JP2517719Y2 - 自動販売機の表示装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、自動販売機の表示装置に係わり、特に、販
売商品のサンプルと広告物との両方を表示する表示装置
に関する。

（従来の技術） 従来、自動販売機にあって、販売商品のサンプルと広
告物との両方を表示する表示装置としては、例えば特開
昭64-990号公報に記載の表示装置が知られている。この
表示装置は、自動販売機の前面部に透明パネルにより覆
われた展示室を設け、この展示室内で、前面寄りの位置
にサンプルを固定的に展示し、また、これらサンプルの
後方に、固定的な表示部を設けるとともに、この表示部
とサンプルとの間に、上下部をそれぞれ回動自在に軸支
した平板状の多数の表示板を自動販売機の幅方向に並設
した構造を採っている。そして、モータにより平行リン
ク機構等を介して表示板を一斉に回動させることによ
り、これら表示板の左右両側面の表示面を交互に前方へ
向ける。これにより、表示板の一側面の表示面が前方へ
向いたときと、表示板の他側面の表示面が前方へ向いた
ときと、表示板の表示面が側方へ向いて前方から固定的
な表示部が見えるときとで、計３通りの広告物の表示が
行なわれる。

（考案が解決しようとする課題） しかし、前述した従来の自動販売機の表示装置では、
展示室内でサンプルの後方に表示板を設けている関係
上、表示板を設置できる空間、特にその奥行き寸法が小
さくなり、その結果、表示板１枚の回転半径方向の大き
さを小さくして、表示板の数を多くしなければならなか
った。そのため、多数の表示板で表示される広告物は、
表示板間の隙間が目立つものとなり、広告物が非常に見
にくいという問題があった。

また、広告物がサンプルの陰になって、見にくいとい
う問題もあった。

そこで、本考案は、前記問題点に鑑み、従来と同等の
広さの展示室でありながら、非常に見やすい広告とサン
プルの展示とを行なうことができる自動販売機の表示装
置を提供することを目的としてなされたものである。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 本考案の自動販売機の表示装置は、前記目的を達成す
るために、前面部に透明パネルにより覆われた展示室が
形成されるとともに、購買時に販売商品を選択する選択
ボタンが設けられた自動販売機にあって、前記展示室内
に、少なくとも２つ以上の三角柱を左右方向を軸方向と
してかつ上下方向に並べて配設するとともに、これら各
三角柱をそれぞれ独立した駆動手段によって回転駆動可
能とする。そして、前記少なくとも２つ以上の三角柱
は、一側面を販売商品のサンプル表示面とし、他の一側
面を全ての三角柱で形成される広告面とするとともに、
残る一側面をそれぞれ独立した広告面としてなる。さら
に、前記各三角柱同志の隙間に対応する位置で前記透明
パネル上に、上下方向の幅を狭くした選択ボタンユニッ
トを配設したものである。

（作用） 本考案の自動販売機の表示装置では、自動販売機の前
面部の透明パネルにより覆われた展示室内に、少なくと
も２つ以上の三角柱が左右方向を軸方向としてかつ上下
方向に並べて配設されているが、これら三角柱がそれぞ
れ独立した駆動手段によって回転駆動される。そして、
三角柱の一側面のサンプル表示面が前方へ向いたときに
は、販売商品のサンプルが展示されることになる。ま
た、全ての三角柱の他の一側面の広告面がともに前方へ
向いたときには、全ての三角柱で形成されるこの広告面
が表示される。さらに、三角柱の残る一側面の広告面が
前方へ向いたときには、各三角柱でそれぞれ独立したこ
の広告面が表示される。また、各三角柱はそれぞれ独立
して回転できるから、ある三角柱ではサンプル表示面を
表示し、他の三角柱では独立した広告面を表示するよう
なことも可能である。さらに、いずれの場合も、各三角
柱同志の隙間に対応する位置で透明パネル上に配設され
た上下方向の幅を狭くした選択ボタンユニットにより、
各三角柱同志の隙間が覆い隠される。なお、購買者は、
選択ボタンユニットの選択ボタンにより販売商品を選択
する。

