JP2521481Y2 - 浴室乾燥装置およびその装置付き浴槽 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、浴室を強制乾燥する浴室乾燥装置およびそ
の装置付き浴槽に関するものである。

〔従来の技術〕

洗濯物を干す余地の少ない都市部のマンション、アパ
ート、公団団地の集合住宅等では、浴室内を洗濯物の物
干し場として利用することが広く行われている。通常、
浴室を物干し場として利用する場合には、浴室の出入り
に邪魔にならない浴槽の上側に物干し竿を設けたり、物
干し綱を張ったりして、洗濯物を干している。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、マンション、アパート、公団団地の集
合住宅等の浴室は小さな半開き可能の窓があるだけで、
ほとんど密室状態となっている。このため、風呂の使用
中の付着した浴室壁面の露がなかなか乾かず、じめじめ
した状態となっており、浴室に洗濯物を干しても、なか
なか乾かないという不便があった。

本考案は上記従来の課題を解決するためになされたも
のであり、その目的は、浴室を強制的に乾燥させ、浴室
に干した洗濯物を容易に乾かすことができる浴室乾燥装
置およびその装置付き浴槽を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するために、次のように構成
されている。すなわち、本考案の浴室乾燥装置は、温水
供給用の風呂釜に接続される熱交換器が浴室内における
浴槽周辺部の浴槽と浴室壁面間のデッドスペースに配置
され、このデッドスペースにおける熱交換器の近傍には
該熱交換器に送風して温風を浴室内に吹き出すファンが
設けられており、該ファンは吹き出し口を熱交換器に対
向させ、熱交換器に直接風を吹き付けて該熱交換器を通
る温風を浴室内に吹き出す構成としたことを特徴として
構成されており、また、本考案の浴室乾燥装置付き浴槽
は、温水供給用の熱源機器に接続される熱交換器と、こ
の熱交換器に送風して温風を浴室に吹き出すファンとを
有し、該ファンは吹き出し口を熱交換器に対向させ、熱
交換器に直接風を吹き付けて該熱交換器を通る温風を浴
室内に吹き出す構成と成し、かつ、該熱交換器とファン
とが浴槽に取り付けられて浴槽に一体化されていること
を特徴として構成されている。

〔作用〕

本考案では、ファンを回転駆動して、風を熱交換器に
当てると、この熱交換器の熱を奪って加熱された温風が
浴室内に吹き出し、浴室内の強制乾燥が行われる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第
１図には本考案に係る浴室乾燥装置の一実施例が浴室と
ともに示されている。同図において、浴室１には浴槽２
が設置されており、この浴槽２に隣接させて強制給排気
タイプのバランス風呂釜３が設けられている。このバラ
ンス風呂釜３と浴槽２とは循環追い焚き管路で連通され
ており、この循環追い焚き管路はバランス風呂釜３に内
蔵する追い焚き熱交換器に接続され、浴槽２内の湯水が
循環追い焚き管路を循環するときに、追い焚き熱交換器
で加熱され、浴槽２内の湯水を沸かすようになってい
る。

浴槽２の周辺部、本実施例では第２図に示すように、
浴槽２の側壁部と浴室の壁面1a間のデッドスペースに熱
交換器４が設置されており、この熱交換器４は熱源機器
としての前記バランス風呂釜３に接続され、バランス風
呂釜の追い焚き熱交換器で加熱された湯がこの熱交換器
４に流れるようになっている。前記デッドスペースにお
ける熱交換器４の近傍位置にはファン５が設けられる。
第２図の例ではファン５は浴槽２のエプロン６の下側に
設けられ、吹き出し口７を上側に向けて前記熱交換器４
に対向されており、熱交換器４とファン５とで浴室乾燥
装置８を構成している。

この実施例は上記のように構成されており、以下、そ
の作用を説明する。バランス風呂釜３を運転状態にし、
バランス風呂釜３の追い焚き熱交換器で加熱した湯を熱
交換器４を通して循環させ、ファン５を回転駆動する
と、ファン５の吹き出し口７から吹き出す冷風が熱交換
器４を通るときに、熱交換器４の熱を奪って温風とな
り、この温風が浴室１の上側に向けて吹き出す。この温
風を受けて浴室１内の乾燥が行われる。このとき、浴槽
２の上方部に洗濯物が干されている場合には、前記ファ
ン５から熱交換器４を通って吹き出す温風が洗濯物に届
き、洗濯物の乾燥が短時間のうちに行われる。

この実施例によれば、温風により浴室１内の乾燥が速
やかに行われるから、浴室１内のじめじめした状態がな
くなり、これに伴い浴室壁面にかびが発生するというこ
ともなく、快適な浴室循環を作り出すことが可能とな
る。

また、浴室に洗濯物を干したときには、前記温風を受
けて洗濯物が速やかに乾くので、非常に便利であり、浴
室空間の効果的な有効利用を図ることが可能となる。

なお、本実施例のように、浴室の壁面1aと浴槽２の側
面との間のデッドスペースに熱交換器４とファン５とを
設ければ、ほとんど有効利用が図れないデッドスペース
の活用が新たに図れることとなり、浴室空間のよりいっ
そうの有効利用を図ることができる。

第３図には本考案に係る浴室乾燥装置付き浴槽の一実
施例が示されている。この実施例は、浴槽２と一体的に
浴室乾燥装置、つまり、熱交換器４とファン５とを取り
付けたものである。この実施例でも、浴槽２のエプロン
６の上側に吹き出し口７を上側に向けてファン５が取り
付けられており、さらに、このファン５の上側に熱交換
器４がエプロン６に取り付けられ、ファン５の吹き出し
口７は熱交換器４に対向されている。そして、熱交換器
４の両端側はホースや鉄管等の管路によってバランス風
呂釜３の循環追い焚き管路に接続されており、この循環
追い焚き管路の湯が熱交換器４を通して循環するように
なっている。

