JP2523095Y2 - ロードセル秤 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、本体ハウジングに基端
部が固定されたロードセルの可動自在な先端部に受皿を
連結したロードセル秤に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】現在、物品の重量を電気的なデータとし
て算出するロードセル秤が実用化されている。このロー
ドセル秤とは、基端部が本体ハウジングに固定されたロ
ードセルの先端部に受皿を連結したもので、この受皿上
に積載した物品の重量によってロードセルに生じる歪み
を電気的に計測して計量を行なうようになっている。

【０００３】そこで、このようなロードセル秤の従来例
を図３及び図４に基づいて以下に説明する。まず、この
ロードセル秤１では、図３に例示するように、矩形平板
状の本体ベース２上に基端部３が固定された一個のロー
ドセル４の可動自在な先端部５に矩形平板状の支持フレ
ーム６が固定されており、この支持フレーム６の上面四
隅に取付けられた緩衝ゴム７上に受皿８が支持されてい
る。なお、このロードセル秤１では、ローレットボルト
等からなる支持脚９が前記本体ベース２の底面の四隅に
装着されており、この本体ベース２上に下面が開口した
本体ボックス１０が取付けられることで本体ハウジング
１１が形成されている。また、このロードセル秤１で
は、前記ロードセル４の起歪部にはブリッジ接続された
四個のストレンゲージ(図示せず)が貼着されており、こ
れらのストレンゲージが演算回路(図示せず)に接続され
ている。

【０００４】このような構成において、このロードセル
秤１では、受皿８に積載する計量物(図示せず)の重量に
対応してロードセル４に歪が生じると、この歪から演算
回路が計量物の重量を電気的に算定してディスプレイ
(図示せず)での表示やラベルプリンタ(図示せず)の印刷
などに利用する。

【０００５】ここで、上述のようなロードセル秤１で
は、その輸送時などに受皿８が引上げられるなどすると
ロードセル４の可動自在な先端部５が上昇することにな
るが、この際の変位が過大であると精密測定器であるロ
ードセル４に塑性変形が生じて計量不能となるようなこ
とがある。そこで、このような輸送時のロードセル秤１
の機能破壊を防止するため、図４に例示するように、予
めロードセル４の可動自在な先端部５の下面と本体ベー
ス２との各々にネジ孔と貫通孔(共に図示せず)とを同軸
上に形成しておき、ロードセル４の先端部５の下面と本
体ベース２の上面との間に円筒形のゴム材等からなるス
ペーサ１２を挿入した状態で本体ベース２とスペーサ１
２とロードセル４とをボルトナット１３で締結すること
が実施されている。このようにすることで、ロードセル
４の可動自在な先端部５が本体ベース２に固定されるの
で、ロードセル秤１の出荷時などにロードセル４の先端
部５が過大に変位して計量不能となるようなことが防止
される。

【０００６】なお、このようなスペーサ１２やボルトナ
ット１３はロードセル秤１の輸送が完了すると使用前に
取外されることになる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】上述したロードセル秤
１では、スペーサ１２とボルトナット１３とで本体ベー
ス２にロードセル４の可動自在な先端部５を固定するこ
とで、先端部５の過大な変位によるロードセル４の機能
破壊を防止するようになっている。

【０００８】しかし、これではロードセル秤１の出荷前
にスペーサ１２とボルトナット１３とを装着し、輸送が
完了したロードセル秤１の使用前にスペーサ１２とボル
トナット１３とを取外す必要があるため、これらの部材
１２，１３の装着や取外しの作業が煩雑で生産性も阻害
されている。

