JP2515334B2 - 耐熱性重合体の製造方法 - Google Patents

耐熱性重合体の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は有機ジイソシアネートと有機多価カルボン酸
あるいは有機多価カルボン酸無水物より得られる耐熱性
重合体の製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
有機ジイソシアネートと有機多価カルボン酸あるいは
有機多価カルボン酸無水物とを反応させて耐熱性重合体
を製造できることはよく知られているが、一般には繊
維、フィルム、成形品等の形態に加工して充分な物性を
発揮しうるような高分子量の重合体を得るのが困難であ
り、そのために接着剤、ワニス等の使用がほとんどであ
った。また反応に使用するジイソシアネートが反応時、
とくに高温下各種の副反応が生じ、その為にしばしば反
応中にゲル化したり、また副反応物が重合体中に混入す
るために重合体の耐熱性や諸物性を低下させる等の問題
があった。この為、上記反応系には各種の触媒が開発さ
れている。例えば(1)金属アルコキシド、金属フェノ
キシドを使用する方法:U・S・P.4.001.186、4.061.622
及び4.061.623、(2)ラクタメートを使用する方法:U
・S・P.4.021.412、4.094.864及び4.094.866、(3)
環状ホスホラスオキシドを使用する方法:U・S・P.4.15
6.065更に(4)多価カルボン酸のアルカリ金属塩を使
用する方法:特開昭57-151615、(5)アルカリ金属炭
酸塩または炭酸水素塩を使用する方法:特開昭58-1862
9、(6)アルカリ金属水酸化物を使用する方法:特開
昭58-67723等があげられる。しかるに上記の触媒を使用
しても、有機ジイソシアネートの副反応によりしばしば
ゲル化したり、あるいはポリイソシアネートの生成等が
生じやすく、線状で高分子量の重合体が得られにくいた
めに良好な物性のポリマーが得られないなどの問題点が
あった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は反応中にゲル化することのないまた有
機ジイソシアネートに帰因する副反応を抑制して線状の
高分子量重合体を製造する方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、かかる有機ジイソシアネートと有機多
価カルボン酸あるいは有機多価カルボン酸無水物とを反
応させて耐熱性重合体を製造する方法を検討した結果、
本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明は有機ジイソシアネートと有機多価カル
ボン酸あるいは有機多価カルボン酸無水物から成る群か
ら選ばれる化合物の1種以上とを反応させて耐熱性重合
体を製造する方法においてアルカリ金属弗化物複塩及び
/又は錯塩を触媒として使用することを特徴とする耐熱
性重合体の製造方法である。
本発明の使用できる有機ジイソシアネートとしては、
一般公知の有機ジイソシアネートがすべて利用できる
が、特に以下のものが例示できる。ジイソシアネートと
しては特開昭57-151615号に記載されているもの、例え
ば1,2−ジイソシアネートエタン、シクロヘキサン−1,4
−ジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘ
キシルイソシアネート)、m−キシレンジイソシアネー
ト、フェニレン−1,4−ジイソシアネート、フェニレン
−1,3−ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシア
ネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、ジフェニ
ルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルエー
テル−4,4′−ジイソシアネート、1,5−ナフタリンジイ
ソシアネートなどがある。
また本発明に使用できる有機多価カルボン酸あるいは
有機多価カルボン酸無水物には以下のものが例示でき
る。例えば有機多価カルボン酸としては特開昭57-17922
3号に記載されているもの、例えばジカルボン酸として
は酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロテレフ
タル酸、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸、
ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸、チオフェン−2,5−
ジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、ナフタ
レン−2,6−ジカルボン酸、4,4′−ジフェニルメタン−
ビス−トリメリテイックイミド酸、4,4′−ジフェニル
エーテル−ビス−トリメリテイックイミド酸等がある。
またトリカルボン酸としてはブタン−1,2,4−トリカル
ボン酸、シクロヘキサン−1,2,3−トリカルボン酸、シ
クロペンタンジエニル−3,4,4′−トリカルボン酸、シ
クロペンタジエニル−1,2,4−トリカルボン酸、ベンゼ
ン−1,2,4−トリカルボン酸、ナフタレン−1,4,5−トリ
カルボン酸、ビフェニル−3,4,4′−トリカルボン酸、
ジフェニルスルホン−3,4,3′−トリカルボン酸、ジフ
ェニルエーテル−3,4,3′−トリカルボン酸、ベンゾフ
ェノン−3,4,4′−トリカルボン酸等がある。テトラカ
ルボン酸としては例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカ
ルボン酸、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸、シ
クロヘキサン1,2,3,4−テトラカルボン酸、ベンゼン−
1,2,4,5−テトラカルボン酸、ナフタレン2,3,6,7−テト
ラカルボン酸、ビフェニル−3,3′,4,4′−テトラカル
ボン酸、ベンゾフェノン−3,3′,4,4′−テトラカルボ
ン酸、ジフェニルエーテル−3,3′,4,4′−テトラカル
ボン酸、ジフェニルスルホン−3,3′,4,4′−テトラカ
ルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プ
ロパン、フラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、ピリジ
ン−2,3,5,6−テトラカルボン酸等がある。
また有機多価カルボン酸無水物としては、例えばトリ
カルボン酸より誘導される酸無水物、この場合、分子内
に1ケのカルボキシル基と1ケの酸無水物基を含み、さ
らにテトラカルボン酸より誘導される酸無水物、この場
合、分子内に2ケの酸無水物基を含むもの及び1ケの酸
無水物基と2ケのカルボキシル基を含むものがあり、以
下のものが例示できる。有機多価カルボン酸無水物の例
としては、例えばトリメリト酸無水物、ベンゼン−1,2,
3−トリカルボン酸無水物、ブタン−1,2,3,4−テトラカ
ルボン酸2無水物、ピロメリト酸2無水物、ジフェニル
−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸2無水物、ナフタリ
ン−2,3,6,7−テトラカルボン酸2無水物、ナフタリン
−1,4,5,8−テトラカルボン酸2無水物、ジフェニルエ
ーテル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸2無水物、ジ
フェニルスルホン−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸2
無水物、ジフェニルケトン3,3′,4,4′−テトラカルボ
ン酸2無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン2無水物、フラン−2,3,4,5−テトラカル
ボン酸2無水物、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン
酸2無水物などがある。
有機ジイソシアネートと有機多価カルボン酸あるいは
有機多価カルボン酸無水物より得る耐熱性重合体には
(1)有機ジイソシアネートと有機多価カルボン酸、
(2)有機ジイソシアネートと有機多価カルボン酸及び
有機多価カルボン酸無水物、(3)有機ジイソシアネー
トと有機多価カルボン酸無水物に大別できるが、いずれ
も耐熱性重合体として有用であり、(1)により生成す
る重合体は骨格がアミド基より形成され、(2)の場合
はアミド基とイミド基より形成され、(3)の場合はイ
ミド基より形成される。
また本発明に使用するアルカリ金属弗化物の錯化合物
としては、アルカリ金属をMで示すと、MF・HFで示され
る弗化水素塩,M(XF4)で示されるテトラフルオロハロ
ゲン酸塩(XはCL、Br、Iである。)、MSbF4及びM2SbF
5で示される弗化アンチモン酸塩、mMF・nUO2Fで示され
る弗化ウラニル塩(m:nは3:2,5:2,3:1,4:1),mMK・nUF4
で示される弗化ウラン塩(m:nは1:6,1:3,1:2,1:1,2:
1),MCdF3及びM2CdF4で示される弗化カドミウム塩,MCrO
