JP2518302Y2 - 床部からの立ち上がり部防水層用保護パネルの上端ホルダー支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、陸屋根やベランダ等の、床部からの立ち
上がり部防水層用保護パネルの支持構造、特に保護パネ
ルの上端ホルダー支持構造に関するものである。

〔従来の技術〕

床部からの立ち上がり部の構造として、床部防水層に
続き床部からの立ち上がり部にも防水層が形成され、立
ち上がり部防水層の表面は遮光性で耐水性の保護パネル
で覆われている構造が既に存在する。

又本考案者らは第５図に示すように、床部41からの立
ち上がり部42の内側面に、床部の防水層（図示省略）に
続いて立ち上がり部防水層43を形成し、立ち上がり部防
水層の上端縁は押え金物44で押え、且つアンカーボルト
45で固定し、立ち上がり防水層43の表側には保護パネル
46を、上端は押え金物44に後端を嵌合支持されたブラケ
ット47にボルト48とナット49でスライド可能に取付けら
れたホルダー50に支持し、下端は床部に固定したベース
ホルダー51に支持する構造を開発した。

52は立ち上がり防水層43や保護パネル46の上端側を覆
う水切りカバープレート、53は立ち上がり防水層43の上
端部付近を覆うシーリング材である（実開平1-129419
号）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来の床部からの立ち上がり部は、立ち上がり防
水層43の表面を覆う保護パネル46の上端を支持するホル
ダー50が、ブラケット47の長孔54を貫通するボルト48で
締結され、且つボルト48の頭部55は、パネルホルダー50
の上端一側に連成した水平板部56の下面に突出する上向
きチャンネル形のボルト頭通し部57に側端から通し、ボ
ルト48はブラケット47の長孔54を上方に貫通しており、
このボルトにナット49をねじ込む操作はボルトが上向き
であるため困難性がある。

この考案は上記の問題点を解決しようとするもので、
その目的とするところは、立ち上がり防水層の上端縁押
え金物に後端を固定可能に嵌合係止したブラケットに、
締結部材を介在してパネルホルダーを吊り下げると共
に、締結部材は前後方向に対向する２部品として両部品
にねじ軸を、ねじ頭が床上に立った作業者の方に水平に
向く方向に通してドライバーの操作で締結し得る、床部
からの立ち上がり部防水層用保護パネルの上端ホルダー
支持構造とするにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、この考案は床部からの
立ち上がり部防水層用保護パネルの上端ホルダーをブラ
ケットに取付ける連結部材はブラケットの水平主板部を
上下から挟み嵌合する一方部品と、一方部品の上側横長
垂直板部の一面側に重なる横長垂直板片である他方部
品、及び両部品を連結するねじ軸とからなり、一方の部
品の上側横長垂直板部及び他方部品には両部品締結用ね
じ軸を遊嵌状に通す孔をそなえ、下方の横長水平板部は
側面形状がパネルホルダー上端の上向きチャンネル部内
に嵌合する形状とし、一方の部品の上側板部に他方部品
を対向させてねじ軸を通すと共に両部品には、一方の部
品は上側縁に、他方の部品は下側に、ねじ軸の締結で一
方の部品が強制的に押し上げられてパネルホルダーを移
動不能とする、対向面が同一方向に傾斜するあご部をそ
れぞれそなえた立ち上がり部防水層用保護パネルの上端
ホルダー支持構造としたものである。

〔作用〕

床部からの立ち上がり部防水層の上端縁押え金物に後
端を嵌合係止させたブラケットの水平主板部を上下から
挟み嵌合する、保護パネルの上端ホルダーをブラケット
に結合する連結部材の一方部品の下方の横長水平板部
を、パネルホルダー上端の上向きチャンネル部内に側端
から通してこの状態で、パネルホルダーの位置を調整し
た後連結部材のねじ軸をドライバーで回動締結すること
で、締欠部材における一方の部品は上端縁の傾斜面が、
又他方の部品の下方の傾斜面が、互いに対向する相手部
品の対向縁に接触し且つ一方の部品は他方の部品を押し
下げ、他方の部品は下端縁がブラケットの上面に圧接状
となって一方の部品を押し上げることになりパネルホル
ダーを移動不能に固定する。

〔実施例〕

第１図は本考案に係る床部からの立ち上がり部の防水
構造の一実施例を示し、１は床部からの立ち上がり部、
２は床部の防水層（図示省略）に続いて立ち上がり部１
の内面側に立ち上がった防水層である。

