JP2519950B2 - 砂杭造成用中空管への砂供給方法及びその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）技術分野 本発明は、軟弱地盤を改良するための砂杭造成用中空
管への砂供給方法とこれに使用する装置に関するもので
ある。

（ロ）従来技術 軟弱地盤中にサンドドレーンや締固め砂杭を造成する
場合、砂杭造成用中空管を所定深度まで打込んだ後、該
中空管内に所定量の砂を投入して圧縮空気を吹込み、適
宜の方法で砂を締固めながら地盤中へ押出し、中空管を
少しづつ引抜いて行って砂杭を造成する。

しかして、例えば締固め砂杭を造成する場合には、中
空管の太さと造成する砂杭の直径との関係で、中空管内
への砂の投入は数回に分けて行なわなければならず、砂
の投入操作と中空管の引抜き操作を繰返しながら砂杭を
造成して行く必要がある。

しかしながら、中空管の引抜き操作が終了する毎に砂
供給用バケットを巻上げるものとすると、余計な巻上げ
時間を要し、しかも中空管への砂の投入が終了した後は
バケットを次の砂供給に備えて新たな砂補充のために巻
下げておかねばならないので、作業員一人ではすぐには
中空管の引抜き操作に移れず、相当なロスタイムを生じ
ていた。

そのため、場合によっては中空管の引抜き操作をする
作業員とバケットを操作する作業員とを別々に配し、中
空管引抜き操作中に他の作業員がバケットの巻下げ及び
巻上げ操作を行なって上記のロスタイムをなくしていた
が、これでは極めて不経済であった。

（ハ）発明の開示 本発明は前記のような欠点をなくすために開発された
もので、一人の作業員で前記のようなロスタイムなしに
中空管の引抜き操作とバケットの運転を行なうことがで
きる方法を提案するものである。

本発明においては、中空管の引抜き行程の適当な時期
に作業員がバケット巻上げ信号を入力すれば、該巻上げ
信号によって巻上げられたバケットは中空管のホッパー
位置で自動的に停止し、バケットのダンパーが開かれ、
該バケット中の砂はホッパーから中空管内へ投入される
ようになっているため、作業員はバケットの巻上げ中も
中空管の引抜き操作に専念できるのである。

また、バケットから中間管への砂の投入が終了する
と、自動的にダンパー閉信号が発してダンパーが閉じ、
バケットは巻下げ信号によって巻下げられ、下方の所定
位置で停止信号により停止し、バケットへの新たな砂の
補給が行なわれるので、中空管への砂の投入が終了次
第、作業員は中空管の引抜き操作に専念できるのであ
る。

次に、本発明の一実施例を図により説明する。

（ニ）実施例 １は頭部に起振器２を備えた砂杭造成用中空管で、そ
の上方には逆止弁付きの砂投入用ホッパー３を備え、台
船又は基台（図示せず）上に立設されたリーダー（図示
せず）頭部に配置された複数の滑車18に掛けられたワイ
ヤロープ21に吊持されて昇降自在となっており、更に上
記ホッパー３にはホッパー位置検出用ワイヤー22先端が
止着されていて、該ワイヤー22基端部は上方に配設した
滑車19を経てカウンターウエイト20に連結されて垂下さ
れている。

４はバケット昇降用ワイヤロープ23に吊持されて昇降
自在の砂供給用バケットで、該バケット４下方にはホッ
パー３側に向けて中空管１内に砂を供給するために開閉
するダンパー５が設けられており、上記バケット用ワイ
ヤロープ23の基端部は上方に配設した滑車16を経てウイ
ンチ17に巻着されている。

６は上記バケット４の昇降方向に沿って配設され上下
に設けられたプーリ14,15間に掛け渡された無端のバケ
ット位置検出用ワイヤーで、該ワイヤー６の一部は該バ
ケット４に止着されていて、該バケット４の上下移動距
離だけ回動されるようになっている。

７は上記バケット位置検出用ワイヤー６中間部を巻回
して該ワイヤー６の上記回動により回転駆動されるロー
タリーエンコーダを備えたバケット位置発信器で、該発
信器７からの電気信号を電気的に結ばれたバケット位置
受信器10で受信し、これを演算器13に入力してホッパー
３との高さ位置関係を比較判断し、バケットウインチ制
御盤12によりバケットウインチ17の運転・停止操作を行
ない、バケット４がホッパー３に対して所定の高さ位置
（バケット４をホッパー３より若干高くする）でバケッ
ト４内の砂をホッパー３へ向けて供給できるようになっ
ている。

８は前記ホッパー位置検出用ワイヤー22中間部を巻回
して回転駆動されるホッパー位置発信器で、該発信器８
からの電気信号はホッパー位置受信器11で受信し、この
ホッパー３の高さ位置を示す信号が上記演算器13に入力
されて上記の如く該演算器13によるバケット４の高さ位
置との比較判断に供するようになっている。

９はバケット４のダンパー５の開閉を制御する制御盤
で、該制御盤９はバケット４がホッパー３への砂供給の
最適な位置関係となった時に、上記演算器13からの出力
信号を受けてダンパー５が所定時間開くよう指示し、砂
供給に必要な所定時間経過後、ダンパー閉信号を演算器
13に入力するよう構成され、ダンパー閉信号を受けた演
算器13はウインチ制御盤12に巻下げ信号を発してバケッ
ト４を台船上の定位置まで降下させ、新たな砂補給を受
けるようになっている。

しかして、中空管１の引抜き操作を開始した作業員が
中空管１内への砂供給を欲した時に演算器13にバケット
巻上げ信号（砂供給信号）を入力すると、ウインチ制御
盤12を介しバケットウインチ17を駆動させてバケット４
を巻上げて行く。