3Fで示される弗化クロム酸塩,M2S1F6で示される弗化珪
素酸塩,MBrF4で示される弗化臭素酸塩,M2ZrF6及びM3ZrF
7及びM4ZrF8及びMZrF5(OH)2で示される弗化ジルコニ
ウム酸塩,M2SnF6で示される弗化錫酸塩,MWF4及びM2WO2F
4及びM3WO3F3で示される弗化タングステン酸塩,M2FiF6
で示される弗化チタン酸塩,MTeF5及びM2TeO3F2で示され
る弗化テルル酸塩,m・KF・nThF4(m:nは1:1,1:2,2:1,1:
3,3:1,1:6,5:1)で示される弗化トリウム塩,M4PbF8で示
される弗化鉛酸塩,M2NbF7で示される弗化ニオブ酸塩,M2
PtF6で示される弗化白金酸塩,MVF4及びM2VF5及びM3VF6
及びMVOF4及びM3VOF5及びM2VOF5及びM2VOF3で示される
弗化バナジウム塩,MSiF6で示される弗化ビスマス酸塩,M
BeF3及びM2BeF4で示される弗化ベリリウム塩,MBF4で示
される弗化硼素酸塩,MMgF3及びM2MgF4で示される弗化マ
グネシウム酸塩,MMoF4及びM3Mo2F9及びM3MoO3F及びM2MO
F5及びM2MoO2F4で示される弗化モリブデン酸塩,MIO2F2
で示される弗化ヨウ素酸塩,M2PO3F及びMPO2F2及びMPF6
で示される弗化リン酸塩,MSO3Fで示される弗化硫酸塩等
があり、弗化水素カリウム,弗化水素セシウムが好まし
い。
本発明の方法による反応は実質的に無水の状態で、不
活性有機溶媒中、有機ジイソシアネートと有機多価カル
ボン酸あるいは有機多価カルボン酸無水物に触媒として
アルカリ金属弗化物の錯化合物を使用して、不活性ガ
ス、例えば窒素の雰囲気下で20℃〜250℃、好ましくは1
00℃〜200℃の温度で1〜20時間加熱する。反応に用い
る有機ジイソシアネートに対する有機多価カルボン酸あ
るいは有機多価カルボン酸無水物のモル比は1:0.70〜1.
30の範囲で使用するが、特に1:0.95〜1.10の範囲で使用
することが好ましい。この範囲以外では高分子量の耐熱
性重合体を得ることができない。触媒として使用するア
ルカリ金属弗化物の錯化合物の量は有機多価カルボン酸
あるいは有機多価カルボン酸無水物に対して0.01〜10モ
ル%が好ましく、特に0.1〜5モル%が好ましい。この
範囲より少ない量では高分子量重合体が得られにくく、
またこの範囲より多い量では生成重合体中に残存する触
媒残渣のために重合体の耐熱性を低下させるなど、品質
低下の問題をもたらす。原料であるイソシアネート及び
カルボン酸あるいは酸無水物、さらに触媒として使用す
るアルカリ金属弗化物の錯化合物は同時に反応系に仕込
んでも良く、また任意の順序で反応系に添加してもよい
が、通常は室温で同時に、もしくは溶媒を使用し、溶媒
中に原料及び触媒を供給させて行うとよい。また場合に
よっては原料であるイソシアネート及びカルボン酸ある
いは酸無水物のいずれか一方、好ましくはイソシアネー
トを所定の反応温度で連続的に添加反応させるとよい。
また溶媒は最終重合体の性質及び反応温度により適宜そ
の使用量を選択できる。一般には重合途中の増粘により
攪拌に支障をきたさない程度に溶媒を適宜増減する。
本発明で使用される有機溶媒としては、例えばN,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、ヘキサメ
チル燐酸トリアミドの様な鎖状もしくは環状のアミド類
又はホスホリルアミド類、あるいはジメチルスルホキシ
ド、ジフェニルスルホンのようなスルホキシドあるいは
スルホン類、テトラメチル尿素のような尿素類、ジメチ
ルエチレン尿素のような環状尿素類、あるいはベンゼ
ン、トルエン、キシレン、デカリン、シクロヘキサン、
ヘプタン、ヘキサン、ペンタン、塩化メチレン、クロル
ベンゼン、ジクロルベンゼン、テトラヒドロフランなど
が用いられる。
重合終了後、重合体を固体で分離するには、重合体の
非溶媒中に反応液を投入して重合体を沈澱させる。沈澱
させた重合体もさらに同様の非溶媒で十分に洗浄して残
存する触媒その他の不純物を除去する。洗浄後、重合体
は常温または高温下、場合によっては減圧下で乾燥させ
る。かくして得た重合体は溶融成形に供したり、場合に
よっては溶媒に再溶解してワニス、接着剤として利用し
たり、キャストフィルムや繊維の製造に供することがで
きる。又重合液をそのまま紡糸用ドーブとして供するこ
とができる。
〔実施例〕
以下に本発明の方法を実施例によって説明するが、こ
れらによって本発明が限定されるものではない。
〔実施例1〕 攪拌機、温度計、コンデンサー、滴下ロート、窒素導
入管を備えた500mlセパラブルフラスコ中にテレフタル
