JP2517272Y2 - 浴湯濾過装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、浴湯を噴出する噴出ノ
ズルに空気の混入する切換機構を有する浴湯濾過装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、家庭用の浴槽には、浴湯を浄化す
る濾過装置を装着しており、同濾過装置によって浴湯内
のゴミ等を取り去って、浴湯を交換することなく、この
浴湯を長期間使用するようにしている。かかる濾過装置
は、浴槽本体の近傍に配設され、その内部にポンプと濾
過材とを内蔵している。さらに、ポンプからの浴湯吸水
パイプ及び浴湯吐水パイプの先端部を浴槽本体内に配設
し、そして、ポンプの駆動によって、浴湯吸水パイプと
浴湯吐水パイプを介して浴湯を循環させながら、濾過タ
ンク内の濾過材で浴湯の浄化を行うようにしている。ま
た、浴槽本体内に配設した浴湯吐水パイプの先端部に
は、噴出ノズルを取付けるとともに、同ノズルに送気パ
イプを接続し、同ノズルからの浴湯噴出によるエジェク
タ効果によって、浴湯中に空気を混入して浴槽本体内に
気泡を発生させている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記の濾過
装置は、以下のような課題を有していた。即ち、浴槽本
体の近傍に配設した濾過装置に、送気パイプの開閉弁を
設けており、同開閉弁の操作によって、送気パイプから
の空気を供給して、気泡を発生させていた。また、この
開閉弁を閉塞させて、空気の供給を止めて、噴出ノズル
から浴湯のみの噴出を行っていた。しかし、例えば、濾
過装置が浴槽本体と離れた位置に配設した場合、入浴し
た状態のまま開閉弁の操作を容易に行うことができず、
従って、その操作性を悪くしていた。本考案は、上記の
課題を解決することができる浴湯濾過装置を提供するこ
とを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案では、浴湯を循環
させるポンプと、浴湯の浄化を行う濾過機とより構成し
てなる濾過装置を、浴槽本体の近傍に設置可能とし、同
濾過装置に、浴湯吸水パイプ及び浴湯吐水パイプを接続
して、浴槽本体内の浴湯を循環可能に構成してなる浴湯
濾過装置において、同浴湯吐水パイプの先端部に、噴出
ノズルを取付け、同噴出ノズル内に、送気パイプが連通
した空気混合部を設け、同混合部に、浴湯を噴出するス
ロートを連通連結し、さらに、同スロートの先端部に、
送気パイプとの開口部を開閉自在とした切換手段を設け
たことを特徴とする浴湯濾過装置を提供するものであ
る。また、本考案では、スロートの先端部に、送気パイ
プとの開口部を開閉自在とした摺動パイプを摺動自在に
取付けたことを特徴としている。本考案では、上記の噴
出ノズルに、浴湯を噴出するスロートを上下左右方向に
回動自在に取付け、スロートによって浴湯噴出方向を変
更可能に構成し、しかも、同スロートに設けた摺動パイ
プを噴出ノズルに係合させて、同スロートの固定を行う
ことを特徴とする。

【０００５】

【考案の効果】本考案では、ポンプの駆動によって、浴
槽内の浴湯を浴湯吸水パイプにより濾過装置に吸い込
み、同装置から浴湯吐水パイプを介して浴湯を浴槽内に
循環させながら、同装置内の濾過タンクによって浴湯の
浄化を行い、しかも、浴湯吐水パイプに設けた噴出ノズ
ルのスロートからは、浴湯を噴出する際に、エジェクタ
効果によって、空気混合部で空気を混合し、空気を混合
した浴湯を噴出して、浴槽本体内に気泡を発生させるこ
とができる。

【０００６】一方、噴出ノズルから浴湯のみの噴出を行
う場合には、噴出ノズルのスロートに設けた摺動パイプ
を収納させて、同パイプによって送気パイプの開口部を
閉塞して、空気の混合を停止させて、浴湯のみの噴出を
行うことができる。

【０００７】このように、本考案によれば、スロートに
設けた摺動パイプの操作によって、空気混合を切換える
ことにより、浴槽本体内に入浴した状態において、その
操作を容易に行って、その操作性を向上させることがで
きる。また、摺動パイプを収納させた際に、同パイプを
噴出ノズルに係合させて、上下左右方向に回動するスロ
ートを固定し、浴湯の噴出方向を固定させ、安定した浴
湯の噴出を行うことができる。

