JP2516746B2 - 流体封入防振装置 - Google Patents

流体封入防振装置

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JP2516746B2 JP61180953A JP18095386A JP2516746B2 JP 2516746 B2 JP2516746 B2 JP 2516746B2 JP 61180953 A JP61180953 A JP 61180953A JP 18095386 A JP18095386 A JP 18095386A JP 2516746 B2 JP2516746 B2 JP 2516746B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F13/00Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs
    • F16F13/04Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper
    • F16F13/06Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper the damper being a fluid damper, e.g. the plastics spring not forming a part of the wall of the fluid chamber of the damper
    • F16F13/08Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper the damper being a fluid damper, e.g. the plastics spring not forming a part of the wall of the fluid chamber of the damper the plastics spring forming at least a part of the wall of the fluid chamber of the damper
    • F16F13/10Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper the damper being a fluid damper, e.g. the plastics spring not forming a part of the wall of the fluid chamber of the damper the plastics spring forming at least a part of the wall of the fluid chamber of the damper the wall being at least in part formed by a flexible membrane or the like

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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、振動体に取り付けられる取付部材と、振動
体を支持するための支持体側に取り付けられる支持部材
との間にこれら取付部材及び支持部材に一体的に接合し
た状態で弾性材が介装され、この弾性材は振動体の振動
に応じて変形するようにして非圧縮性流体が密封された
流体室の室壁の少なくとも一部を形成しており、前記流
体室はオリフイスを備えた隔壁により2分されている流
体封入防振装置に関する。
(2) 従来の技術 第12図には従来の流体封入防振装置の一例が示されて
いる。第12図において、例えばエンジンのような振動体
に取り付けられる取付部材1は弾性材接合部2と取付ボ
ルト部3とを有し、取付ボルト部3を利用して取付部材
1が振動体側に取り付けられるように構成されている。
取付部材1と同心状に配設された環状の支持部材4は、
環状の胴部5と、この胴部5の端縁部から半径方向外方
へと延在する取付フランジに形成された取付孔6とを有
