JP2515125Y2 - 多光軸光電スイッチ - Google Patents

多光軸光電スイッチ

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JP2515125Y2
JP2515125Y2 JP1991054011U JP5401191U JP2515125Y2 JP 2515125 Y2 JP2515125 Y2 JP 2515125Y2 JP 1991054011 U JP1991054011 U JP 1991054011U JP 5401191 U JP5401191 U JP 5401191U JP 2515125 Y2 JP2515125 Y2 JP 2515125Y2
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悟 市村
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サンクス株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、投光素子及び受光素子
の対を複数備え、検出エリア内への投光素子の点灯に同
期して対となる受光素子からの受光信号を有効化して検
出エリア内の遮光状態を検出するようにした多光軸光電
スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の光電スイッチは、広い検出エリ
アで物体の有無を検出できるので、例えば、プレス装置
の安全装置に利用される。その概略的構成は次の通りで
ある。即ち、対をなす投光素子及び受光素子を複数対設
け、制御回路からの信号により投光素子を1個ずつ順次
検出エリア内に向けて発光させる。一方、受光素子群は
複数の入力端子を備えた選択回路に接続され、それらの
受光素子群のうち発光している投光素子と対をなす1つ
の受光素子のみが投光素子の発光タイミングと同期して
選択回路により有効化される。
【0003】この場合、投光素子を順次点灯させるため
に、例えば、夫々の投光素子にシフトレジスタを接続
し、これらのシフトレジスタをシリアルに接続した構成
としている。そして、制御回路からクロック信号を出力
し、その出力タイミングでシフトレジスタの出力状態を
順次シフトさせるようにしている。また、このような構
成は、上述の選択回路においても用いられている。
【0004】受光素子による受光信号は、受光アンプに
より増幅された後選択回路を介して比較回路に入力さ
れ、比較回路によって所定の基準レベルと比較され、何
れかの受光素子における受光量が低くなったと判断され
たときには、その検出エリアのうちその投光素子と受光
素子によりなる光軸中に物体が侵入したことが判断され
る。
【0005】この場合、1つの投光素子が発光している
ときには、対をなす受光素子からの受光信号のみを有効
化するのは次の理由による。即ち、投光素子から発せら
れる光がそれと対をなす受光素子のみに入射されるとは
限らず、その近傍に設けられている受光素子にも比較的
強度の大きい光として入射する場合がある。従って、全
ての受光素子からの受光信号が等しく1つの比較回路に
入力される構成とすると、物体の侵入によってその光軸
が遮光状態にあるにも拘らず受光状態と判断してしま
い、物体の侵入を正確に検出できなくなるからである。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、投光側
において、例えば、投光素子を駆動する回路に故障等が
発生した場合、シフトレジスタが正常に動作していて
も、投光素子が所定のタイミングで1個ずつ点灯されな
くなる不具合が生ずる。
【0007】この場合、投光素子が2個以上同時に点灯
されると、光軸を遮光している侵入物がある場合でも、
他の投光素子からの光が遮光されずに本来点灯タイミン
グとなった投光素子に対応して設けられた受光素子に入
光する虞がある。すると、受光側では、投光素子からの
入光信号があるとして、遮光状態が判断されなくなるの
である。
【0008】本考案は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、簡単な構成で投光素子の点灯状態を検
