JP2500299Y2 - 電子はかりの過負荷保護機構 - Google Patents

電子はかりの過負荷保護機構

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JP2500299Y2
JP2500299Y2 JP8769891U JP8769891U JP2500299Y2 JP 2500299 Y2 JP2500299 Y2 JP 2500299Y2 JP 8769891 U JP8769891 U JP 8769891U JP 8769891 U JP8769891 U JP 8769891U JP 2500299 Y2 JP2500299 Y2 JP 2500299Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本考案はダブルビーム形ロード
セルを荷重センサとする電子はかりの過負荷防止機構に
関する。
【0002】
【従来の技術】 ダブルビーム形ロードセルを用いた電
子はかりでは、一般に、ロードセルの一端部をはかりの
ベースに固着し、他端を自由端として、その他端側に皿
受軸を装着した構造を採る。このような電子はかりにお
いては、通常、ロードセルを過負荷から保護するため
に、ロードセルの自由端側(可動柱と称される)の底面
に対向して、ロードセルの変位を一定量以下に規制する
ためのストッパが設けられている。このストッパは、一
般に、電子はかりのベースに一体形成された円柱状の突
起により構成されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】 ところで、ダブルビ
ーム形のロードセルにおいては、測定範囲の最大荷重を
負荷してもその変位量はせいぜい0.2mm〜0.3m
m程度と非常に小さく、また、このように最大荷重が負
荷されている状態から更に0.2〜0.3mm程度の変
位が生じても破損してしまう。過負荷からロードセルを
保護するためには、可動柱の最大変位量を、最大荷重の
負荷状態の変位量の1.5倍からせいぜい2倍程度以内
にに規制する必要がある。
【0004】前記した従来の保護機構では、可動柱の最
大変位量が上述した範囲内となるように設計されてはい
るものの、全ての製品についてばらつきなく正確に最大
変位量が規制されているとは言いがたく、過負荷の作用
によってロードセルが破損する場合もある。また、従来
の保護機構では、最大変位量が上記した範囲内に正確に
規制されているにも拘らず、過負荷の作用によりロード
セルが破損する場合もあった。
【0005】本考案はこのような実情に鑑みてなされた
もので、簡単な調整により、過負荷からロードセルを確
実に保護することのできる機構の提供を目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成する
ため、本考案の保護機構では、ダブルビーム型ロードセ
ルの可動柱の底面に対向して、このロードセルのビーム
方向と直交する方向に伸びる稜を有する上向きの凸曲面
を持つ規制部材を配設するとともに、この規制部材は、
その凸曲面の稜が皿受軸の略軸心と交差するよう、一端
を当該はかりのベースに固着し、かつ、他端を調節ネジ
を介してはかりベースに支持した構造とし、調節ネジの
回動により凸曲面の稜と可動柱の底面との間隙が変化す
るよう構成したことによって特徴付けられる。
【0007】
【作用】 規制部材の凸曲面の稜の上下方向の位置は、
端部に設けられた調節ネジの回動により、その調節ネジ
のねじ込みまたはねじ戻しによる上下方向への変位量に
比して小さくなる。例えば稜の位置を中央部分とすれ
ば、調節ネジの上下への移動量に対して稜の変位量は1
/2となり、微小な位置調整が可能となる。
【0008】また、従来の保護機構において可動柱の最
大変位量を正しく設定しているにも拘らずロードセルが
破損する原因は、ダブルビーム型ロードセルでは、可動
柱が互いに平行なビームにより支承された、いわゆるロ
バーバル機構を持つため、その変位方向は上下方向のみ
に規制されているとは言うものの、実際には僅かに傾斜
して変位することがあり、この場合、ストッパをその中
心が皿受軸の軸線と同軸上にくるように配置しても、そ
の形状が円柱状であるため、可動柱はストッパの上面の
端部に当接することになり、その状態で皿受軸の軸線上
に負荷が加わることによって、可動柱にはモーメントが
作用してこじれるためである。
【0009】本考案の規制部材では、可動柱に対向する
面を、ロードセルのビーム方向と直交する方向に伸び、
かつ、皿受軸の略軸線を通る稜を持つ凸曲面としている
ため、可動柱が傾斜した状態で規制部材に当接しても、
可動柱は皿受軸のほぼ軸線上で規制部材に当接し、モー
メントは作用しない。
【0010】
【実施例】 図1は本考案実施例の電子はかりの内部構
造の要部正面図で、図2はその規制部材5の平面図であ
る。固定柱11に対して互いに平行なビーム12,13