し、この取付孔6を利用して支持部材4が振動体を支持
するための支持体側に取り付けられるように構成されて
いる。取付部材1の弾性材接合部2と支持部材4の肩部
との間には、環状の補強板8により補強された倒立すり
鉢状の例えばゴム材よりなる弾性材7が、取付部材1及
び支持部材4に一体的に接合した状態で介装されてい
る。支持部材4の胴部5の弾性材7が接合されていない
側の端縁部には、例えばゴム材よりなるダイヤフラム9
の周縁部が全周にわたって接合されている。そして、支
持部材4の胴部5、弾性材7及びダイヤフラム9は、内
部に非圧縮性流体が充満された流体室10を形成してい
る。この流体室10は、周縁部が全周にわたって胴部5に
より支持され、中心部をオリフイス12を有する隔壁11に
より2分されている。
振動体が振動すると、この振動体と一体的に取付部材
1が振動し、それに伴って弾性材7が変動するが、この
弾性材7の変動に応じて非圧縮性流体はオリフイス12を
流過する。
(3) 発明が解決しようとする課題 第12図に示された流体封入防振装置が例えばエンジン
マウントとして使用された場合には、取付部材1は主と
して矢印aの方向に振動するが、これに伴って弾性材7
は矢印b及び矢印cの方向で共振する。このような弾性
材7の共振により、第13図に示されるように2次振動領
域すなわち周波数が略50〜200Hzの領域、及び高周波数
領域において動ばね定数が高くなり、振動遮断性能が低
下して、エンジンを搭載した車両の車内の静粛性が損な
われることとなる。
そこで本発明は、上記のような弾性材の共振に起因し
た略50〜200Hzの領域及び高周波領域における動ばね性
能の悪化を防止して、2次振動領域から高周波領域まで
のばね特性が改善されるようにし、また振動体への取付
部に大振幅変位が生じた場合には、それに対応してダン
ピングが発生するような流体封入防振装置を提供するこ
とを目的とする。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明によれば、振動体に
取り付けられる取付部材と、前記振動体を支持するため
の支持体側に取り付けられる支持部材との間に前記取付
部材及び支持部材に一体的に接合した状態で弾性材が介
装され、前記弾性材は前記振動体の振動に応じて変形す
るようにして非圧縮性流体が密封された流体室の室壁の
少なくとも一部を形成しており、前記流体室はオリフイ
スを備えた隔壁により2分されている流体封入防振装置
であって、 前記流体室内には、流体圧の変動により生じる表裏間
の差圧に応動して規制された範囲内で変位する差圧応動
部材が、前記隔壁のオリフイスに対し直列に配設され、 前記オリフイスの有効通路面積をSw、前記オリフイス
の有効長さをL、前記流体の密度をρ、前記弾性材の共
振周波数をf1、前記弾性材の形状によるパラメータを
a、前記共振周波数における弾性材の動ばね定数をk、
前記弾性材の有効排液面積をSEとしたとき、前記オリフ
イスの有効長さLと有効通路面積との比が、 であることを特徴とする流体封入防振装置が得られる。
(2) 作用 上記構成によれば、何れも実験的に求めることができ
る上記ak,f1,SE,ρに基づいて、オリフイスの孔内及び
その近傍の流体の振動の共振周波数(f2)が弾性材の共
振周波数(f1)とほぼ等しい値になるように、オリフイ
スの有効長さと有効通路面積との比(L/Sw)が設定され
ているため、振動体の振動に伴い弾性材に共振現像が生
じた時には、その弾性材の共振による負の損失ばね定数
の値と、オリフイスの孔内及びその近傍の流体の振動の
共振による正の損失ばね定数の値とが互いに十分に打ち
消し合い、その結果、弾性材の共振に起因した動ばね性
能の悪化が防止される。
また上記比(L/Sw)の設定に伴い、オリフイスの有効
通路面積Swが有効長さLの割合にかなり大きくなって該
オリフイスによるダンピング効果が比較的低くなって
も、本発明においては、流体室内に該オリフイスと直列
に差圧応動部材を特設しており、弾性材の大振幅時に
は、その際の流体圧変動により差圧応動部材の表裏間に
大きな差圧を生じて同部材が急速に変位すると共に振動
数も低く、差圧応動部材の表裏面間に逆方向の差圧が発