【０００９】しかも、実際には輸送が完了して使用して
いるロードセル秤１の受皿８を引上げてロードセル４を
破壊するようなこともあるため、ロードセル秤１が使用
可能な状態でもロードセル４の先端部５の過大な変位を
防止することが要望されている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本体ハウジングに基端部
が固定されたロードセルの可動自在な先端部に受皿を連
結し、この受皿を前記本体ハウジングの天板上に配置す
ると共に前記ロードセルを天板下に配置したロードセル
秤において、前記本体ハウジングの前記天板の上面に前
記受皿に形成された凸部と所定の間隔をおいて対向する
上向きの突起を一体に突出形成すると共に前記天板の下
面に前記ロードセルの可動自在な先端部の上面に対向し
て前記ロードセルの可動範囲の上限を規制する下向きの
上限ストッパを一体に突出形成した。

【００１１】

【作用】ロードセルの可動自在な先端部の可動領域の上
限が上限ストッパで規制され、受皿に形成された凸部と
所定の間隔をおいて対向する上向きの突起により可動領
域の下限が規制されるので、その輸送時や使用時などに
ロードセルの先端部が過大に変位して計量不能となるよ
うなことが防止され、このような上限ストッパや上向き
の突起を本体ハウジングの天板に形成してロードセルの
先端部の可動領域を規制した状態でも計量作業を実行可
能であるため、ストッパ機構を出荷時に装着して使用前
に取外すような煩雑な作業を要することがなく、特に、
本体ハウジングの天板の上下面に上向きの突起と下向き
の上限ストッパとを一体に形成するだけでよいため、こ
れらの突起と上限ストッパを別部品で製作する必要がな
く、ロードセル秤の生産性の向上に寄与することができ
る。

【００１２】

【実施例】本考案の実施例を図１及び図２に基づいて説
明する。まず、このロードセル秤１４では、下面が開口
した本体ハウジング１５の天板下面に基端部１６が固定
されたロードセル１７の可動自在な先端部１８に支持フ
レーム６が固定されており、この支持フレーム６の上面
四隅に取付けられた緩衝ゴム７上に受皿８が支持されて
いる。そして、このロードセル秤１４では、支持フレー
ム６の四隅と中央部とに捩込まれたネジ体であるボルト
１９，２０と前記本体ハウジング１５の天板上面に突設
された突起２１，２２とが相対向することで四隅ストッ
パ２３とロードセルストッパ２４とが各々設けられてい
る。

【００１３】そして、このロードセル秤１４では、前記
本体ハウジング１５の天板の下面に突設されたストッパ
機構である上限ストッパ２５が、前記ロードセル１７の
可動自在な先端部１８の上面に近接して対向している。

【００１４】なお、このロードセル秤１４では、前記本
体ハウジング１５の天板に形成された貫通孔を介して前
記ロードセル１７の先端部１８と前記支持フレーム６と
が連結されている。また、前記ロードセル１７の起歪部
にはブリッジ接続された四個のストレンゲージ(図示せ
ず)が貼着されており、これらのストレンゲージが演算
回路(図示せず)に接続されている。

【００１５】このような構成において、このロードセル
秤１４では、受皿８に積載する計量物(図示せず)の重量
に対応してロードセル１７に歪が生じると、この歪から
演算回路が計量物の重量を電気的に算定してディスプレ
イ(図示せず)での表示やラベルプリンタ(図示せず)の印
刷などに利用する。

【００１６】そして、このロードセル秤１４では、ロー
ドセル１７の可動自在な先端部１８の可動領域の上限が
上限ストッパ２５で規制されているので、その輸送時な
どに受皿８が引上げられるなどしてもロードセル１７の
先端部１８が過大に変位して計量不能となるようなこと
が防止されている。しかも、このロードセル秤１４で
は、上述のような上限ストッパ２５でロードセル１７の
先端部１８の可動領域を規制した状態で計量作業が可能
であるので、この上限ストッパ２５を出荷時に装着して
使用前に取外すような煩雑な作業を要しないので生産性
も良好であり、その使用中に受皿８が引上げられるなど
してもロードセル１７に機能破壊が生じることがないの
で耐久性も良好である。

