JP2520985Y2 - クラッチのダンパー構造 - Google Patents

クラッチのダンパー構造

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JP2520985Y2 JP1989057687U JP5768789U JP2520985Y2 JP 2520985 Y2 JP2520985 Y2 JP 2520985Y2 JP 1989057687 U JP1989057687 U JP 1989057687U JP 5768789 U JP5768789 U JP 5768789U JP 2520985 Y2 JP2520985 Y2 JP 2520985Y2
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【考案の詳細な説明】 考案の目的 (1) 産業上の利用分野 本考案は、クラッチアウタとドリブンギア間に装着さ
れるダンパーに関し、特に、ドライブギアに噛合するド
リブンギアのトルクを、そのトルク変動を緩衝させなが
らクラッチアウタに伝達するたのダンパーゴムを備えた
クラッチのダンパー構造に関する。
(2) 従来の技術 従来、例えば、自動二輪車の動力伝達機構に用いられ
るクラッチは、エンジンのクランク軸に装着したドライ
ブギアをクラッチアウタに一体に装着したドリブンギア
に噛合させ、このクラッチアウタの回転をクラッチディ
スクを介してミッション軸に固着したクラッチインナに
伝達している。
かかるクラッチにおいて、クランク軸のトルク変動を
吸収してエンジンの駆動力を滑らかにミッションに伝達
するために、クラッチアウタとドリブンギア間にダンパ
ーを組み込んだものが知られている(例えば、実開昭61
−145144号公報参照)。
上記クラッチは、クラッチアウタの側壁円周上に突設
した複数の支持突起に支持されたリング状のダンパーゴ
ムを備えており、このダンパーゴムの外周をドリブンギ
アの側壁円周上に形成した複数のダンパー収納孔に嵌合
させることにより、クラッチアウタとドリブンギアを結
合している。そして、ドリブンギアの側壁に形成した他
のダンパー収納孔にはクラッチアウタの側壁に当接する
フリクションダンパーが装着されている。
上記クラッチのダンパーによれば、クラッチアウタと
ドリブンギアがダンパーゴムを圧縮しながら僅かに相対
回転し、その際に生じるダンパーゴムの圧縮変形によっ
てエンジンのトルク変動が吸収される。
また、ダンパーゴムの外周とドリブンギアのダンパー
収納孔の間にクリアランスがあると初期状態においてダ
ンパーゴムが圧縮されないため、クラッチアウタとドリ
ブンギアが急激に相対回転し、そのショックでミッショ
ンのギア部に打音が発生する場合がある。この場合、ド
リブンギアに装着したフリクションダンパーがクラッチ
アウタの側壁を摺動し、その際に生じるフリクションに
よって前記打音の発生が防止される。
(3) 考案が解決しようとする課題 しかしながら、上記従来のクラッチのダンパーは、エ
ンジンのトルク変動を吸収するダンパーゴムの他に補助
的なフリクションダンパーを必要とするため、その構造
が複雑化してコストが嵩むだけでなく、ドリブンギアに
ダンパーゴムが嵌合するダンパー収納孔とフリクション
ダンパーを装着するダンパー収納孔を形成する必要があ
るため、このドリブンギアの強度が低下するという問題
があった。
そこでダンパーゴム自体をそれにフリクションダンパ
ーの機能が兼備されるように構成することも考えられる
が、フリクションダンパーとしての機能は、クラッチア
ウタとドリブンギア間の伝達トルクが比較的小さい時に
発揮されるべきものであるのに対して、ダンパーゴム本
来の機能は、同伝達トルクが比較的大きい時に発揮され
るべきものであり、そのトルク伝達量の小さい時と大き
い時の両方のダンパー特性を一個のダンパーゴムについ
て何れも良好に設定するようなことは、従来では困難な
ことであった。
本考案は、前述の所事情に鑑みてなされたもので、ク
ラッチアウタとドリブンギア間に装着されるダンパーゴ
ムに、フリクションダンパーとしての良好なダンパー機
能を兼備させて構造の簡素化が達成されるようにし、し
かもそのダンパーゴムの取付けと該ゴムによるフリクシ
ョン調整が容易である、クラッチのダンパー構造を提供
することを目的とする。
