JP2517530Y2 - 楽音波形発生装置 - Google Patents

楽音波形発生装置

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JP2517530Y2 JP1987062702U JP6270287U JP2517530Y2 JP 2517530 Y2 JP2517530 Y2 JP 2517530Y2 JP 1987062702 U JP1987062702 U JP 1987062702U JP 6270287 U JP6270287 U JP 6270287U JP 2517530 Y2 JP2517530 Y2 JP 2517530Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [考案の技術分野] この考案はシンセサイザー等の電子楽器の楽音波形発
生装置に関し、特にデジタル処理による楽音波形発生装
置に関する。
[考案の背景] デジタルな線形システムの理論は、定数係数をもつ線
形差分方程式により記述される。したがって、今回の出
力を得るためには、常に前回の入力を保持する必要があ
り、演算量も多くなり、デジタル制御のみで種々の楽音
波形変化(スペクトル変化)を得るためには、高速かつ
大規模な演算回路を必要としていた。また、従来のアナ
ログシンセサイザにおいて、フィルタのQ(レゾナン
ス)を上げてカットオフ点をスイープさせたような効果
をデジタル制御で得るのは、ハードウェアの規模等の面
で容易ではなかった。
[考案の目的] この考案は、上記のような事情のもとに成されたもの
で、その目的とするところは、簡単なデジタル制御によ
り種々の楽音波形変化を得ることのできる楽音波形発生
装置を提供することにある。
[考案の要点] この考案は、上記の目的を達成するため、波形ROMに
予め格納された楽音用波形を読出す際に、読出すべき波
形部分の読出範囲を指定すると共に、この読出範囲と音
高とに応じて読出クロックの周波数を制御するようにし
たものである。
[考案の作用、展開] この考案によれば、楽音用波形を記憶する記憶手段
(以下波形メモリと呼ぶ)から読出す波形の範囲を制御
している。読出し範囲が変わることは、読出される波形
が変わるということである。波形メモリの全波形がもつ
スペクトルと、波形メモリの部分波形がもつスペクトル
とは一般に異なる。したがって、読出し範囲を変えるこ
とにより、スペクトルを変えることができる。スペクト
ルは音色と深く係っており、このスペクトルの可変制御
により音色が変わることになる。
波形メモリの読出し範囲の制御の形態は、いろいろ考
えられる。1つの構成例では、読出し範囲を演奏入力装
置からの入力に応答して実時間的に変化させる。この場
合、例えば音色デジタル包絡線発生器を使用し、読出し
範囲をこの包絡線発生器からの時間変化するエンベロー
プ値に対応づける。このような構成の場合、波形メモリ
からは、演奏入力の後、刻々と読出し範囲の異なる波形
データ、すなわち、スペクトルが時々刻々と変化する波
形データが取り出されることになる。
別の構成例では、読出し範囲を外部からの入力選択手
段により選択、もしくは切り替える。入力選択手段があ
る読出し範囲を指定している間は、あるスペクトルをも
った波形が出力され、別の読出し範囲に切り替えたとき
には、別のスペクトルをもった波形が出力される。この
構成例の場合、入力選択手段はいわゆる音色セレクタと
して機能することができる。
さらに、別の構成例では、包絡線発生器と波形メモリ
との間に1以上のエンベロープ/読出し範囲変換手段
(例えばROMで実現できる)を介在させる。さらに、こ
のような複数の変換特性をもつROMを択一的に選択する
選択機能を適当な入力装置にもたせてもよい。この構成
の場合、1つの波形メモリから取り出し得る波形のパタ
ーンがさらに豊富化される。
読出し範囲に関し、1つの簡単な読出し範囲制御は、
読出し開始アドレス(読出し下限アドレス)は固定し、
読出し終了(リターン)アドレス(読出し上限アドレ
ス)を可変にすることである。別の簡単な例は、読出し
終了(リターン)アドレスを固定し、読出開始アドレス
を可変にすることである。このようなワンエンド固定型
では、可変の他端アドレスを例えば包絡線発生器からの
エンベロープ値に対応づける。もう少し、複雑な例で
は、読出し開始アドレスも読出し終了(リターン)アド
レスも可変にされる。
次に、読出し範囲の大きさ(サイズ、区間長)と読出
し速度との関係について述べる。この考案によれば、こ
