JP2517178Y2 - 船外機における電食防止装置 - Google Patents

船外機における電食防止装置

Info

Publication number
JP2517178Y2
JP2517178Y2 JP1987169324U JP16932487U JP2517178Y2 JP 2517178 Y2 JP2517178 Y2 JP 2517178Y2 JP 1987169324 U JP1987169324 U JP 1987169324U JP 16932487 U JP16932487 U JP 16932487U JP 2517178 Y2 JP2517178 Y2 JP 2517178Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cover
thermostat
cylinder head
zinc anode
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1987169324U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0173497U (ja
Inventor
裕司 松井
日出夫 近藤
英幸 柴沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Co Ltd filed Critical Suzuki Motor Co Ltd
Priority to JP1987169324U priority Critical patent/JP2517178Y2/ja
Publication of JPH0173497U publication Critical patent/JPH0173497U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2517178Y2 publication Critical patent/JP2517178Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、船外機における電食防止装置に関するもの
であり、詳しくは電食防止の目的で設けられるジンクア
ノードの取付け位置と構造に改良を加えたものである。
(従来の技術) 船外機はその半分の部分を水中に入れた状態で使用す
るため、電食の問題を解決しなければならない。そこで
従来から、船外機を構成する金属部分よりイオン化傾向
の大きい亜鉛(Zinc)の電極であるジンクアノードを使
用し、このジンクアノードの部分に積極的な電食を誘発
させ、他の部分には電食が生じないようにしている(例
として特開昭60-29397号公報、特開昭58-44252号公報参
照)。このジンクアノードは、エンジンその他の船外機
構成部品の材質より電食の生じやすい材質で製作されて
おり、電食が生ずるときには、まずこのジンクアノード
が電食することにより、エンジンその他のものが電食す
るのを防止するものである。
(考案が解決しようとする問題点) このような目的で設けられるジンクアノードは、船外
機の場合、冷却水である海水あるいは河川水に接するよ
うに、シリンダに埋設し、あるいはシリンダヘッドカバ
ーの内部に取付けて、ウォータジャケットに臨ませてい
た。ジンクアノードを、このようにシリンダに埋設した
りシリンダヘッドカバーの内部に取付けたりした場合、
電食によってジンクアノードが消耗して交換するとき、
あるいはその点検を行うときシリンダヘッドと取り外す
必要があり、その作業が著しく困難である。またその交
換時にシリンダヘッドガスケットを痛めることになる問
題もある。前掲の特開昭60-29397号公報のものは、エン
ジン本体の外側からウォータジャケットに至るジンクア
ノード装着孔を設け、このジンクアノード装着孔にジン
クアノードを外部から着脱するようにしてある。この公
報のものでは、エンジン本体にジンクアノードを装着す
る孔を刻設する必要があり、構造が複雑となり、コスト
高となる問題もある。本考案はこれらの問題点を解決す
ることを目的として成されたものである。
(問題点を解決するための手段) 本考案は上記問題点を解決するための手段として、サ
ーモスタットをシリンダヘッドとシリンダヘッドカバー
との間に形成される冷却水路に設けた船外機において、
サーモスタットの一部を収容する室と該室の軸方向に平
行にジンクアノードを収容する室ならびに前記サーモス
タットを収容する室の外側に該室の軸方向に平行なボル
ト挿通孔を有するフランジを備えたサーモスタットカバ
ーを設け、該サーモスタットカバーに前記サーモスタッ
トを固定するとともにジンクアノードを螺合により取付
け、該サーモスタットカバーを、前記フランジの部分で
シリンダヘッドカバーに設けた孔にボルトにより取付け
た構成としたものである。
(作用) このような構成とすれば、電食防止用のジンクアノー
ド14をもともとエンジン冷却水の温度制御を行うために
シリンダヘッドカバー5に取付けられているサーモスタ
ットのカバー9に取付けられるので専用の孔を刻設する