図示の立ち上がり部はあご３付きであり、防水層２の
上端はあご３に近接する部分で終っていて、この部分を
押え金物４で押え、且つアンカーボルト５で固定してあ
る。

防水層２の表側にはこの層を保護する、遮光性耐水性
の保護パネル６が配設してあるが、このパネル６の上端
部は、押え金物４のチャンネル形凹部に後端の垂直板部
７を嵌合支持させたブラケット８の下面に付設したパネ
ル挟持ホルダー９で支持されている。

第２図はブラケット８の斜視図であり、その水平主板
部10には幅方向中央部に、遊離端側に開放する溝11が形
成してある。

12a,12bはブラケット８後端の垂直板部７に形成し
た、押え金物４のチャンネル形凹部に嵌合する上下の係
止用爪縁である。

13はパネルホルダー９をブラケット８に連結する部材
であり、この連結部材13は第３図に分解して示すよう
に、一方の部品14と他方の部品15とからなっており、一
方の部品13は正面横長「エ」形を呈し、上側の横長垂直
板部ａと下側の横長水平板部ｂを長さ方向中央部でつな
ぎ部ｃで連結してあり、このつなぎ部ｃはブラケット８
の溝11に挿入されてスライドする。

上記連結部材13における他方部品15は、一方の部品14
における上側の横長垂直板部ａに対向して重なる左右２
個に分割されており、これらの分割他方部品には中央に
それぞれ１個、一方の部品14における上側の横長垂直板
部ａには左右にそれぞれ１個の、ねじ軸を遊嵌状に通す
孔16が設けてあり、分割された他方部品15を一方部品14
における上側の横長垂直板部ａの左右の孔16部分に対応
させて第１図に示すようにねじ軸17を通しナット18で締
結するようにしてあるが、他方部品15は長さ方向中央部
上半部で左右片を連結する形状とすることもでき、又一
方の部品は上側の横長垂直板部ａと下側の横長水平板部
ｂの長さを、ブラケット８における水平主板部10の横幅
より大なるものとしてその両端を接続した横長の環状形
としてその長孔にブラケットの水平主板部を通した形態
とすることもできる。

一方の部品14における上側の横長垂直板部ａの上縁部
には他方の部品15と対向する面に、下面側に上向き傾斜
面19を有するあご縁20をそなえ、この横長垂直板部ａに
対向する他方の部品15の、横長垂直板部ａに対向する面
側には下端に、一方部品側に向く水平板部21が連成して
あって、その連成根部内面側にも一方部品14のあごの傾
斜面19と同角度の傾斜面22が形成してある。

連結部材13における一方部品14の下側の横長水平板部
ｂはパネルホルダー９上端の上向きチャンネル部23内に
側端からスライド自在に嵌合する縦断面形状を呈してい
る。

次に立ち上がり部防水層２上端縁を押え金物４で固定
して防水層２並びに押え金物４の上端面にシーリング材
24を充填し、次いで押え金物４にブラケット８の後端垂
直板部７を嵌合し抜け止めとし、ブラケット８に連結部
材13における一方部品14を通した状態で下方の横長水平
板部ｂをパネルホルダー９上端のチャンネル部23内に側
端から通した状態でパネルホルダー９の位置を保護パネ
ル６の立設すべき位置に移動しねじ軸17を締結すること
で、連結部材13の一方部品14と他方部品15は互いに接近
し、傾斜面19,20の接合で一方部品14が押し上げられ、
パネルホルダー９を引き上げることになってパネルホル
ダーは所定位置に固定される。

第１図において25は床部に配設された、保護パネル６
の下端を嵌合するベースホルダーであり、タッピングビ
ス26で固定してある。

ブラケット８はその水平主板部10が後端の垂直板部７
の上縁側に連成してあり、水平主板部10の遊嵌端は斜め
上向きに屈曲されていてこの屈曲部27にシーリング材受
け金物28の背面に形成した斜め下向き溝構造部29を嵌合
して受け支え、シーリング材受け金物28と床部からの立
ち上がり部１におけるあご３の下面間にシーリング材30
が充填される。