（実施例） 以下、本考案の自動販売機の表示装置の一実施例の構
成を図面に基づいて説明する。

第１図ないし第３図において、１は自動販売機本体
で、この自動販売機本体１の前面上部には、前方へ開口
した展示室２が箱状の仕切壁３により区画形成されてい
る。そして、この展示室２の前面開口は透明パネル４に
より覆われている。また、第３図に示すように、自動販
売機本体１の前面部には、展示室２の下方に位置して、
硬貨投入口６と紙幣投入口７と返却レバー８と人検知セ
ンサー９と商品取出し口10となどが設けられている。人
検知センサー９は、その前方にいる人の存在を例えば光
学的に検知するものである。

前記展示室２内には、第１の三角柱11aと第２の三角
柱11bと第３の三角柱11cとがそれぞれ左右方向を軸方向
として、かつ、上下方向に並べて配設されている。これ
ら三角柱11a,11b,11cは、それぞれ、その両端面中心部
に固定的に突設された支軸12a,12b（三角柱11cの支軸は
図示していない）が前記仕切壁３の左右両側面部に貫通
状態で軸支されており、これら支軸12a,12bを中心とし
て回転自在になっている。

そして、各三角柱11a,11b,11cの一方の支軸12a,12b
の、展示室２外に位置する先端部にはプーリ13a,13bが
それぞれ固定されている。また、各三角柱11a,11b,11c
をそれぞれ独立して回転駆動する駆動手段として、前記
自動販売機本体１内で展示室２の外方の位置には、第１
および第２の直流モータ14a,14bが仕切壁３の上側に設
けられているとともに、第３の直流モータ14cが仕切壁
３の下側に設けられている。そして、これら各モータ14
a,14b,14cの出力軸に固定されたプーリ15a,15b,15cと前
記各三角柱11a,11b,11cのプーリ13a,13bとの間に無端の
タイミングベルト16a,16b,16cがそれぞれ掛け渡されて
いる。なお、第２のモータ14bから中央の第２の三角柱1
1bへのベルト16bは、方向転換のために、仕切壁３の側
面部に軸着された中間プーリ17に掛けられている。

さらに、前記各三角柱11a,11b,11cの一方の支軸12a,1
2bには、スリットを周辺部に有する回転検知板18a,18b
が同心的に固定されている。また、これら３つの回転検
知板18a,18bに対してそれぞれ３つずつ、計９つのフォ
トインタラプタSa1,Sa2,Sa3,Sb1,Sb2,Sb3,Sc1,Sc2,Sc3
（一部は第４図のみ図示）が仕切壁３の側面部に取付け
られている。これらフォトインタラプタSa1,…,Sc3は、
その受光部と発光部との間を回転検知板18a,18bの周辺
部が通るものである。なお、１つの回転検知板18a,18b
に対応する３つのフォトインタラプタSa1,…,Sc3は、支
軸12a,12bを中心としてほぼ120°ずつ離れている。

また、前記各三角柱11a,11b,11cは、それぞれ、透光
性を有するアクリル板からなっていて、中空になってい
るとともに、蛍光ランプ20a,20b,20cを内蔵している。
そして、前記各三角柱11a,11b,11cは、一側面が販売商
品のサンプル表示面21a,21b,21cとなっており、他の一
側面が全ての三角柱11a,11b,11cで形成される分割広告
面22a,22b,22cとなっているとともに、残る一側面がそ
れぞれ独立した独立広告面23a,23b,23cとなっている。
各三角柱11a,11b,11cのサンプル表示面21a,21b,21cに
は、それぞれ、複数の販売商品のサンプル24が軸方向に
並べて取付けられている。

さらに、前記透明パネル４には、前記各三角柱11a,11
b,11c同志の隙間に前方から対向する位置と、下側の第
３の三角柱11cの下縁に前方から対向する位置とに選択
ボタンユニット26がそれぞれ配設されている。これら選
択ボタンユニット26は、左右方向に細長く、上下方向の
幅が狭い形状になっており、前記各三角柱11a,11b,11c
に取付けられたサンプル24にそれぞれ対応する複数の選
択ボタン27が左右方向に並べて設けられている。