必要がなく、またジンクアノード14を確実に冷却水に接
触させることができる。したがってジンクアノード14の
作用も何等の支障なく行われることになる。
(実施例) 以下、本考案の一実施例を図について説明すると、第
1図ないし第4図において1は2サイクル3気筒のエン
ジンであって、図における左側にキャブレタを接続した
クランクケースを、右側に燃焼室を有するものである。
エンジン1のクランクシャフト2はほぼ中央部に位置
し、垂直に下方に延びている。そして図示しないギヤを
介して推進用のプロペラに結合されている。3はシリン
ダヘッドであり、点火プラグ4が螺合されているもので
ある。このシリンダヘッド3の外側にはシリンダヘッド
カバー5が設けられており、このシリンダヘッドカバー
5とシリンダヘッド3との間には後述のように冷却水の
水路6,7が形成される(第3図および第4図参照)。
第1図において符号8で示すものはサーモスタットで
あり、水路6、7内を流れる冷却水の温度を検出し、こ
の温度が所定値以下のときには冷却水の循環を停止さ
せ、所定値を超えたときには循環させる作用をするもの
である。第5図および第7図に示すものはサーモスタッ
トカバー9である。このサーモスタットカバー9は中空
体であり、外側に取付け用のフランジ10を有し、このフ
ランジ10に、サーモスタット8を収容する室12の軸方向
に平行にボルト挿通用の孔11を設けたものである。中空
による室12の部分でサーモスタット8を収容することに
なる。
室12はサーモスタット8を収容するのに必要な容積よ
りは適当容積だけ大きくしてあり、この部分に、ステン
レス製のボルト13を鋳込んで一体にした純亜鉛のジンク
アノード14が、ボルト13をサーモスタットカバー9に螺
合させることにより、収容されている(第7図参照)。
15はボルト13の頭部に設けられたプラス溝である。サー
モスタットカバー9はボルト13が螺合されるために頭部
が突出して突出部16に形成されている。この突出部16は
エンジン1の全体を覆うエンジンアッパカバー17の側壁
部に近接しており、後述のようにエンジンアッパカバー
17をエンジンロアカバー26(後述する)に結合するとき
に、その過程において所定距離を維持するものである。
第3図に示すものはシリンダヘッド3であり、第4図
に示すものはシリンダヘッドカバー5である。シリンダ
ヘッド3には起立部17で区画された水路6,7が設けられ
ており、冷却水が循環するようになっている。一方、シ
リンダヘッドカバー5には起立部18(逆にいえば起立部
18以外の部分は肉取りがされた凹部になる)が設けられ
て、このシリンダヘッドカバー5を通じては水路6,7が
連通しないようにしてある。シリンダヘッド3の水路6
はシリンダヘッドカバー5の冷却水流入口19に連通して
いる。シリンダヘッド3にはシリンダ側からの水路開口
(流入口)20が設けられており、シリンダヘッドカバー
5の孔21に連通している。この孔21にはサーモスタット
が挿入される。このためサーモスタットカバー9のフラ
ンジ10がこの部分に当てがわれ、シリンダヘッドカバー
5に刻設されたネジ孔22とサーモスタットカバー9の孔
11にボルトが挿通、螺合されて、サーモスタットカバー
9がシリンダヘッドカバー5に固着される。シリンダヘ
ッド3にはシリンダ側に開口した冷却水の流出口23およ
びシリンダヘッドの表裏を連通する水路開口24が設けら
れている。25は点火プラグ取付け用の孔である。
以上の構成により、ジンクアノード14はサーモスタッ
ト8と共に冷却水に接触することになるので、電食が生
ずる条件になったときにはジンクアノード14とサーモス
タットカバー9との間で電食が起きることになる。この
場合において、純亜鉛のジンクアノード14はステンレス
製のボルト13に鋳込んであるので、この間に水が入って
電食が生ずることはないが、単なる嵌合等により、これ
らの間に隙間があるとこの間に水が入り、電食が生じて
ジンクアノード14がボルト13に対してガタを起こすこと
になる。なお、ジンクアノード14の冷却水への接触度は
サーモスタット8の開閉状態によって変化することにな
るが、ジンクアノード14の機能上においては何ら支障を
生ずるものではない。
前述のようにエンジンの全体を覆うエンジンアッパカ
バー17はエンジンロアカバー26の上部に結合するように
なっている。その部分の具体的な構造としては、エンジ
ンロアカバー26に上方に向けた起立部27を形成し、この
起立部27に、中央に下向きの溝28を設けたシールゴム29
を、その溝28を前記起立部27に嵌合させることにより装
着し、その上(外側)にエンジンアッパカバー17の下縁
部分を嵌合するのである。この作業は修理、点検の都度
行なうことになる。ところでこの作業は、リコイルスタ
ータのスタータグリップ30が図の左側に設けられている
関係で、第1図および第2図における左端部の係合を先
に行ない、上方に開口した状態のエンジンロアカバー26
に対して斜め上方に起立した状態のエンジンアッパカバ
ー17を第13図に示すように図における時計方向に回動さ
せ、エンジンロアカバー26上に被せることになる。エン
