JP2523772Y2 - 固着具打込機の安全装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、釘打機やねじ打機等の固着具打込機の安全
装置のアームに関する。

従来の技術 ピストン・シリンダ装置を備え、ピストンに取付けら
れた打込部材が、固着具の給送されたノーズに延びて、
その固着具を対象物に打込む構成にされた釘打機やねじ
打機はよく知られている。一般に、打込機では対象物に
ノーズ先端部を押しつけない限りトリガレバーの動作を
無効にする安全装置が設けられるのが普通である。この
安全装置は、基本的には、ノーズ先端部からノーズに沿
って平行にハウジング側に延びる先端側アーム部分と、
ハウジングの部分で曲げられて、更にトリガレバーに延
びる後端側アーム部分と、両アーム部分をノーズの先端
側に押して先端部がノーズ先端部より突出するように付
勢するばねとから成る。なお、釘等の打込深度の調整の
ため、先端側アームと後端側アームとの間にアーム全体
としての長さを変更調整する調整装置が設けられる場合
もある。

考案が解決しようとする課題 前記の安全装置において、安全アームをノーズ先端部
より突出するように付勢するばねは、後端側アームのト
リガレバーに近接した位置に設けられたり、あるいは、
先端側アームのノーズの中央位置に近接した位置に設け
られたりする。前者の場合、ばねが保持ロッドやアーム
に引っ掛かったりして動きがにぶくなっり、動かなくな
る欠点があった。後者の場合、ノーズの外側にばねが設
けられているため、打込時の衝撃や振動でばねがアーム
から外れたり、打込作業においてばねを壁等にぶつけて
変形させたり外したりしてしまう欠点がある。

従って、本考案の目的は、安全装置が滑らかに動作
し、ばねが外れたり変形したりしない安全装置を備えた
固着具打込機を提供することにある。

課題を解決するための手段 かかる目的を達成するため、本考案によれば、ピスト
ン・シリンダ装置を備え、トリガレバーによってピスト
ン・シリンダ装置が駆動されて打込部材がノースに延び
て、ノーズに通路にある固着具を対象物に打込む構成に
され、また、対象物にノーズ先端部を押しつけない限り
トリガレバーの動作を無効にする安全アームが設けら
れ、更に、ノーズの通路に固着具を１本ずつ給送する給
送装置がノーズに設けられ、この給送装置には、固着具
連設体の装填等のために開放できるよう、ノーズの通過
にほぼ平行に延びるピンによってゲートが枢支されてい
る固着具打込機であって、前記安全アームが、ノーズ先
端部から前記給送装置のゲートの枢支ピンに沿って延び
ており、この枢支ピンには、該アームをノーズ先端部よ
り突出するよう付勢するばねが保持されていることを特
徴とする固着具打込機が提供される。

実施例 以下、本考案の実施例について、図面を参照しながら
説明する。第１図は、本考案に係る固着具打込機として
の釘打機１を示している。この釘打機１の固着具として
の釘を打込む場合の一般的な構成及び動作の説明をす
る。

釘打機１は、ハンドル２と、このハンドル２に一体成
形されたハウジング３と、ハウジングの下方に連結され
たノーズ４と、ノーズの釘通路に釘を供給する給送装置
５と、ハンドル２の端部に取付けられ、コイル状に巻回
した釘の連設体を収容し、給送装置５に延びて釘を供給
するマガジン６とから成る。そして、ハウジング３の内
部には、間隔をおいて内側にシリンダ８が設けられ、こ
のシリンダ８の中にはピストン９がスライド可能に収容
されていて、ピストン・シリンダ装置を構成している。
ピストン９には、打込部材としてのブレード10が取付け
られ、ブレード10が、固着具としての釘の給送されたノ
ーズ４の打込通路に延びて、その釘が対象物に打込まれ
る。

この打込みのため、シリンダ８の上部にはバルブ11が
設けられ、このバルブ11が、ピストン９の背面（図面の
上面）へ、ハンドル２の端部に設けられたニップルから
シリンダ８の外側に供給された加圧空気を与えるのを制
御している。そして、このバルブ11を制御するのが、ト
リガレバー12であり、第１図に図示した位置にトリガレ
バー12を引くとバルブ11が作動させられる。すなわち、
ピストン９の背面に加圧空気が供給され、第１図におけ
るブレード軸芯を境にして左側の静止位置（上死点位
置）から、ブレード軸芯を境にして右側の動作位置（下
死点位置）へ急速に移動して、ブレードが釘を打撃す
る。なお、ハウジング３の上方を延長してバルブ11を覆
っているのはキャップ13である。