生するまでの時間も比較的長いことから、差圧応動部材
は変位限界に達して流体の流れ(従って弾性材の弾性変
形)を抑制し、これにより高いダンピング効果が得られ
る。一方、弾性材の小振幅時には、その際の流体圧変動
により差圧応動部材の表裏間に生じる差圧は僅かであり
振動数も高いことから、差圧応動部材は、変位限界に達
する以前に早めに発生する逆方向の差圧に応じて小刻み
に且つ比較的自由に振動変位し得る(即ち差圧応動部材
が流体室内に存在しないのと略同じような状態となる)
ため、差圧応動部材が弾性材の挙動やオリフィス孔内及
びその近傍における流体振動に与える影響は殆どなく、
従って、前述のようにオリフイス孔内及びその流体振動
の共振周波数(f2)が弾性材の共振周波数(f1)とほぼ
等しい値になるよう、オリフイスの有効流さと有効通路
面積との比L/Swを設定したことにより所期の作用が支障
なく達成され、弾性材の共振に起因した動ばね性能の悪
化が防止される。尚、以上のような差圧応動部材の作用
は、該部材が流体室内でオリフイスと直列に配置されて
おれば、オリフィスより弾性材側に在っても或いはその
反対側に在っても実質的に変わらない。
(3) 実施例 まず第14図のように、第12図の流体封入防振装置にお
いてオリフイス12を備えた隔壁11が無い場合について考
える。この第14図の流体封入防振装置は第15図に示され
るように、少なくとも振幅の範囲内において一定圧の非
圧縮性の流体の圧力を振動方向に受ける質量m1の質量体
がばね定数k1のばねと直列に連結され、このばね定数k1
のばねは、一端側が固定枠に連結されたばね定数k2のば
ねと並列に連結され、更にばね定数k1のばね及びばね定
数k2のばねは共にばね定数k3のばねを介して振動源に連
結された状態の振動工学的モデルにモデル化することが
できる。
ここで、質量m1は主として弾性材7の質量であって、
この質量m1とばね定数k1とにより、弾性材7の共振周波
数f1は、 と表すことができる。その式の形は、振動工学における
方程式の解の形として良く知られているものである。弾
性材7によるダンピングを考慮すると、共振による弾性
材7の特性は、第16図に示されているように、通常のダ
イナミックダンパーのようになり、又第17図に示される
ように損失ばね定数は共振周波数f1で負となる。
次に、第12図に従ってオリフイス12を有する流体封入
防振装置について考える。この第12図の流体封入防振装
置は第18図に示されるように、一端側が固定枠に連結さ
れたばね定数kのばねと、密閉状態の流体室内の非圧縮
性流体を振動に伴って有効排液面積SEの排液面により排
液しようとする物体に一端側が連結されたばね定数akの
ばねとが、相互に並列に連結されて共に振動源に連結さ
れ、この振動源の振動により流体室内の流体が有効通路
面積Swの通路部において質量m4の質量体の振動を生起す
る構成の振動工学的モデルにモデル化することができ
る。
前記質量m4は第12図において弾性材7の振動に伴って
オリフイス12内及びその近傍で流動する流体の質量に対
応する。第18図のモデルの振動方程式から得られる共振
周波数f2は、 であり、これを図示すると第19図の通りとなる。この場
合、第20図に示されるように、損失ばね定数は共振周波
数f2で正となる。
尚、弾性材7の共振による損失ばね定数の値が負(第
17図参照)であるのに対して、オリフイス12の孔内及び
その近傍の流体の振動の共振による損失ばね定数の値が
正(第20図参照)となるのは、オリフイス12を備えた隔
壁11に伝わる液圧が、同オリフィス12を通過する液体の
動きと逆位相となるからであり、例えば液体がオリフィ
ス12を下向きに流れると、弾性材7側の流体室10が負圧
になってオリフィス12付き隔壁11が上方向に吸引される
ことからも理解できる。
さて、第12図の流体封入防振装置の共振を抑制してば
ね性能の低下を防止するためには、弾性材7の共振によ
る負の損失ばね定数の値とオリフイス12の孔内及びその
近傍の流体の共振による正の損失ばね定数の値とが互い
に打ち消し合うように、弾性材7の共振周波数f1とオリ
フイス12の孔内及びその近傍の流体の共振周波数f2とを
