JP2520258B2 - 円形部品の円周面形状の精密測定方法 - Google Patents

円形部品の円周面形状の精密測定方法

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JP2520258B2
JP2520258B2 JP62137005A JP13700587A JP2520258B2 JP 2520258 B2 JP2520258 B2 JP 2520258B2 JP 62137005 A JP62137005 A JP 62137005A JP 13700587 A JP13700587 A JP 13700587A JP 2520258 B2 JP2520258 B2 JP 2520258B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、円形部品の円周面形状の精密測定方法、
さらに詳しくは、円形部品の円周面形状を精密測定する
場合に問題となる回転誤差の影響を除去する方法に関す
る。
なお、この明細書において、円形部品とは、被測定面
(部品の外周面または穴の周面)が円形をなすものを示
す。
従来の技術とその問題点 円形部品の円周面形状測定においては1個の長さ測定
器を用いて被測定物と測定器を互いに相対的に回転させ
ることにより得られる測定子のふれ(半径方向の動き)
を拡大記録する方法(半径法)がほとんどである。この
方法では被測定物が回転装置に取り付けられるときの取
り付けのずれ(おもに被測定物の中心と回転装置の回転
の中心のずれすなわち偏心)が生じ、そのためにそのず
れの値が測定値に現れる。さらに回転装置の回転は一般
に一様ではなくその回転自体誤差をもっている。その誤
差も測定値に現れる。したがって、それらの誤差を除か
なければ正しい形状は求められないことになる。そこで
現状では、この回転誤差を極力少なくするために高価な
回転装置となり、これを使ってでないと精密な形状測定
はできない。さらに詳しく説明すると、上記のように被
測定物を回転させ、被測定物表面に接触させた測定器の
測定子からの読みを求めて、その断面形状を得る場合、
測定子の読みは次の3者から成り立っていると考えられ
る。すなわち、被測定物の本来の中心と回転装置の回転
中心とのずれ(偏心量)による誤差、回転装置の回転中
心の不規則な回転むら(回転精度)さらに被測定物の表
面形状、以上の3者の合成が測定子の読みである。した
がって、被測定物の表面形状を正しく求めるためには偏
心量の影響や回転むらを測定子の読みから除去する必要
がある。偏心量のみによる誤差は測定子の読みを表わす
曲線を周波数解析したときの第1次項と考えて比較的除
去しやすいが回転むらは非常に除去しにくく、ほとんど
不可能に近い。したがって、この回転むらが正確に求め
られないために、表面形状もこの回転むらの精度以上の
精度では求められない。
この発明の目的は、上記の問題を解決し、高い回転精
度を要せず、しかもその回転精度の影響を除去した、あ
るいは、回転精度を求めてそれを測定値から除去した精
度の高い円形部品の円周面形状の測定ができる方法を提
供することにある。
問題点を解決するための手段 この発明による方法は、 円形部品の円周面形状を測定するに際し、被測定物に
接触する測定子の部分の形状が長さ測定方向と直交する
平面である複数個の長さ測定器を、開き角の互いに異な
る3点法真円度測定法の複数組の位置に配置し、これら
の長さ測定器と被測定物を相対的に1回転させ、その間
に各長さ測定器によって被測定物の円周面の半径方向の
位置の変化を測定し、これらの測定値を演算処理するこ
とにより被測定物の回転誤差を含まない円周面形状を求
めることを特徴とするものである。
この明細書において、3点法真円度測定法の1組の位
置とは、所定の開き角をもった2つの位置と一般的には
これらの垂直2等分線上の1つの位置を合わせた合計3
つの位置を指す。また、3点法真円度測定法には、2個