【０００８】

【実施例】本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれ
ば、図１の斜視図において、１は本考案に係る浴槽の濾
過装置を示し、同濾過装置１は、浴槽Ａの縁部に載置し
た装置本体２と、同浴槽Ａ内に配設する浴湯取込部３と
に、浴湯吸水パイプ４及び浴湯吐水パイプ５を接続して
浴槽本体Ａ内の浴湯を循環させながら浴湯の浄化を行う
ように構成している。

【０００９】まず、本考案における装置本体２につい
て、その構造を詳説すると、即ち、装置本体２は、図１
に示すように、平面視略三角形状に形成したケース６内
に、浴湯の循環を行うポンプＰと、浴湯の浄化を行う濾
過機Ｒとを内蔵している。なお、ケース６の上部には、
開閉自在の蓋ケース９を取付け、同蓋ケース９を取り外
して内部の点検を行うようにしている。

【００１０】本実施例では、ケース６の底面6aに、ブラ
ケットを介してポンプＰを取付け、同ポンプＰの上方
に、円筒状のタンクケース８を配設している。さらに、
ポンプＰの吸水口p1には、浴槽本体Ａに伸延した浴湯吸
水パイプ４を取付けるとともに、同ポンプＰの吐水口p2
に送水パイプ10を介してタンクケース８に連通してい
る。なお、11はタンクケース８の上部に設けた送水口を
示す。かかるポンプＰの駆動によって、浴湯吸水パイプ
４により浴槽本体Ａ内の浴湯を吸い込み、送水パイプ10
を介してタンクケース８に送水するようにしている。そ
して、かかるタンクケース８内には、図２に示すよう
に、濾過材13を収納しており、同濾過材13によって浴湯
の浄化を行うようにしている。さらに、かかるタンクケ
ース８の上端開口部には、パッキン12a を介してタンク
蓋体12が開閉自在に取付けられ、同蓋体12によって濾過
材13を交換可能に構成している。

【００１１】本実施例では、図２及び図３において、タ
ンクケース８の上端部に、タンク蓋体12を取付ける為の
フランジ14を設けるとともに、フランジ14の周縁部にガ
イド15を取付けて、タンクケース８に、漏水用の樋16を
形成している。また、この樋16には、漏水排出部17を連
通連結して、同排出部17をケース６の背面に設けた漏水
排出孔18に位置させて、同排出孔18よりケース６の外方
にタンクケース８からの漏水を排出している。また、タ
ンク蓋体12は、図２において、その外周縁部にボルト孔
12b を設けるとともに、その内側にリング状の凹部12c
を設けて、同凹部12c によってタンク蓋体12の補強を行
うようにしている。さらに、タンクケース８の下端部に
は、パッキン19a を介して浴湯加熱用のヒータ19が取付
けられており、同ヒータ19によってタンクケース８で浄
化された浴湯を加熱して、浴湯を一定の温度に保持する
ものである。なお、20は温度センサを示す。

【００１２】次いで、タンクケース８に収納した濾過材
13について詳説すると、即ち、かかる濾過材13は、図３
に示すように、濾過ケース21に入れて、各ケース21をタ
ンクケース８内に収納されている。かかる濾過ケース21
は、その周面に、複数の取付用溝22を設けるとともに、
同溝22の中途部に支持受部23を設け、同支持受部23をタ
ンクケース８の内周面に設けた突起に係合している。そ
して、濾過ケース21をタンクケース８内に吊った状態で
収納して、同ケース21と、その下方ヒータ19との接触を
防止している。なお、25は濾過ケース21の上下面に設け
た連通孔を示す。