の楽音のピッチ(音高)は演奏入力装置(例えば鍵盤)
からの音高情報が、一定の音高を指示している限り、一
定となるように制御される。すなわち、このような一定
音高指示条件のもとで、波形メモリより出力される波形
の周期または周波数は一定に保たれる。
いま、読出し範囲のサイズをN(N個のサンプル点)
とし、音高情報の値をf0で表わしてみると、読出し範囲
のサイズNにかかわらず、そのサイズにわたる波形を読
出す時間Tを一定すればよい(f0が一定である限り)。
すなわち、読出し速度をF(クロック/単位時間)とす
ると、 T=N/F である。ここに、Tは変数Nにかかわらず一定である。
結局、各サンプル点の読出し周波数Fは、読出し範囲の
サイズNに合わせて変化させればよいわけである。
1つの構成例では、読出し周波数Fは楽器内のマスタ
ークロック周波数MFを分周することにより得られる。分
周比をDで表わすと、 F=MF/D である。T=N/Fに代入し、Dについて整理すると、 D=(T×MF)/N Tは、サイズNには依存しない。Tは、音高情報の値f0
とは関係する。すなわち である。したがって、分周比Dは、 D=(C×MF)/(N×f0) (ここに、CとMFは既知であり変わらない) したがって、ある構成例(第1構成例)においては、
マスタークロックMFを第1段の分周手段により、音高指
示情報f0に従って分周した後、この分周出力をマスター
クロックとして使用する第2段の分周手段(分周比発生
手段を含む)を設け、この第2段の分周手段の分周比発
生手段において、サイズNから分周比を決定する。
別の構成例(第2構成例)では、サイズN(例えば包
絡線発生器より与えられる)と音高指示情報f0とから、
分周比Dを発生する分周比発生手段(例えばROMで実現
できる)を使用し、その出力Dでマスタークロックを分
周する回路からの分周出力を選択制御する(あるいは分
周回路手段内の分周比をDに設定する)。
第2構成例の方が第1構成例よりもある意味で有利で
ある。すなわち、第2構成例の場合は、分周比Dとして
比較的長いデータ長を選ぶことができ、そのようにして
も、分周回路手段の構成はそれほど複雑にならない。
[実施例] 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
〈第1実施例〉 構成 第1図は本考案の第1実施例による楽音波形発生装置
の構成図であり、本楽音波形発生装置は、波形記憶方式
を採用している。すなわち、波形ROM1には、所定の基本
波(楽音用波形)の波高値(振幅値)が、26=64のサン
プル点に分割されて、そのサンプル点に対応するアドレ
ス領域に8ビットデータ(00H〜FFH)で格納されてい
る。第2図に波形ROM1中の波形例を概念的に示す。第2
図(a)は基本波として余弦波を採用した例であり、第
2図(b)は基本波として矩形波を採用した例であり、
第2図(c)は基本波として、その振幅エンベロープが
余弦波となる複数周期の正弦波を採用した例である。以
下、説明の便宜上、第2図(a)〜(c)の各基本波
を、それぞれA、B、C基本波と呼ぶこともある。な
お、通常、記憶素子における先頭アドレスは00Hである
が、本実施例における波形ROM1では、先頭アドレスを01
Hとした。この意義については、後述する。
この波形ROM1に格納された基本波の各サンプル点にお
ける波高値は、アドレスカウンタ2のカウント値として
与えられるアドレスデータに基づいて順次読出され、乗
算器3にて、音量デジタル包絡線発生器4から発生され
た音量データと乗算されてDA変換器5に出力される。DA
変換器5は、乗算器3から入力されたデジタル値に比例
した離散的な低電圧信号を順次発生し、さらに、ローパ
スフィルタ6は、離散的な低電圧信号を平滑化して出力
する。
ところで、楽音波形の変化をデジタル制御で得るため
には、高速かつ大規模な演算回路を必要とする。
そこで、本実施例は、簡単なデジタル制御で種々の楽
音波形を得るべく、波形ROM1中の基本波の読出し範囲を
制御するよう構成されている。基本波の読出し範囲は、
変換ROM7により決定されるが、この変換ROM7は、音色デ
ジタル包絡線発生器8から出力される音色デジタルエン
ベロープに基づいて読出し範囲を決定する。第3図に変
換ROM7の内容例を概念的に表した図を示す。第3図の横
軸は、音色デジタル包絡線発生器8から出力される音色
デジタルエンベロープの波高値に対応する変量を示して
おり、この波音値は変換ROM7のアドレス値としての意味
を持つ。そして、変換ROM7には、アドレスが上位に進む
