JP2515124Z - - Google Patents
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Description
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、投光素子及び受光素子の対を複数備え、検出エリア内への投光素子
の点灯に同期して対となる受光素子からの受光信号を有効化して検出エリア内の
遮光状態を検出するようにした多光軸光電スイッチに関する。 【0002】 【従来の技術】 この種の光電スイッチは、広い検出エリアで物体の有無を検出できるので、例
えば、プレス装置の安全装置に利用される。その概略的構成は次の通りである。
即ち、対をなす投光素子及び受光素子を複数対設け、制御回路からの信号により
投光素子を1個ずつ順次検出エリア内に向けて発光させる。一方、受光素子群は
複数の入力端子を備えた選択回路に接続され、それらの受光素子群のうち発光し
ている投光素子と対をなす1つの受光素子のみが投光素子の発光タイミングと同
期して選択回路により有効化される。 【0003】 この場合、投光素子を順次点灯させるために、例えば、夫々の投光素子にシフ
トレジスタを接続し、これらのシフトレジスタをシリアルに接続した構成として
いる。そして、制御回路からクロック信号を出力し、その出力タイミングでシフ
トレジスタの出力状態を順次シフトさせるようにしている。また、このような構
成は、上述の選択回路においても用いられている。 【0004】 受光素子による受光信号は、選択回路を介した後受光アンプにより増幅され、
比較回路によって所定の基準レベルと比較され、何れかの受光素子における受光
量が低くなったと判断されたときには、その検出エリアのうちその投光素子と受
光素子による光軸中に物体が侵入したことが判断される。 【0005】 この場合、1つの発光素子が発光しているときには、対をなす受光素子からの
受光信号のみを有効化するのは次の理由による。即ち、投光素子から発せられる
光がそれと対をなす受光素子のみに入射されるとは限らず、その近傍に設けられ
ている受光素子にも比較的強度の大きい光として入射する場合がある。従って、 全ての受光素子からの受光信号が等しく1つの比較回路に入力される構成とする
と、物体の侵入によってその光軸が遮光状態にあるにも拘らず受光状態と判断し
てしまい、物体の侵入を正確に検出できなくなるからである。 【0006】 【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、上記のような従来構成のものでは、投光用或は受光用シフトレ
ジスタの何れかで故障が発生したり、また、ノイズ等により誤動作した場合に、
これを制御回路側で認識できないため、対をなす投光素子と受光素子とが同時に
動作状態になっているか否かがわからない状況であった。そして、このような状
況では、遮光状態の検出が確実に実施できなくなる場合があり、誤検出等により
危険側に働いてしまう不具合がある。 【0007】 本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、シフトレジスタに
よる出力状態の異常を迅速に検出し、検出エリア内の検出動作を確実に行なわせ
ることができると共にシフトレジスタの動作異常時は安全側に確実に働かせるこ
とができる多光軸光電スイッチを提供するにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】 本考案の多光軸光電スイッチは、検出エリアに向けて光を照射する複数の投光
素子と、これら複数の投光素子の夫々に対応して設けられた複数の投光用シフト
レジスタと、これらの投光用シフトレジスタに制御信号を与えて前記投光素子を
所定タイミングで順次点灯させる投光制御手段とを有する投光器と、 前記投光素子と対をなすように設けられて前記検出エリアからの光を受ける複
数の受光素子と、これら複数の受光素子に対応して設けられた複数の受光用シフ
トレジスタと、これらの受光用シフトレジスタに制御信号を与えて前記受光素子
からの受光信号を前記投光素子の点灯タイミングに同期させて有効化する受光制
御手段と、前記受光素子からの受光信号に基づいて前記検出エリアにおける遮光
状態を判断する判断手段と、この判断手段からの遮光判断結果を外部に出力する
出力回路とを有する受光器とからなる多光軸光電スイッチにおいて、 前記投光器は、前記複数の投光用シフトレジスタの最終段の出力信号パターン
を検出して当該出力信号パターンが正常動作状態で予想される出力信号パターン
と異なっていたときは上記シフトレジストが動作異常であることを外部に報知す
ると共に前記投光制御手段に対して前記投光素子の点灯を停止させる第1の検知
手段を設け、 前記受光器は、前記複数の受光用シフトレジスタの最終段の出力信号パターン
を検出して当該出力信号パターンが正常動作状態で予想される出力信号パターン
と異なっていたときは上記シフトレジストが動作異常であることを外部に報知す
ると共に前記出力回路を遮光状態と同様の状態とする第2の検知手段を設けて構
成したところに特徴を有する。 【0009】 【作用】 本考案の多光軸光電スイッチによれば、投光制御手段及び受光制御手段は、複