出し、多重投光状態の発生等による誤検出を防止でき、
遮光状態の検出を確実に行なわせることができる多光軸
光電スイッチを提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本考案の多光軸光電スイ
ッチは、検出エリアに向けて光を照射すべく予め決めら
れたタイミングで順次点灯される複数の投光素子と、こ
れらの投光素子と対をなすように設けられて前記検出エ
リアからの光を受ける複数の受光素子と、これら各受光
素子からの受光信号をその対となる前記投光素子の点灯
タイミングに同期させて有効化する制御手段と、前記受
光素子からの受光信号に基づいて前記検出エリアにおけ
る遮光状態を判断する判断手段と、前記複数の投光素子
に供給される負荷電流を検出する電流検出手段と、この
電流検出手段による検出電流値が本体点灯タイミングと
なった投光素子の点灯に要する負荷電流の範囲を上回っ
ていたときは前記投光素子が動作異常であることを外部
に報知する状態検知手段とを設けて構成したところに特
徴を有する。
【0010】
【作用】本考案の多光軸光電スイッチによれば、所定タ
イミングで順次点灯される複数の投光素子の負荷電流が
電流検出手段により検出され、状態検知手段により、こ
のときの検出電流値が所定範囲内にあるか否かを判定す
る。これにより、例えば、1個の投光素子の点灯に要す
る負荷電流の範囲を超えて負荷電流が検出される場合、
即ち、ある点灯タイミングで複数個の投光素子が同時に
点灯されている等の多重投光状態を検知することによ
り、迅速な対応が可能となり、遮光状態の検出動作の信
頼性が向上する。
【0011】
【実施例】以下、本考案をプレス装置の安全装置等に用
いられる8光軸のエリアセンサに適用した場合の一実施
例について図面を参照しながら説明する。
【0012】図3は電気的構成の概略を示すもので、こ
のエリアセンサは、電気的に分離された投光器1及び受
光器2から構成されている。
【0013】まず、投光器1において、複数の投光素子
たる8個のLED(発光ダイオード)3a乃至3hは投
光回路4を介して状態検知手段たるマイクロコンピュー
タ5に接続されている。直流電源回路6は、マイクロコ
ンピュータ5に接続されると共に、電流検出手段たる電
流検出回路7を介して投光回路4に接続されている。
尚、電流検出回路7は、図1にも示すように、例えば、
通電電流に比例して端子電圧が得られる電流検出用抵抗
7aと、その端子電圧が与えられる2個の比較器7b,
7cから構成され、端子電圧が所定範囲内にあるとき
に、比較器7bは「H」レベル,比較器7cは「L」レ
ベルの信号をマイクロコンピュータ5に入力するように
なっている。
【0014】マイクロコンピュータ5は、後述するよう
に投光回路4を介してLED3a乃至3hに投光信号を
与えるようになっており、LED3a乃至3hは夫々検
出エリア8内に向けて8光軸の検出用の光を順次投射す
る。
【0015】また、マイクロコンピュータ5には投光器
1の動作状態を表示するための表示回路9が接続されて
いる。この表示回路9には表示用のLED9a(図1参
照)が配設されており、後述するように投光器1の動作
状態に応じてマイクロコンピュータ5から表示信号が与
えられるようになっている。
【0016】さて、上述の投光回路4は、図1に示すよ
うに構成されている。即ち、各LED3a乃至3hには
夫々を点灯駆動するための駆動回路10a乃至10hが
接続されている。各駆動回路10a乃至10hは、夫々
AND回路11a乃至11hの出力端子に接続されてい
る。AND回路11a乃至11hの各一方の入力端子
は、夫々投光用シフトレジスタ12a乃至12hの出力
端子Q0乃至Q7に接続されており、AND回路11a
乃至11hの各他方の入力端子はマイクロコンピュータ
5の出力端子Aに接続されている。
【0017】投光用シフトレジスタ12aのデータ入力
端子D0はマイクロコンピュータ5の出力端子Bに接続
され、出力端子Q0は投光用シフトレジスタ12bのデ
ータ入力端子D1に接続され、以下同様にして投光用シ
フトレジスタ12c乃至12hの出力端子とデータ入力