の長さ測定器を互いに180゜隔った対称な2つの位置に
配置する直径法真円度測定法も含むものとする。なお、
この場合は、開き角は180゜とし、1組の位置は上記2
つの位置である。
作用 この発明による方法は3点法真円度測定法の原理を利
用したものであるから、まず、第3図〜第5図にもとづ
いて、3点法真円度測定法の原理を説明する。この方法
は、第3図のように被測定物(20)をVブロック(21)
の上にのせて、被測定物(20)を回転させ、そのときの
長さ測定器(たとえばダイヤルゲージ)(22)の読みY
(α)を全周(1回転)にわたり求めて真円度を求める
ものである。第3図からわかるように、このY(α)は
被測定物(20)の1回転を周期とした周期関数となり、
一般的に次の式(1)で与えられる。
ここで、αは被測定物(20)の回転角、θはブロック
(21)の開き角、roは被測定物(20)の平均円の半径、
nは円周面形状の山数(被測定物が1回転する間に長さ
測定器の読みが大きく振れる回数すなわち周波数)、Cn
は周波数nの成分の振幅、φnは周波数nの位相角であ
る。また、Lは一定値である。
次に、第3図をさらに詳しくした第4図および第4図
の一部をさらに詳しくした第5図を参照して、上記の式
(1)の導出過程について詳細に説明する。
円の外周曲線をある中心Oからの接線極座標で表わせ
ば、次の式(101)のフーリエ級数となる。
R(α)=a0+l1cos(α+β)+…… +lncos(nα+β) ………(101) ただし、α:測定位置を表わす角度、 n=2,3…… である。
この外周曲線Gを第4図のようにVブロックにのせる
と、その接点はb、cとなり、長さ測定器の測定子とは
aで接することになる。中心Oから長さ測定器の測定子
の接触面(被測定物と接触する平面)、Vブロックの2
つの接触面におろした垂線の足をそれぞれa′、b′、
c′とする。基準線xを考え、3つの垂線Oa′、Ob′、
Oc′までの角度∠xOa′、∠xOb′、∠xOc′を考える
と、それぞれ次のようになる。
∠xOa′=α ∠xOb′=α+90゜+θ/2 ∠xOc′=α−90゜−θ/2 そして、垂線Oa′の長さ▲▼は上記の式(10
1)のR(α)に等しく、垂線Ob′、Oc′の長さ▲
▼、▲▼は、上記の式(101)と同様、 ▲▼=R(α+90゜+θ/2) …(102) ▲▼=R(α−90゜−θ/2) …(103) と書くことができる。
また、第5図を参照して、次の式(104)が成り立
つ。
式(105)に式(101)、(102)、(103)を代入する
と、次の式(106)のようになる。
これを整理すると、次の式(107)のようになる。
式(107)におけるa0、ln、βは、式(1)におけ
るr0、Cn、φにそれぞれ相当しており、したがって、
式(107)は式(1)そのものであって、これにより式
(1)が導かれる。
式(1)の第3項以下を書きかえると、式(1)は次
の式(2)のようになる。
上記の式(1)および式(2)が示すように、3点法
真円度測定法では周波数1の成分(これは偏心項や回転
精度に相当する成分)は含まれない。そして、この方法
で求めたY(α)には被測定物(20)の特定の形状成分
が、しかも各々の成分に対して、ある倍率をもって含ま
れていることになる。しかし、このY(α)はR(α)
(被測定物(20)の仮中心Oから測定器(22)までの垂
線の長さ)のような半径方向の変化の大きさを直接示す
ものではなく、R(α)とは少し異なる性質を持つ。
式(2)において、第1項と第2項は定数で、第3項
以下が変化する。そして、第3項は山数nが2の成分
(たとえば楕円形成分)を示し、第4項は山数nが3の
成分(たとえばおむすび形成分)を示す。以下は同様の
意味をもつのである。こうして得られたY(α)の曲線
からは被測定物(20)の形状を知ることはできないが、
その形状成分のうち検出しやすい成分と検出しにくい成
分があり、その検出能力の度合は式(1)の第3項の
[ ]内の値であることがわかる。そこで、その値をf