数の投光素子及び受光素子の各対を順次動作させて検出エリア内の遮光状態を検
出する。 ここで、投光器の第1の検知手段は、投光用シフトレジスタの最終段の出力信
号パターンを検出し、上記シフトレジスタが正常に動作しているときに現われる
出力信号のパターンと比較して正常に動作しているかどうかを検出する。このと
き、両方のパターンが異なっていたときは、シフトレジストが動作異常であるこ
とを外部に報知すると共に投光制御手段に対して投光素子の点灯を停止させるの
で、受光器は遮光状態となり安全側に働く。 一方、受光器の第2の検知手段は、投光用シフトレジスタの最終段の出力信号
パターンを検出し、その出力信号パターンを上記シフトレジスタが正常に動作し
ているときに現われる出力信号のパターンと比較して正常に動作しているかどう
かを検出する。このとき、両方のパターンが異なっていたときは、シフトレジス
トが動作異常であることを外部に報知すると共に遮光状態と同様の状態とするの
で、受光器は遮光状態となり安全側に働く。 これにより、投光用及び受光用のシフトレジスタの動作状態を常に検出して、
異常が発生したときには迅速に検知でき、故障の修理等の対処を早急に行なえる
。 【0010】 【実施例】 以下、本考案をプレス装置の安全装置等に用いられる8光軸のエリアセンサに
適用した場合の一実施例について図面を参照しながら説明する。 【0011】 図3は電気的構成の概略を示すもので、このエリアセンサは、電気的に分離さ
れた投光器1及び受光器2から構成されている。 【0012】 まず、投光器1において、複数の投光素子たる8個のLED(発光ダイオード
)3a乃至3hは投光回路4を介して投光制御手段及び第1の検知手段を兼ね備
えたマイクロコンピュータ5に接続されている。直流電源回路6は、マイクロコ
ンピュータ5に接続されると共に、電流検出回路7を介して投光回路4に接続さ
れ、所定の直流電圧で給電されるようになっている。尚、電流検出回路7は、例
えば、通電電流に比例して端子電圧が得られる電流検出用抵抗とその端子電圧が
与えられる2個の比較器から構成され、端子電圧が所定範囲内にあるときに一方
の比較器は「H」レベル,他方の比較器は「L」レベルの信号をマイクロコンピ
ュータ5に入力するようになっている。 【0013】 マイクロコンピュータ5は、後述するように投光回路4を介してLED3a乃
至3hに投光信号を与えるようになっており、LED3a乃至3hは夫々検出エ
リア8内に向けて8光軸の検出用の光を順次投射する。 【0014】 また、マイクロコンピュータ5には投光器1の動作状態を表示するための表示
回路9が接続されている。この表示回路9には表示用のLED9a(図1参照)
が配設されており、後述するように投光器1の動作状態に応じてマイクロコンピ
ュータ5から表示信号が与えられるようになっている。 【0015】 さて、上述の投光回路4は、図1に示すように構成されている。即ち、各LE
D3a乃至3hには夫々を点灯駆動するための駆動回路10a乃至10hが接続 されている。各駆動回路10a乃至10hは、夫々AND回路11a乃至11h
の出力端子に接続されている。AND回路11a乃至11hの各一方の入力端子
は、夫々投光用シフトレジスタ12a乃至12hの出力端子Q0乃至Q7に接続
されており、AND回路11a乃至11hの各他方の入力端子はマイクロコンピ
ュータ5の出力端子Aに接続されている。 【0016】 投光用シフトレジスタ12aのデータ入力端子D0はマイクロコンピュータ5
の出力端子Bに接続され、出力端子Q0は投光用シフトレジスタ12bのデータ
入力端子D1に接続され、以下同様にして投光用シフトレジスタ12c乃至12
hの出力端子とデータ入力端子とが順次接続されている。そして、投光用シフト
レジスタ12hの出力端子Q7はマイクロコンピュータ5に接続されている。ま
た、投光用シフトレジスタ12a乃至12hの各クロック入力端子CKはマイク
ロコンピュータ5の出力端子Cに接続されている。 【0017】 尚、投光回路4はLED3a乃至3dを投光駆動するメイン回路部4aと、L
ED3e乃至3hを投光駆動するサブ回路部4bとに分けた構成としており、本
実施例においては8光軸用として2つの回路部4a,4bをシリアルに接続した
状態で使用している。そして、サブ回路部4bの後段には、さらに同様のサブ回
路部をシリアルに接続可能となっている。 【0018】 次に、受光器2において、複数の受光素子たる8個のPD(フォトダイオード
)13a乃至13hは、受光回路14を介してマイクロコンピュータ15に接続
されている。このマイクロコンピュータ15は、受光制御手段及び検知手段とし
ての機能を兼ね備えている。直流電源回路16は、マイクロコンピュータ15に
接続され、所定の直流電圧で給電するようになっている。また、各PD13a乃
至13hはLED3a乃至3hと夫々対をなすように検出エリア8に向けて配置
構成されている。 【0019】 受光回路14の出力線は、回線チェック回路17を介してマイクロコンピュー タ15に接続されると共に、判断手段たる検出回路18を介してマイクロコンピ
ュータ15に接続されている。マイクロコンピュータ15には判断結果を出力す
