JP2517398Y2 - ロック装置 - Google Patents

ロック装置

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JP2517398Y2
JP2517398Y2 JP3021491U JP3021491U JP2517398Y2 JP 2517398 Y2 JP2517398 Y2 JP 2517398Y2 JP 3021491 U JP3021491 U JP 3021491U JP 3021491 U JP3021491 U JP 3021491U JP 2517398 Y2 JP2517398 Y2 JP 2517398Y2
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locking
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lock
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憲彦 村田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は開閉蓋等をロック状態に
維持するロック装置に係り、特に通常の使用状態と異る
外力が作用した場合にも対応することができるロック装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両、家電製品、OA機器等に用いられ
る開閉蓋を閉止状態及び解放状態に保持するためのロッ
ク装置として、回転するカムプレートとこのカムプレー
トと係合するピンとの組み合わせを用いた構成が用いら
れている(特公昭58−25435号参照)。
【0003】この機構では、開閉蓋の閉止方向への第1
の押圧操作でピンがカムプレートの凹部へ入り込んで開
閉蓋の閉止状態を維持し、さらに開閉蓋へ第2の押圧操
作を行うことによってピンがカムプレートの異る移動軌
跡を通ってカムプレートから離脱することによって開閉
蓋が解放される構成である。従ってこの機構では、開閉
蓋を1回目の押圧操作で閉止状態とし、2回目の押圧操
作で離脱状態とすることができ、開閉蓋の閉止動作及び
解放動作のいずれも押圧操作によって行うので、特別に
ロック解除ボタン等を設ける必要はない。
【0004】ところがこのロック機構では、開閉蓋が閉
止された状態では開閉蓋の表面に何等のボタンや把手等
が突出しないので、開閉蓋の解放操作が理解できず、誤
って開閉蓋を無理に解放方向に引っ張る等の操作を加え
る場合がある。このような開閉蓋の閉止状態、すなわち
カムがピンを係止した状態でピンをカムから抜き出すた
めの大きな外力が作用した場合には、ピンがカム溝から
抜け出し通常の移動軌跡から外れて開閉蓋の解放が可能
となる。しかし、このカムのピン係止状態における開閉
蓋解放方向の外力が複数回加えられると、開閉蓋に取り
つけられたピンに大きな剪断力が作用してピンが開閉蓋
から離脱したり、車体へ取りつけられているカム溝が削
れ、開閉蓋のその後の閉止動作によってもカムがピンを
係止できない場合もある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】本考案は上記事実を考
慮し、開閉蓋と車体とのように相対移動する第1、第2
の基部の係止状態において不用意な解放方向力が作用し
た場合にも各部に不必要な応力を生じさせることがない
ロック装置を得ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は、相対移動する
第1、第2の基部の間に設けられ、第1の押圧力でこれ
らの基部を互に係止する係止状態となり、その後の第2
の押圧力でこの係止を解放する解放状態となるロック装
置であって、前記第1の基部に取りつけられたアーム
と、このアームの一部から互に反対方向へ突出した一対
の係止突起と、前記第2の基部に取りつけられたロック
部材と、このロック部材に設けられ前記係止状態で前記
一対の係止突起と当接して両基部の相対移動を阻止する
と共に両基部間の所定値以上の相対引張力で互に離れて
これらの間に係止突起を通過させる一対の係止受け部
と、を有することを特徴としている。
【0007】
【作用】第1、第2の基部が第1の押圧力で相対移動す
ると、アームの係止突起はロック部材の係止受け部へと
係合して係止状態を維持する。その後にさらに第2の押
圧力が作用すると係止部材はロック部材の係止受け部か
ら離れて第1、第2の基部の係止状態が解除された解除
状態となる。ここで係止状態において第1、第2の基部
の間に所定値以上の相対引張力が作用すると、係止受け
部は互に離れてこれらの間の間隔を広くする。これによ
って係止突起は係止受け部の間を通過することができる
のでロック部材や係止突起に不必要に大きな応力が集中
することはなく、各部の破損を防止できる。
【0008】