として とすれば、これが検出能力の度合(すなわち倍率)を示
す。すなわち、fの値はVブロック(21)の開き角θと
山数nによって変化し、f=0では検出能力がなく、そ
のfの値の大きさに応じた検出能力で測定値が得られる
ことになる。
式(1)と同じである式(107)において、 は、平均直径の大小を表わす項である。また、式(10
7)の の項において、 は、円周面形状を示す項である。したがって、 が円周面形状測定器の指針の振れの倍率を表わすことに
なり、振れの倍率fnは次の式(301)のように表わされ
る。
この式(301)は前記の式(3)そのものであり、式
(3)のfが振れの倍率を表わしていることがわかる。
上記の式(3)に具体的数値を代入してみると、n=
2で、θ=60゜ではf=0となり、開き角θが60゜のも
のでは、楕円形成分は検出できないことを示す。これは
式(2)の第3項目にθ=60゜を代入した結果と同じに
なる。n=3で、θ=60゜ではf=3となり、おむすび
形成分は実際の形状の振れ(最大値と最小値の差)の3
倍で検出できることを示す。これは式(2)の第4項目
にθ=60゜を代入した結果と同じになる。以下同様に説
明される。なお、nとθの種々の組み合わせに対する式
(3)による倍率fの計算例を表1に示す。表1は、式
(3)においてパラメータnおよびθを種々に変化させ
た場合の倍率fの計算結果を示している。すなわち、n
を1から23まで変化させ、それぞれのnの値についてθ
を60゜、90゜、120゜、135゜、180゜に変化させたとき
の倍率fの計算結果をnおよびθに対応させて示したの
が表1である。表1より明らかなように、倍率fには周
期性があり、θ=60゜では周期3、θ=90゜では周期
8、θ=120゜では周期12、θ=135゜では周期16、θ=
180゜では周期2となる。
表1において、倍率fの値が大きいnとθの組み合わ
せは、そのθにするとそのnの山数の形状成分に対して
感度が高く、よく検出できることを示し、倍率fの値が
小さいnとθの組み合わせは、そのθにするとそのnの
山数の形状成分に対して感度が低く、よく検出できない
ことを示している。たとえば、θが60゜の場合について
考えると、山数nが3の形状成分については、倍率fが
3(高感度)でよく検出できるが、山数nが1あるいは
2の形成成分については、倍率fが0で全く検出できな
いことを示している。このように、被測定物(20)の形
状成分のうちある成分についてはよく検出するが、他の
成分についてはそれほど敏感でなく、全く感じない場合
もある。すなわち、1つのθでのみ3点法真円度測定法
による測定を行なっただけでは、特定の山数の周波数成
分についてはよく検出できるが、他の山数の周波数成分
についてはよく検出できないことになる。しかし、θの
値を変化させるとか複数のθの値を利用すれば、より多
くの成分について高感度で検出できることがわかる。そ
して、これらの測定値を演算処理することにより、回転
装置の回転誤差は検出されずに、円周面形状のみを検出
できる。もちろん、被測定物(20)の形状成分はn=
2、3、4、……、K、……というように高次の成分ま
で存在するものと考えられるので、それらの成分すべて
を検出できる組合せで測定することを必要とするが、次
数が高くなるとだんだんその成分が存在しなくなると考
えられるので、実際には有限次数kまででよい。求めら
れた測定値は偏心項や回転むら(回転精度)の影響がな
いものであるから、正しい形状を与えるものと考えられ
るし、この形状を基準に逆に偏心量や回転むら(回転精
度)を知ることもできる。
上述のように、この発明による方法は、被測定物に接
触する測定子の部分の形状が長さ方向と直交する平面で
ある長さ測定器を用いた完全な3点法真円度測定法を利
用するものであるから、前記の式(1)〜(3)が厳密
に成立し、これによって精密な測定が可能である。さら
に、このような長さ測定器を複数個、開き角の互いに異
なる3点法真円度測定法の複数組の位置に配置し、これ