る出力回路19が接続されると共に、判断結果を表示する表示回路20が接続さ
れている。 【0020】 後述するようにフォトダイオード13a乃至13hにより受けた検出エリア8
からの光は、電気的な出力信号に変換されて回線チェック回路17及び検出回路
18を介してマイクロコンピュータ15に入力され、検出エリア8内の状態を判
断するようになっている。 【0021】 さて、上述の受光器2は、詳しくは図2に示すように構成される。即ち、各P
D13a乃至13hには夫々受光信号を電気信号に変換する変換回路21a乃至
21hが接続されている。各変換回路21a乃至21hは夫々アナログスイッチ
22a乃至22hを介して検出回路18及び回線チェック回路17に接続されて
いる。アナログスイッチ22a乃至22hの各ゲートには夫々受光用シフトレジ
スタ23a乃至23hの出力端子Q0乃至Q7が接続されている。 【0022】 尚、上述の回線チェック回路17は、アナログスイッチ22a乃至22hのオ
ン状態における出力電圧により「H」レベルの出力,オフ状態の出力電圧により
「L」レベルの出力をマイクロコンピュータ15に与えるようになっている。 【0023】 受光用シフトレジスタ23aのデータ入力端子D0はマイクロコンピュータ1
5の出力端子aに接続され、出力端子Q0は受光用シフトレジスタ23bのデー
タ入力端子D1に接続され、以下同様にして受光用シフトレジスタ23c乃至2
3hがシリアルに接続されている。受光用シフトレジスタ23hの出力端子Q7
はマイクロコンピュータ15に接続されている。また、受光用シフトレジスタ2
3a乃至23hの各クロック入力端子CKはマイクロコンピュータ15の出力端
子bに接続されている。 【0024】 尚、受光回路14は、PD13a乃至13dからの受光信号を受付けるメイン
回路部14aと、PD13e乃至13hからの受光信号を受付けるサブ回路部1
4bとに分けた構成としており、本実施例においては、8光軸用として2つの回
路部14a,14bをシリアルに接続した状態で使用している。そして、サブ回
路部14bの後段には、さらに同様のサブ回路部をシリアルに接続可能となって
いる。 【0025】 検出回路18は、遮光検出用の比較回路18a,安定入光検出用の比較回路1
8b及び波形整形回路18cから構成されており、夫々受光回路14から検出信
号が与えられ、その出力をマイクロコンピュータ15に与える。また、マイクロ
コンピュータ15からは、夫々の回路18a乃至18cにヒステリシス用のフィ
ードバック信号が与えられるようになっている。 【0026】 遮光検出用の比較回路18aは、所定の入光検出レベルを超える受光信号が与
えられると、入光状態を示す「H」レベルの信号をマイクロコンピュータ15に
出力するようになっている。安定入光検出用の比較回路18bは、上述の入光検
出レベルよりも高い安定入光検出レベルが設定されており、この安定入光検出レ
ベルを超える受光信号が与えられると、安定入光状態を示す「H」レベルの信号
をマイクロコンピュータ15に与えるようになっている。また、波形整形回路1
8cは後述するようにバースト信号が受光信号として与えられると、同期検出信
号をマイクロコンピュータ15に与えるようになっている。 【0027】 出力回路19は、遮光の検出出力をする検出用出力回路19a及び不安定入光
状態を報知するための警報出力回路19bから構成されており、マイクロコンピ
ュータ15からの出力信号に応じて、出力端子に接続された図示しない負荷に出
力を与える。 【0028】 表示回路20は、3個のLED20a,20b,20cから構成され、例えば
、LED20aは赤色,LED20bは黄色,LED20cは緑色とされている
。 そして、これらのLED20a乃至20cは、マイクロコンピュータ15からの
表示出力信号に応じて、夫々点灯,消灯或は点滅等のモードで動作されることに
より、後述するように受光状態を示す種々のモードで駆動されるようになってい
る。 【0029】 次に、本実施例の作用を以下に示す1サイクル(例えば5msecで1サイク
ル)中の各動作に分けて、図4及び図5をも参照しながら説明する。即ち、(1
)待機状態,(2)同期信号検出,(3)外乱光の検出動作,(4)遮光状態の
検出動作,(5)投光状態の検出動作及び(6)受光状態の検出動作である。 【0030】 尚、図4のタイムチャートは、投光器1におけるマイクロコンピュータ5の各
部からの出力信号及び投光回路4の各部における出力状態を示すもので、図1中
にA乃至Kで示す部分の出力状態に相当する。また、図5のタイムチャートは、
受光器2におけるマイクロコンピュータ15の各部からの出力信号及び受光回路
14の各部における出力状態を示すもので、図2中にa乃至jで示す部分の出力
状態に相当する。 (1)待機状態 まず、投光器1において、マイクロコンピュータ5は、投光用シフトレジスタ
12aのデータ入力端子D0にパルス信号を入力する(図4(B)参照)と共に
、投光用シフトレジスタ12a乃至12hのクロック入力端子CKにクロック信
号を入力する(図4(C)参照)。 【0031】 これにより、投光用シフトレジスタ12aの出力端子Q0は「H」レベルとな
