JP2519795B2 - 直線摺動用テ―ブル - Google Patents

直線摺動用テ―ブル

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JP2519795B2
JP2519795B2 JP1046441A JP4644189A JP2519795B2 JP 2519795 B2 JP2519795 B2 JP 2519795B2 JP 1046441 A JP1046441 A JP 1046441A JP 4644189 A JP4644189 A JP 4644189A JP 2519795 B2 JP2519795 B2 JP 2519795B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、例えば、NCマシン等の工作機械や工業用
ロボット等において、摺動させるべき可動体を直線的に
案内する直線摺動用テーブルに関するものである。
[従来の技術] 従来、この種の直線摺動用テーブルの組立てに用いら
れる直線摺動用ベアリングとしては、第16図に示すよう
に、軸方向に沿って転動体の転走する転走面を有する軌
道台Aと、水平部b1とこの両側より垂下する一対の袖部
b2とからなって断面略倒C形状に形成され上記軌道台A
を跨ぐように配設されると共に、上記転走面に相対面す
る負荷転走面とこの負荷転走面の両端を連通連結する無
負荷転走通路とからなる無限軌道を備え、水平部b1外面
側にはテーブル等の可動体Cを固定する取付面b3を有し
て、上記軌道台に沿って移動する摺動台Bと、上記無限
軌道内を循環して摺動台Bの負荷転走面と軌道台Aの転
走面との間で荷重を負荷する多数の転動体Dとからなる
ものが知られている。
そして、これら直線摺動用ベアリングは、上記摺動台
Bの取付面b3にテーブル等の可動体Cを固定する一方、
上記軌道台Aを機械装置等の固定部E上に配設し、可動
体Cに支持された工作機械あるいはこの工作機械による
被加工物を固定部E上で直線案内する直線摺動用テーブ
ルのベアリングとして多用されている。
ところで、この直線摺動用テーブルにおいては、一対
の軌道台Aを固定部Eの水平面に平行に配設し、摺動台
Bの水平部b1に形成された取付面b3に対し上方から平板
形状の可動体Cを取付ける構造が一般的であるが、可動
体Cに作用する負荷荷重の方向、可動体Cに要求される
移動精度、ベアリングを含むテーブル全体の配設スペー
ス、等の幾つかの条件を考慮したときに、上記構造を適
用してテーブルを製作できない場合もあり、各種構造の
直線摺動用テーブルが提案されている。
その中の例としては、第14図に示すように、突出して
いる固定部Eの両側面に二条の直線摺動用ベアリングを
配設する一方、水平部c1とその両側より垂下する袖部c2
とからなる可動体Cを上記固定部E及びベアリングを跨
ぐように配設し、上記袖部c2を摺動台Bの取付面b3に結
合ボルトで固定したものや、第15図に示すように、固定
部Eに形成された凹条溝の両側面に二条の直線摺動用ベ
アリングを配設する一方、相対向する摺動台Bの取付面
b3間に可動体Cを介装し、摺動台8裏面側より貫通する
結合ボルトで摺動台Bに固定するものがある(以下、上
記二種類の直線摺動用テーブルにおける固定部へのベア
リングの配設状態を二軸対向配置と総称する)。このテ
ーブル構成においては、ベアリングを固定部上面より低
い位置に配設することにより、固定部に対する可動体の
高さが低く抑えられ、装置全体の低重心化を図ること可
能である。
[発明が解決しようとする課題] しかし、例に挙げて説明した構造を有する直線摺動用
テーブル、すなわち直線摺動用ベアリングの二軸対向配
置を採用したテーブルにおいては、第17図に示すが如
く、固定部E、軌道台A、摺動台B、可動体Cの四者の
取付け方向Xが可動体Cに主として作用する荷重方向Y
と直交しているため、次に示す幾つかの問題点を有して
いる。
先ず、可動体Cに作用するY方向の荷重は、取付面B3
に平行に下方に向かう力fとなって摺動台の水平部B1の
中央部分上の点Pで摺動台Bに作用しており、軌道台A
の取付面近傍の一点Oを中心としたモーメント荷重を軌
道台Aに加えている。このように従来のテーブル構造に
おいては、力fの作用点Pと回転中心Oとが軌道台取付
面近接部と摺動台取付面近接部に位置するため、その作
用点間距離OPが長くなってしまう。その結果、OP×fと
いう大きなモーメント荷重Mが軌道台Aに作用するの
で、軌道台Aの固定部Eに対する取付け精度が悪化し、