【００１７】また、このロードセル秤１４では、偏荷重
による支持フレーム６の湾曲で受皿８が本体ハウジング
１５に衝突することを防止するため、四隅ストッパ２３
のボルト１９と突起２１との当接で受皿８の部分的な下
降を一定値以下に規制している。また、受皿８に加わる
荷重が四隅で均一でも過大であるとロードセル１７の歪
量が限界を超えて塑性変形などが発生するので、これを
防止するためにロードセルストッパ２４のボルト２０と
突起２２との当接でロードセル１７の先端部１８の下降
を一定値以下に規制している。なお、このように各スト
ッパ２３，２４は目的が異なるため、例えば、四隅スト
ッパ２３のボルト１９と突起２１との間隔はミリオーダ
ーであるのに対し、ロードセルストッパ２４のボルト２
０と突起２２との間隔はミクロンオーダーとなってお
り、受皿８に均一で過大な荷重が加わった場合は四隅ス
トッパ２３が作用する以前にロードセルストッパ２４が
作用する。しかも、このロードセル秤１４では、その機
能を良好に確保するために各ストッパ２３，２４の構成
部品の間隔を調整する場合、受皿８を支持フレーム６上
から取外して各ボルト１９，２０の被操作部１９ａ，２
０ａを上方から回動操作して突起２１，２２との間隔を
調整すれば良いので、この調整作業が極めて簡易で生産
性やメンテナンス性が良好である。

【００１８】

【考案の効果】本考案は上述のように、本体ハウジング
に基端部が固定されたロードセルの可動自在な先端部に
受皿を連結し、この受皿を前記本体ハウジングの天板上
に配置すると共に前記ロードセルを天板下に配置したロ
ードセル秤において、前記本体ハウジングの前記天板の
上面に前記受皿に形成された凸部と所定の間隔をおいて
対向する上向きの突起を一体に突出形成すると共に前記
天板の下面に前記ロードセルの可動自在な先端部の上面
に対向して前記ロードセルの可動範囲の上限を規制する
下向きの上限ストッパを一体に突出形成したので、ロー
ドセルの可動自在な先端部の可動領域の上限が上限スト
ッパで規制され、受皿に形成された凸部と所定の間隔を
おいて対向する上向きの突起により可動領域の下限が規
制されるため、その輸送時や使用時などにロードセルの
先端部が過大に変位して計量不能となるようなことが防
止され、このような上限ストッパや上向きの突起を本体
ハウジングの天板に形成してロードセルの先端部の可動
領域を規制した状態でも計量作業を実行可能であるた
め、ストッパ機構を出荷時に装着して使用前に取外すよ
うな煩雑な作業を要することがなく、特に、本体ハウジ
ングの天板の上下面に上向きの突起と下向きの上限スト
ッパとを一体に形成するだけでよいため、これらの突起
と上限ストッパを別部品で製作する必要がなく、ロード
セル秤の生産性の向上に寄与することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す縦断側面図である。

【図２】平面図である。

【図３】従来例を示す縦断側面図である。

【図４】輸送時用のスペーサやボルトナットを装着した
状態の縦断側面図である。

【符号の説明】

８ 受皿 １４ ロードセル秤 １５ 本体ハウジング １６ 基端部 １７ ロードセル １８ 先端部 ２５ ストッパ機構

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体ハウジングに基端部が固定されたロ
   ードセルの可動自在な先端部に受皿を連結し、この受皿
   を前記本体ハウジングの天板上に配置すると共に前記ロ
   ードセルを天板下に配置したロードセル秤において、前
   記本体ハウジングの前記天板の上面に前記受皿に形成さ
   れた凸部と所定の間隔をおいて対向する上向きの突起を
   一体に突出形成すると共に前記天板の下面に前記ロード
   セルの可動自在な先端部の上面に対向して前記ロードセ
   ルの可動範囲の上限を規制する下向きの上限ストッパを
   一体に突出形成したことを特徴とするロードセル秤。