り(図4(D)参照)、AND回路11aの一方の入力端子に「H」レベルの信
号が与えられた状態となる。これにより、AND11aの他方の入力端子に「H
」レベルの信号が与えられると、駆動回路10aによりLED3aが点灯される
状態となっている。 【0032】 一方、受光器2において、マイクロコンピュータ15は、受光用シフトレジス タ23aのデータ入力端子D0にパルス信号を入力する(図5(a)参照)と共
に、受光用シフトレジスタ23a乃至23hのクロック入力端子CKにクロック
信号を入力する(図5(b)参照)。 【0033】 これにより、受光用シフトレジスタ23aの出力端子Q0は「H」レベルとな
り、(図5(c)参照)、アナログスイッチ22aは導通状態となる。これによ
り、変換回路21aは、PD13aにより検出される受光信号を検出回路18に
出力可能状態となる。 【0034】 そして、以上によりLED3aからの投光はPD13aにより検出可能な待機
状態に設定される。 (2)同期信号検出 投光器1のマイクロコンピュータ5は、AND回路11a乃至11hの各他方
の入力端子に同期用のバースト信号を出力する(図4(A)参照)。これにより
、LED3aは駆動回路10aにより駆動され、検出エリア8に向けて同期検出
用の光を投射する。 【0035】 一方、受光器2においては、LED3aにより検出エリア8に投射された同期
検出用の光をPD13aにより受けると、変換回路21a及びアナログスイッチ
22aを介して波形整形回路18cに受光信号が入力される。波形整形回路18
cはこの受光信号のレベルが所定値に達すると同期検出信号をマイクロコンピュ
ータ15に入力する。 【0036】 これにより、マイクロコンピュータ15は、同期検出信号を受け、これを判定
して所定長さの信号であった場合に、以下に説明する所定の検出動作を行なうべ
く、所定のタイミングで受光回路14に制御信号を出力するようになる。 (3)外乱光の検出動作 投光器1において、マイクロコンピュータ5は、バースト信号を出力した後一
定期間信号を出力しない状態が保持される。即ち、AND回路11a乃至11h の各他方の入力端子には「L」レベルの信号が与えられ、全てのLED3a乃至
3hは消灯状態となっている。 【0037】 一方、投光器1により投光が行われない上述の一定期間中に、受光器2におい
ては、外乱光を検出するために、次のように動作する。即ち、マイクロコンピュ
ータ15は、受光用シフトレジスタ23a乃至23hのクロック出力端子CKに
短い間隔で連続した7個のクロック信号を与える。 【0038】 受光用シフトレジスタ23a乃至23hにおいては、クロック信号が与えられ
る度に「H」レベルの信号出力の状態が出力端子Q0からQ7に向けてシフトさ
れてゆく(図5(c)〜(j)参照)。これにより、アナログスイッチ22aが
導通状態であったのが、順次アナログスイッチ22b乃至22hの導通状態へと
シフトされてゆき、PD13a乃至13hの受光信号を順次検出回路18に与え
るようになる。 【0039】 いま、投光器1からは投光されていないので、上述の動作により受光信号は検
出されない筈であるが、この状態で受光信号が検出される場合には投光器1以外
の光源からの光即ち外乱光が検出されたことになる。このようにして外乱光を検
出した場合には、マイクロコンピュータ15は、表示回路20の赤色LED20
aに点滅信号を与えると共に、警報出力回路19bに「H」レベルの信号を出力
して「外乱光検出状態」を報知する。 【0040】 そして、上述の「外乱光検出状態」の報知は、検出頻度が小さい場合つまり短
時間で且つ1回でも検出すると行ない、さらに、この「外乱光検出状態」が例え
ば6μsec以上継続したり、或は3回のサイクルで連続して検出された場合に
は、検出頻度が大であるとして、マイクロコンピュータ15は、上記に加えて検
出用出力回路19aにも検出信号を出力する。つまり、検出出力を物体の侵入に
よる遮光状態と同様の状態とすることによって安全側に働かせる。また、この出
力状態はロックされ、電源がオフされるまで維持される。 【0041】 尚、この場合、上記の外乱光検出のための一定期間としては例えは800μs
ec程度の時間が設定されている。 (4)遮光状態の検出動作 外乱光検出動作が終了すると、投光器1において、マイクロコンピュータ5は
、AND回路11a乃至11hの各他方の入力端子に所定間隔でパルス信号を順
次出力する(図4(A)参照)と共に、このパルス信号のパルス間に投光用シフ
トレジスタ12a乃至12hにクロック信号を順次出力する(図4(C)参照)
。これにより、まず、初めの状態で投光用シフトレジスタ12aが「H」レベル
であることにより(図4(D)参照)、AND回路11aにパルス信号が与えら
れた期間中LED3aが点灯される。 【0042】 一方、受光器2においては、マイクロコンピュータ15は、受光用シフトレジ
スタ23aのデータ入力端子D0に「H」レベルの信号を出力すると共に、受光
用シフトレジスタ23a乃至23hのクロック入力端子CKに所定時間間隔をお
いてパルス列を出力する。 【0043】 これにより、受光用シフトレジスタ23aの出力端子Q0から「H」レベルの
信号が出力されてアナログスイッチ22aを導通状態とし、PD13aの検出信
