JP2522573Y2 - チップクランプ装置 - Google Patents

チップクランプ装置

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JP2522573Y2 JP11247990U JP11247990U JP2522573Y2 JP 2522573 Y2 JP2522573 Y2 JP 2522573Y2 JP 11247990 U JP11247990 U JP 11247990U JP 11247990 U JP11247990 U JP 11247990U JP 2522573 Y2 JP2522573 Y2 JP 2522573Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案はバイトのスローアウエイチップをクランプす
るクランプ装置に関するものである。
(従来の技術) 第4図の断面図に示すように、バイトホルダ21の先端
のチップ座22に立設された固定ピン23にロック孔25が係
合するようにチップ座上に装着したスローアウエイチッ
プ24の後面27と、上記チップ座22に隣接する座ぐり部28
の壁面29との間に、チップ24の上面26に係合する第一係
合面31とチップ24の後面に係合する第二の係合面32とを
備え後端面33が傾斜面をなす楔状押え部材30を、該押さ
え部材30を下方に締め付けるねじ部材34の締め付けによ
り圧入し、これによって上記の第一係合面31がチップの
上面26を押圧すると共に第二係合面32がチップの後面27
を押圧してチップ24を固定ピン23に向かって押圧し、も
ってチップ24をクランプするようにしたウエッジクラン
プタイプのクランプ装置は既によく知られている。
また第5図および第6図の平面図および側面図に示す
ように(第4図と同一符号は同一部分を表す)、上記と
同様なウエッジクランプタイプのクランプ装置であっ
て、座ぐり部28の壁面29を傾斜面となし、該傾斜面と楔
状押え部材30の後端面33の傾斜面とを密着して係合可能
にすると共に、楔状押え部材30の上面に横方向すなわち
チップの後端面にほぼ平行な方向の溝35を設け、押え部
材30をねじ部材34により締付けたときに押え部材30が弾
性変形するようにしたクランプ装置も既に知られてい
る。
(考案が解決しようとする問題点) 第4図に示した従来のクランプ装置では押え部材30の
後端面33と座ぐり部28の壁面29との接触が線接触となる
ので、充分なチップ拘束力を得難いだけでなく、チップ
拘束力が不安定で切削中にチップ24が動き易く、刃先精
度が良好でない。またねじ部材34により押え部材30を過
度に締付けるとチップ24が浮きあがる虞もある。
また第5図および第6図に示した従来のクランプ装置
では押え部材30に横方向の溝35を設けているので、押え
部材30はその前端上部と後端上部との間隔を縮小するよ
うに弾性変形でき、ねじ部材34による押え部材の締付け
が適度であれば、第一係合面31および第二係合面32によ
りチップ24を強く拘束できるが、締付けが過度になる
と、上記の間隔を縮小する弾性変形が過度になり、また
第一および第二係合面31および32のチップ24との接触位
置が変動する等して、チップ24が浮き上がり易くなり、
刃先精度を損なう憾みが在る。
上記のように従来のウエッジクランプタイプのクラン
プ装置はチップ拘束力、刃先精度の確保の点でなお問題
がある。ウエッジクランプタイプのクランプ装置として
は前記以外にも種々の提案があるが、何れもチップ拘束
力、刃先精度の確保或いは加工コスト等の点で未だ満足
し得るものではない。本考案はウエッジクランプタイプ
のチップクランプ装置の上記状況に鑑み、チップ拘束力
が強固で、刃先精度を向上させかつ安定させた新規なス
ローアウエイチップのクランプ装置を提案するものであ
る。
(課題を解決するための手段) 本考案のチップクランプ装置はバイトホルダの先端に
設けたチップ座と、該チップ座に立設されチップ座にク