につれて“1"ずつ増加する16進のデジタル値が格納され
ており、これが第3図では縦軸に示されている。この縦
軸に示された値は、後述するように、波形ROM1のアドレ
ス値、厳密に言えば、波形ROM1の読出し範囲の上限アド
レス値としての意味を持つ。例えば、音色デジタル包絡
線発生器8から与えられた音色デジタルエンベロープの
波高値が00Hを示しているときは、第3図に示したよう
に、変換ROM7のアドレス00Hにおける値は21Hであるの
で、波形ROM1からは、アドレス01H〜21Hの範囲内の基本
波、すなわち、波形ROM1中の基本波の一部が基本波の1
波形分として読出される。このように、波形ROM1の読出
し範囲を変化させた場合、常に一定の周期で読出すこと
とすると、読出し範囲の変化に応じて音高が変化してし
まう。そこで、鍵盤9の鍵に割当てられた音高を維持す
べく、読出クロック生成用分周器10は、読出し範囲に応
じた読出クロックφfRを音高に応じて生成している。す
なわち、鍵盤9の鍵がオンされると、その鍵に割当てら
れた音高に対応する周波数データがピッチ用分周器11に
出力され、鍵のオン信号およびオフ信号は、音量デジタ
ル包絡線発生器4および音色デジタル包絡線発生器8に
出力される。そうすると、ピッチ用分周器11は、水晶発
振器(図示省略)等から出力された原発振信号fを、鍵
盤9から出力された周波数データf0に応じた所定の分周
比で分周して、鍵対応の音高を反映した周波数のパルス
φfを生成し、読出クロック生成用分周器10に出力す
る。一方、音色デジタル包絡線発生器8は、鍵盤9から
出力された鍵のオン、オフ信号を契機として、所定の音
色を反映した音色デジタルエンベロープ(振幅値は00H
〜1FH)を生成し、変換ROM7に出力する。そうすると、
変換ROM7は、音色デジタル包絡線発生器8から与えられ
た振幅値を、その振幅値が示すアドレス対応の内容(前
述の上限アドレス)に変換して読出クロック生成用分周
器10およびコンパレータ12に出力する。また、読出クロ
ック生成用分周器10は、前述のように、鍵に対応する音
高を維持すべく、ピッチ用分周器11から入力されたパル
ス信号φfを、音色デジタル包絡線発生器8から入力さ
れた振幅値に対応する所定の分周比で分周し、その分周
信号を読出クロックφfRとしてアドレスカウンタ2のク
ロック入力端子CLKに出力する。なお、上記分周比は、
読出クロック生成用分周器10内に設けられた分周比制御
回路10Aにより制御される。そして、アドレスカウンタ
2は、読出クロック生成用分周器10から入力された読出
クロックφfRをカウントし、そのカウント値を読出アド
レスとして波形ROM1に出力するとともに、そのアドレス
をコンパレータ12にも出力する。そして、コンパレータ
12は、アドレスカウンタ2から入力された読出アドレス
が、変換ROM7から入力された読出上限アドレスと一致し
た時、その一致信号をアドレスカウンタ2のリセット端
子RSTに入力する。したがって、アドレスカウンタ2か
ら出力される読出アドレスは、変換ROM7から入力された
読出上限アドレスを越えることはなく、読出上限アドレ
ス相当のカウント値の出力により、アドレスカウンタ2
は直ちにリセットされ、次の読出クロックでφfRは01H
に戻る。すなわち、波形ROM1から乗算器3へ出力される
波形は、01H〜読出上限アドレスに対応する波形、すな
わち、波形ROM1中の基本波の一部分が1周期分(1波形
分)として繰返し読出されることとなる。
動作 次に、本実施例の動作を説明する。
鍵盤9の或る鍵が打鍵されると、鍵盤9はその鍵に割
当てられたピッチに対応する周波数データf0をピッチ用
分周器11に出力する。そうすると、ピッチ用分周器11は
原発振信号fを分周してf0×K(定数)なる周波数のパ
ルスφfを生成し、読出クロック生成用分周器10に出力
する(第4図(a)参照)。
一方、音色デジタル包絡線発生器8は、鍵のオン、オ
フ信号が鍵盤9から入力されると、音色デジタルエンベ
ロープ(振幅値は00H〜1FH)を発生し、変換ROM7に対す
る読出アドレスとして変換ROM7に出力する。そうする
と、変換ROM7からは、そのアドレスに格納された読出上
限アドレスが読出され、読出クロック生成用分周器10お
よびコンパレータ12に出力される。
この読出上限アドレスは、前述のように、波形ROM1中
の波形データの読出し範囲の上限アドレス意味し、この
読出上限アドレス内の波形データが1波形分として使用
される。
ところで、波形ROM1に記憶された波形データを読出し
て、音高に対応する周波数f0の波形を得るためには、1