端子とが順次接続されている。そして、投光用シフトレ
ジスタ12hの出力端子Q7はマイクロコンピュータ5
に接続されている。また、投光用シフトレジスタ12a
乃至12hの各クロック入力端子CKはマイクロコンピ
ュータ5の出力端子Cに接続されている。
【0018】尚、投光回路4はLED3a乃至3dを投
光駆動するメイン回路部4aと、LED3e乃至3hを
投光駆動するサブ回路部4bとに分けた構成としてお
り、本実施例においては8光軸用として2つの回路部4
a,4bをシリアルに接続した状態で使用している。そ
して、サブ回路部4bの後段には、さらに同様のサブ回
路部をシリアルに接続可能となっている。
【0019】次に、受光器2において、複数の受光素子
たる8個のPD(フォトダイオード)13a乃至13h
は、受光回路14を介して制御手段たるマイクロコンピ
ュータ15に接続されている。直流電源回路16は、マ
イクロコンピュータ15に接続され、所定の直流電圧で
給電するようになっている。また、各PD13a乃至1
3hはLED3a乃至3hと夫々対をなすように検出エ
リア8に向けて配置構成されている。
【0020】受光回路14の出力線は、回線チェック回
路17を介してマイクロコンピュータ15に接続される
と共に、判断手段たる検出回路18を介してマイクロコ
ンピュータ15に接続されている。マイクロコンピュー
タ15には判断結果を出力する出力回路19が接続され
ると共に、判断結果を表示する表示回路20が接続され
ている。
【0021】後述するようにフォトダイオード13a乃
至13hにより受けた検出エリア8からの光は、電気的
な出力信号に変換されて回線チェック回路17及び検出
回路18を介してマイクロコンピュータ15に入力さ
れ、検出エリア8内の状態を判断するようになってい
る。
【0022】さて、上述の受光器2は、詳しくは図2に
示すように構成される。即ち、各PD13a乃至13h
には夫々受光信号を電気信号に変換する変換回路21a
乃至21hが接続されている。各変換回路21a乃至2
1hは夫々アナログスイッチ22a乃至22hを介して
検出回路18及び回線チェック回路17に接続されてい
る。アナログスイッチ22a乃至22hの各ゲートには
夫々受光用シフトレジスタ23a乃至23hの出力端子
Q0乃至Q7が接続されている。
【0023】尚、上述の回線チェック回路17は、アナ
ログスイッチ22a乃至22hのオン状態における出力
電圧により「H」レベルの出力,オフ状態の出力電圧に
より「L」レベルの出力をマイクロコンピュータ15に
与えるようになっている。
【0024】受光用シフトレジスタ23aのデータ入力
端子D0はマイクロコンピュータ15の出力端子aに接
続され、出力端子Q0は受光用シフトレジスタ23bの
データ入力端子Dに接続され、以下同様にして受光用シ
フトレジスタ23c乃至23hがシリアルに接続されて
いる。受光用シフトレジスタ23hの出力端子Q7はマ
イクロコンピュータ15に接続されている。また、受光
用シフトレジスタ23a乃至23hの各クロック入力端
子CKはマイクロコンピュータ15の出力端子bに接続
されている。
【0025】尚、受光回路14は、PD13a乃至13
dからの受光信号を受付けるメイン回路部14aと、P
D13e乃至13hからの受光信号を受付けるサブ回路
部14bとに分けた構成としており、本実施例において
は、8光軸用として2つの回路部14a,14bをシリ
アルに接続した状態で使用している。そして、サブ回路
部14bの後段には、さらに同様のサブ回路部をシリア
ルに接続可能となっている。
【0026】検出回路18は、遮光検出用の比較回路1
8a,安定入光検出用の比較回路18b及び波形整形回
路18cから構成されており、夫々受光回路14から検
出信号が与えられ、その出力をマイクロコンピュータ1
5に与える。また、マイクロコンピュータ15からは、
夫々の回路18a乃至18cにヒステリシス用のフィー
ドバック信号が与えられるようになっている。
【0027】遮光検出用の比較回路18aは、所定の入
光検出レベルを超える受光信号が与えられると、入光状
態を示す「H」レベルの信号をマイクロコンピュータ1