この実施例においても、前記実施例と同様に、ファン
５を回転駆動することにより、温風を浴室に吹き出すこ
とが可能となり、浴室１の乾燥と浴室１に干した洗濯物
の乾燥とを効果的に行うことが可能となる。

また、熱交換器４とファン５とからなる浴室乾燥装置
８が浴槽２と一体的に組み立てられるから、この組み立
てを浴槽２の製造工場で行うことができ、浴槽２の設置
現場で取り付けする手間隙が省略できるので、装置製造
の容易化と装置設置の作業効率を大幅に高めることがで
きる。

なお、本考案は上記各実施例に限定されることはな
く、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記第２の
実施例では、浴室乾燥装置８の熱源機器としてバランス
風呂釜３を用いた場合について説明したが、この熱源機
器は浴槽に一体化された熱交換器４に供給する熱を作り
出すことができる機器であればどのようなものでもよ
く、室内、室外、様々な場所に設置されている各種タイ
プの風呂釜はもちろんのこと、各種タイプの給湯器や電
気温水器等、様々な温水供給用の機器を用いて構成する
ことができる。

〔考案の効果〕

本考案は、ファンと熱交換器とからなる浴室乾燥装置
を浴室のデットスペースあるいは浴槽と一体的にして浴
室内に配置したものであるから、浴室乾燥装置のファン
を回転駆動することにより、ファンから吹き出される風
が熱交換機を通るときに温風となり、この温風が浴室内
に吹き出されるから、浴室の乾燥が効果的に行われるこ
ととなり、浴室のじめじめした状態を速やかに解消し、
浴室壁面のかびの発生を防止することができる。

また、浴室に洗濯物を干したときにも、温風によって
洗濯物を速やかに乾燥させることができ、雨の日でも洗
濯ができて非常に便利であるばかりでなく、狭い住宅環
境下で浴室空間を物干し場として有効に活用することが
可能となり、その実用的価値は非常に大きい。さらに、
本考案の浴室乾燥装置においては、ファンからの送風を
熱交換器に直接吹き付けることにより、ファンから吹き
出す冷風を熱交換器に勢い良く吹き付けて熱交換器を通
して温風とし、この温風を浴室内に吹き出して遠くまで
届かせることができるし、しかも、熱交換器は浴室内に
配置されているために、前記熱交換器を通る温風を直接
浴室内に吹き出すことができるので、例えば浴室の外部
で発生させた温風を配管等を介して浴室内に導いて温風
を吹き出す場合と異なり、浴室の壁面に配管用の穴や、
浴室乾燥装置に接続する配管等を形成する必要もない
し、冷えのない温風を浴室内へ直接吹き出しすることが
可能となり、簡単な装置構成で速やかに浴室乾燥を行う
ことができる。しかも、本考案の浴室乾燥装置におい
て、熱交換器は風呂釜に接続されるものであるから、熱
交換器に熱を供給するための熱源機器として風呂釜を利
用できるので、熱交換器に熱を供給するための専用の熱
源機器を風呂釜とは別個に設ける必要もなく、装置構成
をより一層簡単なものにすることができるし、熱交換器
とファンは浴槽と浴室壁面間のデッドスペースに設けら
れているために、ほとんど有効利用が図れない浴室のデ
ッドスペースの活用が新たに図れ、浴室空間のより一層
の有効利用を図ることができる。

さらに、本考案の浴室乾燥装置付浴槽は、前記本考案
の浴室乾燥装置と同様に、浴室内に設けられた熱交換器
にファンからの送風を直接吹き付けることにより、前記
の如く、簡単な装置構成で、冷えのない温風を浴室内へ
直接吹き出し、速やかに浴室乾燥を行うことが可能とな
り、しかも、熱交換器とファンとが浴槽に一体化されて
いるために、熱交換器とファンとからなる浴室乾燥装置
を浴槽と一体的に組み立てられるから、この組み立てを
浴槽の製造工場で行うことができ、浴槽の設置現場で浴
室乾燥装置を取り付けする手間隙が省略できるので、装
置設置施工の容易化とそれに伴う作業効率を大幅に高め
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る浴室乾燥装置の一実施例を浴室と
ともに示す平面図、第２図は同実施例装置の要部を示す
説明図、第３図は本考案に係る浴室乾燥装置付き浴槽の
一実施例を示す要部説明図である。 １……浴室、1a……壁面、２……浴槽、３……バランス
風呂釜、４……熱交換器、５……ファン、６……エプロ
ン、７……吹き出し口、８……浴室乾燥装置。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】温水供給用の風呂釜に接続される熱交換器
   が浴室内における浴槽周辺部の浴槽と浴室壁面間のデッ
   ドスペースに配置され、このデッドスペースにおける熱
   交換器の近傍には該熱交換器に送風して温風を浴室内に
   吹き出すファンが設けられており、該ファンは吹き出し
   口を熱交換器に対向させ、熱交換器に直接風を吹き付け
   て該熱交換器を通る温風を浴室内に吹き出す構成とした
   浴室乾燥装置。
2. 【請求項２】温水供給用の熱源機器に接続される熱交換
   器と、この熱交換器に送風して温風を浴室に吹き出すフ
   ァンとを有し、該ファンは吹き出し口を熱交換器に対向
   させ、熱交換器に直接風を吹き付けて該熱交換器を通る
   温風を浴室内に吹き出す構成と成し、かつ、該熱交換器
   とファンとが浴槽に取り付けられて浴槽に一体化されて
   いる浴室乾燥装置付き浴槽。