B.考案の構成 (1) 課題を解決するための手段 前述目的を達成するために、本考案は、クラッチアウ
タのドリブンギヤとの対向面に突設した複数の支持突起
に複数のダンパーゴムをそれぞれ嵌着し、これらダンパ
ーゴムを、ドリブンギアの側壁に形成したダンパー収納
孔に嵌合させることにより、前記クラッチアウタとドリ
ブンギアを僅かに相対回転自在に結合し、前記ドリブン
ギアのトルク変動を前記ダンパーゴムの圧縮変形によっ
て吸収するクラッチのダンパー構造において、前記ダン
パーゴムのギヤ円周方向端壁と前記ダンパー収納孔との
間には、前記クラッチアウタとドリブンギアとの相対回
転量が所定量以上になった時に該円周方向端壁のギヤ円
周方向の圧縮変形が開始されるように遊隙を設け、前記
ダンパーゴムのギヤ半径方向端壁を前記ダンパー収納孔
のギヤ円周方向に沿う壁面に予荷重を加えた状態で圧接
させて、該半径方向端壁と該壁面との間を、その間に働
くフリクションを以て連結し、前記ダンパーゴムのギヤ
半径方向端壁の、前記壁面との圧接面には、該ダンパー
ゴムの、ダンパー収納孔に嵌合されていない自由状態で
ドリブンギヤの回転軸線に対し傾斜する面取りを形成し
たことを特徴とする。
(2) 作用 ドリブンギアがクラッチアウタに対し所定量以上相対
回転すると、ダンパーゴムのギヤ円周方向端壁が、ドリ
ブンギアのダンパーゴム収納孔とクラッチアウタ支持突
起との間でギヤ円周方向に圧縮変形しつつドリブンギヤ
のトルクをクラッチアウタ側に伝達して、該クラッチア
ウタをドリブンギアと一体的に回転させ、この場合にお
いてドリブンギヤのトルク変動は、この変動に応じてダ
ンパーゴムのギヤ円周方向端壁が圧縮変形量を変化させ
ることで有効に吸収される。また特に上記相対回転の初
期状態においては、ダンパー収納孔のギヤ円周方向に沿
う壁面と、これに予荷重を加えた状態で圧接するダンパ
ーゴムのギヤ半径方向端壁との間に作用するフリクショ
ンにより、クラッチアウタとドリブンギアの急激な相対
回転が防止される。
またダンパーゴムのギヤ半径方向端壁の、ダンパー収
納孔との圧接面には、該ダンパーゴムの、ダンパー収納
孔に嵌合されていない自由状態でドリブンギヤの回転軸
線に対し傾斜する面取りが形成されており、この面取り
は、ダンパー収納孔にダンパーゴムを圧入して組付ける
際に誘導案内面として機能し得るばかりか、その面取り
の角度や面積の適宜選定により、ダンパーゴムのギヤ半
径方向端壁とダンパー収納孔間に作用するフリクション
の大きさ(従ってトルク伝達量が小さい場合のダンパー
特性)を容易に調整し得る。尚、斯かるフリクション調
整によっても、ダンパーゴムのギヤ円周方向端壁の形状
や大きさ(従ってトルク伝達量が大きい場合のダンパー
特性)は変わらない。
(3) 実施例 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明する。
第1図〜第5図は本考案の一実施例によるクラッチの
ダンパー構造を示すもので、第1図はそのダンパーを適
用した自動二輪車のクラッチの縦断面図、第2図は第1
図のII−II線断面図、第3図は第2図の部分拡大図、第
4図は第3図のIV−IV線拡大断面図、第5図は第2図の
部分拡大図である。
第1図に示すように、駆動力の伝達側であるエンジン
のクランクシャフト1と被伝達側であるミッションのメ
インシャフト2は互いに隣接して平行に配設されてお
り、このメインシャフト2の端部にはクラッチカバー3
に覆われた湿式多板摩擦クラッチCが装着されている。
メインシャフト2にベアリング4で軸支されたギア5の
ボス部外周にはドラム状に形成したクラッチアウタ6が
スプライン嵌合しており、このクラッチアウタ6の側壁
には8個のダンパーゴム21,22(第2図参照)を介して
大径のドリブンギア7が結合されている。このドリブン
ギア7には前記クランクシャフト1に固着した小径のド
ライブギア8が歯合しており、クランクシャフト1の駆
動力はドライブギア8およびドリブンギア7を介してク
ラッチアウタ6に伝達される。
メインシャフト2の先端にスプライン結合したスリー
ブ9の外周には前記クラッチアウタ6の内側に位置する
クラッチインナ10が固着されており、更に、前記スリー
ブ9の外周にはプレッシャプレート11が軸方向に摺動自
在に嵌合している。
プレッシャプレート11の側壁に突設した複数のボス11