可動体Cの直線運動精度が悪化するという問題点を有し
ている。
又、上記モーメント荷重Mは摺動台Bにも作用してい
るので、摺動台Bの剛性が低い場合はその摺動台の片袖
部B2の形状に変形が生じ易く、軌道台Aに対する走行精
度が著しく悪化して、この点においても可動体Cの直線
運動精度が悪化するという問題点である。
更に、第三は、摺動台Bに対して常にモーメント荷重
が作用しているので、各負荷転走面を転走する転動体に
均等に荷重が作用することはなく、摺動台Bの各負荷転
走面間、軌道台Aの各転走面間及び個々の転動体間の摩
耗に偏りが生じ、ベアリングの寿命が短くなるという問
題点である。
更に、製作及び組立てという観点から見ると、可動体
Cに摺動台Aを固定するための袖部C2を設ける必要があ
り、可動体C製作に手間がかかるという問題点や、配設
時に可動体袖部C2と摺動台取付面B3との間にスペーサF
を回想する必要があり、部品点数が増加するという問題
点をも有している。
本発明は上記した問題点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、直線摺動用ベアリングの
二軸対向配置により直線摺動用テーブルを製作する場合
において、高精度の直線運動が得られると共に長寿命で
あり、製作及び組付けも容易な直線摺動用テーブルを提
供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明の直線摺動用テー
ブルは、両側面に夫々2条の転動体転走面を有すると共
に、固定部の側面に対して横倒し状に固定される軌道台
と、この軌道台の両側面と互いに対向する一対の袖部を
有して断面略C形状に形成されると共に、各袖部の内面
側には軌道台側の転走面と対向する2条の負荷転走面が
形成され、且つ、一方の袖部の外面側には可動体の取付
面が形成された摺動台と、軌道台側の転走面と摺動台側
の負荷転走面との間で荷重を負荷しつつ、上記摺動台の
内部で無限循環する多数の転動体と、上記摺動台の取付
面に対して結合ボルトによって取り付けられる可動体と
から構成され、上記摺動台の取付面には、袖部に形成さ
れた2条の負荷転走面の中間の位置に対応して上記結合
ボルトものである。
この様な技術的手段において、上記摺動台としては、
断面略C形状を形成する一方の袖部の外面側に可動体の
取付面を有するものであり、且つ、無限軌道を循環する
転動体により軌道台に沿って自在に移動可能であれば、
無限軌道の条数や負荷転送面の傾斜角度等その構造を適
宜設計変更して差支えない。
また、上記無限軌道の一部をなす無負荷転送通路の形
成方法としても、摺動台に無負荷転走孔を穿設するもの
や、外部から摺動台に転動体保持器を取付けることによ
り形成するもの等適宜選択設計して差支えない。
更に、上記無限軌道内を循環する転動体としては、円
筒ローラー、樽難ローラー、ボール等適宜選択して差支
えなく、円筒ローラーを使用する場合には摺動台の負荷
転走面と軌道台の転走面は平面とし、樽形ローラー及び
ボールを使用する場合には、上記負荷転走面及び転走面
はローラー軸方向の曲率半径及びボールの半径より若干
大きい曲率半径で形成された曲面にするのが好ましい。
[作用] 上記技術的手段の作用について、本発明の直線摺動用
ベアリングの二軸対向配置により構成した直線摺動用テ
ーブルの要部を第18図に示し説明を加える。
可動体Cに対し上方より作用するY方向の荷重は、摺
動台Bの袖部に設けられた取付面B3に対し垂直に作用
し、点Oを中心としたモーメント荷重M′を軌道台Aに
加えるが、この時の荷重の作用点はP′であり、モーメ
ント荷重M′の大きさはOP′×fとなる。しかし、本発
明における荷重の作用点P′は、従来技術における荷重
の作用点P(第17図参照)に相当する点P0に比較して、
P′P0だけ回転中心Oに近くなる。そのため、本発明に
おいて軌道台Aに作用するモーメント荷重M′の大きさ
は、従来技術において軌道台Aに作用したモーメント荷
重M=OP0×fに対し、P′P0×f分だけ小さくなる。
又、上記荷重作用点P′は摺動台Bの片袖部B2に形成
された負荷転走面を転走する2条のボール列の中央に位
置しているので、上記荷重fが摺動台Bにモーメント荷
重を付与することは無い。
更に、可動体は略平板形状となり、これを貫通する結
合ボルトにより直接摺動台に固定される。
[実施例] 以下、添附図面に基いて本発明の直線摺動用テーブル
を詳細に説明する。
第1図乃至第11図は本実施例の直線摺動用テーブルの
組立てに使用する直線摺動用ベアリングを示すものであ