【００１３】本実施例では、濾過材13を、浴湯に含まれ
るアンモニア、重金属の吸着、除去及び脱臭処理を行う
ゼオライトと、浴湯内の有機物の吸着、除去及び脱臭処
理を行うと共に、浴湯内の油分及び石鹸分の吸着、除去
を行う活性炭、浴湯にミネラル成分を溶出させる麦飯石
とし、濾過ケース21にそれぞれ収納し、各濾過材13によ
って浴湯の浄化を行うようにしている。なお、26はタン
クケース８の下部に設けた吐水口を示し、同吐水口26に
浴湯吐水パイプ５が接続している。また、送水パイプ10
の中途部には、紫外線を照射する殺菌装置Ｃが取付けら
れており、同殺菌装置Ｃによって浴湯を殺菌しており、
同殺菌装置Ｃは、送水パイプ10に連通連結した円筒状の
殺菌ケース27の上端部に、殺菌ランプ28を内蔵したガラ
ス管29を収納している。さらに、本実施例では、殺菌ケ
ース27を合成樹脂で形成しており、同ケース27の紫外線
による劣化を防止する為に、同ケース27内周面に、ステ
ンレス製の保護膜27a を貼付けている。また、他の実施
例として、殺菌ケース27内に紫外線遮断用塗料を塗布す
ることも可能としている。31は殺菌ケース27の上部に設
けたランプ交換用キャップを示す。

【００１４】次いで、浴槽Ａ内の浴湯の吸引及び吐出を
行う浴湯取込部３の構造を詳説すると、即ち、かかる浴
湯取込部３は、図２において、縦長矩形状としたケース
32の後側面に吸盤33を取付けて、浴槽本体Ａの側壁に装
着可能としている。さらに、ケース32には、浴湯吸水パ
イプ４及び浴湯吐水パイプ５が接続されている。また、
ケース32の後側面32a の下部に、浴湯吸水パイプ４の先
端部を連結し、その開口部に、浴湯内のある程度のゴミ
等を捕獲するフィルター34を設けている。本実施例で
は、フィルター34を、簀子状としたフィルター受板35
と、簀子状のフィルター押板36とより挟持している。そ
して、ケース32の前側面の取付フランジ37に、フィルタ
ー受板35を取付け、さらに、同受板35にフィルター押板
36を嵌合している。さらに、フィルター押板36の前面に
は、図２に示すように、ケース前板38が取付けられてお
り、同ケース前板38の下側部に浴湯吸水口39を設けてい
る。さらに、ケース前板38の浴湯吸水口39に、上下に伸
縮可能としたアジャストパイプ40を取付け、同パイプ40
によって浴槽本体Ａの底部の浴湯を吸い込むように構成
している。なお、41は浴湯吸水パイプ４内に設けた逆止
弁用ボールを示す。

【００１５】また、フィルター34を設けたケース32の上
部には、図４に示すように、任意方向に向きを変えるこ
とができる噴出ノズル42を設け、同ノズル42に浴湯吐水
パイプ５を接続している。本実施例では、噴出ノズル42
内に、浴湯吐水パイプ５と連通した浴湯ノズル43を配設
すると共に、同浴湯ノズル43の先端部に、送気パイプ44
が接続した空気混合部45を設けている。空気混合部45
は、図４に示すように、その先方に、浴湯を浴槽本体Ａ
に噴出するスロートＳを連通連結しており、しかも、ス
ロートＳの基端部と、浴湯ノズル43の先端部とを、混合
部ケース46によってケーシングしている。さらに、スロ
ートＳは、その基端部を球状に形成しており、混合部ケ
ース46の先端部に対して上下左右方向に回動して、スロ
ートＳからの浴湯噴出方向を変更することができる。ま
た、本実施例では、浴湯ノズル43の周りに、同ノズル43
より大径状の混合部ケース46を取付けるとともに、同ケ
ース46に送気パイプ44を接続しており、同ノズル43の周
りに空気吸入口46a を設け、同吸入口46a から空気が吸
入されるようにしている。そして、噴出ノズル42は、空
気混合部45において、浴湯の噴出によるエジェクタ効果
によって、空気混合部45から空気を負圧吸引して、浴湯
内に混合して気泡を発生させる。

【００１６】本考案では、かかる噴出ノズル42の構造に
おいて、スロートＳに、切換手段47を設け、同切換手段
47によって、同ノズル42からの気泡混じりの浴湯の噴出
或いは浴湯のみの噴出の切換を行うものである。本実施
例では、図４に示すように、スロートＳ内に、空気の吸
入の切換を行う為の摺動パイプ47a が突出、収納自在に
装着されており、摺動パイプ47a は、その基端内周面47
b をテーパ状に形成しており、その基端部を、テーパ状
とした浴湯ノズル43の先端部43a に嵌合可能に構成して
いる。そして、かかる嵌合によって、摺動パイプ47a と
浴湯ノズル43とを連結して、送気パイプ44からの空気吸
入を遮断するものである。