aは前記クラッチインナ10を貫通して連結板12にボルト1
3で固着されており、このボス11aの外周の前記連結板12
とクラッチインナ10間にはクラッチばね14が縮設されて
いる。また、前記クラッチカバー3に軸方向に摺動自在
に支持したリフトピン15の一端は、ベアリング16を介し
て前記連結板12に連結されており、その他端はクラッチ
カバー3に回転自在に支持したカム軸17のカム面17aに
当接している。クラッチインナ10の受圧面10aとプレッ
シャプレート11の押圧面11aの間には、クラッチアウタ
6に摺動自在にスプライン係合する4枚の摩擦板18と、
クラッチインナ10に摺動自在にスプライン係合する係合
する3枚のクラッチ板19が配設されている。したがっ
て、通常は前記クラッチばね14の弾発力でクラッチイン
ナ10の受圧部10aとプレッシャプレート11の押圧部11a間
に挟持された摩擦板18とクラッチ板19が互いに接触し、
クラッチアウタ6の回転がクラッチインナ10に伝達され
る。また、カム軸17を回転させると、その先端に形成し
たカム面17aにリフトピン15が押圧されてプレッシャプ
レート11がクラッチインナ10から離間し、駆動力が遮断
される。
第1図および第2図に示すように、クラッチアウタ6
の側壁の、ドリブンギヤ7との対向面には、その円周方
向に等間隔に並ぶ8個の支持突起6aが突設されている。
この支持突起6aはクラッチアウタ6の半径方向に延びる
矩形形状を有しており、ドリブンギア7の側壁の円周上
に開口する8個の略台形形状のダンパー収納孔20に隙間
を有して遊嵌している。そして、前記8個の支持突起6a
のうちの6個には、第1ダンパーゴム21が装着されると
ともに、直径上に位置する2個の支持突起6aには第2ダ
ンパーゴム22が装着されている。そして、上記第1ダン
パーゴム21および第2ダンパーゴム22はドリブンギア7
のダンパー収納孔20にそれぞれ収納され、その開口を覆
う円盤状のカバープレート23は前記支持突起6aを貫通す
るリベット24によってクラッチアウタ6に固着されてい
る。
第3図および第4図から明らかなように、前記ダンパ
ー収納孔20はギヤ円周方向に沿う外壁20a及び内壁20b
と、ギヤ半径方向に沿う右側壁20c及び左側壁20dとから
画成される概略台形形状に形成されている。前記外壁20
aは、ダンパー収納孔20のギヤ円周方向に沿う壁面とし
ての機能するものであり、この外壁20aと対向する、第
1ダンパーゴム21のギヤ半径方向外端壁21a外面には、
該ゴム21のダンパー収納孔20に嵌合されていない自由状
態において、その厚み7mmの約半分にわたって5°の角
度でドリブンギヤ7の回転軸線に対し傾斜する面取りf
が形成される。その面取りfに連なる前記外端壁21a外
面は、ダンパー収納孔20の前記外壁20aよりも約0.3mm〜
0.7mmの締め代δ分だけ大きく形成されている。したが
って、ダンパー収納孔20に挿入される第1ダンパーゴム
21の外端壁21aは僅かな締め代δをもってダンパー収納
孔20に圧入されることになる。而して前記面取りfは、
第1ダンパーゴム21をダンパー収納孔20に嵌合させる際
に誘導案内面として機能してその嵌合作業を容易に行わ
せることができ、しかも、後述するように該面取りfの
角度や面積(この面積は、後述する平行部の幅Hと密接
に関係)を適宜選定することにより、第1ダンパーゴム
21の外端壁21aとダンパー収納孔20間に作用してその間
を摩擦連結するフリクションの大きさを容易に調整する
ことができる。
また、第1ダンパーゴム21のギヤ半径方向内端壁21b
はダンパー収納孔20の前記内壁20bに隙間無く嵌合する
寸法に形成されている。更に、第1ダンパーゴム21の右
端壁21c側は左端壁21d側よりもやや薄く形成されるとと
もに、右端壁21cと左端壁21dはダンパー収納孔20の右側
壁20cと左側壁20dとに間に約0.85mmの遊びsが生じる寸
法に形成されている。而して第1ダンパーゴム21の左,
右端壁21d,21cは、ダンパーゴムとしての第1ダンパー
ゴム21のギヤ円周方向端壁を構成している。
第5図から明らかなように、第2ダンパーゴム22の形
状は前記第1ダンパーゴム21とは異なり、ダンパー収納
孔20の隅角部に対応する部分が切除された円形に近い形
状とされている。そして、この第2ダンパーゴム22はダ