第４図は、前記各三角柱11a,11b,11cを駆動するモー
タ14a,14b,14cの制御系統を示すブロック図である。す
なわち、マイクロコンピュータからなりCPU（中央制御
装置）31とROM（リード・オンリー・メモリー）32とRAM
（ランダム・アクセス・メモリー）33とを有する制御部
34が、予め記憶されたプログラムに従って動作し、前記
フォトインタラプタSa1,Sa2,Sa3,Sb1,Sb2,Sb3,Sc1,Sc2,
Sc3と人検知センサー９とタイマー35とからの信号に応
じて、適宜演算処理を行ない、その結果に応じてモータ
14a,14b,14cを制御するようになっている。

つぎに、前記実施例の作用について説明する。

３つの三角柱11a,11b,11cは、それぞれ独立したモー
タ14a,14b,14cによって適宜回転駆動される。その際、
回転検知板18a,18bとフォトインタラプタSa1,…,Sc3と
により各三角柱11a,11b,11cの回転位置が検知されて、
制御部34によりモータ14a,14b,14cが停止させられる。
これにより、各三角柱11a,11b,11cは、そのサンプル表
示面21a,21b,21cが前方へ向いて若干上向きになった回
転位置と、分割広告面22a,22b,22cが前方へ向いて鉛直
になった回転位置と、独立広告面23a,23b,23cが前方へ
向いて鉛直になった回転位置とのいずれかの位置で正確
に停止する。

そして、第３図（ｂ）（ｃ）（ｄ）に示すように、ま
た、第１図に鎖線で示すように、三角柱11a,11b,11cの
サンプル表示面21a,21b,21cが前方へ向いたときには、
販売商品のサンプル24が展示されることになる。また、
第２図および第３図（ａ）に示すように、また、第１図
に実線で示すように、全ての三角柱11a,11b,11cの分割
広告面22a,22b,22cがともに前方へ向いたときには、全
ての三角柱11a,11b,11cで例えば１つのたばこの絵など
の広告面22a,22b,22cが形成されて表示される。さら
に、第３図（ｃ）に示すように、三角柱11a,11b,11cの
独立広告面23a,23b,23cが前方へ向いたときには、各三
角柱11a,11b,11cでそれぞれ独立したこの広告面23a,23
b,23cが表示される。

自動販売機本体１の前に人がいないときは待機状態に
なっている。待機中にあっては、三角柱11a,11b,11cに
よる表示は、第３図に太い矢印で示すように、プログラ
ムに従って自動的に繰り返し変化する。すなわち、第３
図（ａ）に示すように、全ての三角柱11a,11b,11cの分
割広告面22a,22b,22cがともに前方へ向いた状態から、
第３図（ｂ）に示すように、上側の第１の三角柱11aお
よび下側の第３の三角柱11cの分割広告面22a,22cが前方
へ向いたまま、中央の第２の三角柱11bのサンプル表示
面21bが前方へ向いた状態を経て、第３図（ｃ）に示す
ように、第２の三角柱11bのサンプル表示面21bが前方へ
向いたまま、第１および第３の三角柱11a,11cの独立広
告面23a,23cが前方へ向いた状態へと移行し、その後、
第３図（ｂ）に示す状態を経て、再び第３図（ａ）に示
す状態に戻る。もちろん、この表示変化の繰り返しは一
例であって、他のやり方も可能である。

そして、自動販売機本体１の前に人（購買者）が来る
と、これを人検知センサー９が検知する。この人検知セ
ンサー９からの信号を受けて、制御部34が３つのモータ
14a,14b,14cを適宜制御することにより、第３図に細い
実線の矢印で示すように、それまで第３図（ａ）（ｂ）
（ｃ）のいずれの状態になっていても、第３図（ｄ）に
示すように、全ての三角柱11a,11b,11cのサンプル表示
面21a,21b,21cが前方へ向く。すなわち、全ての選択ボ
タン27に対して、対応するサンプル24が展示された状態
になるので、購買者は、サンプル24を参照しながら、選
択ボタン27により所望の販売商品を選択することができ
る。

また、このような購買動作の終了後、一定時間が過ぎ
ると、タイマー35からの信号を受けて、制御部34が全て
のモータ14a,14b,14cを駆動させることにより、第３図
に破線の矢印で示すように、第３図（ｄ）の状態から第
３図（ａ）の状態に自動的に移行する。