【実施例】図2には本考案の実施例が適用された開閉蓋
12が示されている。この開閉蓋12は箱状に形成さ
れ、支軸14が図示しない車体へ取りつけられることに
よって矢印A方向及びB方向に旋回可能となっており、
矢印A方向に旋回することによって閉止動作を行い、矢
印B方向へ旋回することによって解放動作を行うように
なっている。またこの開閉蓋12は解放方向(矢印B方
向)へ図示しない弾性体付勢力で付勢されている。
【0009】開閉蓋12の側面にはアーム16が軸支さ
れている。このアーム16は図6の示される如く軸方向
一端へピン18が直角方向に一体的に形成され、このピ
ン18によって開閉蓋12へ軸支されるようになってい
る。アーム16の他の一端には互いに反対方向に一対の
係止突起22が突出している。これらの係止突起22の
長手軸線は同軸的であり、アーム16の長手軸線と直交
した状態となっている。またこれらの係止突起22は先
端部が半球面のような円弧面とされている。
【0010】図2に示される如くアーム16の係止突起
22はロック部材24と対応している。
【0011】図3〜図5に示される如くロック部材24
は取付基部26が板状とされ、この中央部に形成される
円孔28が取付ビス32(図2参照)の挿入用とされ、
これによって図示しない車体へ固着されるようになって
いる。この取付基部26の幅方向両側からは一対のロッ
クアーム34が互に平行に突出している。これらのロッ
クアーム34間はアーム16の挿入用となっている。
【0012】このロックアーム34は取付基部26の表
面と同一面を形成する端面34Aが設けられると共に、
先端部からはこの端面34Aからしだいに離れる方向に
斜面34Bが形成されている。この斜面34Bは開閉蓋
12の閉止動作によって係止突起22が矢印C方向に当
接すると、この係止突起22をこの斜面34Bに沿って
端面34Aからしだいに離れる方向(矢印D方向)に案
内するようになっている。斜面34Bの端面34Aから
最も離れた先端部は端面34Aと平行な端面34Cとさ
れている。従ってこの端面34Cは矢印D方向に案内さ
れた後の係止突起22がスライドしながら矢印E方向に
移動する案内面を形成している。この端面34Cよりも
取付基部26に近い側には取付基部26から一体的に突
出する案内アーム38が設けられている。またロックア
ーム34の端面34Cと端面34Aとの間には斜面34
B方向に突出する形状の凹部34Dが形成され、これに
よって端面34Cと凹部34Dの間が斜面34Bと反対
方向に突出する小突起34Eとされている。
【0013】小突起34Eは案内アーム38の先端部が
端面34C方向に若干屈曲される傾斜部38A及び案内
アーム38の中間部から凹部34D内方向へ突出する中
間突起38Bとの間に略U字状の案内溝を構成してい
る。従って端面34Cに沿って図4の左側に移動する係
止突起22は傾斜部38Aと当たって矢印E方向に屈曲
されながれ案内アーム38へと当接する。またこの係止
突起22の押込力が解除されると係止突起22は開閉蓋
12の解放力で矢印F方向に凹部34D内へ入り込む。
この状態で係止突起22の外周面は凹部34Dの底部で
ある受け部42と当接して開閉蓋12を閉止した状態で
維持する係止状態となる。
【0014】このようにロックアーム34は斜面34B
と凹部34Dとの間の部分がアーム通過隙間44を構成
している。図1に示される如くこのアーム通過隙間44
は当然ながらアーム16のみを通過させ係止突起22は
通過させない寸法となっている。このようにアーム16
の先端部から両側に突出した係止突起22はそれぞれ一
対のロックアーム34に形成される受け部42で支持さ
れるので、係止状態は確実である。しかし係止突起22
へ大きな抜出力(開閉蓋12の解放方向力)が作用する
と、係止突起22は一対のロックアーム34を互に離間
する方向に弾性変形させながらアーム通過隙間44を通
って離脱できる。
【0015】このため受け部42はアーム通過隙間44
に面した角部に円弧表面部42Aが形成されてアーム1
6に大きな引張力が作用した場合に係止突起22の半球
状部分が一対のロックアーム34を互に離間する方向に
押し広げ易いカム面を形成している。なお図7に示され
る如くアーム通過隙間44からは中子挿入溝46が形成
されて端面34Cと凹部34Dとを連通しており、ロッ
ク部材24をモールド成形する場合に円弧表面部42A
部分を画成するための中子の型抜き時における逃げ道と
なっている。
【0016】凹部34Dには小突起34Eの反対側に突
出板34Fが一体的に形成され、アーム16が凹部34
Dから端面34Aへと短絡的に抜け出るのを防いでい
る。すなわちこの突出板34Fと案内アーム38のアー
ム基部38Cとは凹部34D内にある係止突起22を端
面34Aに沿って取付基部26へ接近する方向にのみ
(矢印G方向)移動可能としている。突出板34Fとア
ーム基部38Cとの間には切欠部34Gが形成されて係