号を有効化する。従って、上述のLED3aの点灯時に、その光軸が物体の侵入
により遮光されなければ、LED3aからの投光はPD13aにより検出され、
遮光検出回路18aを介してマイクロコンピュータ15に「H」レベルの入光状
態を示す信号が出力される。 【0044】 また、物体が侵入してLED3aの投光を遮光しているときには、受光信号が
出力されないことにより、マイクロコンピュータ15は、遮光が1回検出された
ことを記憶する。そして、遮光の検出が2回以上連続した場合には、マイクロコ
ンピュータ15は「遮光状態」と判断し、表示回路20の赤色LED20aを点
灯させると共に、出力回路19aに出力信号を与えるようになっている。 【0045】 以下、LED3b乃至3h及びPD13b乃至13hの夫々の対が順次動作さ
れ、各光軸の光を授受する。そして、マイクロコンピュータ15は、上述同様に
して物体の侵入による「遮光状態」の有無を検出する。 (5)投光状態の検出動作 a.シフトレジスタの動作状態検出 投光器1において、マイクロコンピュータ5は、投光用シフトレジスタ12h
の出力端子Q7からの出力信号に基づいて投光用シフトレジスタ12a乃至12
hの動作状態に異常がないかを検出する。 【0046】 即ち、投光用シフトレジスタ12a乃至12hが正常に動作していれば、遮光
状態の検出期間においてクロック信号(図4(C)参照)に基づき投光用シフト
レジスタ12hの出力端子Q7は、前記クロック信号の最初の6個のタイミング
においては「L」レベルで、7個目のクロック信号のタイミングで「H」レベル
となり、8個目のクロック信号で再び「L」レベルとなる図4(K)に示すよう
な信号をマイクロコンピュータ5に出力する筈である。マイクロコンピュータ5
においては、クロック信号のタイミング毎に前記出力端子Q7の信号レベルを順
次記憶すると共に、マイクロコンピュータ5には予めこの正常動作時の出力パタ
ーンが記憶されており、8個目のクロック信号が出力された後に、順次記憶され
た出力端子Q7の信号レベルの「H」及び「L」の出力パターンと正常動作時の
出力パターンとを比較し、一致しないときには、投光用シフトレジスタ12a乃
至12hの何れかに故障が発生していると判断し、表示回路9のLED9aに点
滅信号を出力すると共に全ての投光動作を停止する。 【0047】 これにより、投光用シフトレジスタ12a乃至12hの何れかが故障すること
によって、出力端子に「H」レベル信号が出たままとなっていたり、出力信号の
シフト動作が行われない等の誤動作の発生を報知することができる。また、全て
の投光動作を停止させ、物体の侵入による遮光状態と同様の状態にすることによ
って安全側に働かせる。そして、この状態はロックされ、電源がオフされるまで 維持される。 b.多重投光異常の検出 前述したように、LED3a乃至3hへの通電は電流検出回路7を介して行わ
れ、その通電電流に応じて現われる検出電圧が所定範囲内にあれば、2個の比較
器からは夫々「H」レベル及び「L」レベルの検出信号が出力される。そして、
点灯動作が正常に行われている場合には、LED3a乃至3hが、順次1個ずつ
点灯されるようになっているので、点灯時のの通電電流値は一定範囲内となり、
2個の比較器からは夫々「H」レベル及び「L」レベルの信号が出力されている
筈である。 【0048】 マイクロコンピュータ5は、LED3a乃至3hの夫々について通電点灯を実
施したときに、電流検出回路7からの検出信号が、「H」レベル及び「L」レベ
ルのときに正常と判断し、それ以外の場合には「異常状態」と判断して表示回路
9のLED9aに点滅信号を出力すると共に、全ての投光動作を停止する。 【0049】 これにより、投光用シフトレジスタ12a乃至12h,AND回路11a乃至
11h或は駆動回路10a乃至10hの何れかが故障してLED3a乃至3hが
同時に2個以上点灯されたり、或は1個も点灯されなくなる状態を迅速に検出し
て報知することができる。また、全ての投光動作を停止させ(2個以上点灯され
ていたとき)、物体の侵入による遮光状態と同様の状態にすることによって安全
側に働かせる。そして、この投光停止状態はロックされ、電源がオフされるまで
維持される。 (6)受光状態の検出動作 a.入光(受光)レベル検出 受光器2において、PD13a乃至13hによる受光信号は、安定入光検出回
路18bにも入力されるようになっている。そして、前述のように、この安定入
光検出回路18bにおける安定検出レベルは、前述の遮光検出回路18aの検出
レベルよりも高いレベルに設定されている。 【0050】 安定入光検出回路18bは、受光信号が与えられると、そのレベルが安定検出
レベルと比較し、PD13a乃至13hからの受光信号のレベルが安定検出レベ
ルを超えたときに、マイクロコンピュータ15に「安定入光状態」を示す検出信
号を出力する。また、これに応じてマイクロコンピュータ15は、全てのPD1
3a乃至13hからの「安定入光状態」を示す検出信号を得たときに、表示回路
20の緑色のLED20cに点灯信号を出力して「安定入光状態」を報知し、安
定入光検出回路18bにヒステリシス用のフィードバック信号を与える。 【0051】 一方、不安定な入光状態、例えば、光軸がずれていたり、或は図示しない装置