ランプされるべきチップのロック孔内に挿入される固定
ピンと、上記チップ座に隣接する位置に設けられたコ字
状のポケット部と、該ポケット部の後方側に後壁および
側壁と間隙を隔てて設けた独立壁と、上記コ字状のポケ
ット部に収容される押え部材と、該押え部材を締付ける
ねじ部材とから成り、上記押え部材が上記チップの上面
に係合する第一の係合面とチップの後面に係合する第二
の係合面を備えると共に後面に傾斜面を有し、上記ねじ
部材の締付けによりチップ座上に装着されたチップと上
記の独立壁との間に圧入され、上記の第一の係合面によ
りチップの上面を、第二の係合面によりチップの後面を
押圧するようになされていることを特徴とするものであ
る。
(実施例) 以下に図面に基づき本考案のチップクランプ装置の実
施例を詳細に説明する。
第1図および第2図は本考案の実施例の上面および断
面図を示し、第3図はチップ座および固定ピンを固着し
たバイトホルダの斜視図である。図において1はバイト
ホルダであり、その先端にチップ座2が固着され、固定
ピン3がバイトホルダのねじ孔に螺着されて立設されて
いる。チップ座2のバイトホルダ1への固着はバイトホ
ルダに螺着されている固定ピンのフランジ(図示せず)
をチップ座2の面に係合させ、押圧する等の適宜な手段
により行うことができる。4はスローアウエイチップ
で、正三角形の板状をなし、三角形の各隅角部を切刃と
して使用する。チップ4の中央にはロック孔5があり、
チップ4は上記の固定ピン3がこの孔5内に挿入される
ようにしてチップ座上に装着される。8はチップ座2に
隣接する位置に設けられたコ字状のポケット部であり、
該ポケット部の後方側に側壁9および後壁10とはそれぞ
れ間隙溝13および14により隔てられた独立壁11が形成さ
れている。該独立壁11はチップ座2の後面従ってまたチ
ップ座2上に装着されたスローアウエイチップ4の後面
が延長する方向と平行な方向に延長し、独立壁11の前壁
12は通常、第2図に示されているように傾斜面を成して
いる。ポケット部8の側面9はチップ座2の後面や独立
壁11が延長する方向と直角な方向に延びている。
15は押え部材であり、上記のコ字状ポケット部に収容
され、しかもバイトホルダ1のねじ孔20に螺合するねじ
部材19の締付けにより、スローアウエイチップ4の後面
7と上記の独立壁11の前壁12との間に圧入される。該押
え部材15はスローアウエイチップ4の上面6に係合する
第一の係合面16とチップ4の後面7に係合する第二の係
合面17とを備えており、また後面18が傾斜面をなしてい
る。上記したねじ部材19の締付けにより押え部材15はバ
イトホルダのポケッ部8の底面に向けて押し下げられ、
チップ4の後面7と独立壁11の前壁12との間に圧入され
るので、第一の係合面16がチップの上面6を強く押圧
し、また押え部材15の圧入による楔作用により第二の係
合面17がチップ4の後面7を押圧し、その結果チップ4
のロック孔5の周面を固定ピン3に押圧し、これらの押
圧力がチップ4を強固にクランプする力として働く。こ
のとき独立壁11は押え部材15の圧入によって後壁10側に
押圧され変形し、この変形による反撥弾性力が押え部材
15を介して第二の係合面17によるチップ後面7の押圧力
として加わるので、チップクランプ力が極めて大きなも
のとなる。独立壁11の前壁12が傾斜面でなく垂直面をな
している場合でも、上記した押え部材15の圧入と、圧入
による楔作用ならびに独立壁11の弾性変形による反撥力
については基本的に異なる所はない。従って前壁12は垂
直面であっても差支えないが、押え部材18の後面の傾斜
面にフイットする傾斜面とする方が安定性が向上し、よ
り望ましい。また押え部材15の側面はコ字状のポケット
部8の側面9に接触しない程度に近接するように寸法が
選ばれており、押え部材15はコ字状のポケット部内に安
定的に収容されている。
本考案のチップクランプ装置は上記説明した実施例お
よびその変形の外にも種々な変形が可能である。例え