酸3.655g(0.0220モル)、イソフタル酸32.89g(0.1980
モル)、弗化水素カリウム0.156g(2.0×10-3モル)及
び溶媒テトラメチレンスルホン412mlを投入し、混合物
を200℃に昇温し、トリレン−2,6−ジイソシアネート3
8.43g(0.2207モル)を2時間で滴下し、さらに2時間
攪拌を続けた後、室温迄冷却した。冷却途中、重合溶液
はスラリー状となり、ポリマーが析出した。このポリマ
ーを取り出し、多量のメタノールで充分洗浄し、150℃
で3時間減圧乾燥した。得られたポリマーの対数粘度
(溶媒として濃硫酸を使用、ポリマー0.1g/100cc、30℃
での粘度(ηinh))は2.7であった。またポリマーのIR
スペクトルより、1.660cm-1、1.530cm-1にアミドの吸収
を認めた。またこのポリマーをジメチルアセトアミドに
溶解させ10重量%の溶液(ドープ)として、これをガラ
ス板上にキャストし、50℃1時間減圧乾燥したフィルム
をガラス板から剥離し、これを枠に固定状態として280
℃で3時間減圧乾燥して、透明で強靱なフィルムを得
た。このフィルムの引張強度は1180Kg/cm2で伸び13%で
あった。フィルムのTgは265℃(TMA法)で、熱天秤(空
気中10℃/min試料10mg)から求めた5重量%減量温度は
420℃であった。
このフィルムを280℃で空気中に放置し、引張強度が
半減する時間を求めたところ470時間であった。
〔比較例1〕 アルカリ金属弗化物の錯化合物の代わりにアルカリ金
属弗化物として弗化カリウム0.021g(3.6×10-4モル)
を用いた他は、実施例1と同様にしてポリマー及びフィ
ルムをえた。
ポリマーの対数粘度は2.6であり、フィルムの280℃空
気中に放置した場合の引張強度が半減する時間を求めた
ところ380時間であった。
〔比較例2〕 触媒としてアルカリ金属弗化物の錯化合物の代わりに
ナトリウムメトキシド0.0980g(0.0018モル)を用いた
他は、実施例1と同様にしてポリマー及びフィルムをえ
た。
ポリマーの対数粘度は1.1であり、このフィルムの引
張強度は950Kg/cm2で伸び4%であった。またフィルム
のTgは256℃(TMA法)で、熱天秤(空気中10℃/min試料
10mg)から求めた5重量%減量温度は385℃であった。
さらにフィルムの280℃空気中に放置した場合の引張
強度が半減する時間を求めたところ210時間であった。
〔実施例2〕 実施例1と同様の装置を用いてポリアミドイミドの重
縮合を行った。トリメリト酸無水物20.05g(0.1044モ
ル)、硼弗化カリウム0.127g(1.01×10-3モル)、及び
N,N′−ジメチル−エチレン尿素300mlを仕込み、混合物
を窒素中で攪拌しながら200℃に加熱した。混合物をこ
の温度に維持し、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシ
アネート19.88g(0.0789モル)とトリレン−2,6−ジイ
ソシアネート4.58g(0.0263モル)をN,N′−ジメチルエ
チレン尿素50mlに溶解した溶液を4時間で滴下した。更
に2時間反応を行った後、室温まで冷却した。このもの
を多量のメタノール中に投入してポリマーを沈澱させ、
濾過し、さらに多量のメタノールで充分洗浄し、150℃
で3時間減圧乾燥した。得られたポリマーの対数粘度は
1.21であった。このポリマーのIRスペクトルはイミド基
に基づく1770cm-1、1720cm-1の吸収とアミド基に基づく
1660cm-1、1530cm-1の吸収等を認めた。
このポリマーをN−メチルピロリドンに溶解した溶液
(10重量%)から実施例1と同様の方法で作ったキャス
トフィルムは淡黄緑の強靱なフィルムであり、引張強度
1200Kg/cm2、伸び23%でフィルムのTgは258℃であっ
た。このポリマーの熱天秤測定による5重量%減量温度
は470℃であった。
このフィルムを280℃空気中に放置し、引張強度が半
減する時間を求めたところ710時間であった。
〔比較例3〕 硼弗化カリウムの代わりに弗化カリウム0.091g(1.56
×10-3)を用いた以外は実施例2と同様にしてポリマー
およびフィルムをえた。
ポリマーの対数粘度は1.08であり、このフィルムの引
張強度は1050Kg/cm2、伸び25%であった。またフィルム
の280℃空気中に放置した場合の引張強度が半減する時
間を求めたところ650時間であった。
〔実施例3〕 実施例1と同様の装置を用いてポリイミドの重合を行
った。ベンゾフェノン−3,3′,4,4′−テトラカルボン
酸2無水物25.82g(0.0802モル)、弗化水素セシウム0.
