JP2516006B2 - 廃糖蜜の脱色方法 - Google Patents

廃糖蜜の脱色方法

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勝志 村上
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昇二 嶋田
敬道 佐伯
昇 三本
達雄 布施
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ORIENTARU KOBO KOGYO KK
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は廃糖蜜を培養もしくは発酵等に用いる分野に
利用できるよう処理する方法に関するものである。
例えばパン酵母工業、アルコール工業、食品工業、ア
ミノ酸発酵工業、その他の発酵工業などに利用できるも
のである。
〔従来の技術〕 廃糖蜜は糖、ビタミン、ミネラル等を含み安価で供給
が安定していることから、一般に発酵培地原料として広
く利用されてきた。
しかしながらこれらの廃糖蜜は、砂糖製造の製糖工程
中で高温加熱処理されるため、メイラード反応が生じ、
これによって生成されるといわれるメラノイジン系の黒
褐色色素が含まれ、著しく着色されている。
そこで廃糖蜜を発酵培地として使用する際に、この色
素を有効に除去することがしばしば行われてきた。その
一例として活性炭等の吸着剤を用いる方法、親水性有機
溶媒を用いる方法、限外濾過膜を用いる等が行われてき
た。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来の技術のなかで活性炭や親水性有機溶媒を用いる
方法は活性炭の再生や溶媒の回収等に費用がかかり、ま
た副生する産業廃棄物の処理問題が発生するために実用
化が困難であった。更に限外濾過膜を用いる方法は、廃
糖蜜及びその含有物そのままでは膜の透過速度が小さ
く、一定量を得るためには大量の膜面積が必要であっ
て、そのために処理コスト等の問題点が残されていた。
従って廃糖蜜は一般的に満足した脱色の行われないま
ま発酵培地として用いられているのが常であった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、廃糖蜜の経済的な脱色方法とした、膜
濾過法について鋭意検討した結果、ある種の特定の濾過
膜を用いることにより廃糖蜜を水で適当な濃度に希釈す
るだけで直接濾過でき、かつ発酵に必要な糖やビタミン
類の損失もなく効果的に脱色させることを見いだした。
そしてまた工業化するには経済上、廃糖蜜の濾過速度
をたかめて、短時間に濾過膜を透過せしめる必要がある
ことを確認した。そのために種々検討した結果、廃糖蜜
に含有される発酵のための必要成分には何ら有害な変化
を生ぜしめることなく、濾過速度を上昇せしめる方法と
して、廃糖蜜を事前に発酵処理するのが好適であるとの
観点にいたった。
その観点にたって、酵素処理について広範な検討を加
えた結果、酵素のうち特にインベルターゼで廃糖蜜を処
理したところ、酵素処理を行わない廃糖蜜に比べて2〜
4割も透過速度が上昇しただけでなく、得られた透過液
は発酵成分に何も悪影響を受けていないという極めて有
用な新知見を得た。
本発明は、これらの新知見に基いてなされたものであ
って、限外濾過膜もしくは逆浸透膜を用いて、廃糖蜜お
よびその含有物をインベルターゼで処理したものを濾過
することを特徴とする脱色方法である。
本発明に使用する濾過膜は限外濾過膜及び逆浸透膜が
使用される。好ましくは糖の阻止率が0〜30%、脱色率
40〜90%の膜である。
ここでいう糖の阻止率とは、次式で表されるものであ
る。
また脱色率とは同様に次式で表されるものである。
膜素材としては特に限定は無く、ポリビニルアルコー
ル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミ
ド、ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリカー
ボネイト、ポリメチルメタクリレート、セルロース、そ
の他公知の重合体、またはそれらの混合物からなり、膜
の形状は、平膜、中空糸状、スパイラル状、管状等のい
ずれであってもよい。
濾過に際しては、一般に圧力は1〜50kg/cm2で行われ
る。また温度は常温ないし80℃で行われる。好ましくは
濾過速度を高めるために50〜70℃で行うのが最適であ
る。
また、糖濃度は、濾過速度と経済性を考慮して適宜決
定することができるが、通常は20〜50BX(ブリック
ス)、好ましくは40〜50BXで実施される。また、特に殺
菌処理の工程を取入れる必要はない。
本発明においては、廃糖蜜を事前にインベルターゼ処
理することが必要である。廃糖蜜は、上記したような糖
濃度に調節するのが好適であるが、格別の処理をしない
でも使用することができ、この点も本発明の重要な利点
の1つである。もちろん、従来から知られている加熱清