ンパー収納孔20のギヤ円周方向に沿う外壁20a及び内壁2
0b,並びに右側壁20c及び左側壁20dに隙間無く嵌合する
寸法に形成されている。
次に、前述の構成を備えた本考案の実施例の作用につ
いて説明する。
クランクシャフト1の回転がドライブギヤ8を介して
伝達されたドリブンギア7が第2図の矢印D方向に回転
すると、その初期状態において、ドリブンギア7のダン
パー収納孔20に締め代δをもって圧接するダンパーゴム
21の外端壁21aと、ダンパー収納孔20のギヤ円周方向に
沿う外壁20aとの間にはフリクションが作用しており、
このフリクションはドリブンギア7がクラッチアウタ6
に対して急激に回転することを防止する。この状態は第
6図において点aで示されている。すなわち、ドリブン
ギア7とクラッチアウタ6の相対回転角が0°の状態に
おいても所定のトルクT1が伝達され、これが前記ドリブ
ンギア7の急激な回転を抑制する。
ドリブンギア7とクラッチアウタ6の相対回転角が次
第に増加すると、先ずダンパー収納孔20に隙間無く嵌合
する2個の第2ダンパーゴム22が圧縮されてT2までのト
ルクを伝達する。この状態は第6図における直線abによ
って示されている。
更にドリブンギア7とクラッチアウタ6の相対回転角
が増加すると、6個の第1ダンパーゴム21の左端壁21d
がダンパー収納孔20の左側壁20dに当接してギヤ円周方
向に圧縮され、トルクの伝達量は一層増加する。この状
態は第6図における直線bcによって示されている。
逆に、ドリブンギア7が被駆動側となる場合にも、前
述と同様の第6図の折れ線defに示す特性が得られる。
すなわち、その初期状態において、ドリブンギア7とク
ラッチアウタ6の相対回転角が0°の状態であっても所
定のトルクT3が伝達されてドリブンギア7の急激な回転
を抑制する。
ドリブンギア7とクラッチアウタ6の相対回転角は次
第に増加すると2個の第2ダンパーゴム22が圧縮されて
トルクの伝達量がT4まで増加し、そこから6個の第1ダ
ンパーゴム21の右端壁21cがダンパー収納孔20の右側壁2
0cに当接してギヤ円周方向に圧縮されトルクの伝達量は
更に増加する。
上述のような第1ダンパーゴム21の外端壁21aに作用
するフリクションの大きさは、その外端壁21aの形状に
よって大きく変化する。すなわち、前記締め代δを大き
くするとフリクションによって発生するトルクは当然増
加する。また、第4図に示す面取り角が5°の場合に
は、フリクションによって発生するトルクは第7図のA
線のようになるが、前記面取り角を破線で示す20°に増
加させると、前記トルクは第7図のB線のように減少す
る。また、前記トルクの大きさは第4図の平行部の幅H
の大きさにも依存し、このHが増加するほどトルクが増
加する。このようにして、第1ダンパーゴム21の外端壁
21aの面取り角、締め代、平行部の幅を変更することに
り、ドリブンギア7とクラッチアウタ6間に作用するフ
リクションの大きさ任意に設定することができる。
以上、本考案の実施例を詳述したが、本考案は、前記
実施例に限定されるものではなく、実用新案登録請求の
範囲に記載された本考案を逸脱することなく種々の小設
計変更を行うことが可能である。
例えば、締め代δを第1ダンパーゴム21の外端壁21a
に与える代わりに内端壁21bに与えてもよく、外端壁21a
と内端壁21bの両方に与えてもよい。
また、ダンパーに第7図の点b,eに示すような2段階
の特性を持たせる必要がない場合には、2ダンパーゴム
22は必ずしも必要ではなく、全てのダンパーゴムを第1
ダンパーゴム21で構成することができる。この場合、第
1ダンパーゴム21の右端壁21cと左端壁21dはダンパー収
納孔20の右側壁20cと左側壁20dに隙間無く嵌合させるこ
とが望ましい。
更に、ダンパーゴムの総数は8個に限定されず、その
内訳である第1ダンパーゴム21と第2ダンパーゴム22の
数も適宜設可能である。
C.考案の効果 以上のように本考案によれば、クラッチアウタの支持
突起に嵌着されるダンパーゴムのギヤ半径方向端壁を、
ドリブンギア側壁に形成したダンパー収納孔のギヤ円周
方向に沿う壁面に予荷重を加えた状態で圧接させたの
で、ドリブンギアとクラッチアウタの相対回転の初期状
態において前記圧接部に作用するフリクションにより、
ドリブンギアがクラッチアウタに対して急激に回転する
