JP2515238B2 - 手提げ収容箱 - Google Patents

手提げ収容箱

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JP2515238B2
JP2515238B2 JP5227931A JP22793193A JP2515238B2 JP 2515238 B2 JP2515238 B2 JP 2515238B2 JP 5227931 A JP5227931 A JP 5227931A JP 22793193 A JP22793193 A JP 22793193A JP 2515238 B2 JP2515238 B2 JP 2515238B2
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満 金原
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KINBARA NORITEN KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、手提げ収容箱に関し、
特に、手提げに用いる把持帯を収納する機能をもった手
提げ段ボール箱に関する。
【0002】
【従来の技術】段ボール箱は、比較的製造コストが安
く、しかも、ある程度の堅牢性を備えているため、種々
の物品を入れる収納箱として広く利用されている。ま
た、段ボール箱の素材は紙であり、非常に軽量の収納箱
が実現できる。このため、物品を輸送する場合の梱包箱
としても盛んに利用されている。
【0003】通常、段ボール箱は、予め設計された展開
図に基づいて裁断されたブランクを、所定の順序で折り
曲げることによって組み立てられる。最も一般的な直方
体状の段ボール箱は、上下、左右、前後の6面を構成す
る壁から構成されている。強度を確保する上で必要な場
合は、各面の壁がそれぞれ多層の段ボールによって構成
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、段ボー
ル箱は、そのままの状態では携帯しにくいという欠点が
ある。このため、お土産としてのギフト商品や葬儀の参
列者に手渡す返礼商品などを段ボール箱に収納した場
合、この段ボール箱を更に手提げの紙袋などに入れて手
渡しているのが実情である。このため、予め段ボール箱
を1つ1つ手提げの紙袋に入れる作業が必要になり、余
分な作業負担が課されることになる。また、このような
過剰包装は、資源節約の面からも問題である。
【0005】そこで、段ボール箱の携帯性を向上させる
ために、段ボール箱の外面にいわゆる手提げ用の吊り手
を取り付けたものも考案されている。一般に、吊り手を
構成する細長い把持帯の両端を、鋲などで段ボール箱の
上面壁に固着した手提げ段ボール箱が利用されている。
このような手提げ段ボール箱では、把持帯で構成される
吊り手の部分を握って携帯することができるため、手提
げの紙袋などは必要なくなる。
【0006】ところが、このような従来の手提げ段ボー
ル箱には、山積みにしたり、収納したりする場合に、吊
り手の部分が邪魔になるという別の問題が生じる。上述
のように、吊り手は段ボール箱の外面に鋲などで固着さ
れるため、常に段ボール箱の外面に異物が付着した状態
になる。このため、吊り手が取り付けられた面の上に、
別な段ボール箱を安定良く積み重ねることが困難にな
る。また、複数の手提げ段ボール箱を、大きな輸送用の
段ボール箱に収容する場合にも、吊り手が邪魔になり、
効率良く充填することができなくなる。
【0007】そこで本発明は、吊り手が邪魔になること
がなく、しかも美観を損なうことのない手提げ収容箱を
提供することを目的とする。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の第1の態
様は、物品を収容するための複数の壁を、それぞれ板状
部材によって構成した収容箱において、 上面壁を内側
層、中間層、外側層の3層の段ボールによって構成し、
中間層と外側層との間に、吊り手として用いる細長い把
持帯を配置し、中間層に所定間隔をおいて2つの貫通孔
を形成し、把持帯の両端部を貫通孔のそれぞれに箱の内
側に向かって挿通し、把持帯の両端部には、この両端部
が貫通孔から抜け出るのを阻止するための係止手段を形