なお、いずれの状態でも、選択ボタンユニット26が各
三角柱11a,11b,11c同志の隙間を前方から覆い隠してい
るので、この隙間は購買者などからは見えない。

前記構成によれば、展示室２の広さが従来と同等であ
っても、非常に見やすい広告とサンプル24の展示とを行
なうことができる。

すなわち、三角柱11a,11b,11cの３つの側面をそれぞ
れサンプル表示面21a,21b,21cまたは広告面22a,22b,22
c,23a,23b,23cとして、サンプル24の展示と広告面22a,
…,23cの表示とを適宜切換えるようにしたので、展示室
２の前後方向の奥行き寸法が従来と同等であっても、表
示用の三角柱11a,11b,11cの回転半径方向の幅寸法を大
きくできる。したがって、展示室２いっぱいの大きさの
広告面22a,22b,22cを形成するために必要な回転部材
（従来例では表示板、本考案においては三角柱11a,11b,
11c）の数を従来よりも大幅に少なくできる。その結
果、全ての三角柱11a,11b,11cで形成される広告面22a,2
2b,22cが非常に見やすいものになる。

また、各三角柱11a,11b,11cに互いに独立した広告面2
3a,23b,23cを形成することも、三角柱11a,11b,11cの幅
寸法を大きくできることにより可能になるものである。

しかも、選択ボタンユニット26に隠れて各三角柱11a,
11b,11c同志の隙間が見えないので、外観性がより向上
する。

さらに、従来とは異なって、展示または表示されるサ
ンプル24または広告面22a,…,23cは、常に透明パネル４
に直接対向し、サンプル24などが広告面22a,…,23cを隠
すことがないことも、この広告面22a,…,23cを非常に見
やすくしている。もちろん、サンプル24の見やすさも損
なわれてはいない。

そして、前述のように、３つの三角柱11a,11b,11cの
サンプル表示面21a,21b,21cおよび広告面22a,…,23cを
適宜組合わせることにより、多彩な表示が可能である。

なお、前記実施例では、三角柱11a,11b,11cを３つと
したが、三角柱は、２つにすることもできるし、また、
４つ以上にすることもできる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、展示室内で上下方向に並んだ２つ以
上の三角柱の３つの側面をそれぞれサンプル表示面また
は広告面とし、各三角柱を回転させて、サンプルの展示
と広告面の表示とを適宜切換えられるようにしたので、
展示室の広さが従来と同等であっても、表示用の三角柱
の回転半径方向の幅寸法を大きくでき、したがって、全
ての三角柱で形成される広告面が非常に見やすいものに
なるとともに、各三角柱に互いに独立した広告面を形成
することも可能になる。また、各三角柱同志の隙間に対
応する位置で展示室を覆う透明パネル上に選択ボタンユ
ニットを配設したので、各三角柱同志の隙間が見えず、
外観性がより向上する。さらに、展示または表示される
サンプルまたは広告面が常に透明パネルに直接対向する
ことも、サンプルおよび広告面を非常に見やすいものと
している。そして、２つ以上の三角柱のサンプル表示面
および広告面を適宜組合わせることにより、多彩な表示
が可能になる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の自動販売機の表示装置の一実施例を示す
もので、第１図は展示室付近の縦断面図、第２図は展示
室付近の一部を断面にした正面図、第３図は作用説明
図、第４図はブロック図である。 ２……展示室、４……透明パネル、11a,11b,11c……三
角柱、14a,14b,14c……駆動手段としてのモータ、21a,2
1b,21c……サンプル表示面、22a,22b,22c……全ての三
角柱で形成される広告面、23a,23b,23c……独立した広
告面、26……選択ボタンユニット、27……選択ボタン。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前面部に透明パネルにより覆われた展示室
   が形成されるとともに、購買時に販売商品を選択する選
   択ボタンが設けられた自動販売機にあって、 前記展示室内に、少なくとも２つ以上の三角柱を左右方
   向を軸方向としてかつ上下方向に並べて配設するととも
   に、これら各三角柱をそれぞれ独立した駆動手段によっ
   て回転駆動可能とし、 前記少なくとも２つ以上の三角柱は、一側面を販売商品
   のサンプル表示面とし、他の一側面を全ての三角柱で形
   成される広告面とするとともに、残る一側面をそれぞれ
   独立した広告面としてなり、 前記各三角柱同志の隙間に対応する位置で前記透明パネ
   ル上に、上下方向の幅を狭くした選択ボタンユニットを
   配設したことを特徴とする自動販売機の表示装置。