第４図は立ち上がり部防水層用保護パネルの上端ホル
ダー支持部の他例を示し、第１図の構造と異なるところ
はブラケット８を180°反転した状態で防水層２の上端
押え金物４に嵌合固定しそのためブラケットに組み込む
連結部材13はブラケットを180°反転した向きで正常位
に取付けてあり、又ブラケット８の後端垂直板部７の上
端突出縁39に、保護パネル用カバープレート31の上端に
連成した背面側に向く水平縁40の下面の鉤状突起40aを
係合して抜け止めとし、カバープレート31の垂下板部32
の内面側に形成し斜め上向き爪縁33に、ブラケット８の
遊離端の斜め下向き屈曲縁27を係止させてある。

34は立ち上がり部防水層２の上端と、立ち上がり部１
上端のあご3a下面との間に充填されたバックアップ材、
35は防水層押え金物４上に充填されたシーリング材、36
はあご3aの下面にシーリング材37を介して垂下した水切
りプレートである。

第３図において38は、連結部材13のねじ軸通し用孔16
に表側から通したねじ軸（第１図に示すねじ軸17）にね
じ込んだナット（第１図に示すナット18）用回動止めの
垂下縁である。

〔効果〕

この考案の床部からの立ち上がり部防水層用保護パネ
ルの上端ホルダー支持構造としたことにより、以下に述
べるような効果がある。

（１）床部からの立ち上がり部防水層用保護パネルの上
端ホルダーをブラケットに取付ける連結部材は、ブラケ
ットの水平主板部を上下からスライド可能に挟み嵌合す
る一方の部品と、一方の部品の上側横長垂直板部の一面
側に重なる横長垂直板片である他方部品、及び両部品を
連結するねじ軸とからなっており、一方の部品における
下方の横長水平板部は側面形状がパネルホルダー上端の
上向きチャンネル部内に嵌合する形状としてあって一方
の部品の上側板部に他方の部品を対向させてそれぞれの
板部に形成した孔にねじ軸を遊嵌状に通すと共に、両部
品には、一方の部品は上縁側に、他方の部品は下縁側
に、ねじ軸の締結で一方の部品が強制的に押し上げられ
る傾斜面があるあごをそなえているので、一方の部品の
下側の横長水平板部をパネルホルダー上端部の上向きチ
ャンネル部内に嵌合して一方の部品と他方の部品に通し
たねじ軸を締結することでパネルホルダーの上端がブラ
ケットの下面に圧接されることになると共に、連結部材
を締結するねじ軸は前後方向に向いているので、従来
の、ブラケットの下面にパネルホルダーの上端を当接し
て両者の重なり部にボルトを上向きに通し締結する場合
の操作に比して、締結作業が著しく容易である。

（２）立ち上がり部防水層用保護パネルの上端ホルダー
をブラケットに支持する連結部材の一方の部品の上側板
部の背面には、ねじ軸のナット回動止め用あご縁が連成
してあるので、ねじ軸の締解はねじ軸頭部にドライバー
を嵌合して回動するだけで足りて、ねじ軸の締解作業が
容易である。

（３）板片状ブラケットはその水平主板部を、後端垂直
板部の上下方向一方端に位置する嵌合とすることで、水
平主板部の遊離端は外表面側に屈曲しているので、水平
主板部が後端垂直板部の上端に位置する向きの取付けと
することで水平主板部遊離端の屈曲縁が上向きとなり、
床部からの立ち上がり部のあご下面に付設したシーリン
グ材受け金物を上向き屈曲縁の嵌合で受け止めることが
でき、又ブラケットの水平主板部を後端垂直板部の下端
に位置させることで、水切りカバープレートの上側端鉤
状縁をブラケットの後端嵌合係止部に設けた上向き突出
縁に抜け止め状に嵌合して取付けることができ、水切り
カバープレートの垂下板部内壁面の上向き鉤状段部に、
ブラケットの水平主板部遊離端の下向き屈曲縁を係止さ
せることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る床部からの立ち上がり部防水層用
保護パネルの上端ホルダー支持構造の一実施例の縦断側
面図、第２図は同上の、保護パネルの上端ホルダー用ブ
ラケットの拡大斜視図、第３図はブラケットに、保護パ
ネルの上端ホルダーを取付ける連結部材の、ねじ軸の図
示を省略した分解斜視図、第４図は立ち上がり部防水層
用保護パネルの上端ホルダー支持構造の他の実施例の要
部の縦断側面図、第５図は従来の立ち上がり部防水層用
保護パネルの上端ホルダー支持構造を示す縦断側面図で
ある。 １……床部からの立ち上がり部、２……立ち上がり防水
層、３・3a……立ち上がり部のあご、４……防水層上端
縁押え金物、５……アンカーボルト、６……防水層用保
護パネル、８……ブラケット、７……ブラケットの後端
垂直板部、９……保護パネルの上端ホルダー、10……ブ
ラケットの水平主板部、11……水平主板部の溝、12a・1
2b……ブラケット８の垂直板部上下端の係止用爪縁、13
……連結部材、14……連結部材の一方の部品、ａ……上
部の横長垂直板部、ｂ……下部の横長水平板部、ｃ……
つなぎ部、15……連結部材の他方部品、16……ねじ軸通
し用孔、17……ねじ軸、18……ナット、19……一方の部
品14の傾斜面、22……他方の部品15の傾斜面、23……保
護パネルの上端ホルダー９の上端チャンネル部、27……
ブラケット水平主板部10の遊離端屈曲縁、28……シーリ
ング材受け金物、29……溝構造部、31……カバープレー
ト、32……垂直板部、33……上向き爪縁、38……連結部
材13の一方の部品14の、ねじ軸のナット用回動止め垂下
縁