成し、この係止手段が中間層と内側層との間に格納され
るようにし、 外側層に把持帯の中央部を箱の外部に引き
出すための開口窓を設け、吊り手を使用するときには、
把持帯の中央部を箱の外部に引き出した状態にし、吊り
手を使用しないときには、把持帯の中央部を外側層と中
間層との間に格納した状態にすることができるように
し、片面に美粧加工が施された1枚の段ボール上の一部
に、中間層領域、内側層領域、外側層領域、なる3つの
領域を、段ボールの外側輪郭部から内側に向かってこの
順に配置し、中間層領域を内側領域に対して美粧加工面
が外側を向くような態様で折り畳み、更に、内側領域を
外側領域に対して美粧加工面が外側を向くような態様で
折り畳み、中間層領域により中間層が形成され、内側層
領域により内側層が形成され、外側層領域により外側層
が形成されるようにしたものである。
【0012】(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1
の態様に係る手提げ収容箱において、収容箱本体の外部
に嵌合し、嵌合した状態において把持帯の中央部をケー
スの外部に引き出すための開口窓が形成された筒状ケー
ス、を更に設けたものである。
【0013】(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1
または第2の態様に係る手提げ収容箱において、開口窓
を、2つの貫通孔形成位置のそれぞれ近傍に配置される
短辺と、把持帯の長手方向に沿って伸びる長辺と、を有
する長方形部と、把持帯を箱の外部に引き出すために指
を挿入できるように、長辺の中央付近に長方形部の外側
に向かって形成された切り欠き部と、によって構成した
ものである。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【作 用】(1) 本発明の第1の態様によれば、吊り手
を構成する把持帯は、収容箱の外面に取り付けられるの
ではなく、3層構造からなる上面壁の中間層に取り付け
られる。そして、外側層には、この吊り手を外部に引き
出すための開口窓が設けられる。したがって、吊り手は
必要なときにのみ収容箱の外部へと引き出すことがで
き、必要ないときには、中間層と外側層との間に格納し
ておくことができるので、吊り手が邪魔になることはな
い。しかも、上面壁の内面を構成する内側層は、吊り手
を設けることにより構造上は何ら影響を受けることがな
いので、段ボール箱として内側の美観を損なうことがな
い。また、中間層/内側層/外側層の順に端から折り畳
む構造としたため、内側層の内側面および外側層の外側
面のいずれも美粧加工面になる上に、中間層の外側面も
美粧加工面になるので、外側層に形成された開口窓から
は、美粧加工面が露出することになり、段ボール箱とし
て外側の美観も損なうことがない。
【0018】(2) 本発明の第2の態様によれば、収容
箱本体の外部に嵌合する筒状ケースを更に設けるように
したため、収容箱本体は、前面壁を取り除いた構造とす
ることができ、収容する物品の出し入れが容易になる。
【0019】(3) 本発明の第3の態様によれば、開口
窓は長方形部と切り欠き部とによって構成される。長方
形部の輪郭は貫通孔形成位置近傍にくるため、貫通孔形
成部周辺の堅牢性を補強する効果が得られる。また、切
り欠き部を設けたため、把持帯の引き出し操作が容易に
なる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を図示する実施例に基づいて説
明する。図1は、本発明の一実施例に係る手提げ段ボー
ル箱の箱本体100を示す斜視図である。この箱本体1
00は、上面壁10、下面壁20、右側面壁30、左側
面壁40、後面壁50からなり、これらの各壁は、1層
または多層の段ボールによって構成されている。この箱
本体100の前面には壁はなく、開口状態となってお
り、ここから物品を出し入れすることができる。この実
施例では、上面壁10は、後述するように3層の段ボー
ルから構成されており、その外側層には図示されている
ような開口窓W1が形成されている。また、この開口窓
W1からは、把持帯70の一部分が外部に引き出されて
いる。この把持帯70は、吊り手として用いる細長い帯
状のものであり、その両端部は、上面壁10の内部の層
(図示されていない)に取り付けられている。