の窓部等が汚れていたり粉塵等の付着により投光或は受光のレベルが低下してい
たりする場合には次のように動作する。即ち、PD13a乃至13hへの入光状
態が不安定になっていると、たとえ遮光検出回路18aの検出レベルを超える受
光信号であっても、安定入光検出回路18bの安定検出レベルを超えていなけれ
ば、マイクロコンピュータ15は「不安定入光状態」と判断する。 【0052】 このとき、マイクロコンピュータ15は、まず、表示回路20の黄色のLED
20bに点灯信号を出力して「不安定入光状態」を表示する。そして、この「不
安定入光状態」が例えば5秒間連続して検出されると、マイクロコンピュータ1
5は、黄色のLED20bに点滅信号を出力すると共に、警報出力回路19bに
出力信号を与えて報知する。 【0053】 これにより、不安定な入光状態を早急に検知して注意を促すことができ、誤検
出を未然に防止することができる。 b.シフトレジスタの動作状態検出 受光器2において、マイクロコンピュータ15は、受光用シフトレジスタ23
hの出力端子Q7からの出力信号に基づいて受光用シフトレジスタ23a乃至2
3hの動作状態に異常がないかを検出する。 【0054】 即ち、受光用シフトレジスタ23a乃至23hが正常に動作していれば、遮光 状態の検出期間においてクロック信号(図5(b)参照)に基づき受光用シフト
レジスタ23hの出力端子Q7は、前記クロック信号の最初の6個のタイミング
においては「L」レベルで、7個目のクロック信号のタイミングで「H」レベル
となり、8個目のクロック信号で再び「L」レベルとなる図5(j)に示すよう
な信号をマイクロコンピュータ15に出力する筈である。マイクロコンピュータ
15においては、クロック信号の出力タイミング毎に前記出力信号Q7の信号レ
ベルを順次記憶すると共に、マイクロコンピュータ15には予めこの正常動作時
の出力パターンが記憶されており、8個目のクロック信号が出力された後に、順
次記憶された出力端子Q7の信号レベルの「H」及び「L」の出力パターンと、
正常動作時の出力パターンとを比較し、一致しないときには、受光用シフトレジ
スタ23a乃至23hの何れかに故障が発生していると判断する。そして、マイ
クロコンピュータ15は、表示回路20の全てのLED20a乃至20cに点滅
信号を出力すると共に、検出出力回路19a及び警報出力回路19bの両者に出
力信号を与えて「異常状態」である旨の報知を行なう。 【0055】 これにより、受光用シフトレジスタ23a乃至23hの何れかが故障すること
によって、出力端子に「H」レベル信号が出たままとなっていたり、出力信号の
シフト動作が行われない等の誤動作の発生を報知することができる。また、検出
出力を物体の侵入による遮光状態と同様の状態にすることによって安全側に働か
せる。そして、この状態はロックされ、電源がオフされるまで維持される。 c.アナログスイッチの動作状態検出 前述のように、回線チェック回路17は、アナログスイッチ22a乃至22h
の出力端子に接続されており、その比較出力はマイクロコンピュータ15に入力
されるようになっている。そして、マイクロコンピュータ15は、図5(b)に
示すように、アナログスイッチ22hの出力電圧を、受光動作が行なわれていな
い所定のタイミング、即ち、アナログスイッチ22hのオン状態とオフ状態の2
点で検出した回線チェック回路17からの出力信号に応じて判断する。 【0056】 マイクロコンピュータ15は、回線チェック回路17からの出力信号が上記2 点の検出で「H」レベルから「L」レベルに反転したときに正常に動作している
と判断し、それ以外の場合には、検出回路18への出力線が断線していたり、或
はアナログスイッチ22a乃至22hの何れかがオン状態のままとなっていたり
する等の「異常状態」であると判断する。そして、マイクロコンピュータ15は
、「異常状態」を判断すると、表示回路20の全てのLED20a乃至20cに
点滅信号を出力すると共に、検出出力回路19a及び警報出力回路19bの両者
に出力信号を与えて「異常状態」である旨の報知を行なう。 【0057】 これにより、受光用シフトレジスタ23a乃至12h,アナログスイッチ22
a乃至22h或は変換回路21a乃至21hの何れかに故障が発生している場合
には迅速に検出して報知することができる。また、検出出力を物体の侵入による
遮光状態と同様の状態にすることによって安全側に働かせる。そして、この状態
はロックされ、電源がオフされるまで維持される。 【0058】 尚、以上の各種検出動作による検出状態は、投光器1及び受光器2の夫々の表
示状態に対応させると表1及び表2のようにまとめられる。 【0059】 【表1】 【0060】 【表2】 このような本実施例によれば、投光回路4の投光用シフトレジスタ12hの出
力端子をマイクロコンピュータ5に接続して出力状態を検出し、正常動作パター
ンと比較することにより、投光用シフトレジスタ12a乃至12hの動作状態を
検出するようにしたので、異常状態の発生を迅速に検出でき、検出エリア8内の
遮光状態を正確に検出できる。また、同様に、受光回路14においても受光用シ
