JP2518132Y2 - カード搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はプリペイドカードに代表されるカードやチケ
ット等を販売するカード販売機に利用されるカード搬送
装置に関する。

（従来の技術） 昨今カード発売のために必要となる自動販売機に内蔵
されるカード搬送装置はカードの送出方式により色々な
装置が考えられていたが、この中でも、本考案に係るも
のは特に自動販売機のカード取出口にカードを保持し、
利用客が抜き取ることで動作を完結させるものである。
この販売機はすでに各設置場所に於いて他の装置（例え
ば電話機や券売機等）が設置されており、残された狭い
スペースに設置する必要性から小型にする事が求めら
れ、従って内蔵されるカード搬送装置も小型にする必要
性が有った。また利用客がカード販売機をカードにより
物品・券などを購入出来る販売機と誤認して、本来カー
ド送出のために設けられた取出口よりカードを挿入した
り、いたずらによって取出口から異物等を挿入されぬ様
に販売機（本体の取出口部）やカード搬送装置に何等か
の誤挿入防止対策を必要としていた。その方法としては
カード搬送装置の搬送部のローラに一方向クラッチを用
いたものを利用することや、搬送部にソレノイド等を利
用したシャッターやピンによる機構を付加することによ
り異物などの挿入の対策としていた。（特開昭62-21746
0等。） （考案が解決しようとする課題） 上記技術に於ては以下のような欠点を有していた。

搬送部の最後のローラに一方向クラッチを用いた装置
では、搬出ローラとそれに係合するローラの何れか、ま
たはその両方に一方向クラッチを用いるのであるが、カ
ードを保持するにはカード搬送搬出の駆動手段との関係
上（１）搬出ローラとは別箇の保持ローラを設け、駆動
されているローラから離れた時点で別の保持ローラでカ
ードを保持する方法。（２）搬出ローラ等を制御手段及
び検出手段等により制御して一定の位置に達したときに
そのタイミングを見計らって停止することによりカード
を保持する方法。等の方法が考えられていたが（１）で
はローラ数が増えるため装置が大型化する欠点があり、
（２）の装置では制御手段及び検出手段がどうしても必
要となり装置が複雑化してしまった。そして（１）・
（２）の何れの方式に於いても一方向クラッチを内蔵し
たローラは高価になる。また、本来こうした搬出ローラ
等は前記自動販売機の商品であるカードに傷を付けない
ためにゴムなどの弾性物質をその材質としているのでカ
ードなどの取出口からの逆挿入に対して阻止を確実に行
うには通路を挟んだ一対のローラ間の係合を強い力で圧
接させねばならずその結果ローラに残留歪が生じローラ
の変形を引き起こし、逆挿入の阻止はおろか本来の搬送
搬出動作にすらその機能に支障を来すことがあった。ま
た、ソレノイド等の駆動手段を利用したシャッターやピ
ンによる機構を採用した装置は、当然の事ながらその駆
動手段を取り付ける為のスペースが必要となりその上シ
ャッターの動作に際しては複雑な制御手段と検出手段等
を必要とした。この様に従来技術によるものには、カー
ド等の逆挿入を確実に阻止することが可能で且つ小型化
を実現しているものは無かった。

本考案は上記欠点に鑑み小型で有りながらカード等の
逆挿入を確実に阻止することが可能なカード装置を提供
することを目的としている （課題を解決するための手段） 本考案は次の様な構成で、重積されたカードを収納す
る収納ストッカー部と、前記ストッカー部から前記カー
ドを一枚ずつ水平に分離搬送した後、搬出口に向けて搬
出するローラ及び駆動手段とからなるカード搬送装置に
おいて、搬送路を左右から規制する搬送側板と、前記搬
送路を下から規制し出口側の下流に凹形切欠または穿を
有する案内板と、前記搬送搬出部の最後のローラより下
流に位置し、前記搬送側板に回転可能に懸架されその支
点位置が搬送路より上方に位置し下面に角部を有し、該
角部の一部を前記案内板の凹形切欠または穿に嵌入する
搬送路遮断手段と、前記搬送路遮断手段の下面に位置し
上流側で該搬送路遮断手段に固着され下流側が自由端と
なっている弾性体で構成される逆入遮断手段と、前記搬
送路遮断手段の上方への移動を規制する遮断補助手段
と、前記搬送路遮断手段の懸架される支点位置より出口
側に位置するカード検出手段とを備え、前記遮断補助手
段により前記搬送路遮断手段が規制されている状態にあ
る時前記逆入遮断手段が搬送路より下方に突出すること
を特徴としたものである。