【0021】この箱本体100の特徴は、図2に示すよ
うに、吊り手の部分を上面壁10内に格納することがで
きる点である。図2のように格納した状態では、把持帯
70は上面壁10の外側面のレベルよりも下がってお
り、箱本体100の上面には何ら障害物はない状態にな
る。したがって、吊り手を使用する場合にのみ、図1に
示すように、把持帯70を開口窓W1から引き出し、使
用しない場合には、図2に示すように、把持帯70を上
面壁10内に格納するようにすれば、従来の手提げ段ボ
ール箱のように吊り手が邪魔になることはない。
【0022】上述したように、この実施例では、箱本体
100の前面は開口状態となっているため、物品を完全
に収納するためには、この他に、図3に示すような筒状
ケース200を用いる。この筒状ケース200は、箱本
体100の外部に嵌合する大きさ、形状をしており、そ
の上面部210には、開口窓W2が形成されている。し
たがって、図4に示すように、把持帯70を格納した状
態にすれば、筒状ケース200の中に箱本体100を挿
入して嵌合させることができる。開口窓W2は開口窓W
1と同じ形状、同じ大きさであり、しかも嵌合させた状
態において同じ位置にくる。このため、図5に示すよう
に、筒状ケース200内に箱本体100を嵌合させた状
態では、両開口窓W1,W2は完全に重なることにな
り、把持帯70の一部を外部へと引き出し、吊り手とし
て使用することができる。また、図6に示すように、把
持帯70を格納すれば、筒状ケース200の上面には何
ら障害物はない状態になり、吊り手が邪魔になることは
ない。
【0023】このように、この手提げ段ボール箱では、
物品を収納した後、箱本体100と筒状ケース200と
を嵌合させ、図6に示す状態でストックすることが可能
である。吊り手が邪魔にならないため、多数の箱を積み
重ねることもできるし、輸送用の大きな段ボール箱に多
数を詰める場合にも、効率良く充填することができる。
そして、招待客などにこれを配布する場合には、図5に
示すように、把持帯70を引き出して吊り手を使用でき
る状態にして手渡すことができるので、手提げ付き紙袋
などは必要なくなる。
【0024】なお、筒状ケース200は、内部に収容し
た物品がこぼれ出るのを防ぐ機能を果たせればよいの
で、箱本体100ほどの堅牢性は要求されない。したが
って、この実施例では、箱本体100を段ボールによっ
て構成したのに対し、筒状ケース200は段ボールより
も薄い、いわゆる厚紙で構成した。もちろん、筒状ケー
ス200を段ボールで構成してもかまわない。
【0025】以上のように、この実施例の手提げ段ボー
ル箱は、箱本体100と筒状ケース200とを嵌合させ
ることにより構成される。この手提げ段ボール箱の正面
図を図7に、側面図を図8に示しておく。いずれの図に
も、把持帯70を外部に引き出し、吊り手を使用できる
状態にした様子が示されている。
【0026】図9に、把持帯70の詳細な正面図を示
す。この把持帯70は柔軟性をもった樹脂製の細長い帯
状のものであり、一体成型により製造されたものであ
る。左端部71および右端部72の中間に中央部73が
位置し、全体的に円弧状に湾曲している。左端部71の
下面には係止爪部74が、右端部72の下面には係止爪
部75が、それぞれ形成されている。この把持帯70の
下面図を図10に、切断線11−11による側断面図を
図11に、それぞれ示す。係止爪部74,75は、それ
ぞれ端部71,72から内側方向に分岐して伸びる爪状
の突起である。これらの係止爪部74,75は、図9に
矢印Aに示す方向に関しては、ある程度動くことがで
き、いわば爪を倒した状態にすることができるが、矢印
Aと反対の方向に関しては、これ以上動くことはない。
【0027】続いて、この把持帯70の取り付け部分の
構造を詳述する。図12は、図8に示す手提げ段ボール
箱を、切断線12−12で切った部分正断面図(拡大
図)である。前述したように、この実施例では、上面壁
10は、外側層11、中間層12、内側層13、の3層
の段ボールによって構成されている。また、右側面壁3
0も外側層31、中間層32、内側層33、の3層の段
ボールによって構成されており、同様に、左側面壁40
も外側層41、中間層42、内側層43、の3層の段ボ
ールによって構成されている。ここで注目すべき点は、