ジンロアカバー26は大きいためにこの作業が以外に難し
く、作業に時間がかかることになる。
第8図ないし第11図に示すものはこのためのものであ
る。これを説明すると、これらの図に示すものはサーモ
スタットカバー9の突出部16に取付けるキャップ31であ
り、適度な硬度を有するゴムで製作されているものであ
る。符号32で示すものはサーモスタットカバー9の突出
部16に嵌合(嵌合時接着してもよい)させるための凹部
であり、符号33で示すものはこのキャップ31に弾力を持
たせるための中空部分である。第10図および第11図に符
号34で示すものは、この中空部分に変えて設けた発泡ゴ
ム材である。このような構成のキャップ31はその取付け
位置によって、エンジンアッパカバー17をエンジンロア
カバー25に取付ける過程においてその上端部分がエンジ
ンアッパカバー17の内側に接して、エンジンアッパカバ
ー17のガイド作用を行なうことになる。このため、上面
の面積は可及的に大きくするのがよい。
第1図において左側に示すように、エンジンアッパカ
バー17下端中央にはコ字形をしたフック金具35がリベッ
ト36によって取付けられており、このフック金具35がシ
ールゴム29を包囲するような状態でこの部分の係合をす
るようになっている。したがって第1図における右側中
央には当然にこれに対抗するロック機構が設けられる。
これを第1図、第2図と第12図について説明すると、第
12図に拡大して示すものはエンジンアッパカバー17とエ
ンジンロアカバー26とのロック機構であって、符号37で
示すものはエンジンアッパカバー17側に設けられた軸で
あり、38はエンジンロアカバー26側に設けられた、軸39
を中心に回動するフックである。フック38はエンジンア
ッパカバー17の内側にあり、外側に設けられたハンドル
40と一体に回動することになる。
第12図は以上説明した構造により、エンジンアッパカ
バー17をエンジンロアカバー26に被せて固着する過程を
示している。再三説明したような手順によりエンジンア
ッパカバー17をエンジンロアカバー26に被せるとき、サ
ーモスタットカバー9の突出部16に嵌合させたキャップ
31がエンジンアッパカバー17の内壁に接することにな
る。これにより寸法の大きなエンジンアッパカバー17
は、一定の軌跡41を描いて動き、エンジンロアカバー26
上に被さることになる。そこでフック38を軸37に係合し
てロックすればよい。以上の作業は逆の見方をすれば、
エンジンアッパカバー17の内壁をキャップ31に当て、当
たったところで第13図における右端を下降させるように
すればよいということになる。このように作業すれば、
リコイルスタータのスタータグリップ30はエンジンアッ
パカバー17に設けられた孔42から外部に露出することに
なる。点火プラグおよびサーモスタット等は、ロック機
構に当たらないように位置をずらしておくことはいうま
でもない。
(考案の効果) 本考案は以上説明したように構成された船外機におけ
る電食防止装置であるから、ジンクアノードを点検、交
換するとき、サーモスタットカバーのみを外せばよいの
で、従来のものに比して作業が著しく簡便になる。サー
モスタットカバーを利用したので、ジンクアノード取付
け用の専用部品が不要となって軽量化を図ることができ
る上に、ジンクアノードを装着する工数を削減すること
ができる。またジンクアノード取付け用の孔を穿設する
必要がなく、ジンクアノードを取付けるボルトが外部か
ら見えないので、外観性の向上を図ることができる。そ
してジンクアノード交換時にシリンダヘッドガスケット
等の他部品を損傷することがないので、これらの部品の
寿命を長くすることができる。
さらに、サーモスタットカバーに設ける室、孔および
ねじの方向がすべて同一方向となるので、これらの加工
が容易になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例の断面図、第2図は第1図の
ものの内部の平面図、第3図はシリンダの底面図、第4
図はシリンダヘッドの平面図、第5図はサーモスタット
カバーの底面図、第6図は第5図のVI-VI線に沿う断面
図、第7図は第5図のVII-VII線に沿う断面図、第8図
はキャップの正面図、第9図は第8図のものの側面図、
第10図は第8図のものの変形例の正面図、第11図は第10
図のものの側面図、第12図はロック機構の正面図、第13
図はエンジンアッパカバーを被せる状態の説明である。 1……エンジン 3……シリンダヘッド 5……シリンダヘッドカバー 8……サーモスタット 9……サーモスタットカバー 14……ジンクアノード
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−29397(JP,A) 特開 昭58−44252(JP,A) 実開 昭57−102567(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】サーモスタットをシリンダヘッドとシリン
    ダヘッドカバーとの間に形成される冷却水路に設けた船
    外機において、サーモスタットの一部を収容する室と該