らの長さ測定器と被測定物を相対的に1回転させる間に
各長さ測定器によって被測定物の円周面の半径方向の位
置の変化を測定するので、被測定物を相対的に1回転さ
せるだけで、被測定物の回転誤差(回転むら)を含まな
い円周面形状を求めることができ、また、このようにし
て求めた円周面形状から回転誤差を求めることもでき
る。3個1組の長さ測定器を3点法真円度測定法の1組
の位置に配置し、被測定物を相対的に1回転させる間に
各長さ測定器によって被測定物の円周面の半径方向の位
置の変化を測定することにより、被測定物の円周面形状
を求めることができるが、この場合は、前述のように、
長さ測定器の配置角度すなわち開き角に対応する特定の
周波数(山数)成分しか検出することができず、被測定
物の円周面形状を精密に測定することはできない。仮
に、被測定物を相対的に複数回回転させ、回転ごとに長
さ測定器の開き角を変え、各回転ごとの各長さ測定器の
測定値を演算処理することにより、一応、被測定物の広
い範囲の周波数成分を含む円周面形状を求めることがで
きる。ところで、被測定物を相対的に回転させる回転装
置の回転誤差は不規則なものであり、一般に、被測定物
を相対的に複数回回転させると、回転ごとに回転誤差は
異なる。そして、上記のように被測定物を相対的に複数
回回転させたときの長さ測定器の測定値を演算処理して
も、各回転ごとの回転誤差が異なるために、これを除く
ことができない。したがって、3個1組の長さ測定器を
用いて被測定物を複数回回転させる方法では、被測定物
の回転誤差を含まない円周面形状を求めることができ
ず、また、回転誤差を求めることもできない。これに対
し、本願発明の方法では、被測定物を相対的に1回転さ
せる間に、3点法真円度測定法の複数組の位置に配置し
た複数の長さ測定器によって被測定物の円周面の半径方
向の位置の変化を測定するので、被測定物を相対的に1
回転させるだけで、各長さ測定器の測定値を演算処理す
ることによって被測定物の広い範囲の周波数成分を含む
円周面形状を求めることができる。そして、被測定物を
相対的に1回転させる間に、複数の長さ測定器によって
同時に測定を行うので、各長さ測定器の測定値に含まれ
る回転誤差は、その1回転の間だけの回転誤差である。
したがって、被測定物を相対的に1回転させる間の複数
の長さ測定器の測定値を演算処理することによって、こ
の1回転の間だけの回転誤差を除くことができ、被測定
物の回転誤差を含まない円周面形状を精密に測定するこ
とができる。そして、このようにして求めた円周面形状
を基準にして、回転装置のそのときの回転誤差を求める
こともできる。一般に、本願発明のような完全な3点法
真円度測定法は、内面の円周面形状の測定には適用でき
ない。しかし、外面の測定ができる外面測定試料を内面
の円周面形状測定の対象である被測定物とほぼ同軸に配
置し、これらを1回転させる間に、通常の半径法によっ
て被測定物の内面の測定を行うと同時に、本願発明の方
法によって外面測定試料の円周面形状および回転誤差を
求め、内面の測定値からこの回転誤差を減じることによ
って内面の回転誤差を含まない円周面形状を求めること
ができる。
実 施 例 第1図に示すように、被測定物(20)の外側にたとえ
ばダイヤルゲージ(長さ測定器)を10個配置する。そし
て、これらのダイアルゲージと被測定物(20)を相対的
に1回転させ、その間に各ダイアルゲージによって被測
定物(20)の外周面の半径方向の位置の変化を測定す
る。それぞれのダイヤルゲージは大文字(M)、(A
1)、(A2)、(B1)、(B2)、(C1)、(C2)、(D
1)、(D2)、(E)で表わし、それらから得られた測
定値をそれぞれ小文字m、a1、a2、b1、b2、c1、c2、d
1、d2、e1で表わすことにし、(M)と(A1)と(A2)
の組合せは開き角θ=60゜に、(M)と(B1)と(B2)
の組合せは開き角θ=90゜に、(M)と(C1)と(C2)
の組合せは開き角θ=120゜に、(M)と(D1)と(D