上面壁10を構成する各層間には所定の間隙が保たれて
いる点である。しかも、中間層12には、所定間隔をお
いて2つの貫通孔S1,S2が形成されている。実際に
は、この貫通孔S1,S2は、図12における紙面に垂
直な方向に伸びた細長いスリットである。貫通孔S1に
は、図の上方から下方に向かって、別言すれば箱の外側
から内側に向かって、把持帯70の左端部71が挿入さ
れており、同様に、貫通孔S2には、右端部72が挿入
されている。また、外側層11には開口窓W1が形成さ
れ、筒状ケース200の上面部210には開口窓W2が
形成されているため、図12に示すように、これらの開
口部W1,W2を通して、把持帯70の中央部73を外
部に引き出すことができる。このように外部に引き出さ
れた中央部73はループを構成し、吊り手として利用す
ることができる。
【0028】係止爪部74,75は、把持帯70を吊り
手として利用する場合に、左端部71および右端部72
が貫通孔S1,S2から抜け出るのを阻止する働きをす
る。すなわち、図12に示すように、中央部73を外部
へと引き出した状態において、係止爪部74および係止
爪部75は中間層12の内側面に当接する。したがっ
て、左端部71および右端部72は、図12に示す状態
より更に上方へと引き上げられることはない。なお、係
止爪部74,75は、前述したように、ある程度倒した
状態にすることができるので、この箱を製造する段階に
おいて、把持帯70を取り付ける作業は非常に容易であ
る。すなわち、両端部71,72を図の上方から貫通孔
S1,S2に差し込み、そのまま押し込むようにすれば
よい。係止爪部74,75は、貫通孔S1,S2を通り
抜けるときには自然に倒れた状態になり、通り抜けた後
はもとどおり立った状態になる。こうして、両端部7
1,72を貫通孔S1,S2に差し込んで取り付けてし
まえば、把持帯70は箱に完全に取り付けられた状態と
なり、中央部73を引き上げても、把持帯70が引き抜
かれることはない。
【0029】さて、ここで、吊り手としてのループを構
成している中央部73を図の下方へ押し沈めるようにす
ると、把持帯70は図13に示すような状態になる。す
なわち、両端部71,72は、中間層12と内側層13
との間の空間において、それぞれ左右へとスライドし、
中央部73は開口部W1よりも沈んだ状態になり、外側
層11と中間層12との間の空間に格納された状態にな
る。逆に、開口窓W1,W2から指を差し込んで、中央
部73を掴み、上方へと引き上げれば、再び図12に示
すような吊り手が使用可能の状態になる。図12および
図13を参照すれば、吊り手をどのようにして格納した
り、使用可能状態にしたりするかが、容易に理解できよ
う。
【0030】続いて、上面壁10を構成する3層が、1
枚の段ボールからどのように構成されるかについて説明
しておく。図14は、図7に示す手提げ段ボール箱を、
切断線14−14で切った側断面図である。なお、この
図では、便宜上、筒状ケース200については厚みを無
視して描いてある。一般に、段ボール箱は、所定の展開
図どおりに裁断された1枚のブランクを折り込むことに
より組み立てられている。したがって、この箱の各壁を
構成する段ボール層は、もともとは、いずれも1枚のブ
ランク上に定義された1領域である。たとえば、図14
に示されている下面壁20を構成する外側層21,内側
層22、後面壁50を構成する層、上面壁10を構成す
る外側層11,中間層12,内側層13は、いずれも1
枚のブランク上に定義された1領域である。ここで、上
面壁10を構成する3つの層、すなわち、外側層11、
中間層12、内側層13の位置関係に注目すると、1枚
のブランクの端部から、中間層領域、内側層領域、外側
層領域、の順に定義され、このブランクを折ることによ
り、外側層11、中間層12、内側層13が形成されて
いることがわかる。
【0031】実は、このような折り方により上面壁10
を構成する3層を形成すると、意匠上、優れた効果が得
られる。一般に、化粧箱と呼ばれている段ボール箱で
は、段ボールの地肌そのものの上に美観を向上させるた
めの美粧加工が施される。上述のような折り方によって
上面壁10を構成すると、この美粧加工がブランクの片
面だけで済むのである。いま、図14において、後面壁
50を構成する層の右側面(外側面)が美粧加工面であ
るとし、反対側の左側面(内側面)には美粧加工は施さ