ことを防止することができ、従ってその急回転防止のた
めに専用のフリクションダンパーを設ける必要はないか
ら、構造の簡略化とコストの低減に寄与し得るばかり
か、ドリブンギアに形成するダンパー収納孔の数を減少
させてその強度向上にも寄与することができる。
また特にダンパーゴムのギヤ半径方向端壁の、ダンパ
ー収納孔との圧接面には、該ダンパーゴムの、ダンパー
収納孔に嵌合されていない自由状態でドリブンギアの回
転軸線に対し傾斜する面取りを形成したので、この面取
りの角度や面積の適宜選定により、ダンパーゴムのギヤ
半径方向端壁とダンパー収納孔間に作用するフリクショ
ンの大きさ(従ってトルク伝達量が小さい時のダンパー
特性)を容易に調整することができ、その調整によって
も、ダンパーゴムのギヤ円周方向端壁の形状や大きさ
(従ってトルク伝達量が大きい時のダンパー特性)は変
わらないことから、トルク伝達量が大きい時のダンパー
特性を変えずにトルク伝達量が小さい時のダンパー特性
だけを簡単に調整できるようになり、その何れのダンパ
ー特性をも良好に設定可能となる。その上、前記面取り
は、ダンパー収納孔にダンパーゴムを圧入して組付ける
際の誘導案内面としても機能させることができるため、
その組付作業が容易となって作業能率の向上にも寄与し
得る。そして上記面取りがフリクション調整手段と圧入
誘導手段とに兼用されることで、それだけ構造の簡素化
が図られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例によるクラッチのダンパーを
適用した自動二輪車のクラッチの縦断面図、第2図は第
1図のII−II線断面図、第3図は第2図の部分拡大図、
第4図は第3図のIV−IV線拡大断面図、第5図は第2図
の部分拡大図、第6図は本ダンパーの特性を示すグラ
フ、第7図は面取り部の形状とトルクの関係を示すグラ
フである。 6……クラッチアウタ、6a……支持突起、7……ドリブ
ンギア、20……ダンパー収納孔、20a……ダンパー収納
孔のギヤ円周方向に沿う壁面としての外壁、21……ダン
パーゴムとしての第1ダンパーゴム、21a……ダンパー
ゴムのギヤ半径方向端壁として外端壁、21c,21d……ダ
ンパーゴムのギヤ円周方向端壁としての右,左端壁
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−62724(JP,A) 特開 昭59−97321(JP,A) 実開 昭60−101228(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】クラッチアウタ(6)のドリブンギヤ
    (7)との対向面に突設した複数の支持突起(6a)に複
    数のダンパーゴム(21)をそれぞれ嵌着し、これらダン
    パーゴム(21)を、ドリブンギア(7)の側壁に形成し
    たダンパー収納孔(20)に嵌合させることにより、前記
    クラッチアウタ(6)とドリブンギア(7)を僅かに相
    対回転自在に結合し、前記ドリブンギア(7)のトルク
    変動を前記ダンパーゴム(21)の圧縮変形によって吸収
    するクラッチのダンパー構造において、 前記ダンパーゴム(21)のギヤ円周方向端壁(21c,21
    d)と前記ダンパー収納孔(20)との間には、前記クラ
    ッチアウタ(6)とドリブンギア(7)との相対回転量
    が所定量以上になった時に該円周方向端壁(21c,21d)
    のギヤ円周方向の圧縮変形が開始されるように遊隙
    (s)を設け、 前記ダンパーゴム(21)のギヤ半径方向端壁(21a)を
    前記ダンパー収納孔(20)のギヤ円周方向に沿う壁面
    (20a)に予荷重を加えた状態で圧接させて、該半径方
    向端壁(21a)と該壁面(20a)との間を、その間に働く
    フリクションを以て連結し、 前記ダンパーゴム(21)のギヤ半径方向端壁(21a)
    の、前記壁面(20a)との圧接面には、該ダンパーゴム
    (21)の、ダンパー収納孔(20)に嵌合されていない自
    由状態でドリブンギヤ(7)の回転軸線に対し傾斜する
    面取り(f)を形成したことを特徴とする、クラッチの
    ダンパー構造。
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