2)の組合せは開き角θ=135゜に、(M)と(E)の組
合せは開き角θ=180゜にそれぞれ相当させる。なお、
すべてのダイヤルゲージの測定子(23)のダイヤルゲー
ジの測定方向と直交する平面である。
前記の表1からfの値が1以上のものを利用してn=
2、3、4、……、kに対して測定値が不足することな
くまた重複することなく測定値が求められるための開き
角θの選択について考える。
θ=60゜では、n=3、6、9、……、(3の整数
倍)の全ての成分が同時に測定倍率3で検出できる。し
かし、他の成分は全く検出されない。θ=180゜ではn
=2、4、6、……、(2の整数倍)の全ての成分が同
時に測定倍率2で検出できる。以上2つの組合わせでは
n=5、7、11、13、……などは検出できず、n=6、
12、18、……などは重複して測定してしまうことにな
る。そこで不足のものは他のθの値を使って補い、重複
するものは他のθの値を使って求めれらた値を差し引い
てn=2、3、4、……、kをそれぞれ1回分検出すれ
ばよい。そのために考えられるθの他の値は90゜、120
゜、135゜である。これらの値によって得られた測定値
を周波数解析して必要な成分について取り出して上記の
θ=60゜およびθ=180゜の測定値に合成して円周面形
状を求めることができる。
すなわち、測定値について、(M)と(A1)と(A2)
の組合せ(θ=60゜)から得られる測定値はaで、
(M)と(B1)と(B2)の組合せ(θ=90゜)からはb
で、(M)と(C1)と(C2)の組合せ(θ=120゜)か
らはcで、(M)と(D1)と(D2)の組合せ(θ=135
゜)からはdで、(M)と(E)の組合せ(θ=180
゜)からはeで、それぞれ表わすことにすると、これら
の測定値a、b、c、d、eを次の式(4)に代入する
ことにより被測定物(20)の表面形状を知ることができ
る。
F(α)=a/3+b/2+(−b)+c/2 +(−c/2.154700)+d/2+e/2 …(4) ただし、各値は次の条件により代入するものとする。
そして、形状の周波数成分は60までとする。
a/3のaにはaの平均値をaとして a=m+a1+a2−a ………(5) を代入する。
b/2のbには の値から得られるフーリエ解析の周波数が5、11、13、
19、29、35、37、43、53、59、のものだけについて合成
した値を代入する。
(−b)のbには 上の式(6)の値から得られるフーリエ解析の周波数
が6、18、30、42、54、のものだけについて合成した値
を代入する。
c/2のcには の値から得られるフーリエ解析の周波数が7、17、31、
41、55、のものだけについて合成した値を代入する。
(−c/2.154700)のcには 上の式(7)の値から得られるフーリエ解析の周波数が
12、24、36、48、60、のものだけについて合成した値を
代入する。
d/2のdには d=m+0.5411961(d1+d2) ……(8) の値から得られるフーリエ解析の周波数が23、25、のも
のだけについて合成した値を代入する。
e/2のeにはeの平均値をとして e=m+e1− ……(9) を代入する。
以上の値を各回転毎の値として式(4)に代入して得
られるF(α)は被測定物または測定器の回転誤差を含
まない。ただし、その周波数成分は2から60までの合成
値であり、そのうちの47、49は含まれていない。
なお、表面形状の周波数成分がn=20までしか必要で
ない場合は2個の測定器(D1)(D2)を省いて開き角θ
=60゜、90゜、120゜、180゜に相当するものだけで十分
である。また開き角θの値については上記の角度以外の
ものも考えられるが、そのときはnの値に対するfの値
が単純なものとならない。fの値はnの値によって周期
的に変化するが、その周期が大きくなることは避けるほ
うが得策である。さらにfの値は0または1以上の値が
望ましく、上記の開き角θに対して必要としたfの値の
種類は、θ=60゜では3、θ=90゜では2と1、θ=12