（作用） カード搬送時に於いて、カードは左右の搬送側板と下
面案内板に規制され、搬送搬出部より搬出される。搬出
されたカードは搬送路遮断手段と、その下に設けられて
いる逆入遮断手段を持ち上げながら進行する。この時前
記逆入遮断は弾性体より構成されているので、カードの
搬出は阻害されることはない。カードは、搬出部による
駆動が伝わらなくなった位置で搬送路遮断手段及び逆入
遮断手段を持ち上げたまま、即ち、この両者の自重によ
り保持された状態で停止する。これを利用客が抜き取る
ことで搬送路遮断手段及び逆入遮断手段は元の位置すな
わち、下面案内板の凹形切欠若しくは穿の中に嵌入す
る。

この下面案内板に搬送路遮断手段及び逆入遮断手段が
嵌入している状態では、たとえ利用者その他がカード等
の異物をねじ込もうとし前記搬送路遮断手段を持ち上げ
る事が出来たとしても、該搬送路遮断手段は、遮断補助
手段により上方の移動が規制されることで、該搬送路遮
断手段の下部に設けられた逆入遮断手段に引っ掛かり阻
止することが可能である。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面に基づき説明する。

第１図は本考案のカード搬送装置本体斜視図で、第２
図は第１図のＸ−Ｘ線断面図であり、第３図は搬送路遮
断手段９の一例を示す正面図である。

１は本体で17、17′は左右からカード等の搬送路を規
制する搬送側板であり、カードを重積し最下位部より搬
送すべき収納ストッカー部２の側板も兼ねている。４、
５、６は軸で各搬送搬出のためのローラである繰り出し
ローラ13、搬送ローラ14、搬出ローラ15が軸支され、例
えばDCモータから成る駆動手段３によりプーリとベルト
等（図示せず）により作動する。12は前記搬送側板17、
17′と共に搬送路を下から規制し前記収納ストッカー部
２から一連の平面を構成する案内板であり、各ローラ部
に於いては開口を形成している。カード等は繰り出しロ
ーラ13、搬送ローラ14等により搬送され更に搬出ローラ
15、圧接ローラ７によりカード等を搬送路遮断手段９ま
で搬出される。これらの各ローラの駆動は駆動手段３に
よる。11はカードの搬出と利用者による抜取を確認する
ための検出手段で例えば光学式や機械式の機構からな
る。８は利用者による異物やカードの逆挿入を阻止する
為の前記搬送路遮断手段９の補助的役割をする遮断補助
手段であり、孔10と規制板20を有しており、孔10により
垂直方向の幅（隙間）の規制が行われる。搬送路遮断状
態に於いては搬送路遮断手段９は第２図の様な位置にあ
り、カードを保持状態に於いては案内板12面上カード等
の厚み分だけ上部に位置し搬送路遮断手段の自重により
カードを保持する位置にする。

第４図は本考案の搬送路遮断手段の一実施例の作動の
説明要部拡大断面図で、第５図は逆入遮断手段を設けた
搬送路遮断手段の一実施例の斜視図である。この実施例
は案内板12の出口側に凹形切欠21を有し、搬送路遮断手
段９は鋭角の角部を形成している。24aは取出口からの
逆挿入を確実に阻止するための逆入遮断手段で搬送路遮
断手段と、くの字をなし、下部に鈍角を形成し例えば板
バネの様な加工・形状にすることにより弾性体質にしカ
ードの搬出に於いてカードに傷などを付けないようにし
ている。

ここで第４図を参照して構成・動作を更に詳細に説明
する。搬送路遮断状態の時の搬送路遮断手段９は9aの位
置にあり、カード保持状態時の搬送路遮断手段９はその
下部設けられた逆入遮断手段24を含め案内板12面上カー
ドの厚み分押し上げられた位置にあり、前記搬送路遮断
手段及び逆入遮断手段24の自重によりカードを保持する
（図示せず）。

