JP2523000Y2 - 抽出の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、各種の物品を出入自在に収納する抽出の構
造に関するものである。

〔従来の技術〕

周知のように机，箪笥などの抽出は、書類，衣料品，
雑貨類等を出入自由に使い勝手よく収納するもので、什
器等に広く採用されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、このような抽出で上面開口の抽出箱に
収納物品が満杯状態に入つていたり、崇張つて上方へ突
出している場合には、上層に皺を作つたり塊りを形成し
て引出し動作を妨げたり、溢れ出たものが抽出箱後方に
落ちてしまつたのに気付かず、失つたと勘違いし、大慌
てすることがしばしばあつた。

そこで、本考案はこのようなトラブルをすべて解決可
能とした抽出を提供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の抽出の構造は、抽出箱の上面を覆うシート材
が弾発力により常に軸筒に巻き込まれるように付勢され
たシート巻回具を、前記抽出箱が挿入される抽出外枠の
挿入口の直上内側面に装着し、前記シート材を前側下方
から引き出すようにすると共にその先端縁を抽出箱の後
端部に固着して抽出箱を挿入口内に挿し込む時シート材
が弾発力に抗して引き出され抽出箱の上面を覆い、また
引き出す時弾発力によりシート巻回具に巻込まれるよう
にした構成よりなる。または、シート巻回具の軸筒両端
部にそれぞれコロを固着し、該各コロを抽出箱の両側壁
上面に圧接させることにより、抽出箱の出し入れ動作に
伴いコロを回転させ前記シート材をシート巻回具に巻き
込み若しくは引き出し自在にするようにした。

〔作用〕

このように構成された本考案の抽出の構造は、抽出箱
を抽出外枠内に収納した状態で抽出箱の上面を展張した
シート材で覆い、収納物品が上方へ突出したり、後方に
溢出したりすることのないように保護する。そして、抽
出箱を引出すときはシート材が順次巻込まれ引出し動作
を妨げることは全くない。しかも、このようなシート材
の動作は特に抽出箱に物品を満杯状に収納した状態で
も、上層の収納物品は抽出箱の収納と共にシート材が引
き出されるのに伴いそれに接つして奥方向へ送り込ま
れ、また抽出箱の引き出し時にはシート材が巻き込まれ
るのに伴いそれに接して前方向へ送り出されることとな
り、収納物品の出し入れを円滑に行う。

〔実施例〕

以下に本考案の抽出の構造の一実施例を図面と共に説
明する。第１図はシート巻回具Ａの分解斜視図を示し、
図中１は可撓性を有するプラスチツク材等で形成した方
形状のシート材であり、該シート材１の基端縁はプラス
チツク製の軸筒２に止着し巻回される。

3a,3bは帯板4,4′の外側端に直角に折曲してなる立壁
5,5′を設けた左右対称形状のホルダ部材であり、一方
のホルダ部材3aの立壁５内面に帯板４と平行に配置した
所要長さの支持杆６の一端を固着し、該支持杆６にカラ
ー７及びコイルばね８を嵌挿させ、コイルばね８の一端
を支持杆６の他端に、また他端をカラー７に夫々固着す
る。他方のホルダ部材3bの立壁５′内面には支持杆６に
対向させて支軸９を帯板４′と平行に突設する。

そして、前記シート材１を巻回した軸筒２を支持杆６
に嵌挿させてその一方端をカラー７に嵌挿固定させると
共に、他方端は支軸９に遊嵌させる。これによりシート
材１はコイルばね８の弾発力によつて常に軸筒２に巻き
込まれるようになる。

また、前記帯板4,4′に夫々内端寄りに長手方向に沿
つて長孔10,10を開設し、両帯板4,4′を重ね合せ対向す
る立壁5,5′間の距離を軸筒２の長さに合わせた状態で
連通した長孔10,10にビス11,11を挿通しナツト11,11′
で締止め固定する。12,12は両帯板4,4′の側端縁に突設
した掛止片であり、透孔13,13がそれぞれ開設してあ
る。

14は上面が開口する抽出箱であり、15は該抽出箱14を
出入自在に収容する抽出外枠である。抽出箱14は底壁16
の周側縁に前壁17,後壁18及び左右の側壁19,19を立設し
ており、抽出外枠15の前面に設けられる挿入口20の上下
両縁に上桟21と前記底壁16を摺動自在に支持する受け桟
22とを配設し、上桟21の内側面で挿入口20の直上位置に
シート巻回具Ａを水平に配設し、各掛止片12の透孔13に
ビス23を挿通して上桟21に固着する。

そして、シート材１をシート巻回具Ａの前側下方から
引き出させるようにして抽出箱14を抽出外枠15に収容し
た状態で抽出箱14の上面を覆う展張状態とし、その先端
縁を抽出箱14の後壁18の後端部に止着させる。