0856g(5.0×10-4モル)及びN,N′−ジメチルエチレン
尿素250mlを仕込み、混合物を200℃に維持してジフェニ
ルエーテル−4,4′−ジイソシアネート15.23g(0.0605
モル)とトリレン−2,6−ジイソシアネート3.51g(0.02
01モル)をN,N′−ジメチルエチレン尿素50mlに溶解し
た溶液を2時間で滴下しながら反応させた。更に2時間
反応を続けた後室温まで冷却した。この重合液の一部を
多量のメタノール中に投入してポリマーを凝固させ続い
て充分に洗浄の後、150℃で3時間減圧乾燥して淡黄色
粉末を得た。このポリイミドの対数粘度は1.31であっ
た。またこの重合液の一部をガラス板の上にキャスト
し、実施例1と同様にして乾燥して淡褐色透明の強靱な
フィルムを得た。このフィルムは、引張強度1210Kg/cm
2、伸び46%であった。
さらにこのフィルムを320℃空気中に放置し、引張強
度が半減する時間を求めたところ860時間であった。
〔比較例4〕 弗化水素セシウムの代わりに弗化セシウム0.1825g
(1.20×10-3)を用いた以外は実施例3と同様にしてポ
リマーおよびフィルムをえた。
ポリマーの対数粘度は1.25であり、またフィルムの32
0℃空気中に放置した場合の引張強度が半減する時間を
求めたところ660時間であった。
〔発明の効果〕
本発明により高分子量の重合体の製造が可能となり、
またこの重合体は耐熱性のほかに断熱性、耐放射線性、
熱時寸法安定性、機械特性、電気特性、耐薬品性さらに
難燃性等にも優れているため、各種の産業資材、防護材
料、複合材、補強材、電気絶縁材料等の高機能性工業材
料、さらに電気、電子分野、自動車、車輌、航空機工業
分野および衣料、インテリア分野で、成型品、フィル
ム、紙、繊維、ワニス、接着剤等に広く利用することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−156120(JP,A) 特開 昭63−273621(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機ジイソシアネートと有機多価カルボン
    酸あるいは有機多価カルボン酸無水物から成る群から選
    ばれる化合物の1種以上とを反応させて耐熱性重合体を
    製造する方法において、アルカリ金属弗化物の錯化合物
    を触媒として使用することを特徴とする耐熱性重合体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】有機ジイソシアネートと有機ジカルボン酸
    とを反応させて耐熱性重合体を製造する特許請求の範囲
    第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】有機ジイソシアネートと有機トリカルボン
    酸あるいはトリカルボン酸無水物から成る群から選ばれ
    る化合物とを反応させて耐熱性重合体を製造する特許請
    求の範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】有機ジイソシアネートと有機テトラカルボ
    ン酸あるいはテトラカルボン酸2無水物から成る群から
    選ばれる化合物とを反応させて耐熱性重合体を製造する
    特許請求の範囲第1項記載の方法。
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