5に出力するようになっている。安定入光検出用の比較
回路18bは、上述の入光検出レベルよりも高い安定入
光検出レベルが設定されており、この安定入光検出レベ
ルを超える受光信号が与えられると、安定入光状態を示
す「H」レベルの信号をマイクロコンピュータ15に与
えるようになっている。また、波形整形回路18cは後
述するようにバースト信号が受光信号として与えられる
と、同期検出信号をマイクロコンピュータ15に与える
ようになっている。
【0028】出力回路19は、遮光の検出出力をする出
力回路19a及び不安定入光状態を報知するための警報
出力回路19bから構成されており、マイクロコンピュ
ータ15からの出力信号に応じて、出力端子に接続され
た図示しない負荷に出力を与える。
【0029】表示回路20は、3個のLED20a,2
0b,20cから構成され、例えば、LED20aは赤
色,LED20bは黄色,LED20cは緑色とされて
いる。そして、これらのLED20a乃至20cは、マ
イクロコンピュータ15からの表示出力信号に応じて、
夫々点灯,消灯或は点滅等のモードで動作されることに
より、後述するように受光状態を示す種々のモードで駆
動されるようになっている。
【0030】次に、本実施例の作用を以下に示す1サイ
クル(例えば5msecで1サイクル)中の各動作に分
けて、図4及び図5をも参照しながら説明する。即ち、
(1)待機状態,(2)同期信号検出,(3)外乱光の
検出動作,(4)遮光状態の検出動作,(5)投光状態
の検出動作及び(6)受光状態の検出動作である。
【0031】尚、図4のタイムチャートは、投光器1に
おけるマイクロコンピュータ5の各部からの出力信号及
び投光回路4の各部における出力状態を示すもので、図
1中にA乃至Kで示す部分の出力状態に相当する。ま
た、図5のタイムチャートは、受光器2におけるマイク
ロコンピュータ15の各部からの出力信号及び受光回路
14の各部における出力状態を示すもので、図2中にa
乃至jで示す部分の出力状態に相当する。 (1)待機状態 まず、投光器1において、マイクロコンピュータ5は、
投光用シフトレジスタ12aのデータ入力端子Dにパル
ス信号を入力する(図4(B)参照)と共に、投光用シ
フトレジスタ12a乃至12hのクロック入力端子CK
にクロック信号を入力する(図4(C)参照)。
【0032】これにより、投光用シフトレジスタ12a
の出力端子Q0は「H」レベルとなり(図4(D)参
照)、AND回路11aの一方の入力端子に「H」レベ
ルの信号が与えられた状態となる。これにより、AND
11aの他方の入力端子に「H」レベルの信号が与えら
れると、駆動回路10aによりLED3aが点灯される
状態となっている。
【0033】一方、受光器2において、マイクロコンピ
ュータ15は、受光用シフトレジスタ23aのデータ入
力端子Dにパルス信号を入力する(図5(a)参照)と
共に、受光用シフトレジスタ23a乃至23hのクロッ
ク入力端子CKにクロック信号を入力する(図5(b)
参照)。
【0034】これにより、受光用シフトレジスタ23a
の出力端子Q0は「H」レベルとなり、(図5(c)参
照)、アナログスイッチ22aは導通状態となる。これ
により、変換回路21aは、PD13aにより検出され
る受光信号を検出回路18に出力可能状態となる。
【0035】そして、以上によりLED3aからの投光
はPD13aにより検出可能な待機状態に設定される。 (2)同期信号検出 投光器1のマイクロコンピュータ5は、AND回路11
a乃至11hの各他方の入力端子に同期用のバースト信
号を出力する(図4(A)参照)。これにより、LED
3aは駆動回路10aにより駆動され、検出エリア8に
向けて同期検出用の光を投射する。
【0036】一方、受光器2においては、LED3aに
より検出エリア8に投射された同期検出用の光をPD1
3aにより受けると、変換回路21a及びアナログスイ
ッチ22aを介して波形整形回路18cに受光信号が入
力される。波形整形回路18cはこの受光信号のレベル
が所定値に達すると同期検出信号をマイクロコンピュー
タ15に入力する。
【0037】これにより、マイクロコンピュータ15