なお、説明が前後したが、シート材１の横巾とそれに
合わせた軸筒２の長さは、抽出箱14の横巾に合わせて切
り落とすことにより調節でき、またシート材１の長さも
抽出箱14の奥行きの距離に合わせて切断する。更に、ホ
ルダ部材3a,3bの立壁5,5′間の距離は軸筒２の長さに合
うよう帯板4,4′をスライドさせて調節する。支持杆６
の長さは軸筒２の長よりも短くしてあり、帯板4,4′を
伸縮するに支障のないようにしてある。

本考案の抽出の構造は上記構成よりなり、抽出箱14を
抽出外枠15内に収納した状態で、抽出箱14の上面を展張
したシート材１で覆い、収納物品を上方へ突出させた
り、溢出させたりすることのないように保護し、特に薄
い用紙などが抽出箱14の後壁18上面から後方に落ちない
ようにしている。そして、抽出箱14を引き出す時はシー
ト材１が順次巻込まれて引き出し動作を妨げることな
く、しかも、このようなシート材１の動作は特に抽出箱
14に満杯状に物品を収納した状態でも、上層の収納物品
は抽出箱14の収納と共にシート材１が引き出されるのに
伴いそれに接つして奥方へ送り込まれ、また抽出箱14の
引き出しと共にシート材１が巻き込まれるのに伴いそれ
に接つして前方向へ送り出されるので、出し入れを非常
に円滑に行う。

シート巻回具Ａは上桟21に固着するものに限らず、両
側端部を抽出外枠15の側面に取り付け固定するようにし
ても良い。

第５図に示したものは他の実施例のシート巻回具Ａ′
を示すもので、一対の立壁5,5′に軸孔24,24を開設する
と共に、両立壁5,5′の内側に一端の軸棒25を外方に突
出させると共に他端に前記軸筒２を嵌着固定する突子26
を一体に設けた支持部材27を配設し、各立壁5,5′から
外方に突出する軸棒25にコロ28を固着してなる。なお、
該コロ28の外周面には滑り止めのローレツトを設けても
良い。

そして、これらコロ28,28を抽出箱14の左右の側壁19,
19上端面に接触させ転動させるようにしてシート材１を
展張、巻回するようにした。この実施例のものは支持杆
６にコイルばね８を嵌着する必要がなく、さらに支持杆
６を短かくできるなど構成を簡略にすることができる。

尚、前記シート材１の表面に容易に屈曲しまた復元す
る弾性を有する細幅の帯片を長手方向に沿つて複数本貼
着すれば、引出箱14内の収容物を上から押えるに都合が
良い。

また、前記シート材は可撓性のプラスチツクシートに
限らず、巻き込まれ抽出箱の上面を覆うことができれば
他の材質のものでも良い。

〔考案の効果〕

以上に述べたように本考案の抽出の構造は、満杯に収
納した場合でも収納物品を溢出させたりすることはな
く、むしろ上層にある収納物品は展張したシート材で抑
えられ、形が整えられて皺になつたり癖が付いたりする
ことなく安定した状態に保たれる。しかも抽出箱の出入
動作に伴つてシート材が巻き込み若しくは引き出される
ので収容物品の出し入れが極めて円滑になし得る効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の抽出の構造の一実施例に係わるもので、第
１図はシート巻回具の分解斜視図、第２図は抽出の斜視
図、第３図及び第４図は使用状態の断面図、第５図はシ
ート巻回具の他の実施例を示す斜視図、第６図は同断面
図である。 Ａ……シート巻回具、１……シート材、２……軸筒、14
……抽出箱、15……抽出外枠、19……側壁、20……挿入
口、28,28……コロ。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】抽出箱の上面を覆うシート材が弾発力によ
   り常に軸筒に巻き込まれるように付勢されたシート巻回
   具を、前記抽出箱が挿入される抽出外枠の挿入口の直上
   内側面に装着し、前記シート材を前側下方から引き出す
   ようにすると共にその先端縁を抽出箱の後端部に固着し
   て抽出箱を挿入口内に挿し込む時シート材が弾発力に抗
   して引き出され抽出箱の上面を覆い、また引き出す時弾
   発力によりシート巻回具に巻き込まれるようにしたこと
   を特徴とする抽出の構造。
2. 【請求項２】シート巻回具の軸筒両端部にそれぞれコロ
   を固着し、該各コロを抽出箱の両側壁上面に圧接させる
   ことにより、抽出箱の出し入れ動作に伴いコロを回転さ
   せ前記シート材をシート巻回具に巻き込み若しくは引き
   出し自在にするようにしたことを特徴とする請求項
   （１）記載の抽出の構造。