り、水平部1aとその両端から垂下する左右袖部1bを有し
て断面略倒C形状に形成され下面部に凹部を備えた摺動
台本体1と、この摺動台本体1の前後両端部に取付けら
れる一対の蓋体3と、上記摺動台本体1の左右袖部1b下
端及び水平部1a下面側に取付けられたボール保持器61,6
2と、機械装置等に固定手段である固定ボルトで固定さ
れる軌道台2と、上記摺動台本体1と蓋体3とで形成さ
れたボール無限軌道内を循環して摺動台本体1と軌道台
2との間で荷重を負荷する多数のボール4とで構成され
ている。
上記摺動台本体1は、第4図及び第5図に示すよう
に、断面略倒C形状に形成され、その左右袖部1bの内面
側に軸方向に沿って上部負荷転走面11及び下部負荷転走
面12がボール半径よりも大きい曲率半径で曲面状に形成
されている。そして、上部負荷転走面11は斜め下方に、
下部負荷転走面12は斜め上方に向けて夫々水平より45゜
ずつ傾斜して設けられている。又、左右袖部1bには上部
負荷転走面11及び下部負荷転走面12に対応した無負荷転
走孔13が形成されている。更に、水平部1a下面側及び左
右袖部1b下端にはボール保持器61,62を貫通するビス63,
64が螺合するねじ孔14,15が設けられている。尚、符号1
6は摺動台本体1の軸方向の前後両端面に蓋体3を取付
ける際に六角孔付ボルト31が螺合する取付孔である。
そして、この摺動台本体1の一方の袖部1b外面側に
は、テーブル等の可動体5を固定するための取付面17
と、可動体5を貫通する結合ボルト51が係合するボルト
取付孔18とが設けられている。このボルト取付孔18は袖
部1bの上下に二箇所ずつ計四箇所に設けられているが、
このうち下側二箇所のボルト取付孔18は袖部1b内面側の
上部負荷転走面11と下部負荷転走面12との中間に位置す
るように穿設されており、結合ボルト51を螺合した際に
可動体5に作用するラジアル荷重、逆ラジアル荷重が各
負荷転走面11,12を転走するボール4に均等に作用する
ようになっている。
又、上記蓋体3は、第8図乃至第11図に示すように、
剛性を有する硬質合成樹脂により作成され、上記摺動台
本体1の軸方向両端部に取付けた際に、摺動台本体1に
形成された負荷転走面11,12とこれに対応する無負荷転
走孔13とを連通連結するボール旋回路32が設けられてお
り、負荷転走面11,12あるいは無負荷転走孔13を転走す
る各ボール4をこのボール旋回路32で方向転換して無負
荷転走孔13あるいは負荷転走面11,12に案内するように
なっている。そして、上記ボール旋回路32は、負荷転走
面11,12に連続する案内面34を有する半円形状のRピー
ス33を蓋体3に形成されたボール案内溝35に嵌合させる
ことにより形成される。更に、この蓋体3には上記六角
孔付ボルト31が貫通する貫通孔36が穿設されると共に、
蓋体3内面側の貫通孔36周囲には摺動台本体1側に形成
された凹部19に嵌合する凸部37が設けられており、各蓋
体3を摺動台本体1の前後両端に取付けた際に各蓋体3
の位置決めを容易に行うことができるようになってい
る。
更に、上記ボール保持器61,62は、金属板のプレス成
形や硬質合成樹脂の射出成形等により形成されており、
夫々、摺動台本体1の袖部1b下端、摺動台本体1の水平
部1a下面にビス63により取付けられ、各負荷転走面11,1
2を転走するボール4が摺動台本体1から脱落するのを
防止している。
そして、上記蓋体3及びボール保持器61,62を摺動台
本体1に取付けることにより、ボール4が循環する無限
軌道を有する摺動台Bが形成される。
一方、上記軌道台2は、第6図及び第7図に示すよう
に、矩形の両側面を台形状に切欠くと共に左右の両肩部
を切欠いた断面形状であり、これら台形状切欠部の下向
き傾斜面には摺動台本体袖部1bの内面側に設けられる下
部負荷転走面12に対応した下部転走面22が設けられる一
方、両肩切欠部の上向き傾斜面には摺動台本体袖部1bの
上方に設けられた上部負荷転走面11に対応した上部転走
面21が設けられている。更に、軌道台2の中央部には固
定部7にねじ結合する固定ボルト24が貫通する固定ボル
トと貫通孔23が軌道台2上面に垂直に、且つ、軌道台2
の長手方向に適宜間隔をおいて穿設されている。
上記のように構成される本実施例の直線摺動用ベアリ
ングは、第12図及び第13図に示すように、軌道台2をベ
ッド等の固定部7側面に固定ボルト24で固定すると共
に、可動体5をこの軌道台2に沿って移動する摺動台B
の側面に位置する取付面17に結合ボルト51により固定
し、ベアリングの二軸対向配置による直線摺動用テーブ