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】床部の防水層に続き、床部からの立ち上が
   り部にも防水層を形成し、立ち上がり防水層の表面側に
   は保護パネルを位置させ、保護パネルの下端部は床面側
   のベースホルダーに、保護パネルの上端部は、立ち上が
   り壁部上部に後端を固定した板片状ブラケットにボルト
   締結したホルダーに、それぞれ支持させた床部からの立
   ち上がり部防水層用保護パネルの支持構造において、保
   護パネルの上端ホルダーをブラケットに取付ける連結部
   材はブラケットの水平主板部を上下から挟み嵌合する一
   方部品と、一方部品の上側横長垂直板部の一面側に重な
   る横長垂直板片である他方部品、及び両部品を連結する
   ねじ軸とからなり、一方の部品の上側横長垂直板部及び
   他方部品には両部品締結用ねじ軸を遊嵌状に通す孔をそ
   なえ、一方の部品下部の横長水平板部は側面形状がパネ
   ルホルダー上端の上向きチャンネル部内に嵌合する形状
   とし、一方の部品の上側板部に他方の部品を対向させて
   ねじ軸を通すと共に両部品には、一方の部品は上縁側
   に、他方の部品は下縁側に、ねじ軸の締結で一方の部品
   が強制的に押し上げられてパネルホルダーを移動不可能
   とする、対向面が同一の方向に傾斜するあご部をそなえ
   たことを特徴とする床部からの立ち上がり部防水層用保
   護パネルの上端ホルダー支持構造。
2. 【請求項２】立ち上がり部防水層用保護パネルの上端ホ
   ルダーをブラケットに支持する連結部材の一方の部品の
   上側板部背面には、ねじ軸のナット回動止め用あご縁を
   連成した請求項（１）記載の保護パネルの上端ホルダー
   締結部材。
3. 【請求項３】立ち上がり部防水層の上端縁押え金物に後
   端を嵌合係止させる板片状ブラケットはその水平主板部
   が、防水層押え金物のチャンネル形凹部に嵌合係止させ
   る後端垂直板部の上下何れか一方端に位置し、この主板
   部の遊離端は外表面側に屈曲している形状としてこのブ
   ラケットを、その水平主板部は立ち上がり部防水層の上
   端押え金物に係合支持させる垂直板部の上縁側に位置す
   る向きとして水平主板部の上向きに屈曲する遊離縁に、
   シーリング材受け金物の背面に形成した、奥側が上向き
   の溝部を嵌合し、シーリング材受け金物の上側段状部と
   床部からの立ち上がり部上側のあご下面との間にシーリ
   ング材を充填した請求項（１）記載の床部からの立ち上
   がり部防水層用保護パネルの上端ホルダー支持ブラケッ
   トとシーリング材受け金物の構造。
4. 【請求項４】立ち上がり部防水層の上端縁押え金物に後
   端を嵌合係止させる板片状ブラケットの水平主板部は、
   後端垂直板部の下縁側に位置する向きとして水平主板部
   の下向きに屈曲する遊離縁を、上側端の鉤状突縁をブラ
   ケットの後端嵌合係止部の上向き突出縁に抜け止め状に
   嵌合した水切りカバープレートの垂下板部内壁面の上向
   きに突出する鉤状段部に係止させた請求項（１）記載の
   立ち上がり部防水層用保護パネルの上端ホルダー支持部
   の構造。