は、同期検出信号を受け、これを判定して所定長さの信
号であった場合に、以下に説明する所定の検出動作を行
なうべく、所定のタイミングで受光回路14に制御信号
を出力するようになる。 (3)外乱光の検出動作 投光器1において、マイクロコンピュータ5は、バース
ト信号を出力した後一定期間信号を出力しない状態が保
持される。即ち、AND回路11a乃至11hの各他方
の入力端子には「L」レベルの信号が与えられ、全ての
LED3a乃至3hは消灯状態となっている。
【0038】一方、投光器1により投光が行われない上
述の一定期間中に、受光器2においては、外乱光を検出
するために、次のように動作する。即ち、マイクロコン
ピュータ15は、受光用シフトレジスタ23a乃至23
hのクロック出力端子CKに短い間隔で連続した7個の
クロック信号を与える。
【0039】受光用シフトレジスタ23a乃至23hに
おいては、クロック信号が与えられる度に「H」レベル
の信号出力の状態が出力端子Q0からQ7に向けてシフ
トされてゆく(図5(c)〜(j)参照)。これによ
り、アナログスイッチ22aが導通状態であったのが、
順次アナログスイッチ22b乃至22hの導通状態へと
シフトされてゆき、PD13a乃至13hの受光信号を
順次検出回路18に与えるようになる。
【0040】いま、投光器1からは投光されていないの
で、上述の動作により受光信号は検出されない筈である
が、この状態で受光信号が検出される場合には投光器1
以外の光源からの光即ち外乱光が検出されたことにな
る。このようにして外乱光を検出した場合には、マイク
ロコンピュータ15は、表示回路20の赤色LED20
aに点滅信号を与えると共に、警報出力回路19bに
「H」レベルの信号を出力して「外乱光検出状態」を報
知する。
【0041】そして、上述の「外乱光検出状態」の報知
は、検出頻度が小さい場合つまり短時間で且つ1回でも
検出すると行ない、さらに、この「外乱光検出状態」が
例えば6μsec以上継続したり、或は3回のサイクル
で連続して検出された場合には、検出頻度が大であると
して、マイクロコンピュータ15は、上記に加えて検出
用出力回路19aにも検出信号を出力する。つまり、検
出出力を物体の侵入による遮光状態と同様の状態とする
ことによって安全側に働かせる。また、この出力状態は
ロックされ、電源がオフされるまで維持される。
【0042】尚、この場合、上記の外乱光検出のための
一定期間としては例えば800μsec程度の時間が設
定されている。 (4)遮光状態の検出動作 外乱光検出動作が終了すると、投光器1において、マイ
クロコンピュータ5は、AND回路11a乃至11hの
各他方の入力端子に所定間隔でパルス信号を順次出力す
る(図4(A)参照)と共に、このパルス信号のパルス
間に投光用シフトレジスタ12a乃至12hにクロック
信号を順次出力する(図4(C)参照)。これにより、
まず、初めの状態で投光用シフトレジスタ12aが
「H」レベルであることにより(図4(D)参照)、A
ND回路11aにパルス信号が与えられた期間中LED
3aが点灯される。
【0043】一方、受光器2においては、マイクロコン
ピュータ15は、受光用シフトレジスタ23aのデータ
入力端子Dに「H」レベルの信号を出力すると共に、受
光用シフトレジスタ23a乃至23hのクロック入力端
子CKに所定時間間隔をおいてパルス列を出力する。
【0044】これにより、受光用シフトレジスタ23a
の出力端子Q0から「H」レベルの信号が出力されてア
ナログスイッチ22aを導通状態とし、PD13aの検
出信号を有効化する。従って、上述のLED3aの点灯
時に、その光軸が物体の侵入により遮光されなければ、
LED3aからの投光はPD13aにより検出され、遮
光検出回路18aを介してマイクロコンピュータ15に
「H」レベルの入光状態を示す信号が出力される。
【0045】また、物体が侵入してLED3aの投光を
遮光しているときには、受光信号が出力されないことに
より、マイクロコンピュータ15は、遮光が1回検出さ
れたことを記憶する。そして、遮光の検出が2回以上連
続した場合には、マイクロコンピュータ15は「遮光状
態」と判断し、表示回路20の赤色LED20aを点灯