同時に、演算器13にはホッパー３の位置検出部8,11か
らの信号とバケット４の位置検出部7,10からの信号が入
力されて、バケット４のホッパー３に対する高さ位置関
係が比較判断され、前述の如くあらかじめ設定した砂供
給に最適な位置関係となるまでホッパー３位置に追従す
るようウインチ制御盤12にバケットの巻上げ又は巻下げ
信号を発し、所定の位置関係となったときにはウインチ
制御盤12に停止信号を入力して、ウインチ17によるバケ
ット４の巻上げ又は巻下げを停止させる。

上記停止信号が出力されると、同時に演算器13はダン
パー開信号をダンパー制御盤９に送り、バケット４から
ホッパー３を介して中空管１内への所定量の砂供給に必
要な一定時間だけダンパー５を開き、しかる後にダンパ
ー閉信号を出力してダンパー５を閉じる。

ダンパー閉信号が入力されると、演算器13はウインチ
制御盤12にバケット巻下げ信号を出力し、ウインチ17を
駆動してバケット４を台船上の所定位置まで降下させ、
バケット４内に新たな砂を補給し、再び作業員のバケッ
ト巻上げ信号の入力に備えて待機する。

従って、作業員はバケット４から中空管１内への砂投
入の時間だけ中空管１の引抜き操作を止め（この間は中
空管１内への圧縮空気吹込みができず、従って引抜き操
作が行なえない）、あとは中空管１内への砂投入のタイ
ミングを見るだけで、常にこの中空管１の引抜き操作に
専念していればよいのである。

なお、砂を満載したバケット４を急に巻上げたり巻下
げると、相当のショックがウインチ17は勿論のこと、ワ
イヤロープ23やリーダー等にかかるため、ウインチ17の
発停時の信号は例えば微速に相当する信号と全速に相当
する信号に分けてウインチ17を制御することは当然のこ
とである。

また、砂供給用バケット４の運転回数や中空管１内へ
の投入砂量等は自動的に計測記録されるようになってい
ることは勿論である。

以上の操作は運転室からの遠隔操作により自動的に一
連に作動され、砂を中空管１下方へ押出しつつ中空管１
を徐々に地盤中から引抜いて行けば、軟弱地盤中には強
固な砂杭が造成されて行くのである。

（ホ）発明の効果 本発明は以上のように構成され、作業員は砂杭造成用
中空管の引抜き操作を行なうだけで、砂供給用バケット
の運転は自動的に行なわれるので、バケットの操作ミス
がなくなり、人件費も節減され、しかも運転中のロスタ
イムもほとんど皆無となるから作業能率も向上してコス
ト的にも低廉化することができる等、種々の利点を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示す説明図である。 符号説明 １……砂杭造成用中空管、２……起振器 ３……ホッパー、４……砂供給用バケット ５……ダンパー、６……バケット位置検出用ワイヤー ７……バケット位置発信器、８……ホッパー位置発信
器、９……ダンパー開閉制御盤、10……バケット位置受
信器、11……ホッパー位置受信器 12……ウインチ制御盤、13……演算器 14,15……プーリー、16……滑車 17……バケット昇降用ウインチ 18,19……滑車、20……カウンターウエイト 21……ワイヤロープ、22……ホッパー位置検出用ワイヤ
ー、23……ワイヤロープ

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】砂杭造成用中空管の砂投入用ホッパーの高
   さ位置を検出する検出部からの電気信号と砂供給用バケ
   ットの高さ位置を検出する検出部からの電気信号とをあ
   らかじめ該バケットからホッパーへの砂供給の最適位置
   関係を記憶させた演算器に入力し、 該演算器で上記両信号を比較判断し、バケットが上記最
   適位置関係となるまで該バケットがホッパー位置に追従
   するようバケットウインチを制御するウインチ制御盤に
   バケット巻上げ又は巻下げ信号を入力し、 両者が所定の位置関係となったときに上記ウインチ制御
   盤にウインチ駆動停止信号を発し、該停止信号が出力さ
   れると上記演算器はダンパー開信号をダンパー制御盤に
   入力することによりバケットのダンパーを所定時間開い
   てバケット内の砂を上記中空管内にホッパーを介して供
   給するようにし、 上記ダンパーが閉じると上記演算器からウインチ制御盤
   にバケット巻下げ信号が入力されて新たな砂補給のため
   にバケットが下方の所定位置まで降下するようにしたこ
   とを特徴とする砂杭造成用中空管への砂供給方法。
2. 【請求項２】砂投入用ホッパーを備えワイヤロープに吊
   持されて昇降自在の砂杭造成用中空管に沿って他のワイ
   ヤロープに吊持されて昇降する砂供給用バケットを有す
   る砂杭造成装置において、 上記ホッパーにはホッパー位置検出用ワイヤーが止着さ
   れ、該ホッパー位置検出用ワイヤーの中間部には該ワイ
   ヤーにより駆動されるホッパー高さ位置検出部が設けら
   れ、 一方上記バケットにはバケット位置検出用ワイヤーが止
   着されて該バケットの移動距離だけ移動するよう構成さ
   れ、該バケット位置検出用ワイヤーの中間部には該ワイ
   ヤーにより駆動されるバケット高さ位置検出部が設けら
   れ、 上記両検出部は上記バケットからホッパーへの砂供給に
   最適な高さ位置関係を記憶し該両検出部からの出力信号
   を比較判断する演算器に電気的に結ばれ、さらに 該演算器はバケット昇降用ウインチの制御盤とバケット
   のダンパーの開閉を制御する制御盤とに電気的に結ばれ
   てなる砂杭造成用中空管への砂供給装置。