ルを構成して使用される。
このとき、本実施例の直線摺動用ベアリングにおいて
は、二軸対向配置により直線摺動用テーブルを構成した
際に、可動体から付与される荷重の作用点が、従来の直
線摺動用ベアリングに比較してより固定部に近い位置と
なり、荷重を支える腕の長さが短くなって、軌道台に作
用するモーメント荷重が軽減されるものである。
又、上記荷重の作用点は摺動台Bの片袖部1bに形成さ
れた負荷転走面11,12を転走する2条のボール4列の中
央に位置しているので、上記荷重によって摺動台Bにモ
ーメント荷重が作用するのを防止することができる。
又、可動体5の形状が容易化して摺動台Bと可動体5
との取付けが容易に行われるものである。
尚、本実施例における直線摺動用ベアリングでは、そ
の転動体としてボールを使用したが、円筒ローラーを転
動体として使用しても同様の効果を得ることが可能であ
る。
[発明の効果] 以上説明してきたように、本発明の直線摺動用テーブ
ルによれば、直線摺動用ベアリングの二軸対向配置によ
りこれを構成した際に、軌道台に作用するモーメント荷
重が軽減されるので、軌道台の固定部に対する取付け精
度の悪化が防止され、可動体の直線運動精度、すなわち
直線摺動用テーブルの運動精度の向上を図ることが可能
である。
又、摺動台にモーメント荷重が作用することはないの
で、摺動台の変形が防止されて、摺動台の軌道台に対す
る運動精度、すなわち直線摺動用テーブルにおける可動
体の直線運動精度の向上を、この点においても図ること
が可能である。
又、摺動台に大きなモーメント荷重が作用することが
ないので、摺動台の各負荷転走面間、軌道台の各転走面
間、及び各ボール間の摩耗が略均一となり、ベアリング
及びテーブルの寿命の長期化を図ることが可能となる。
更に、可動体を摺動台に取付ける際にスペーサを用い
る必要がなく、直線摺動用テーブルを構成する際の部品
点数が減少してコストダウンを図ることが可能であると
共に、可動体と摺動台の組付け作業の簡易化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の直線摺動用テーブルを構成する直線摺
動用ベアリングの第一実施例を示す正面図、第2図は第
一実施例に係る直線摺動用ベアリングの側面図、第3図
は第2図のI−I断面図、第4図及び第5図は第一実施
例の摺動台本体を示す正面図及び一部を切り欠いて断面
とした側面図、第6図及び第7図は第一実施例の軌道台
を示す斜視図及び断面図、第8図は第一実施例の蓋体を
示す正面図、第9図は第8図のII−II断面図、第10図は
第9図のIII−III断面図、第11図は第一実施例のRピー
スを示す斜視図、第12図は本発明の直線摺動用テーブル
の実施例を示す断面図、第13図は本発明の直線摺動用テ
ーブルの他の実施例を示す断面図、第14図及び第15図は
従来の直線摺動用テーブルを示す正面図、第16図は従来
の直線摺動用ベアリングを示す断面図、第17図は従来の
直線摺動用テーブルの要部における荷重の作用状態を示
す説明図、第18図は本発明の直線摺動用テーブルの要部
における荷重の作用状態を示す説明図である。 [符号の説明] 1:摺動台本体、2:軌道台 3:蓋体、4:ボール(転動体) 5:可動体、11,12:負荷転走面 13:無負荷転走孔(無負荷転走通路) 17:取付面、21,22:転走面 51:結合ボルト 61,62:ボール保持器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両側面に夫々2条の転動体転走面を有する
    と共に、固定部の側面に対して横倒し状に固定される軌
    道台と、この軌道台の両側面と互いに対向する一対の袖
    部を有して断面略C形状に形成されると共に、各袖部の
    内面側には軌道台側の転走面と対向する2条の負荷転走
    面が形成され、且つ、一方の袖部の外面側には可動体の
    取付面が形成された摺動台と、軌道台側の転走面と摺動
    台側の負荷転走面との間で荷重を負荷しつつ、上記摺動
    台の内部で無限循環する多数の転動体と、上記摺動台の
    取付面に対して結合ボルトによって取り付けられる可動
    体とから構成され、 上記摺動台の取付面には、袖部に形成された2条の負荷
    転走面の中間の位置に対応して上記結合ボルトのボルト
    取付孔が設けられていることを特徴とする直線摺動用テ
    ーブル。
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