フトレジスタ23a乃至23hの動作状態を検出するので、異常状態の発生を迅
速に検出でき、従って、検出エリア8内の遮光状態を正確に検出できる。 【0061】 尚、上記実施例においては、外乱光の検出を、PD13a乃至13hについて 一括して検出する一定期間を設けて行なうようにしたが、これに限らず、例えば
、1光軸或は複数光軸の投光が終了する度に検出するようにしても良い。 【0062】 また、上記実施例においては、警報出力回路18bを設ける構成としたが、こ
れに限らず、警報出力による報知に代えて表示灯等により報知するように構成し
ても良い。 【0063】 さらに、上記実施例においては、本考案を8光軸のエリアセンサに適用した場
合について述べたが、これに限らず、光軸を構成する投光素子と受光素子の対が
複数あるもの全般に適用できる。 【0064】 【考案の効果】 以上説明したように、本考案の多光軸光電スイッチによれば、投光器及び受光
器に夫々設けられた第1,第2の検知手段により、投光用シフトレジスタ及び受
光用シフトレジスタの動作状態を検出し、異常が発生したときには外部に報知す
ると共に出力回路を遮光状態と同様の状態にすることによって安全側に働かせる
ようにしたので、異常状態の発生を迅速に検出でき、従って、検出エリア内の遮
光状態を常に正確に検出できるという優れた効果を奏する。
の点灯に同期して対となる受光素子からの受光信号を有効化して検出エリア内の
遮光状態を検出するようにした多光軸光電スイッチに関する。 【0002】 【従来の技術】 この種の光電スイッチは、広い検出エリアで物体の有無を検出できるので、例
えば、プレス装置の安全装置に利用される。その概略的構成は次の通りである。
即ち、対をなす投光素子及び受光素子を複数対設け、制御回路からの信号により
投光素子を1個ずつ順次検出エリア内に向けて発光させる。一方、受光素子群は
複数の入力端子を備えた選択回路に接続され、それらの受光素子群のうち発光し
ている投光素子と対をなす1つの受光素子のみが投光素子の発光タイミングと同
期して選択回路により有効化される。 【0003】 この場合、投光素子を順次点灯させるために、例えば、夫々の投光素子にシフ
トレジスタを接続し、これらのシフトレジスタをシリアルに接続した構成として
いる。そして、制御回路からクロック信号を出力し、その出力タイミングでシフ
トレジスタの出力状態を順次シフトさせるようにしている。また、このような構
成は、上述の選択回路においても用いられている。 【0004】 受光素子による受光信号は、選択回路を介した後受光アンプにより増幅され、
比較回路によって所定の基準レベルと比較され、何れかの受光素子における受光
量が低くなったと判断されたときには、その検出エリアのうちその投光素子と受
光素子による光軸中に物体が侵入したことが判断される。 【0005】 この場合、1つの発光素子が発光しているときには、対をなす受光素子からの
受光信号のみを有効化するのは次の理由による。即ち、投光素子から発せられる
光がそれと対をなす受光素子のみに入射されるとは限らず、その近傍に設けられ
ている受光素子にも比較的強度の大きい光として入射する場合がある。従って、 全ての受光素子からの受光信号が等しく1つの比較回路に入力される構成とする
と、物体の侵入によってその光軸が遮光状態にあるにも拘らず受光状態と判断し
てしまい、物体の侵入を正確に検出できなくなるからである。 【0006】 【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、上記のような従来構成のものでは、投光用或は受光用シフトレ
ジスタの何れかで故障が発生したり、また、ノイズ等により誤動作した場合に、
これを制御回路側で認識できないため、対をなす投光素子と受光素子とが同時に
動作状態になっているか否かがわからない状況であった。そして、このような状
況では、遮光状態の検出が確実に実施できなくなる場合があり、誤検出等により
危険側に働いてしまう不具合がある。 【0007】 本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、シフトレジスタに
よる出力状態の異常を迅速に検出し、検出エリア内の検出動作を確実に行なわせ
ることができると共にシフトレジスタの動作異常時は安全側に確実に働かせるこ
とができる多光軸光電スイッチを提供するにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】 本考案の多光軸光電スイッチは、検出エリアに向けて光を照射する複数の投光
素子と、これら複数の投光素子の夫々に対応して設けられた複数の投光用シフト
レジスタと、これらの投光用シフトレジスタに制御信号を与えて前記投光素子を
所定タイミングで順次点灯させる投光制御手段とを有する投光器と、 前記投光素子と対をなすように設けられて前記検出エリアからの光を受ける複
数の受光素子と、これら複数の受光素子に対応して設けられた複数の受光用シフ
トレジスタと、これらの受光用シフトレジスタに制御信号を与えて前記受光素子
からの受光信号を前記投光素子の点灯タイミングに同期させて有効化する受光制
御手段と、前記受光素子からの受光信号に基づいて前記検出エリアにおける遮光