0゜では2と2.154700、θ=135゜では2、θ=180゜で
は2というように感度の良いものになっている。
次に、各測定器の測定軸方向の0点調整について考察
する。
第1図の(M)と(A1)と(A2)の組合せから得られ
る測定値aは a=m+a1+a2− として計算されるから、たとえばa1に0点調整誤差δa1
が存在しても、このδa1はに含まれるためaのなかに
は含まれなくなる。他のm、a2についても同様である。
測定値eについても同じである。つぎに測定値bは式
(6)から得られるフーリエ解析のある周波数成分だけ
について必要であるから測定器の0点調整誤差は全く含
まれなくなる。他の測定値cとdについても同じであ
る。
次に、各測定器の相対角度の調整について考察する。
第1図の(M)と(A1)と(A2)に関して(A1)に角
度誤差δθがあるときの測定値aは したがって、測定誤差δaは となる。この誤差δaを0.1μにするためには、a1の最
大値を1mmとすればδθ≒95秒となる。ただし、このa1
の測定値はF(α)の式(4)でa/3として扱うので、
ここで求めたδθの3倍の角度調整でよいことになり、
それは約5分となる。他の測定器(B1)、(B2)、(C
1)、(C2)、(D1)、(D2)、(E)などについては
(M)と(A1)と(A2)に対するより大きい角度である
からその角度調整はゆるくてよい。
次に、被測定物(20)の回転中心の移動による測定値
への影響を考察する。
第6図において(A)、(B)、(C)がそれぞれ長
さ測定器を示し、中心の移動量eによるそれぞれの測定
値に与える読み取り誤差をδA、δB、δC、とすれ
ば、それらは δA =e cos(φ−α) δB =e cos{π(φ−α)−(π−θ)/2} =−e cos{(φ−α)+(π−θ)/2} δC =e cos{π−(φ−α)+(π−θ)/2} =−e cos{(φ−α)−(π−θ)/2} となり、 これらを合成した測定値の誤差δMは δM =δA+(δB+δC)÷{2sin(θ/2)} =0 となる。
次に、各測定器の相対角度誤差による倍率fの変化に
ついて考察する。
倍率fは式(3)で与えられるから、 半角誤差δ(θ/2)による倍率変化δfは となる。この式(10)の第2項はθの関係で大きくなる
心配はないが、第1項はnのために大きくなる可能性が
ある。そこで第1項について具体的数値を代入してその
大きさを確かめると以下のようになる。
たとえば、θ=60゜、n=30、δ(θ/2)=0.5゜の
場合はδf=0.55となる。しかしδ(θ/2)はさらに小
さく0.05゜=3分くらいに高精度にすることは困難でな
いので倍率変化δfも小さくできる。
次に、回転精度の精密測定について説明する。
第1図のようにして求めた被測定物(20)(丸棒)の
円周面形状は式(4)で与えられるので、このF(α)
の値と測定器(M)だけの読みmとの差δEをとれば δE=m−F(α) は被測定物の角回転毎の回転精度を示し、このδEをフ
ーリエ解析すれば、その第1項は偏心項を示し、第2項
以下は回転むら(回転誤差)を表わすものと考えられ
る。
次に、外面の形状測定の高精度化について説明する。
一般的に表面形状には低周波成分から高周波成分まで
が含まれているものである。第1図のような測定方法で
は、測定器の測定子(23)先端を平面にした場合が最も
よく理論通りの値が得られるので、ひずみの大きい形状
には平面で測定するべきである。しかし、そうすれば高
周波成分まで求めることが非常に難しく、むしろ不可能
といえる。しかしこの方法でも回転精度の高周波成分を
求めることはできる。すなわち、第1図の(M)の位置
に非常に接近して、先端が平面でない測定子(たとえば
球面測定子)を同時に作用させ、この測定子だけからの
測定値から回転精度分を除去すれば高周波成分まで求め
た形状測定が可能になる。
次に、内面の形状測定について説明する。
第1図のような測定方法で内面を測定することは不可
能であるが(ただひずみが少ない場合は球面測定子を使