れていないものとする。ここで、1枚のブランクとして
の面の連続性を追跡してみれば、上面壁10に関して、
外側層11の上面(外側面)、内側層13の下面(内側
面)、中間層12の上面(外側面)、がいずれも美粧加
工面となる。同様に、下面壁20に関して、外側層21
の下面(外側面)および内側層22の上面(内側面)が
美粧加工面となる。ここで、後面壁50の内側面は物品
の陰になることを考えれば、ブランクの片面にしか美粧
加工面を施していないにもかかわらず、目に触れるすべ
ての露出面が美粧加工面となるのである。
【0032】特に注目すべき点は、中間層12の上面
(外側面)が美粧加工面となる点である。この中間層1
2は、外側層11と内側層13との間に挟まれ、本来は
目に触れない層であるが、外側層11および筒状ケース
200には、開口窓W1,W2が形成されているため、
この開口窓W1,W2の部分から中間層12の外側面の
一部分が露出して見えることになる。この様子は、把持
帯70を格納した状態を示す図15を参照すれば、容易
に理解できるであろう。上述の折り方で上面壁10を構
成すれば、中間層12の外側面はうまい具合に美粧加工
面となるため、開口窓W1,W2を通して部分的に露出
して見えても、意匠の点では全く問題がないのである。
【0033】最後に、開口窓W1,W2の形状、および
開口窓W1,W2と貫通孔S1,S2との位置関係につ
いての好ましい態様について述べておく。図16は、筒
状ケース200の上面図であり、内部に嵌合された箱本
体100の位置が破線で示されている。上面部210に
は、開口窓W2が形成されているが、この実施例では、
この開口窓W2は、4辺a〜dで囲まれた長方形部と、
この長方形部の両脇に隣接して設けられた切り欠き部
e,fと、によって構成されている。一方、図17は、
箱本体100の上面図であり、外側層11の上面には、
開口窓W1が形成されている。前述したように、開口窓
W1とW2とは、同じ形状、同じ大きさのものであり、
しかも、箱本体100を筒状ケース200に嵌合させた
状態において同じ位置にくるように形成されている。
【0034】図16および図17には、把持帯70の位
置が一点鎖線で示されている。この把持帯70との位置
関係を見ればわかるとおり、開口窓W2の長方形部の短
辺a,bは、把持帯70の幅よりもやや広くなってい
る。また、切り欠き部e,fは、この長方形部の長辺
c,dの中央付近に外側に向かって形成された半円状の
切り欠きであり、ここに指を挿入することにより、把持
帯70を容易に掴むことができ、引き出し操作が容易に
なる。
【0035】図18は、中間層12の上面図であり、貫
通孔S1,S2の形状および位置が明瞭に示されてい
る。貫通孔S1,S2は、把持帯70の幅に対応したス
リット状の窓である。把持帯70のうち、図に一点鎖線
で示す部分は中間層12の上面に位置する部分であり、
破線で示す部分は中間層12の下面に位置する部分であ
る。ここで、貫通孔S1,S2と、開口窓W1,W2と
の位置関係に注目すると、長方形部の短辺a,bが、ほ
ぼ貫通孔S1,S2の近傍に配置されていることがわか
る。このような配置は、貫通孔S1,S2形成部周辺の
堅牢性を補強する上で効果的である。特に、重量のある
物品を収容した箱を吊り手で保持した場合、全重量が貫
通孔S1,S2の周辺部分で支えられることになる。開
口窓W1,W2の輪郭部分をこの貫通孔S1,S2の位
置にもってくることにより、この重量による負担の一部
を外側層11および上面部210に分散させることがで
きるのである。
【0036】
【0037】以上、本発明を図示する一実施例に基づい
て説明した。本発明の特徴は、この実施例に示したよう
に、上面壁を3層構造として出し入れ自在な吊り手を取
り付けるとともに、露出部に美粧加工面が出るように
し、美観を損なわないようにしたものである。上面壁を
2層構造とした場合、このような美観に関する効果は得
られなくなる。図19に示す例は、上面壁10を2層構
造とした参考例の側断面図である。図15に示す前述の
実施例との相違は、上面壁10が外側層11と内側層1
3との2層によって構成されており、中間層12を有し
ない点である。把持帯70は外側層11と内側層13と
の間に格納される。しかしながら、前述した本発明に係
る3層構造の実施例がもつ2つの美観上の利点は損なわ