【００１７】かかる構成によって、浴槽本体Ａ内に気泡
を発生する場合、スロートＳより摺動パイプ47a を突出
して、送気パイプ44からの空気の供給を受け、空気混合
部45で負圧吸引を行い、スロートＳから空気が混合した
浴湯を噴出する。一方、スロートＳ内に摺動パイプ47a
を収納して場合、送気パイプ44との開口部を閉塞して、
同パイプ44からの空気供給を遮断して、スロートＳから
浴湯のみの噴出を行うものである。

【００１８】従って、本考案では、噴出ノズル42の摺動
パイプ47a の操作によって、噴出ノズル42からの浴湯の
みの噴出と気泡の噴出とを切り換えることができ、入浴
したまま状態でその操作を行うことができる。しかも、
摺動パイプ47a が浴湯ノズル43の先端部に嵌合した場
合、スロートＳが固定し、一定方向での浴湯噴出を行う
ようにしている。

【００１９】また、他の実施例として、送気パイプ44の
開口部の周りに、可撓部材を介して切換手段47としての
パイプを進退自在に取付けて、同可撓部材によって、同
パイプ44との開口部を開閉して空気吸入の切換を行うよ
うにしている。

【００２０】さらに、本実施例では、かかる濾過装置１
において、図２に示すように、浴湯吸水パイプ４の中途
部に手動ポンプ48を設けている。手動ポンプ48は、可撓
性素材よりなる浴湯吸水パイプ４の一部を球状に膨出し
て、操作部48a を形成し、同操作部48a を圧縮すること
により、ポンプＰへの呼び水を供給している。

【００２１】かかる濾過装置１は、浴湯吐出パイプ５及
び送水パイプ10の中途部に、電動弁49を介してドレンパ
イプ50,51 を接続している。そして、ポンプＰ及び電動
弁49の作動によって、浴槽本体Ａ内の浴湯と、濾過機Ｒ
を通過させた洗浄水を排水することができる。なお、52
は濾過装置１の前面に設けたコントロールパネルを示
し、同パネル52で濾過装置１の各作業を行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る濾過装置の浴槽本体への取付状態
を示す斜視図である。

【図２】本考案の濾過装置の構造を示す斜視図である。

【図３】濾過機及びポンプの分解斜視図である。

【図４】噴出ノズルを具備する浴湯取込部の断面図であ
る。

【符号の説明】

Ａ 浴槽本体 １ 濾過装置 ４ 浴湯吸水パイプ ５ 浴湯吐水パイプ 42 噴出ノズル 44 送気パイプ 45 空気混合部 47 切換手段 47a 摺動パイプ Ｓ スロート Ｐ ポンプ Ｒ 濾過機

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴湯を循環させるポンプＰと、浴湯の浄
   化を行う濾過機Ｒとより構成してなる濾過装置を、浴槽
   本体Ａの近傍に設置可能とし、同濾過装置に、浴湯吸水
   パイプ４及び浴湯吐水パイプ５を接続して、浴槽本体Ａ
   内の浴湯を循環可能に構成してなる浴湯濾過装置におい
   て、同浴湯吐水パイプ５の先端部に、噴出ノズル42を取
   付け、同噴出ノズル42内に、送気パイプ44が連通した空
   気混合部45を設け、同混合部45に、浴湯を噴出するスロ
   ートＳを連通連結し、さらに、同スロートＳの先端部
   に、送気パイプ44との開口部を開閉自在とした切換手段
   47を設けたことを特徴とする浴湯濾過装置。
2. 【請求項２】 上記スロートＳの先端部に、送気パイプ
   44との開口部を開閉自在とした摺動パイプ47a を摺動自
   在に取付けたことを特徴とする「請求項１」に記載の浴
   湯濾過装置。
3. 【請求項３】 上記の噴出ノズル42に、浴湯を噴出する
   スロートＳを上下左右方向に回動自在に取付け、スロー
   トＳによって浴湯噴出方向を変更可能に構成し、しか
   も、同スロートＳに設けた摺動パイプ47a を噴出ノズル
   42に係合させて、同スロートＳを固定可能に構成したこ
   とを特徴とする「請求項２」に記載の浴湯濾過装置。