また、給送装置５には、マガジン６から延びる釘の連
設体の装填等のために開放できるゲートが設けられてい
る。すなわち、ゲート14は、ノーズ４の釘通路に沿って
ほぼ平行に延びるピン15によって枢支されており、この
ゲート14は、マガジン６の側の端部（第１図の右側端
部）がピン15を中心に第１図の左側に回転させられて、
給送装置５の部分を開放できる構成になっている。そし
て、通常時の開放を禁止するため、ゲートにはロック装
置16が設けられている。以上の説明によって、釘打機の
一般的な構成及び動作は十分であろう。

釘打機１においては、ノーズ４の先端部（第１図の下
端側部分）には、先端側安全アーム18が設けられてお
り、このアーム18は、トリガレバー12に作用する後端側
アーム19に連結または一体成形されており、ノーズ先端
部が打込対象物に押しつけられない限り、トリガレバー
12の動作を無効にしている。通常の場合、トリガレバー
12の自由端には、補助レバー20が枢支されていて、この
補助レバー20の自由端が、後端側アーム19の端部によっ
て押されると、トリガレバー12の引き動作が有効にな
る。すなわち、その引き動作で枢動したトリガレバー12
が、補助レバー20を、第２図の位置から第１図の位置に
枢動させ、これにより、補助レバー20がトリガバルブ21
の作動ピン22を押して、ピストン・シリンダ装置に加圧
空気を供給してブレード10を駆動する。

本考案においては、安全装置を構成する、安全アーム
18及び19を、ノーズ先端側に付勢するばねが、給送装置
５のゲート14の枢支ピン15に保持されたコイルばね24で
成る。すなわち、本考案においては、ノーズ先端部から
延びる先端側安全アーム18が、給送装置５のゲート14の
枢支ピン15に沿って延びており、この枢支ピン15に、ア
ーム18をノーズ先端部より突出するよう付勢するばねが
保持されている。そして、アーム18からは、そのピン15
にスライド可能に入る一体成形のガイド25が延びてい
て、このガイド25がばね24によってノーズ先端側にばね
付勢されている。従って、アーム18は、ガイド25によ
り、ピン15に沿って上下にスライドでき、ばね24によっ
てノーズ先端側に付勢され、これにより、アーム18に連
結された後端側アーム19もトリガレバー12の補助レバー
20を押さず、トリガレバーの安全性を確保している。勿
論、先端側アーム18の先端部を打込対象物に押しつけれ
ば、トリガレバー12の動作は有効になる。

考案の効果 本考案によれば、安全アームが、ノーズ先端部から給
送装置のゲートの枢支ピンに沿って延びており、この枢
支ピンには、該アームをノーズ先端部より突出するよう
付勢するばねが保持されているので、従来のもののよう
に、ばねが外れたりすることがなくなり、対象物を傷つ
けたり、ばねが損傷したりすることがなくなる。また、
ばねの位置がノーズから出っ張らず、スリムになるの
で、隅打ち作業が楽に行え、そして、ノーズの軸芯に平
行なゲートのピンに対してアームがスライドできるの
で、そのスライド動作が極めて滑らかになる利点もあ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る固着具打込機としての釘打機を
一部断面して示す正面図、第２図は、第１図の釘打機の
裏面側部分を示す背面図である。 符号の説明 １……釘打機、２……ハンドル ３……ハウジング、４……ノーズ ５……給送装置、６……マガジン ８……シリンダ、９……ピストン 10……ブレード、11……バルブ 12……トリガ、13……キャップ 14……ゲート、15……ゲートピン 16……ロック装置、18……先端側アーム 19……後端側アーム、20……補助レバー 21……トリガバルブ、22……トリガピン 24……ばね、25……アームのガイド

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ピストン・シリンダ装置を備え、トリガレ
   バーによってピストン・シリンダ装置が駆動されて打込
   部材がノーズに延びて、ノーズの通路にある固着具を対
   象物に打込む構成にされ、また、対象物にノーズ先端部
   を押しつけない限りトリガレバーの動作を無効にする安
   全アームが設けられ、更に、ノーズの通路に固着具を１
   本ずつ給送する給送装置がノーズに設けられ、この給送
   装置には、固着具連設体の装填等のために開放できるよ
   う、ノーズの通路にほぼ平行に延びるピンによってゲー
   トが枢支されている固着具打込機において、前記安全ア
   ームが、ノーズ先端部から前記給送装置のゲートの枢支
   ピンに沿って延びており、この枢支ピンには、該アーム
   をノーズ先端部より突出するよう付勢するばねが保持さ
   れていることを特徴とする固着具打込機。