一致させれば良い。そこで、 とおくと、 となる。ここでオリフイス12の有効長さをL、流体の密
度をρとすると、 m4=Sw・L・ρ であるから、(1)式は となる。
(2)式において、ak、f1、SE、ρの値はいずれも実
験的に求めることができ、これらの実験値を(2)式に
代入することにより最適のオリフイス12の有効長さLと
オリフイス12の有効通路面積Swとの関係が求められる。
以下、前記ak、f1,SEの値の求め方について説明す
る。まずakの値の求め方について説明すると、第21図に
示されるように、第12図の流体封入防振装置においてオ
リフイス12に栓13をして流体を密封した場合の弾性材7
のばね定数をKa,オリフイス12に栓13をしない場合の弾
性材7のばね定数をKsとすると、 の関係がある。またばね定数kは共振周波数f1における
弾性材7の動ばね定数であって、ばね定数Ksに共振周波
数f1における動倍率をかけた値である。この動ばね定数
kと(3)式から得られるパラメータaとからakの値を
求めることができる。
次に共振周波数f1の求め方について説明する。第14図
に示されるように、第12図において隔壁11を取り除いた
状態で弾性材7を加振しつつ弾性材7の動ばね定数を測
定し、弾性材7の共振が生起されて弾性材7の動ばね定
数が最高地に達したときの周波数をもって共振周波数f1
とする。
次に弾性材7の有効排液面積SEについて説明する。第
22図に示されるように、第12図において弾性材7と隔壁
11との間の流体室14内の流体が弾性材7の変位に従って
オリフイス12から排出されるとき、このオリフイス12か
ら排出された流体を導管dを通してメスシリンダeへ導
くようにしておき、取付部材1を矢印gの方向へ変位さ
せたときの単位変位量当りの流体の排出量をメスシリン
ダeにより測定し、そのときの測定値を以て弾性材7の
有効排液面積SEとする。
又、オリフイス12の有効長さLについては、オリフイ
ス12の形状長さをLo、オリフイス12の形状直径をD、オ
リフイス12の形状及び流体の種類により定まる定数をα
としたとき、計算式 L=Lo+αD により算出する。但し、α=0.5〜1.0である。
以上のようにして、(2)式に従って得られた有効長
さLと有効通路面積Swとを有するオリフイスを備えた流
体封入防振装置の具体例について説明する。
第1図には、第12図に示された従来の流体封入防振装
置におけるオリフイス12を有する隔壁11に代えて、本発
明に基づくオリフイス(特に図示例では互いに分散する
複数のオリフイス201〜204)を有する隔壁19を備えた流
体封入防振装置が示されている。この場合、本発明の有
効通路面積は、各オリフイス181〜184の有効通路面積の
総和となる。
この流体封入防振装置においては、前記各オリフイス
201〜204に対して直列に板状の差圧応動部材23を備えて
いる。この差圧応動部材23は、その周辺部において支持
部材4内壁面側に配設された環状の保持体21の環状溝22
に遊嵌されており、流体圧の変動により生じる表裏間の
差圧に応動して環状溝22により規制された範囲内で変位
する。その結果、弾性材7に大振幅の変位が生じたと
き、流体封入防振装置のばね定数は高くなり、弾性材7
の小振幅時には弾性剤7の共振を抑え、弾性剤7の大振
幅時には弾性材7の動ばね定数は高くなりその変位が抑
制される。
即ち、弾性材7の共振に起因した動ばね性能の悪化を
防止するために、オリフィス201〜204の有効長さと有効
通路面積との比L/Swを前述のように設定したことに伴
い、オリフイス201〜204の有効通路面積Swが有効長さL
の割合にかなり大きくなって該オリフイスによるダンピ
ング効果が低くなってしまっても、本発明においては、
流体室10内に該オリフイス201〜204と直列に差圧応動部
材23を特設しており、弾性材7の大振幅時には、その際
の流体圧変動により差圧応動部材23の表裏間に大きな差
圧を生じて同部材23が急速に変位すると共に振動数も低
く、差圧応動部材23の表裏面間に逆方向の差圧が発生す
るまでの時間も比較的長いことから、差圧応動部材23が
変位限界に達して流体の流れ(従って弾性材7の弾性変
形)を抑制することで高いダンピング効果が得られ、従