止突起22を凹部34Dから端面34Aへと矢印G方向
に案内するようになっている。突出板34Fと端面34
Aとの間は端面34Aの一部が切欠かれ、かつアーム通
過隙間44と一部が連通する案内面34Hとなってお
り、矢印G方向に移動した後の係止突起22を矢印H方
向及びJ方向に案内して開閉蓋12の完全な解放動作を
可能としている。
【0017】なおアーム16はロック部材24に対して
常に図4の矢印C方向に向くように図示しない弾性体が
付勢力を付与している。
【0018】次に本実施例の作用を説明する。開閉蓋1
2が図2の状態から閉止方向(矢印A方向)に移動され
るとアーム16は矢印C方向に移動してロック部材24
と接近する。その後の動作は図4においてロック部材2
4を中心にロック部材24と係止突起22との相対移動
として説明する。係止突起22は矢印C方向に移動した
後に斜面34Bに案内されて矢印D方向に、端面34C
に案内されて矢印E方向に移動した後に案内アーム38
へ当接するので、それ以上の開閉蓋12の閉止動作が阻
止される。ここで開閉蓋12への閉止方向操作力を解除
すると、開閉蓋12は図示しない弾性体付勢力で解放方
向に若干量だけ戻される。このため係止突起22は矢印
F方向に移動して案内アーム38から離れると共に小突
起34Eの凹部34D側の表面に案内されて凹部34D
内へと入り込む。これによって一対の係止突起22は受
け部42と当接し、アーム16と係止突起22とが係止
状態となり開閉蓋12は閉止状態を維持される。
【0019】ここで次の押圧動作が開閉蓋12へ加えら
れると、係止突起22は中間突起38Bと突出板34F
との間を矢印G方向に移動して切欠部34Gを通って取
付基部26の側面へ案内され、それ以上の開閉蓋12の
押込動作が妨げられる。このため開閉蓋12への押込動
作が解除されると係止突起22は開閉蓋12の解放方向
付勢力によって切欠部34G内を矢印H方向に案内さ
れ、さらには矢印J方向に移動してロック部材24から
離脱する。これによって開閉蓋12が完全に解放され、
開閉蓋12内への収容物の出し入れが可能となる。
【0020】ここで開閉蓋12の閉止状態である、係止
突起22が受け部42へ係止された図1の状態におい
て、使用者が不用意に開閉蓋12を解放方向に引っ張っ
た場合の動作について説明する。係止突起22はアーム
16の引張力を受けて一対のロックアーム34を互いに
離間する方向に(矢印M方向)移動させるのでアーム通
過隙間44が係止突起22の軸方向長さ寸法まで拡大さ
れ、これによって係止突起22がアーム通過隙間44を
通ってロック部材24と離脱する。この結果開閉蓋12
への不用意な引張力によってもロック部材24及びアー
ム16が破損することはなく、その後再び開閉蓋12の
押込動作によって前記と同様の係止動作が可能となる。
このように係止突起22が係合する受け部42は取付基
部26から充分離れた位置にあるため互いに離間する方
向に弾性変形した場合にもロック部材24の各部に不必
要な応力集中がない。受け部42が固定部である取付基
部26に近い場合であっても、受け部42が充分に弾性
変形し易いように各部の形状を設計すればよい。
【0021】
【考案の効果】本考案は上記の構成としたので、係止突
起と係止受け部との間に不用意な外力が作用した場合に
も各部の破損を防止することもできる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図4のI-I 線断面に相当するアーム16とロッ
ク部材24との係合状態を示す断面図である。
【図2】本考案の実施例が適用された開閉蓋12とその
関連部品を示す斜視図である。
【図3】ロック部材を示す平面図である。
【図4】図3のIV-IV 線断面図である。
【図5】図3の平面図である。
【図6】アームの平面図である。
【図7】図4の斜視図である。
【符号の説明】
16 アーム 22 係止突起 24 ロック部材 42 受け部(係止受け部)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対移動する第1、第2の基部の間に設
    けられ、第1の押圧力でこれらの基部を互に係止する係
    止状態となり、その後の第2の押圧力でこの係止を解放
    する解放状態となるロック装置であって、前記第1の基
    部に取りつけられたアームと、このアームの一部からか
    ら互に反対方向へ突出した一対の係止突起と、前記第2
    の基部に取りつけられたロック部材と、このロック部材
    に設けられ前記係止状態で前記一対の係止突起と当接し
    て両基部の相対移動を阻止すると共に両基部間の所定値
    以上の相対引張力で互に離れてこれらの間に係止突起を
    通過させる一対の係止受け部と、を有することを特徴と
    したロック装置。
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