させると共に、出力回路19aに出力信号を与えるよう
になっている。
【0046】以下、LED3b乃至3h及びPD13b
乃至13hの夫々の対が順次動作され、各光軸の光を授
受する。そして、マイクロコンピュータ15は、上述同
様にして物体の侵入による「遮光状態」の有無を検出す
る。 (5)投光状態の検出動作 a.シフトレジスタの動作状態検出 投光器1において、マイクロコンピュータ5は、投光用
シフトレジスタ12hの出力端子Q7からの出力信号に
基づいて投光用シフトレジスタ12a乃至12hの動作
状態に異常がないかを検出する。
【0047】即ち、投光用シフトレジスタ12a乃至1
2hが正常に動作していれば、投光用シフトレジスタ1
2hの出力端子Q7は、マイクロコンピュータ5に図4
(K)に示すような信号を出力する筈である。マイクロ
コンピュータ5には予めこの正常動作時の出力パターン
が記憶されており、投光用シフトレジスタ12hからの
信号がその出力パターンに一致しないときには、投光用
シフトレジスタ12a乃至12hの何れかに故障が発生
していると判断し、表示回路9のLED9aに点滅信号
を出力すると共に全ての投光動作を停止する。
【0048】これにより、投光用シフトレジスタ12a
乃至12hの何れかが故障することによって、出力端子
に「H」レベル信号が出たままとなっていたり、出力信
号のシフト動作が行われない等の誤動作の発生を報知す
ることができる。また、全ての投光動作を停止させ、物
体の侵入による遮光状態と同様の状態にすることによっ
て安全側に働かせる。そして、この状態はロックされ、
電源がオフされるまで維持される。 b.多重投光異常の検出 前述したように、LED3a乃至3hへの通電は電流検
出回路7を介して行われ、その通電電流に応じて現われ
る検出電圧が所定範囲内にあれば、2個の比較器からは
夫々「H」レベル及び「L」レベルの検出信号が出力さ
れる。そして、点灯動作が正常に行われている場合に
は、LED3a乃至3hが、順次1個ずつ点灯されるよ
うになっているので、点灯時のの通電電流値は一定範囲
内となり、2個の比較器からは夫々「H」レベル及び
「L」レベルの信号が出力されている筈である。
【0049】マイクロコンピュータ5は、LED3a乃
至3hの夫々について通電点灯を実施したときに、電流
検出回路7からの検出信号が、「H」レベル及び「L」
レベルのときに正常と判断し、それ以外の場合には「異
常状態」と判断して表示回路9のLED9aに点滅信号
を出力すると共に全ての投光動作を停止する。
【0050】これにより、投光用シフトレジスタ12a
乃至12h,AND回路11a乃至11h或は駆動回路
10a乃至10hの何れかが故障してLED3a乃至3
hが同時に2個以上点灯されたり、或は1個も点灯され
なくなる状態を迅速に検出して報知することができる。
また、全ての投光動作を停止させ(2個以上点灯されて
いたとき)、物体の侵入による遮光状態と同様の状態に
することによって安全側に働かせる。そして、この投光
停止状態はロックされ、電源がオフされるまで維持され
る。 (6)受光状態の検出動作 a.入光(受光)レベル検出 受光器2において、PD13a乃至13hによる受光信
号は、安定入光検出回路18bにも入力されるようにな
っている。そして、前述のように、この安定入光検出回
路18bにおける安定検出レベルは、前述の遮光検出回
路18aの検出レベルよりも高いレベルに設定されてい
る。
【0051】安定入光検出回路18bは、受光信号が与
えられると、そのレベルが安定検出レベルと比較し、P
D13a乃至13hからの受光信号のレベルが安定検出
レベルを超えたときに、マイクロコンピュータ15に
「安定入光状態」を示す検出信号を出力する。また、こ
れに応じてマイクロコンピュータ15は、全てのPD1
3a乃至13hからの「安定入光状態」を示す検出信号
を得たときに、表示回路20の緑色のLED20cに点
灯信号を出力して「安定入光状態」を報知し、安定入光
検出回路18bにヒステリシス用のフィードバック信号
を与える。
【0052】一方、不安定な入光状態、例えば、光軸が
ずれていたり、或は図示しない装置の窓部等が汚れてい