ば、ねじ部材19が螺合するねじ孔20は図では盲孔として
示しているが、バイトホルダを貫通する透孔として形成
して差支えないことは勿論であり、固定ピン3を螺着し
ているねじ孔も同様である。なお、上記説明において
は、独立壁について、ポケット部の後方側にポケット部
の側壁および後壁と溝間隙を隔てて形成するものと説明
したが、これはポケット部の後壁の側方および後方にス
リット(間隙溝)をいれて独立壁を形成すると言っても
よく、要は押え部材の圧入により弾性変形可能な独立し
た壁が形成されていればよい訳である。
(作用および考案の効果) 本考案のチップクランプ装置においては、スローアウ
エイチップの上面に係合する第一係合面とチップの後面
に係合する第二係合面とを備えかつ後面に傾斜面を有す
る押え部材がコ字状のポケット部に収容され、ねじ部材
19の締付けによりバイトホルダに向けて押圧されて、チ
ップの後面とポケット部の後面側に形成されている独立
壁との間に圧入されるので、押え部材の第一の係合面は
チップの上面を強く押圧し、また第二の係合面は押え部
材の楔作用と弾性変形させられた独立壁の反撥弾性力と
によりチップの後面を強く押圧し、従ってチップのロッ
ク孔内の周面を固定ピンに強く押圧して、チップを強く
拘束しクランプすることができる。本考案においてはチ
ップの拘束力を強めるため反撥弾性力を利用するが、こ
の反撥弾性力は本考案においてはコ字上ポケット部の後
方側に形成されている独立壁により与えられ、前記した
従来例の場合と異なり、押え部材自体には弾性を付与す
るためのスリット、溝等を設けていないので、ねじ部材
を過度に締付けても過度に変形することはないし、押え
部材自体の弾性変形によるチップとの接触面(係合面)
の変動すなわちチップ拘束点の変動もない。従って押え
部材がコ字状のポケット部内に収容されていて安定して
いることとも相俟って刃先精度が良好である。また、押
え部材の圧入により弾性変形を受け反撥弾性力を付与す
る独立壁はバイトホルダの一部をなす固定物であるか
ら、スローアウエイチップの装着、取り外しのためにね
じ部材の締付け、緩めを繰り返しても、これによって独
立壁に位置変動等の変化を生じることがない。従って良
好なクランプ力、刃先精度を長く維持できる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本考案の実施例の上面図および断
面図であり、第3図はそのバイトホルダの斜視図であ
る。第4図は従来のチップクランプ装置の断面図であ
り、第5図および第6図は従来の装置の他の例の上面図
および側面図である。 (符号の説明) 1:バイトホルダ、2:チップ座、3:固定ピン、4:スローア
ウエイチップ、5:ロック孔、8:ポケット部、11:独立
壁、15:押え部材,16:第一の係合面,17:第二の係合面,1
9:ねじ部材

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】バイトホルダの先端に設けたチップ座と、
    該チップ座に立設されチップ座にクランプされるべきチ
    ップのロック孔内に挿入される固定ピンと、上記チップ
    座に隣接する位置に設けられたコ字状のポケット部と、
    該ポケット部の後方側に後壁および側壁と間隙を隔てて
    設けた独立壁と、上記コ字状のポケット部に収容される
    押え部材と、該押え部材を締付けるねじ部材とから成
    り、上記押え部材が上記チップの上面に係合する第一の
    係合面とチップの後面に係合する第二の係合面を備える
    と共に後面に傾斜面を有し、上記ねじ部材の締め付けに
    より、チップ座上に装着されたチップと上記の独立壁と
    の間に圧入され、上記の第一の係合面によりチップの上
    面を、第二の係合面によりチップの後面を押圧するよう
    になされていることを特徴とするチップクランプ装置。
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