れている。第1の点は、把持帯70の両端部および係止
爪部が内側層13の内部に位置する状態になるため、箱
の内部に露出してしまうという点である。図15に示す
実施例では、把持帯70の両端部は完全に目に触れない
状態になっている。第2の点は、ブランクの片面のみに
美粧加工を施した場合、内側層13の上面(外側面)が
美粧加工面とはならないため、開口部W1,W2から美
粧加工されていない面が露出してしまうという点であ
る。本発明に係る特有の3層構造は、このように美観上
において特有のメリットが得られるのである。
【0038】図20に示す実施例は、筒状ケース200
を用いずに、箱本体100のみで利用できるようにした
ものである。前述の実施例では、図1に示すように、箱
本体100の前面は開口状態となっていたため、筒状ケ
ース200を嵌合して完全な密閉箱の状態にする必要が
あった。しかしながら、本発明の手提げ段ボール箱は、
必ずしも筒状ケース200を必要とするものではない。
箱本体100が、それ自身で密閉箱の状態となっていれ
ば、筒状ケース200は不要である。たとえば、図20
に示す実施例では、前面壁60が設けられており、箱本
体100がそれ自身で密閉容器となっている。物品の出
し入れを行う場合には、前面壁60を開閉する。この前
面壁60の開閉を行うために、この前面壁60を構成す
る段ボール層に連なって上蓋層14が設けられている。
この上蓋層14は、上面壁10の第4層目(最外層)を
構成する段ボール層であり、開口部W1と同じ形状、大
きさの開口部W3が形成されている。図には示されてい
ないが、この上蓋層14の右端部分に突起部を設けてお
き、この突起部を外側層11に形成されたスリットに差
し込むような構造にしておけば、この上蓋層14および
前面壁60を開閉自在にすることができる。
【0039】なお、上述の実施例では、「段ボール箱」
という文言を用いてはいるが、箱を構成する各壁の材質
は、段ボールと均等なもの(厚紙、木板、合成樹脂板な
ど)に置換することも可能である。したがって、本願に
おける「段ボール」という文言は、厚紙、木板、合成樹
脂板などの板状部材に広く置換できるものであり、「段
ボール箱」という文言は、これらの板状部材を用いて構
成される物品の収容箱を広く含む意味で用いているもの
である。更に、把持帯70としては、要するに吊り手と
して利用することができ、両端に何らかの係止手段を備
えたものであれば、どのようなものを用いてもよい。た
とえば、紐を把持帯70として用い、両端に結び目を作
ってこれを係止手段として用いることも可能である。
【0040】
【発明の効果】以上のとおり本発明に係る手提げ収容箱
によれば、3層構造をもった上面壁の内部に吊り手の部
分を格納することができるため、吊り手が邪魔になるこ
とがない。また、本発明に係る手提げ収容箱を利用すれ
ば、包装紙や手提げ紙袋等を用いる必要がなくなり、包
装の簡素化、省資源化が実現できる。しかも、物流時に
は吊り手が邪魔になることがないため、非常に効率良い
物流形態が可能になる。また、特有な3層構造としたた
め、片面のみに美粧加工を施した段ボールを材料として
用いた場合にも、美観が損なわれることはなく、特にギ
フト用品の収容に適したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る手提げ段ボール箱の箱
本体100を示す斜視図である。
【図2】図1に示す箱本体100において、吊り手の部
分を格納した状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示す箱本体100の外側に嵌合させる筒
状ケース200を示す斜視図である。
【図4】図1に示す箱本体100と図3に示す筒状ケー
ス200とを嵌合させる状態を示す斜視図である。
【図5】図1に示す箱本体100と図3に示す筒状ケー
ス200とを嵌合させ、手提げ段ボール箱を構成した状
態を示す斜視図である。
【図6】図5に示す手提げ段ボール箱において、吊り手
の部分を格納した状態を示す斜視図である。
【図7】図5に示す手提げ段ボール箱の正面図である。
【図8】図5に示す手提げ段ボール箱の側面図である。
【図9】図5に示す手提げ段ボール箱に用いる把持帯7
0の正面図である。
【図10】図9に示す把持帯70の下面図である。