を介して支承された可動柱14を有するダブルビーム型
ロードセル1は、その固定柱11の底面部においてベー
ス2に固定されている。そして、皿3を支承するための
皿受軸4は可動柱14の上面に固着されている。
【0011】可動柱14の底面に対向して規制部材5が
配設されている。規制部材5は、例えばアルミニウム系
合金または鋼板等のある程度の弾性を有する材料によっ
て形成され、一端に貫通孔51が、他端には雌ネジ52
が穿たれ、その中間部分に上向きへの凸曲面を持つ湾曲
部53が形成されており、この凸曲面の稜53aは、ダ
ブルビーム型ロードセル1のビーム12,13の伸びる
方向に直交する方向に伸びている。
【0012】そして、この規制部材5は、その稜53a
が皿受軸4の軸線Lと交差するような位置に、その一端
が貫通孔51を介してベース2にネジ6によって固定さ
れているとともに、他端の雌ネジ52にはその上方から
調節ネジ7がねじ込まれている。調節ネジ7の先端はベ
ース2の表面に押しつけられており、従ってこの調節ネ
ジ7を回動することにより規制部材5の他端が上下方向
に変位するが、同時に稜53aはこの他端の変位量の1
/2だけ上下方向に変位することになる。
【0013】なお、規制部材5には、図2に示すように
その中央部分に貫通孔54が形成されており、下皿を装
着した状態での測定の場合に下皿懸吊用フックが通過し
得るように構成されている。以上の本考案実施例におい
ては、無負荷状態もしくはひょう量荷重を負荷した状態
において、可動柱14の底面と規制部材5の稜53aと
の間隙を、調節ネジ7を回動しつつ、例えばシックネス
ゲージ等を使用する等の手法により、所望の寸法に設定
する。この設定作業において特に注目すべき点は、規制
部材5の稜53aの変位量は、その調節ネジ7の配設部
分の変位量の1/2となる点であり、これにより、微小
な間隙寸法の調整も容易となる。
【0014】また、規制部材5がある程度の弾性を持っ
ているので、その弾性力による調節ネジ7の回り止め効
果により、一旦調節した後には規制部材5の上下方向位
置が変化する等の不具合も生じない。そして、このよう
な調整が終了した後、皿3に過負荷が作用した場合、可
動柱14の底面が規制部材5に当接することになるが、
その当接位置は稜53aであるから、可動柱14は負荷
の作用線上である皿受軸4の軸線L上で規制部材5に当
接することになり、モーメントが作用することがない。
【0015】
【考案の効果】 以上説明したように、本考案によれ
ば、可動柱の底面に対向して、皿受軸の略軸線を通り、
かつ、ダブルビーム型ロードセルのビーム方向に直交す
る方向に伸びる稜を有する凸曲面を持つ規制部材を設
け、この規制部材の一端をベースに固定し、他端に調節
ネジを設け、その調節ネジの回動によって稜を上下方向
に変位させるように構成したので、可動柱の底面と規制
部材との間隙の微調整が非常に簡単な作業のもとに可能
となり、正確な間隙の設定によって過負荷から確実にロ
ードビームを保護することができるようになった。
【0016】また、可動柱は皿受軸のほぼ軸線上におい
てその変位が規制されるから、従来のように当接時にモ
ーメントが作用することに起因する破損も生じない。し
かも、本考案はその構成が極めて簡単であるから、特に
電子はかりのコストを上昇させることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案実施例の電子はかりの内部構造の要部
正面図
【図2】 その規制部材5の平面図
【符号の説明】
1・・・・ダブルビーム型ロードセル 11・・・・固定柱 12,13・・・・ビーム 14・・・・可動柱 2・・・・ベース 3・・・・皿 4・・・・皿受軸 5・・・・規制部材 51・・・・貫通孔 52・・・・雌ネジ 53・・・・湾曲部 53a・・・・稜

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダブルビーム形ロードセルの可動柱に皿
    受軸が配設されてなる電子はかりを過負荷から保護する
    機構であって、上記可動柱の底面に対向して、上記ロー
    ドセルのビーム方向と直交する方向に伸びる稜を有する
    上向きの凸曲面を持つ規制部材が配設されているととも
    に、この規制部材は、上記凸曲面の稜が上記皿受軸の略
    軸心と交差するよう、一端が当該はかりのベースに固着
    され、かつ、他端が調節ネジを介して上記ベースに支持
    されてなり、上記調節ネジの回動により上記稜と可動柱
    の底面との間隙が変化するよう構成されていることを特
    徴とする電子はかりの過負荷防止機構。
JP8769891U 1991-10-25 1991-10-25 電子はかりの過負荷保護機構 Expired - Fee Related JP2500299Y2 (ja)

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