澄糖蜜が使用できることは当然である。
インベルターゼは、すべての起源のものが使用できる
し、精糖したもの、精製度の低いもの、または培養物の
ようにインベルターゼを含有したものも自由に使用でき
る。使用するインベルターゼに応じて処理する廃糖蜜の
pHを調節する必要があり、通常は5〜8の範囲が好まし
く、例えばAsp.oryzae由来のものは6〜8とするのが良
い。
このインベルターゼ処理によって廃糖蜜中のシューク
ロースがグルコールとフラクトースに分解されること
で、膜の透過速度を上昇することができる。膜本来の分
画分子量と比べて非常に小さいシュークロースを更に分
解しても意味がないようであるが、予想外の透過速度の
増大を得られた。この原因としては、シュークロースが
分解して更に低分子化したため、一層膜を通りやすくな
ったこと等が考えられる。
インベルターゼ濃度は、処理する廃糖蜜の種類や酵素
力価によって、使用時に適宜決定する必要がある。たと
えばパン酵母由来のインベルターゼ(2500〜5000units/
ml)の場合、糖濃度30%に希釈し加熱清澄した清澄糖蜜
1当り約0.25〜5ml程度とするのが好適である。
このようにしてインベルターゼを添加した後、40〜55
℃のインベルターゼの至適温度に保持しながら、静置な
いし攪はんして、5〜30時間処理を行い糖蜜中のシュー
クロースを転化する。
得られたインベルターゼ処理廃糖蜜は、そのまま前記
した濾過膜により濾過すれば良く、その際酵素処理をし
ない廃糖蜜、例えば従来の加熱清澄糖蜜よりも約2〜4
割も濾過速度が早くなり、処理が迅速化される。
〔実施例〕
糖濃度30%(BX42)に希釈した加熱清澄糖蜜20lに対
してインベルターゼ溶液25ml(パン酵母細胞壁由来、力
価3800units/ml)を加えて、48℃、100rpmの条件で5時
間転化処理し転化糖蜜を調整した。第1表に転化処理前
後の糖の分析結果を示す。
次に第2表に示す性能の外圧管状膜モジュールを有す
る濾過器により操作圧1.92MPa、温度55℃、線速度1.4m/
secの条件で上記の転化糖蜜の濾過を行った。また同時
に比較のため、転化処理を行っていない加熱清澄糖蜜を
用いて同条件で濾過を行い、その結果を第3表及び第1
図に示した。
上記の操作により得られた2種類の濾過液と、膜処理
を行っていない加熱清澄糖蜜を用いて、パン酵母の培養
を行った。その結果を第4表にしめす。
これらの検討結果から、膜による脱色の面では酵素転
化処理をしない従来の加熱清澄糖蜜に比べ、脱色率を変
化させることなく、透過速度を大幅に向上させることが
できた。また得られた透過液は性能面では、パン酵母の
培養において従来の透過液と同等の結果が得られ、酵素
転化処理が悪影響を及ぼさないことが明らかとなった。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば廃糖蜜をインベルターゼで処理
しているために、濾過速度が増大し、なおかつ、BX40〜
50の高い糖濃度でも脱色が効率よく行われた。
またインベルターゼによる処理は、脱色された廃糖蜜
の性能面でも悪影響がない。むしろシュークロースを資
化できない微生物の発酵原料として新らたな用途が考え
られる。
粘度が高く、不純物の多い廃糖蜜を膜で処理するため
には、透過速度が経済性を大きく支配する。すなわち元
来は透過速度が小さいため、工業的な利用では大きな膜
面積と、莫大な設備費を必要とする。更に、不純物によ
る膜面の汚染が激しいため膜の寿命が短く、膜交換に要
するランニングコストが増大する。したがって経済性を
高めるためには、所定量の廃糖蜜の濾過に要する総膜面
積を極力減少させることが必要になる。そのためにはい
かに単位面積当りの透過速度を高めるかが最大の要因と
なり、本発明におけるインベルターゼ処理による透過速
度の2ないし4割の向上による産業的意義は極めて大き
い。
【図面の簡単な説明】
図面は、インベルターゼ処理した加熱清澄糖蜜と従来か
らの加熱清澄糖蜜との透過速度の変化を図示したもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋田 昇二 東京都板橋区志村1−34−7 ジャンボ ール志村坂上303 (72)発明者 佐伯 敬道 大宮市二ツ宮29−30 (72)発明者 三本 昇 船橋市前原西4−13−9 (72)発明者 布施 達雄 平塚市御殿3−26−8

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】限外濾過膜もしくは逆浸透膜で、廃糖蜜及
    びその含有物をインベルターゼで処理したものを、濾過
    することを特徴とする廃糖蜜の脱色方法。
  2. 【請求項2】糖の阻止率が0〜30%、脱色率40〜80%の
    膜を用いることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の廃糖蜜の脱色方法。
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