    室の軸方向に平行にジンクアノードを収容する室ならび
    に前記サーモスタットを収容する室の外側に該室の軸方
    向に平行なボルト挿通孔を有するフランジを備えたサー
    モスタットカバーを設け、該サーモスタットカバーに前
    記サーモスタットを固定するとともにジンクアノードを
    螺合により取付け、該サーモスタットカバーを、前記フ
    ランジの部分でシリンダヘッドカバーに設けた孔にボル
    トにより取付けたことを特徴とする船外機における電食
    防止装置。
JP1987169324U 1987-11-05 1987-11-05 船外機における電食防止装置 Expired - Lifetime JP2517178Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1987169324U JP2517178Y2 (ja) 1987-11-05 1987-11-05 船外機における電食防止装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1987169324U JP2517178Y2 (ja) 1987-11-05 1987-11-05 船外機における電食防止装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0173497U JPH0173497U (ja) 1989-05-17
JP2517178Y2 true JP2517178Y2 (ja) 1996-11-13

Family

ID=31459275

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1987169324U Expired - Lifetime JP2517178Y2 (ja) 1987-11-05 1987-11-05 船外機における電食防止装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2517178Y2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0173497U (ja) 1989-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0902174B1 (en) Outboard marine drive powered by an air-cooled internal combustion engine
US5072704A (en) Personal watercraft vehicle engine
JP2517178Y2 (ja) 船外機における電食防止装置
US5078101A (en) Marine propulsion device internal combustion engine
US6319080B1 (en) Outboard motor cooling and anode system
US20020003056A1 (en) Valve cover
JPH0443836B2 (ja)
US5463990A (en) Outboard motor with four-stroke engine and exhaust gas discharge system therefor
JPH0610453B2 (ja) 内燃機関のピストン
US5374069A (en) Aluminum core cylinder head gasket for marine engines
JP4468036B2 (ja) 船外機用水冷エンジンのガスケット
JPH0712240Y2 (ja) 船外機のエンジンカバー取付装置
US6142109A (en) Anode device of outboard motor
US5445548A (en) Exhaust gas sampling device for outboard motor
JPH03492Y2 (ja)
JP3983845B2 (ja) 船外機用エンジンのアノード取付構造
US5544631A (en) Cylinder head construction for outboard motor with four-stroke engine
EP0588349B1 (en) Exhaust gas sampling device for outboard motor
US6066013A (en) Drain structure of an outboard motor
US6132275A (en) Lubricating oil managing arrangement for an outboard marine drive engine
JP3460179B2 (ja) 船外機のエンジン収容用ケース
EP1316500B1 (en) Outboard motor
JPH0123663B2 (ja)
JP4057097B2 (ja) 船外機のアノード設置構造
JP2566051B2 (ja) 水冷式エンジン