波形分の波形データを1秒間にf0回読出せば良い。ま
た、1波形分の波形データの数(1波形分のサンプル点
の数)がNであるとすると、1波形分の波形データを読
出すための読出クロックは、N個必要となる。したがっ
て、N個で示される1波形分の波形データを読出して周
波数f0の波形を生成するためには、周波数f0×Nなる読
出しクロックが必要となる。
そこで、読出クロック生成用分周器10は、周波数f0
音高を維持すべく、ピッチ用分周器11からのパルスφf
(周波数はf0×K)を変換ROM7から出力された読出上限
アドレスに応じて分周して、上記のようなf0×Nなる周
波数の分周信号を生成し、その分周信号を読出クロック
φfRとしてアドレスカウンタ2に入力する。ところで、
第2図に示したように、基本波の格納領域の先頭アドレ
スは01Hであり、読出上限アドレスまでの読出対象の1
波形分の波形データ数Nは、読出上限アドレスと一致し
ている。したがって、第4図(b)に示したように、読
出上限アドレスが21H、22H、23H、24H〜3FH、40Hのとき
の読出クロックφfRの周波数は、それぞれ、f0×21H、f
0×22H、f0×23H、f0×24H〜f0×3FH、f0×40Hとなる。
この際の分周比は、次のようになる。すなわち、f0×K
なる周波数のパルスφfを分周して、f0×Nなる周波数
の読出クロックφfRを得るためには、その分周比Dは、
次の(1)式より、(2)式のようになる。
f0×N:f0×K=1:D ……(1) D=(f0×K)/(f0×N)=K/N ……(2) すなわち、被分周波であるパルスφfそのものが、音高
に対応する周波数f0を反映しているため、分周比Dは、
鍵に割当てられた音高に対応する周波数f0とは無関係
に、1波形分の波形データ数N、すなわち、読出上限ア
ドレスのみをパラメータとする1次関数として表現され
る。この分周比Dは読出クロック生成用分周器10内に設
けられた分周比制御回路10Aにより算出され、制御され
る。すなわち、分周比制御回路10Aは、変換ROM7から読
出上限アドレスが与えられると、その読出上限アドレス
は、前述のように、読出すべき波形データ数Nと一致し
ているので、その読出上限アドレスで上記定数Kを除算
することにより分周比Dを算出し、入力されたパルスφ
fをその分周比Dで分周するよう読出クロック生成用分
周器10を制御する。
このようにして、読出クロック生成用分周器10から読
出クロックφfRが入力されると、アドレスカウンタ2
は、読出クロックφfRの入力ごとに“1"ずつカウントア
ップし、そのカウント値を読出アドレスとして波形ROM1
に出力するとともに、コンパレータ12にも与える。この
とき、コンパレータ12には、読出上限アドレスが入力さ
れている。そこで、コンパレータ12は、変換ROM7から入
力された読出上限アドレスとアドレスカウンタ2から入
力された読出アドレスとを比較し、一致した時点で、初
めてアドレスカウンタ2にリセットをかける。したがっ
て、波形ROM1から読出される1周期分の波形データは、
基本波の一部分となる。この際、読出クロックφfRは、
ピッチを維持すべく分周されたものなので、たとえ、基
本波の一部分で1周期を形成する波形データとしても、
ピッチが変化することはない。
この読出波形の例を第5図に示す。第5図(A1)、
(B1)、(C1)は、それぞれ、音色デジタルエンベロー
プの振幅値が1FHであり、読出上限アドレスが40H、すな
わち、全波読出し時において、A波、B波、C波を基本
波とした場合の読出波形である。同様に、第5図(A
2)、(B2)、(C2)は、それぞれ、音色デジタルエン
ベロープの振幅値が18Hであり、読出上限アドレスが39
H、すなわち、各波を7/8までの範囲で読出したときの読
出波形である。以下同様に、第5図(A3)、(B3)、
(C3)は、読出上限アドレス31Hに対応し、第5図(A
4)、(B4)、(C4)は、読出上限アドレス29Hに対応
し、第5図(A5)、(B5)、(C5)は、読出上限アドレ
ス21Hに対応するものである。
第5図に示した読出波形から明らかなように、単に、
基本波の読出範囲を制御するだけで、読出波形のスペク
トルを変化させることが可能となる。さらに、例えば、
A波を基本波としたときは、第5図(A5)に示したよう
に、鋸波状波をローパスフィルタに通したようなスペク
トル変化が得られる。また、B波を基本波として、読出
範囲を時間的に変化させたときは、第6図(a)に示し
たように、パルス巾変調をかけたときのように、常に波