【図11】図9に示す把持帯70の切断線11−11に
おける側断面図である。
【図12】図8に示す手提げ段ボール箱の切断線12−
12における拡大部分正断面図である。
【図13】図12に示す手提げ段ボール箱において、吊
り手の部分を格納した状態を示す図である。
【図14】図7に示す手提げ段ボール箱の切断線14−
14における側断面図である。
【図15】図14に示す手提げ段ボール箱において、吊
り手の部分を格納した状態を示す図である。
【図16】図5に示す手提げ段ボール箱における筒状ケ
ース200の上面図である。
【図17】図5に示す手提げ段ボール箱における箱本体
100の上面図である。
【図18】図5に示す手提げ段ボール箱における中間層
12の上面図である。
【図19】上面壁が2層構造をもった段ボール箱の参考
を示す側断面図である。
【図20】前面壁を有する段ボール箱に本発明を適用し
た実施例を示す側断面図である。
【符号の説明】
10…上面壁 11…外側層 12…中間層 13…内側層 14…上蓋層 20…下面壁 21…外側層 22…内側層 30…右側面壁 31…外側層 32…中間層 33…内側層 40…左側面壁 41…外側層 42…中間層 43…内側層 50…後面壁 60…前面壁 70…把持帯 71…左端部 72…右端部 73…中央部 74,75…係止爪部 100…箱本体 200…筒状ケース 210…上面部 S1,S2…貫通孔 W1〜W3…開口窓 a〜d…長方形部の4辺 e,f…切り欠き部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物品を収容するための複数の壁を、それ
    ぞれ板状部材によって構成した収容箱において、 上面壁を内側層、中間層、外側層の3層の段ボールによ
    って構成し、 前記中間層と前記外側層との間に、 吊り手として用いる
    細長い把持帯を配置し、前記中間層に 所定間隔をおいて2つの貫通孔を形成し、
    前記把持帯の両端部を前記貫通孔のそれぞれに箱の内側
    に向かって挿通し、前記把持帯の両端部には、この両端
    部が前記貫通孔から抜け出るのを阻止するための係止手
    段を形成し、この係止手段が前記中間層と前記内側層と
    の間に格納されるようにし、 前記外側層に 前記把持帯の中央部を箱の外部に引き出す
    ための開口窓を設け、 吊り手を使用するときには、前記把持帯の中央部を箱の
    外部に引き出した状態にし、吊り手を使用しないときに
    は、前記把持帯の中央部を前記外側層と前記中間層との
    間に格納した状態にすることができるようにし、片面に美粧加工が施された1枚の段ボール上の一部に、
    中間層領域、内側層領域、外側層領域、なる3つの領域
    を、段ボールの外側輪郭部から内側に向かってこの順に
    配置し、前記中間層領域を前記内側領域に対して美粧加
    工面が外側を向くような態様で折り畳み、更に、前記内
    側領域を前記外側領域に対して美粧加工面が外側を向く
    ような態様で折り畳み、前記中間層領域により前記中間
    層が形成され、前記内側層領域により前記内側層が形成
    され、前記外側層領域により前記外側層が形成されるよ
    うにしたことを特徴とする手提げ収容箱。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の手提げ収容箱におい
    て、 収容箱本体の外部に嵌合し、嵌合した状態において把持
    帯の中央部をケースの外部に引き出すための開口窓が形
    成された筒状ケース、を更に設けたことを特徴とする手
    提げ収容箱。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の手提げ収容箱
    において、 開口窓を、2つの貫通孔形成位置のそれぞれ近傍に配置
    される短辺と、把持帯の長手方向に沿って伸びる長辺
    と、を有する長方形部と、前記把持帯を箱の外部に引き
    出すために指を挿入できるように、前記長辺の中央付近
    に前記長方形部の外側に向かって形成された切り欠き部
    と、によって構成したことを特徴とする手提げ収容箱。
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