って防振装置としての必要なダンピングを確保すること
ができる。一方、弾性材7の小振幅時には、その際の流
体圧変動により差圧応動部材23の表裏間に生じる差圧は
僅かであり振動数も高いことから、差圧応動部材23は、
それが変位限界に達する以前に早めに発生する逆方向の
差圧に応じて小刻みに且つ比較的自由に振動変位し得る
(即わち差圧応動部材23が流体室10内に存在しないのと
略同じような状態となる)ため、差圧応動部材23が弾性
材7の挙動やオリフィス201〜204内及びその近傍におけ
る流体振動に与える影響は殆どない。
第2図においては、第1図の差圧応動部材23に代えて
オリフイス25を有する板状の差圧応動部材24を備えた流
体封入防振装置が示されている。この第2図の流体封入
防振装置においては、オリフイス25の存在により、弾性
材7の大振幅時にダンピングが発生する。
第3図においては、第1図の流体封入防振装置におい
て遊動板保持体21にオリフイス26が形成された流体封入
防振装置が示されている。この場合においても、オリフ
イス26の存在により、弾性材7の大振幅時にダンピング
が発生する。
第4図の流体封入防振装置においては、オリフイス28
を有する差圧応動部材27の周縁部に弾性材29が接合され
ており、このようにすることにより、差圧応動部材27と
遊動板保持体21の環状溝22との間で生じ易い打音の発生
を未然に防止することができる。
第5図の流体封入防振装置においては、複数のオリフ
イス311〜314を有する隔壁30と、この隔壁30と平行に配
設された受圧壁32とを備え、この受圧壁32には中央部に
オリフイス33が形成されているとともに、複数の貫通孔
341〜346が各オリフイス311〜314と直列に形成され、こ
れら各貫通孔341〜346を横断するようにして形成された
複数の空隙部35,35′内にはそれぞれ対応する柔軟な差
圧応動部材36,36′が遊嵌されている。
差圧応動部材36,36′の変形は流体圧に対して非線型
性を有しているので、第5図の対封入防振装置において
は、差圧応動部材36,36′の微小振幅時には弾性材7に
流体圧がほとんどかからず、差圧応動部材36,36′の大
振幅時には弾性材7に大きな流体圧がかかり共振現象が
防止される。
第6図の流体封入防振装置においては、複数のオリフ
イス381〜384を有する隔壁37と、この隔壁38と平行に配
設された受圧壁39とを備え、この受圧壁39には中央部に
オリフイス40が形成されているとともに、複数の貫通孔
411〜416が各オリフイス381〜384と直列に形成され、こ
れら各貫通孔411〜416横断するようにしてたるみを持っ
た柔軟な差圧応動部材42が張設されている。この差圧応
動部材42は、第5図の差圧応動部材36,36′とほぼ同様
な効果を生じる。
第7図の流体封入防振装置は、複数のオリフイス381
〜384を有する隔壁37と、この隔壁37と平行に配設され
た受圧壁43とを備え、この受圧壁43には、複数の貫通孔
441〜445が各オリフイス381〜384と直列に形成されてい
るとともに、各貫通孔441〜445を横断するようにして形
成された空隙部45内には差圧応動部材46が遊嵌されてい
る。そして受圧壁43には、更に各オリフイス381〜384
直列に一対の弁口47,48が形成されており、弁口47には
ダイヤフラム9側から弾性材7側への流体の移動は許容
するが、その逆流は許容しない感圧弁49が配設されてい
るとともに、弁孔48には弾性材7側からダイヤフラム9
側への流体の移動は許容するが、その逆流は許容しない
感圧弁50が配設されている。これら感圧弁49,50の作用
により、弾性材7のゆるやかで大きな変位が生じて各感
圧弁49,50の開度が比較的小さな状態から、弾性材7の
速くて大きな変位が生じて各感圧弁49,50の開度が比較
的大きな状態まで、大きな、ダンピングが発生する。感
圧弁49,50としては、例えばリードバルブやスライドバ
ルブ等を採用することができる。
第8図の流体封入防振装置は、第7図の流体封入防振
装置の受圧壁43に代えて受圧壁51を備え、この受圧壁51
には、複数の貫通孔521〜525が各オリフイス381〜384
直列に形成されているとともに、各貫通孔521〜525を横
