突起の高さを巻胴部に近づ
くにつれ高くするようなして、巻胴部と最外周部での両
フランジの間隔における巻装有効幅を揃え、安定した巻
状態とすることも可能である。

〔考案の効果〕

本考案は、上記構成としたので、フランジに作用する
金属線条体巻装による側圧に対し、抗力が従来の圧縮応
力ではなく、引張応力となり、また、この引張応力が両
フランジに均等に働くので、両フランジの拡がり及び変
形が生じ難く、リールの強度が向上する。また、従来の
リールにおいて発生していたフランジ外周部の波状変形
を防止できるといった非常に優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す金属線条体巻装用リール
であり、第１図（イ）は側面図、（ロ）はＡ−Ａ線によ
る要部破断正面図、第２図は要部断面図である。 （１）……巻胴 （２）……補強外周縁 （３）……補強用リブ （４）……フランジ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】巻胴の両端に円板状フランジを固着した金
   属線条体巻装用リールにおいて、上記両フランジの間隔
   が巻胴部から外周部にかけて狭くなるよう、両フランジ
   を均等に傾斜して成ることを特徴とする金属線条体巻装
   用リール。