たり粉塵等の付着により投光或は受光のレベルが低下し
ていたりする場合には次のように動作する。即ち、PD
13a乃至13hへの入光状態が不安定になっている
と、たとえ遮光検出回路18aの検出レベルを超える受
光信号であっても、安定入光検出回路18bの安定検出
レベルを超えていなければ、マイクロコンピュータ15
は「不安定入光状態」と判断する。
【0053】このとき、マイクロコンピュータ15は、
まず、表示回路20の黄色のLED20bに点灯信号を
出力して「不安定入光状態」を表示する。そして、この
「不安定入光状態」が例えば5秒間連続して検出される
と、マイクロコンピュータ15は、黄色のLED20b
に点滅信号を出力すると共に、警報出力回路19bに出
力信号を与えて報知する。
【0054】これにより、不安定な入光状態を早急に検
知して注意を促すことができ、誤検出を未然に防止する
ことができる。 b.シフトレジスタの動作状態検出 受光器2において、マイクロコンピュータ15は、受光
用シフトレジスタ23hの出力端子Q7からの出力信号
に基づいて受光用シフトレジスタ23a乃至23hの動
作状態に異常がないかを検出する。
【0055】即ち、受光用シフトレジスタ23a乃至2
3hが正常に動作していれば、受光用シフトレジスタ2
3hの出力端子Q7は、マイクロコンピュータ15に図
5(j)に示すような信号を出力する筈である。マイク
ロコンピュータ15には予めこの正常動作時の出力パタ
ーンが記憶されており、受光用シフトレジスタ23hか
らの信号がその出力パターンに一致しないときには、受
光用シフトレジスタ23a乃至23hの何れかに故障が
発生していると判断する。そして、マイクロコンピュー
タ15は、表示回路20の全てのLED20a乃至20
cに点滅信号を出力すると共に、検出出力回路19a及
び警報出力回路19bの両者に出力信号を与えて「異常
状態」である旨の報知を行なう。
【0056】これにより、受光用シフトレジスタ23a
乃至23hの何れかが故障することによって、出力端子
に「H」レベル信号が出たままとなっていたり、出力信
号のシフト動作が行われない等の誤動作の発生を報知す
ることができる。また、検出出力を物体の侵入による遮
光状態と同様の状態にすることによって安全側に働かせ
る。そして、この状態はロックされ、電源がオフされる
まで維持される。 c.アナログスイッチの動作状態検出 前述のように、回線チェック回路17は、アナログスイ
ッチ22a乃至22hの出力端子に接続されており、そ
の比較出力はマイクロコンピュータ15に入力されるよ
うになっている。そして、マイクロコンピュータ15
は、図5(b)に示すように、アナログスイッチ22h
の出力電圧を、受光動作が行なわれていない所定のタイ
ミング、即ち、アナログスイッチ22hのオン状態とオ
フ状態の2点で検出した回線チェック回路17からの出
力信号に応じて判断する。
【0057】マイクロコンピュータ15は、回線チェッ
ク回路17からの出力信号が上記2点の検出で「H」レ
ベルから「L」レベルに反転したときに正常に動作して
いると判断し、それ以外の場合には、検出回路18への
出力線が断線していたり、或はアナログスイッチ22a
乃至22hの何れかがオン状態のままとなっていたりす
る等の「異常状態」であると判断する。そして、マイク
ロコンピュータ15は、「異常状態」を判断すると、表
示回路20の全てのLED20a乃至20cに点滅信号
を出力すると共に、検出出力回路19a及び警報出力回
路19bの両者に出力信号を与えて「異常状態」である
旨の報知を行なう。
【0058】これにより、検出回路18への回線,受光
用シフトレジスタ23a乃至12h,アナログスイッチ
22a乃至22h或は変換回路21a乃至21hの何れ
かに故障が発生している場合には迅速に検出して報知す
ることができる。また、検出出力を物体の侵入による遮
光状態と同様の状態にすることによって安全側に働かせ
る。そして、この状態はロックされ、電源がオフされる
まで維持される。
【0059】尚、以上の各種検出動作による検出状態
は、投光器1及び受光器2の夫々の表示状態に対応させ