断するようにして形成された空隙部53内には差圧応動部
材54が遊嵌されている。そして受圧壁51には、更に各オ
リフイス381〜384と直列に貫通孔55が形成されており、
この貫通孔55内に向けて開口する側孔56内には、遠隔操
作により貫通孔55の開度を調整するための開度調整弁57
が配設されている。開度調整弁57としては、例えば電磁
バルブとか、遠心重錘により作動する慣性バルブとか、
シフトレバーにワイヤーを介して連動するシフトレバー
連動バルブ等が考えられる。このような開度調整弁57の
作動により、流体封入防振装置に例えば自動車の変速シ
ョックのような動的な大荷重が加わる際には、事前に貫
通孔55を閉塞するかその開度を小さくして大荷重に備え
ることができる。
第9図には本発明の実施例に基づく別の流体封入防振
装置が示されている。弾性材接合部59と取付ボルト部60
とを有する取付部材58は、弾性材接合部59の対向する他
の弾性材接合部61と連結腕62により連結されている。弾
性材接合部59と支持部材63との間には弾性材64が介装さ
れているとともに、弾性材接合部61と支持部材63との間
には弾性材65が介装されており、これら弾性材64,65及
び支持部材63により非圧縮性流体が密封された流体室66
が形成されている。流体室66内においては、複数のオリ
フイス681〜684を有する隔壁67と、環状の保持体69の内
周側に形成された環状溝70に弾性材73を介して周辺部が
遊嵌され、中央部には各オリフイス681〜684の直列にオ
リフイス72を有する差圧応動部材71とが配設されてい
る。
以上の実施例からも明らかなように、本発明を適用し
た場合には、隔壁に設けられるオリフイスの有効通路面
積が同オリフイスを有効長さの割合に比較的大きくなっ
てしまい、該オリフイスによるダンピング効果が比較的
低くなるが、本発明においては、流体室内に該オリフイ
スと直列に差圧応動部材を特設しているため、防振装置
としての必要なダンピングを確保することが可能とな
る。この場合、オリフイスと差圧応動部材とが直列の関
係で配設されている限り、オリフイスと差圧応動部材の
位置関係を図示の位置関係とは逆にしても、差圧応動部
材の前述の作用は殆ど変わらないので、流体封入防振装
置の性能は殆ど変らず、ほぼ同等の効果が得られる。
又弾性材の共振を抑制するためのオリフイスの有効通
路面積を比較的小さ目にするか、あるいはオリフイスの
有効長さを比較的長目にすると、オリフイス部の流体の
共振周波数が多少低周波側へ移動し、第10図のように50
〜200Hzの2次振動領域における流体封入防振装置の動
ばね定数を重点的に低下させることができる。これとは
逆にオリフイスの有効通路面積を比較的大き目にする
か、或いはオリフイスの有効長さを比較的短目にする
と、オリフイス部の流体の共振周波数が多少高周波側へ
移動し、第11図のように高周波領域における流体封入防
振装置の動ばね定数を重点的に低下させることができ
る。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、流体封入防振装置にお
いて、流体室内の隔壁に設けられたオリフイスの孔内と
この近傍の流体の共振周波数が流体室壁の少なくとも一
部を形成する弾性材の共振周波数にほぼ等しくなるよう
に、オリフイスの有効長さと有効面路面積との比が設定
されるので、振動体の振動に伴い弾性材に共振現象が生
じた時には、その弾性材の共振に因る負の損失ばね定数
の値と、オリフイスの孔内及びその近傍の流体の振動の
共振による正の損失ばね定数の値とが互いに十分に打ち
消し合い、その結果、弾性材の共振に起因した略50〜20
0Hzの2次振動領域及び高周波領域における動ばね定数
の低下が防止され、2次振動領域から孔周波領域までの
ばね特性が改善される。
また前記比の設定に伴い、オリフイスの有効通路面積
が有効長さの割合にかなり大きくなって該オリフイスに
よるダンピング効果が比較的低くなっても、本発明にお
いては、流体室内に該オリフイスと直列に差圧応動部材
を特設しているため、防振装置としての必要なダンピン
グを確保することができ、例えば弾性材に大振幅変位が