遮断補助手段８は、孔10と規制板20を有しており、孔
10は上下方向の搬送路の寸法を絞ることで、利用者が大
きな異物を挿入することによる搬送路遮断手段９等が破
損したり変形したりしないようにする機能を有してお
り、規制板20は搬送路遮断手段９の上昇を一点鎖線9bの
位置までに抑えるストッパーとしての機能を有する。従
って、孔10の縦方向の大きさ（隙間）は、搬出すべきカ
ード等の厚みより幾分大きく取るだけでよい。またカー
ド保持状態時以外は前記搬送路遮断手段９を案内板12の
凹形切欠21にその一部を嵌入させているために異物等の
挿入は難しくなっている。その上、逆入遮断手段24を搬
送路側面に該搬送路遮断手段の上方を規制する位置に遮
断補助手段８の規制板20が設けてあることで、該遮断補
助手段８は前記案内板側面の凹形切欠より突出する位置
に位置する。従って、仮に案内板の凹形切欠または穿に
一部を嵌入させるため形成された隙間などより無理やり
カードの様な薄手の異物を挿入されても第５図に示す搬
送路遮断手段９と逆入遮断手段24とによる隙間25にカー
ド等が挿入されるものの装置内へ挿入されることは確実
に阻止される。

第６図は本考案の搬送路遮断手段の他の一実施例の作
動の説明要部拡大断面図であり、案内板12の出口側には
穿23を有し、搬送路遮断手段９は鈍角の角部を形成し穿
23出口側にも曲げ部を形成し、８′はこの実施例に於け
る遮断補助手段であり円筒上の部材を前記搬送側板17、
17′に架設し使用することにより垂直方向の幅の規制が
行われ搬送路遮断手段９の上方への移動を一点鎖線９′
ｂまでに規制が行われる。この実施例に於てもカードが
保持されている時（図示せず）以外は９′ａの位置に搬
送路遮断手段９はその下部の逆入遮断手段24を含め穿23
に嵌入するため異物等の挿入は出来なくなる。尚この様
に本考案では遮断補助手段８は板金によるものや円筒上
の部材でなくビス等でもよく色々な形状・方式でよく、
また搬送路遮断手段９と、その下部の逆入遮断手段24は
一体形により形成されるものでもよい事は言うまでもな
い。

（考案の効果） 以上のように構成することにより従来技術による一方
向クラッチローラやソレノイド等からなるシャッター機
構を設けた装置のように複雑化・大型化することなく、
異物やカード等の逆挿入を阻止でき、且つ小型である装
置を提供できる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のカード搬送装置本体斜視図で、第２図
は第１図のＸ−Ｘ線断面図で、第３図は搬送路遮断手段
９の一例を示す正面図で、第４図は本考案の搬送路遮断
手段の一実施例の作動の説明要部拡大断面図で、第５図
は逆入遮断手段を設けた搬送路遮断手段の一実施例の斜
視図で、第６図は本考案の搬送路遮断手段の他の一実施
例の作動の説明要部拡大断面図である。 遮断補助手段８ 搬送路遮断手段９ 検知手段11 案内板12 搬送側板17、17′ 逆入遮断手段24

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】重積されたカードを収納する収納ストッカ
   ー部（２）と、前記ストッカー部から前記カードを一枚
   ずつ水平に分離搬送した後、搬出口に向けて搬出するロ
   ーラ（13,14,15）及び駆動手段（３）とからなるカード
   搬送装置において、搬送路を左右から規制する搬送側板
   （17,17′）と、 前記搬送路を下から規制し出口側の下流に凹形切欠また
   は穿を有する案内板（12）と、 前記搬送搬出部の最後のローラより下流に位置し、前記
   搬送側板（17,17′）に回転可能に懸架されその支点位
   置が搬送路より上方に位置し下面に角部を有し、該角部
   の一部を前記案内板（12）の凹形切欠または穿に嵌入す
   る搬送路遮断手段（９）と、 前記搬送路遮断手段（９）の下面に位置し上流側で該搬
   送路遮断手段（９）に固着され下流側が自由端となって
   いる弾性体で構成される逆入遮断手段（24）と、 前記搬送路遮断手段（９）の上方への移動を規制する遮
   断補助手段（8,8′）と、 前記搬送路遮断手段（９）の懸架される支点位置より出
   口側に位置するカード検出手段（11）とを備え、 前記遮断補助手段（8,8′）により前記搬送路遮断手段
   （９）が規制されている状態にある時前記逆入遮断手段
   （24）が搬送路より下方に突出することを特徴とするカ
   ード搬送装置。