ると表1及び表2のようにまとめられる。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】 このような本実施例によれば、電流検出回路7によりL
ED3a乃至3hに順次流れる負荷電流を検出し、マイ
クロコンピュータ5によりその負荷電流値が一定範囲内
つまり1個分の負荷電流の範囲内にあるか否かを判断す
るようにしたので、同時に2個以上の点灯がある等の異
常状態が発生したときには、迅速にこの状態を検出する
ことができ、従って、簡単な構成で遮光状態の検出動作
の信頼性を向上できる。
【0062】尚、上記実施例においては、外乱光の検出
を、PD13a乃至13hについて一括して検出する一
定期間を設けて行なうようにしたが、これに限らず、例
えば、1光軸或は複数光軸の投光が終了する度に検出す
るようにしても良い。
【0063】また、上記実施例においては、警報出力回
路19bを設ける構成としたが、これに限らず、警報出
力による報知に代えて表示灯等により報知するように構
成しても良い。
【0064】さらに、上記実施例においては、本考案を
8光軸のエリアセンサに適用した場合について述べた
が、これに限らず、光軸を構成する投光素子と受光素子
の対が複数あるもの全般に適用できる。
【0065】
【考案の効果】以上説明したように、本考案の多光軸光
電スイッチによれば、電流検出手段により複数の投光素
子に供給される負荷電流を検出し、状態検知手段によ
り、その検出負荷電流が本来点灯タイミングとなった投
光素子の点灯に要する負荷電流の範囲を上回っていたと
きは前記投光素子が動作異常であることを外部に報知す
るようにしたので、複数の投光素子が予め決められたタ
イミングで順次点灯されていない場合には、検出負荷電
流値が所定範囲を上回ることにより、多重投光状態等の
異常状態を迅速に検出でき、従って、簡単な構成で遮光
状態の検出動作の信頼性を向上し得るという優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す投光器の電気的構成図
【図2】受光器の電気的構成図
【図3】全体構成のブロック図
【図4】投光器側の各部の信号出力状態を示すタイムチ
ャート
【図5】受光器側の各部の信号出力状態を示すタイムチ
ャート
【符号の説明】
1は投光器、2は受光器、3a乃至3hは発光ダイオー
ド(投光素子)、4は投光回路、5はマイクロコンピュ
ータ(状態検知手段)、7は電流検出回路(電流検出手
段)、8は検出エリア、9は表示回路、11a乃至11
hはAND回路、12a乃至12hはシフトレジスタ、
13a乃至13hはフォトダイオード(受光素子)、1
4は受光回路、15はマイクロコンピュータ(制御手
段)、17は回線チェック回路、18は検出回路(判断
手段)、18aは遮光検出回路、18bは安定入光検出
回路、18cは波形整形回路、19は出力回路、19a
は検出出力回路、19bは警報出力回路、20は表示回
路、20aは赤色LED、20bは黄色LED、20c
は緑色LED、22a乃至22hはアナログスイッチ、
23a乃至23hはシフトレジスタである。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出エリアに向けて光を照射すべく予め
    決められたタイミングで順次点灯される複数の投光素子
    と、これらの投光素子と対をなすように設けられて前記
    検出エリアからの光を受ける複数の受光素子と、これら
    各受光素子からの受光信号をその対となる前記投光素子
    の点灯タイミングに同期させて有効化する制御手段と、
    前記受光素子からの受光信号に基づいて前記検出エリア
    における遮光状態を判断する判断手段と、前記複数の投
    光素子に供給される負荷電流を検出する電流検出手段
    と、この電流検出手段による検出電流値が本体点灯タイ
    ミングとなった投光素子の点灯に要する負荷電流の範囲
    を上回っていたときは前記投光素子が動作異常であるこ
    とを外部に報知する状態検知手段とを具備したことを特
    徴とする多光軸光電スイッチ。
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