形をゆらすことができる。また、C波を基本波として、
読出範囲を例えば04H〜40Hのように広範囲にわたって時
間的に変化させたときは、第6図(b)に示したよう
に、従来のアナログシンセサイザのフィルタにQ(レゾ
ナンス)をある程度上げて、カットオフポイントをスイ
ープさせたような効果を得ることができる。
〈第2実施例〉 第7図は、本考案の第2実施例による楽音波形発生装
置の一部構成図であり、第1実施例における読出クロッ
ク生成用分周器10、ピッチ用分周器11の代わりに分周器
13が設けられ、分周比用変換器14が新たに追加されてい
る。分周器13には、所定周波数の原発振信号fが直接入
力され、分周比用変換器14は、この分周器13に対して分
周比を出力している。この分周比は、波形ROM1に対する
読出範囲が変化したとしても、鍵盤9上のオンされた鍵
に対応する音高を維持するような周波数の読出パルスφ
fRを、原発振信号fから得るための分周比である。そこ
で、分周比用変換器14は、このようは分周比を、変換RO
M7から入力された読出上限アドレスと、鍵盤9から入力
された音高対応の周波数データf0とに基づいて求め、分
周器13に出力する。この分周比用変換器14は、例えばRO
Mにより構成され、このROM上には、変換テーブルが作成
されている。すなわち、前述の(1)式と同様の考え方
により、分周比Dは、 D=f/(f0×N)(読出最上限アドレス) ……(3) となり、この場合、パラメータは、f0とNであるので、
f0とNをパラメータとする2次元の変換テーブルが作成
されている。
この第2実施例においては、原発振信号fに対する分
周は1回で済むので、分周により得られた読出パルスφ
fRの周波数精度の低下を可及的に回避することができ、
単独の波形ROM1からポリフォニック楽音波形を得ること
も可能となる。
なお、本考案は上述の実施例に限定されることなく、
例えば、音色デジタル包絡線発生器8により読出範囲を
時間的に絶えず変化させることなく、例えばバイオリ
ン、チェロのような音色をある程度長時間にわたって出
力したいときには、第5図(A5)に示したような鋸波状
の波形を得るべく、音色選択スイッチ等により、読出範
囲をある程度固定することも可能である。また、音色デ
ジタル包絡線発生器8の振幅値そのものを読出上限アド
レスとして活用することにより変換ROM7を省くことも可
能である。
[考案の効果] 以上詳細に説明したように、本考案によれば、予め記
憶された楽音用波形を読出す際に、読出すべき波形部分
の読出範囲を指定すると共に、この読出範囲と音高とに
応じて読出クロックの周波数を制御することとしたの
で、簡単なデジタル制御により種々の楽音波形変化を得
ることのできる楽音波形発生装置を実現することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の第1実施例による楽音波形発生装置の
構成図、第2図は記憶された基本波形の例を示す概念
図、第3図は変換ROMの内容を示す概念図、第4図は、
ピッチ用分周器11および読出クロック生成用分周器10の
出力例を示す図、第5図および第6図は波形ROM1の出力
例を示す図、第7図は本考案の第2実施例による楽音波
形発生装置の一部構成図である。 1……波形ROM、2……アドレスカウンタ、7……変換R
OM、8……音色デジタル包絡線発生器、9……鍵盤、10
……読出クロック生成用分周器、10A……分周比制御回
路、11……ピッチ用分周器、12……コンパレータ、13…
…分周器、14……分周比用変換器。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】楽音用波形の各サンプル点のデータが各ア
    ドレス領域に記憶された記憶手段と、 前記記憶手段に対して所定の下限アドレスから所定の上
    限アドレスまでの読出範囲を指定する読出範囲指定手段
    と、 音高を指定する指定手段と、 この音高指定手段で指定された音高の周波数に、前記読
    出範囲指定手段で指定された読出範囲内に含まれるアド
    レス数を乗じた値の周波数となる読出クロックを生成す
    る生成手段と、 前記読出範囲指定手段で指定された読出範囲の各アドレ
    ス領域に記憶されたデータを1周期分の楽音波形とし
    て、前記生成手段で生成された読出クロックで繰返し読
    出す読出制御手段と、 を備えたことを特徴とする楽音波形発生装置。
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