JP2518432B2 - 鉄系厚板材のレ―ザ切断法 - Google Patents

鉄系厚板材のレ―ザ切断法

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JP2518432B2 JP2007518A JP751890A JP2518432B2 JP 2518432 B2 JP2518432 B2 JP 2518432B2 JP 2007518 A JP2007518 A JP 2007518A JP 751890 A JP751890 A JP 751890A JP 2518432 B2 JP2518432 B2 JP 2518432B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、例えば軟鋼材、工具鋼材、あるいはステ
ンレス鋼材のような、鉄系金属材のうちで、4.5mm以上
の厚さをもつ鉄系金属材料に対する、レーザ切断法に関
するものである。
〔従来の技術〕
第5図はレーザ加工機の概略を示す図であり、図にお
いて、(1)はレーザ発振器、(2)はレーザビーム、
(3)は反射鏡、(4)は加工ヘッド、(5)は加工レ
ンズ、(6)は加工ガス導入パイプ、(7)は加工ガス
(酸素ガス)、(8)は加工ノズル、(9)は被加工物
である。
次に、従来のレーザ切断法について説明する。
レーザ発振器(1)より出射されたレーザビーム
(2)は、反射鏡(3)により方向を転換し、加工ヘッ
ド(4)に伝送された、レーザビーム(2)は、その内
部に装着された加工レンズ(5)によって、被加工物
(9)表面で焦点を結ぶように集光される。一方加工ガ
スとして使用される酸素ガス(7)は、加工ガス導入パ
イプ(6)を通じて、加工ヘッド(4)内に導入され、
レーザビーム(2)の射出と同時に、加工ノズル(8)
から、被加工物(9)表面上へ噴射され被加工物(9)
(例材質SS41、厚さ6mm)を切断する。酸素ガス(7)
の役割は溶融した金属表面との酸化反応を活発化し、そ
の際生ずる酸化反応熱を利用して、更に深くまで熱を浸
透させることと、そして材料裏面まで浸透した溶融物
を、酸素ガスの噴射圧力と、それによる冷去効果により
花粉状の粒子と化して、これを除去する働きをもってい
る。
ここで、第4図に示された形状を、切断開始点(10)か
ら加工終了点(12)まで切断する場合、切断開始点(1
0)で酸素ガスを噴射し、レーザビームを射出すること
により、まず被加工物の貫通を行ない、次に切断経路
(11)に従って切断を行ない、加工終了点(12)で、レ
ーザビーム(2)の出力を止め酸素ガス(7)の噴射を
止めることにより、切断を終了するわけである。ところ
が上記のような方法を用いて、厚さ4.5mm以上の鉄系金
属材料(材質:SS41またはS35C等)を切断した場合、第
3図の切落とし点(14)、あるいは第4図加工終了点
(12)において、切断欠落部(13)が生じる。この理由
は特に鉄系金属の場合は、非鉄金属に比べて一般的に熱
伝導率が低いことにより、熱の拡散除去が容易でないた
めと考えられるが、上記方法では、切断中レーザビーム
(2)は射出したままでの切断となるうえ、特に切落と
し点(14)、あるいは加工終了点(12)では発生した熱
の逃げ場が、切断経路(11)途中に比較して、著しく少
ないことから、この様な切断欠落部(13)が発生するも
のと考えられる。またこの切断欠落部(13)は、そのほ
とんどが第5図に示す、切断面下部(18)で発生してい
る。
この切断欠落部(13)は、レーザ切断後の研削工程等
に於いて、充分に削除することができない場合、また切
断のまま使用される場合に於いても、強度、あるいは外
観上その品質を満足し得ないことになり、加工不良につ
ながる。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の鉄系厚板材のレーザ切断法は、以上のように構
成されているので、特に炭素鋼(低炭素鋼、中炭素鋼、
高炭素鋼)、工具鋼材、ステンレス鋼材等の鉄系金属
で、かつ、厚さ4.5mm以上の材料のレーザ切断にあって
は切落とし点(14)、あるいは加工終了点(12)で、切
断欠落部(13)が発生するという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになさ
れたもので、切り落し点、あるいは加工終了点の直前
に、酸化反応熱を減少させることにより、切り落し点あ
るいは、加工終了点の切断欠落を生じることなく、切断
することのできる、鉄系厚板材のレーザ切断法を得るこ
とを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係る鉄系厚板材のレーザ切断法は、所定厚
さ以上の鉄系金属材料を、レーザ切断する場合、切落し
点、あるいは加工終了点の直前の加工ガス切換点におい
て、酸素ガスを、乾燥清浄空気、または窒素ガスに切換
えて、加工終了点まで切断するものである。
〔作用〕
この発明における鉄系厚板材のレーザ切断法では、切
落し点、あるいは加工終了点の直前(1.0〜3.0mm)で、
酸素ガスを乾燥清浄空気、または窒素ガスに切換えて、
加工終了点まで切断することにより、酸化反応熱を減少
することが可能となる効果、切落し点あるいは、加工終
了点での、切断欠落部を生じることなく切断することが
できる。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の実施例を図について説明する。
第1図、第2図は本発明の実施例を示す説明図であ
り、従来例を示した第3図、第4図と同一または相当部
分は同一符号を付し、説明を省略する。
第5図、加工ヘッド(4)に伝送されたレーザビーム
(2)はその内部に備えられた、加工レンズ(5)によ
り被加工物表面で焦点が結ばれる。また同時に酸素ガス
(7)を被加工物(9)に吹きつけることにより、被加
工物(9)を貫通する。
第1図、第2図切断開始点(10)を貫通した後、切断
経路(11)に従い、レーザビーム(2)と酸素ガス
(7)を射出しながら、加工ガス切換点(15)まで切断
する。この加工ガス切換点(15)から、第1図切落し点
(14)、あるいは第2図加工終了点(12)までの距離
は、熱容量も小さく、かつ熱の逃げる場所が小さいた
め、強い酸化反応熱により一瞬にして溶融し、欠落し易
すい状態となっている。
そこで、加工ガス切換点(15)まで切断したら、加工ガ
スを酸素ガスから、乾燥清浄空気、または窒素ガスに切
換えて、加工終了点(12)まで切断することにより、強
い酸化反応熱を減少させ、溶融、欠落を防ぐことができ
る。
この際どの程度の乾燥清浄空気、あるいは窒素ガスを噴
出したら良いかということであるが、これは3kg/cm2
上の噴出量が必要である。また切断速度については、酸
化反応熱が減少している関係から0.1m/分程度の速度に
する必要がある。
なお、上記実施例では2例を示したが、これはすべて
の形状の切断終了点、あるいは切落し点での切断欠落発
生防止法として効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図はこの発明の一実施例による、レーザ切
断法を示す説明図、第3図、第4図は従来の鉄系厚板材
のレーザ切断法を示し、第5図は一般的なレーザ加工機
を示し、第5図(a)は概略構成図、第5図(b)は切
断状況を示した構成図である。 図において、(10)は切断開始点、(11)は切断経路、
(12)は加工終了点、(13)は切断欠落部、(14)は切
落し点、(15)は加工ガス切換点である。 なお、図中、同一符号は同一、または相当部分を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の厚さ以上の、鉄系金属材料をレーザ
    切断する場合における、その切断経路終端部において、
    加工ガスとして使用している酸素ガスを乾燥清浄空気、
    または窒素ガスに切換えて、切断終了点まで切断するこ
    とを特徴とする鉄系厚板材のレーザ切断法。
JP2007518A 1990-01-17 1990-01-17 鉄系厚板材のレ―ザ切断法 Expired - Lifetime JP2518432B2 (ja)

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