JP2516990B2 - 光ディスク再生装置 - Google Patents

光ディスク再生装置

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はセクタ構造を有する光ディスクから情報を再
生する光ディスク再生装置に関するものである。
従来の技術 光ディスクにはトラックを複数のセクタに分割し、セ
クタ単位で情報が記録される。各セクタはトラックアド
レス及びセクタアドレス情報を含むセクタ識別子とデー
タを記録するデータフィールドと両者を分離するギャッ
プ部から構成される。セクタ識別子は光ディスク上に凹
凸の溝構造で形成されている。データフィールドにはレ
ーザ光を直径1μm程度のスポットに絞って照射し、記
録層に穴をあけもしくは反射率,透過率の変化を起こし
てデータが記録される。
セクタ識別子はディスク製造時に溝構造で形成される
ため再生時の信号振幅の変動は比較的小さいがデータフ
ィールドに記録されたデータは、記録時のレーザ光強
度,光ビームのフォーカス精度,ディスク上に付着した
ゴミやホコリ,ディスクの記録層の感度差などにより、
その記録状態は大きく変化する。従ってデータフィール
ドの再生信号は、同一データフィールド内、異なるデー
タフィールド間、さらには異なるディスク間で大きな振
幅変動を持つことになる。この再生信号の振幅変動は2
値化の際、2値化信号の品質の低下につながる。そこで
利得可変増幅器(AGC付増幅器)を用いて振幅変動を圧
縮するようにしている。
第3図に従来の光ディスク再生装置のブロック図を示
す。2は光学ヘッドで半導体レーザ(図示せず)の光ス
ポットを光ディスク1上に照射し、その反射光を電気信
号に変換している。3はプリアンプで光学ヘッド1から
の再生信号を増幅している。4は利得可変増幅器で再生
信号の振幅変動を圧縮し、コンパレータ5で2値化して
復調器6とアドレス再生回路7に送っている。
プリアンプ3の再生信号を第4図Aに示す。aは理想
的に記録されたデータで、bは振幅が低下し、かつ変動
している。cは未記録のデータフィールドである。ギャ
ップ部と未記録データフィールドの斜線はノイズの存在
を表わしている。利得可変増幅器は通常、再生信号のエ
ンベロープなどの、平均的あるいは積分的情報をフィー
ドバックして制御している。
発明が解決しようとする問題点 利得可変増幅器は入力信号振幅が小さいときは利得が
大きくなるように制御するという性質上、ギャップ部や
未記録データフィールドでは利得は最大となる。この状
態から信号が存在する領域、すなわちセクタ識別子や記
録済データフィールドに移ると利得はすぐには最適制御
されず、第4図Bのd,eに示すように過渡応答が生じ最
大利得から徐々に減少して定常状態となる。この過渡応
答はフィードバック制御を用いる限り避けられないもの
であるが、d,eに示す過渡応答は回路の飽和による波形
歪の原因となり、正常なデータ再生が不可能になるとい
う欠点があった。またギャップ部や未記録データフィー
ルドでは最大利得でノイズを増幅するため後段のコンパ
レータが誤動作する欠点があった。
本発明は上記問題点に鑑み、セクタ構造を有する光デ
ィスクからデータを再生する際、再生信号の振幅変動を
圧縮する利得可変増幅器を用いても、波形歪が発生せず
正しくデータを再生する事が可能な光ディスク再生装置
を提供する事を目的としている。
問題点を解決するための手段 本発明はセクタ識別子を再生してデータフィールドを
特定する手段と、データフィールドが記載済か未記録か
を識別する手段と、再生信号の振幅変動を圧縮する利得
可変増幅手段とを備え、記録済データフィールドのみ利
得可変とし、それ以外の領域では固定利得で動作するよ
うに構成した光ディスク再生装置である。
作用 本発明は前記した構成により、記録済データフィール
ド以外の領域では利得可変増幅器は固定利得で動作する
ため、ギャップと記録済データフィールドの境界で過渡
応答による波形歪は生じる事がなく、またギャップ部や
未記録データフィールドで過大にノイズを増幅する事が
ないため、正しく記録データを再生する事ができる。
実施例 第1図は本発明の一実施例における光ディスク再生装
置のブロック図を示すものである。第3図と同じ番号を
付したものは同じものを示す。8は利得可変増幅器でプ
リアンプ3で増幅された光学ヘッドからの再生信号の振
幅変動を圧縮する。9は振幅検出回路で再生信号の有無
を2値化して出力する。11はデータ区間信号発生回路で
アドレス再生回路10からの出力信号を基に、データ区間
信号を作っている。振幅検出信号とデータ区間信号は、
論理積が取られて利得可変増幅器の動作を決定する。
第2図に本実施例の動作を表わす波形図を示す。第2
図Aはプリアンプ3で増幅された再生信号である。振幅
検出回路9ではこの信号の振幅を検出し、セクタ識別子
部や記録済データフィールドと、ギャップ部や未記録デ
ータフィールドを識別して2値化する。この振幅検出信
号を第2図Bに示す。第2図Cはデータ区間信号で、ア
ドレス再生回路10から出力されるセクタ識別子内のアド
レス情報の読み取り信号を基に、データ区間信号発生回
路11から出力される。第2図DはBとCの論理積を取っ
たもので、記録済データフィールドを特定する信号であ
り、AND回路12より出力される。利得可変増幅回路8は
この信号により動作の制御を受け、記録済データフィー
ルドのみ利得可変で動作し、それ以外の領域では固定利
得で動作する。従って記録済データフィールドでは再生
信号の振幅変動を圧縮するように利得が可変され、未記
録データフィールド,ギャップ部,セクタ識別子では固
定利得で動作する。利得可変増幅器8の出力信号を第2
図Eに示す。この結果、ギャップ部や未記録データフィ
ールドで利得が最大になる事はない。セクタ識別子はデ
ィスク製造時に溝構造で形成されるため記録済データフ
ィールドに比べて再生信号の振幅変動ははるかに小さい
ため、固定利得で増幅しても問題は生じない。
発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、記録済みデー
タフィールドでは利得可変増幅回路は可変利得で動作
し、ギャップ部や未記録データフィールドでは利得可変
増幅回路は固定利得で動作するため、記録済データフィ
ールドで波形歪を生じるような過渡応答は起きず、ギャ
ップや未記録データフィールドで過大にノイズを増幅す
ることもないため記録済みデータを正常に再生すること
ができ、その実用的効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における光ディスク再生装置
のブロック図、第2図は同実施例の動作波形図、第3図
は従来の光ディスク再生装置のブロック図、第4図は同
従来例の動作波形図である。 1……光ディスク、8……利得可変増幅回路、9……振
幅検出回路、11……データ区間信号発生回路。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セクタ構造を有し、各セクタがセクタ識別
    子とデータフィールドから構成された光ディスクからデ
    ータを再生する装置であって、セクタ識別子の再生信号
    からデータフィールドを特定する手段と、データフィー
    ルドがデータ記載済か未記録かを識別する手段と、再生
    信号の振幅変動を圧縮する利得可変増幅手段とを有し、
    前記データフィールド内でデータ記録済の場合は前記利
    得可変増幅手段が可変利得で動作するように構成したこ
    とを特徴とする光ディスク再生装置。
  2. 【請求項2】利得可変増幅手段は、データ未記録のデー
    タフィールド内とデータフィールド以外では固定利得で
    動作することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    光ディスク再生装置。
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