って、可能であろうが寸法による制限はまぬがれな
い。)、被測定物になる円筒とほとんど同軸に、外面を
測定できる被測定軸を配置して、この軸の外面の測定を
第1図のように行なうことにより、この測定における回
転精度を求めておき、外面の測定と同時に被測定物(内
面)に接触させた1個の測定器の測定値から、回転精度
分を除去すれば目的が達成される。
次に、小径の円形部品の形状測定について説明する 被測定物が小さい場合、これに第1図のように多数の
測定器を取り付けて形状を測定することは不可能である
が、外面を測定できる大きな円板に小さい被測定物をほ
ぼ同軸に取付けて、大きな円板の外面の測定を第1図の
ように行なうことにより、この測定における回転精度を
求めておき、外面の測定と同時に被測定物(外面)に接
触させた1個の測定器の測定値から、回転精度分を除去
すれば目的が達成される。
第1図の実施例では10個の長さ測定器を用いている
が、第2図のようにすれば、9個の長さ測定器で全く同
じ測定ができる。第2図において、8個の測定器(M)
(A1)(A2)(B1)(B2)(C1)(C2)(E)の配置は
第1図の場合の同じであり、第1図の2個の測定器(D
1)(D2)のかわりに1個の測定器(N)が設けられて
いる。そして、(N)と(E)と(B2)の組合せが第1
図の(M)と(D1)と(D2)の組合せ(θ=135゜)に
対応し、これらの組合せから得られる測定値がdとなっ
ている。
上記実施例では長さ測定器として接触式のダイヤルゲ
ージを使用しているが、他の接触式の長さ測定器を使用
することもできる。
発明の効果 この発明によれば、上述のように、被測定物の回転誤
差を含まない円周面形状を広い周波数範囲にわたって精
密に測定することができ、従来の円周面形状測定器(た
とえば真円度測定器)には不可欠であった高精度の回転
装置を必要とせず、ただ長さ測定器の感度、精度を向上
させておけば計算により、高精度の形状測定が可能であ
りその形状を基準にして回転装置の回転精度も同時に測
定できる。したがって、従来のような高価な高精度な回
転装置は必要でなくなる。そして、回転装置の回転精度
すなわち回転誤差を求めることもできるので、たとえば
半径法などの通常の内面の円周面形状の測定とこの発明
による外面の円周面形状および回転誤差の測定を同時に
行うことにより、内面の回転誤差を含まない円周面形状
を精密に測定することもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の1実施例を示す被測定物および長さ
測定器の正面図、第2図はこの発明の他の実施例を示す
第1図相当の図面、第3図はこの発明で利用している3
点法真円度測定法の原理を示す第1図同様の正面図、第
4図は第3図をさらに詳しくした説明図、第5図は第4
図の一部をさらに詳しくした説明図、第6図は被測定物
の回転中心の移動による測定値への影響を説明するため
の説明図である。 (20)……被測定物、(23)……測定子、(M)(N)
(A1)(A2)(B1)(B2)(C1)(C2)(D1)(D2)
(E)……ダイヤルゲージ(長さ測定器)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円形部品の円周面形状を測定するに際し、 被測定物に接触する測定子の部分の形状が長さ測定方向
    と直交する平面である複数個の長さ測定器を、開き角の
    互いに異なる3点法真円度測定法の複数組の位置に配置
    し、これらの長さ測定器と被測定物を相対的に1回転さ
    せ、その間に各長さ測定器によって被測定物の円周面の
    半径方向の位置の変化を測定し、これらの測定値を演算
    処理することにより被測定物の回転誤差を含まない円周
    面形状を求めることを特徴とする円形部品の円周面形状
    の精密測定方法。
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