生じた場合でもその振動を効果的に減衰することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に基づく流体封入防振装置の
縦断面図、第2図は差圧応動部材にオリフイスを形成し
た場合の縦断面図、第3図はオリフイス及び差圧応動部
材と並列にオリフイスを形成した場合の縦断面図、第4
図は差圧応動部材の周縁部に弾性材を接合した場合の縦
断面図、第5図は複数の差圧応動部材を備えた流体封入
防振装置の縦断面図、第6図は差圧応動部材にたるみを
持たせた場合の縦断面図、第7図は差圧応動部材46と並
列に感圧弁49,50を配設した場合の縦断面図、第8図は
差圧応動部材54と並列に開度調整弁57を配設した場合の
縦断面図、第9図は連結腕により互いに連結された弾性
材接合部と支持部材との間にそれぞれ弾性材が介装され
た場合の流体封入防振装置の縦断面図、第10図は2次振
動領域の動ばね定数を重点的に低下させた場合の流体封
入防振装置の動ばね特性図、第11図は高周波領域の動ば
ね定数を重点的に低下させた場合の流体封入防振装置の
動ばね特性図、第12図は従来の流体封入防振装置の共振
状態を示す縦断面図、第13図は第12図の流体封入防振装
置の動ばね特性図、第14図は第12図の流体封入防振装置
において隔壁を取り除いた場合の縦断面図、第15図は第
14図の流体封入防振装置を振動工学的にモデル化したと
きのモデル図、第16図は第14図の流体封入防振装置の絶
対ばね定数線図、第17図は第14図の流体封入防振装置の
損失ばね定数線図、第18図は第12図の流体封入防振装置
を振動工学的にモデル化したときのモデル図、第19図は
第12図の流体封入防振装置の絶対ばね定数線図、第20図
は第13図の流体封入防振装置の損失ばね定数線図、第21
図は第12図の流体封入防振装置においてオリフイスに栓
をした場合の縦断面図、第22図は第12図の流体封入防振
装置のオリフイスから排出される流体をメスシリンダに
集めて排出量を測定するようにした場合の縦断面図であ
る。 1,58,74,75……取付部材、4,63……支持部材、7,64,65,
79,80……弾性材、10,66,82……流体室、19,30,37,67…
…隔壁、201〜204,311〜314,381〜384,681〜684……オ
リフイス、23,24,27,36,42,54,46,71……差圧応動部材

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動体に取り付けられる取付部材(1,58,7
    4,75)と、前記振動体を支持するための支持体側に取り
    付けられる支持部材(4,63)との間に前記取付部材(1,
    58,74,75)及び支持部材(4,63)に一体的に接合した状
    態で弾性材(7,64,65,79,80)が介装され、前記弾性材
    (7,64,65,79,80)は前記振動体の振動に応じて変形す
    るようにして非圧縮性流体が密封された流体室(10,66,
    82)の室壁の少なくとも一部を形成しており、前記流体
    室(10,66,82)はオリフイス(201…,311…,381…,681
    …)を備えた隔壁(19,30,37,67)により2分されてい
    る流体封入防振装置であって、 前記流体室(10,66,82)内には、流体圧の変動により生
    じる表裏間の差圧に応動して規制された範囲内で変位す
    る差圧応動部材(23,24,27,36,42,46,54,71)が、前記
    隔壁(19,30,37,67)のオリフイス(201…,311…,38
    1…,681…)に対し直列に配設され、 前記オリフイスの有効通路面積をSw、前記オリフイスの
    有効長さをL、前記流体の密度をρ、前記弾性材の共振
    周波数をf1、前記弾性材の形状によるパラメータをa、
    前記共振周波数における弾性材の動ばね定数をk、前記
    弾性材の有効排液面積をSEとしたとき、前記オリフイス
    の有効長さLと有効通路面積Swとの比が、 であることを特徴とする流体封入防振装置。
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