状態を判断する判断手段と、この判断手段からの遮光判断結果を外部に出力する
出力回路とを有する受光器とからなる多光軸光電スイッチにおいて、 前記投光器は、前記複数の投光用シフトレジスタの最終段の出力信号パターン
を検出して当該出力信号パターンが正常動作状態で予想される出力信号パターン
と異なっていたときは上記シフトレジストが動作異常であることを外部に報知す
ると共に前記投光制御手段に対して前記投光素子の点灯を停止させる第1の検知
手段を設け、 前記受光器は、前記複数の受光用シフトレジスタの最終段の出力信号パターン
を検出して当該出力信号パターンが正常動作状態で予想される出力信号パターン
と異なっていたときは上記シフトレジストが動作異常であることを外部に報知す
ると共に前記出力回路を遮光状態と同様の状態とする第2の検知手段を設けて構
成したところに特徴を有する。 【0009】 【作用】 本考案の多光軸光電スイッチによれば、投光制御手段及び受光制御手段は、複
数の投光素子及び受光素子の各対を順次動作させて検出エリア内の遮光状態を検
出する。 ここで、投光器の第1の検知手段は、投光用シフトレジスタの最終段の出力信
号パターンを検出し、上記シフトレジスタが正常に動作しているときに現われる
出力信号のパターンと比較して正常に動作しているかどうかを検出する。このと
き、両方のパターンが異なっていたときは、シフトレジストが動作異常であるこ
とを外部に報知すると共に投光制御手段に対して投光素子の点灯を停止させるの
で、受光器は遮光状態となり安全側に働く。 一方、受光器の第2の検知手段は、投光用シフトレジスタの最終段の出力信号
パターンを検出し、その出力信号パターンを上記シフトレジスタが正常に動作し
ているときに現われる出力信号のパターンと比較して正常に動作しているかどう
かを検出する。このとき、両方のパターンが異なっていたときは、シフトレジス
トが動作異常であることを外部に報知すると共に遮光状態と同様の状態とするの
で、受光器は遮光状態となり安全側に働く。 これにより、投光用及び受光用のシフトレジスタの動作状態を常に検出して、
異常が発生したときには迅速に検知でき、故障の修理等の対処を早急に行なえる
。 【0010】 【実施例】 以下、本考案をプレス装置の安全装置等に用いられる8光軸のエリアセンサに
適用した場合の一実施例について図面を参照しながら説明する。 【0011】 図3は電気的構成の概略を示すもので、このエリアセンサは、電気的に分離さ
れた投光器1及び受光器2から構成されている。 【0012】 まず、投光器1において、複数の投光素子たる8個のLED(発光ダイオード
)3a乃至3hは投光回路4を介して投光制御手段及び第1の検知手段を兼ね備
えたマイクロコンピュータ5に接続されている。直流電源回路6は、マイクロコ
ンピュータ5に接続されると共に、電流検出回路7を介して投光回路4に接続さ
れ、所定の直流電圧で給電されるようになっている。尚、電流検出回路7は、例
えば、通電電流に比例して端子電圧が得られる電流検出用抵抗とその端子電圧が
与えられる2個の比較器から構成され、端子電圧が所定範囲内にあるときに一方
の比較器は「H」レベル,他方の比較器は「L」レベルの信号をマイクロコンピ
ュータ5に入力するようになっている。 【0013】 マイクロコンピュータ5は、後述するように投光回路4を介してLED3a乃
至3hに投光信号を与えるようになっており、LED3a乃至3hは夫々検出エ
リア8内に向けて8光軸の検出用の光を順次投射する。 【0014】 また、マイクロコンピュータ5には投光器1の動作状態を表示するための表示
回路9が接続されている。この表示回路9には表示用のLED9a(図1参照)
が配設されており、後述するように投光器1の動作状態に応じてマイクロコンピ
ュータ5から表示信号が与えられるようになっている。 【0015】 さて、上述の投光回路4は、図1に示すように構成されている。即ち、各LE
D3a乃至3hには夫々を点灯駆動するための駆動回路10a乃至10hが接続 されている。各駆動回路10a乃至10hは、夫々AND回路11a乃至11h
の出力端子に接続されている。AND回路11a乃至11hの各一方の入力端子
は、夫々投光用シフトレジスタ12a乃至12hの出力端子Q0乃至Q7に接続
されており、AND回路11a乃至11hの各他方の入力端子はマイクロコンピ
ュータ5の出力端子Aに接続されている。 【0016】 投光用シフトレジスタ12aのデータ入力端子D0はマイクロコンピュータ5
の出力端子Bに接続され、出力端子Q0は投光用シフトレジスタ12bのデータ
入力端子D1に接続され、以下同様にして投光用シフトレジスタ12c乃至12
hの出力端子とデータ入力端子とが順次接続されている。そして、投光用シフト
レジスタ12hの出力端子Q7はマイクロコンピュータ5に接続されている。ま
た、投光用シフトレジスタ12a乃至12hの各クロック入力端子CKはマイク
ロコンピュータ5の出力端子Cに接続されている。 【0017】 尚、投光回路4はLED3a乃至3dを投光駆動するメイン回路部4aと、L
ED3e乃至3hを投光駆動するサブ回路部4bとに分けた構成としており、本
実施例においては8光軸用として2つの回路部4a,4bをシリアルに接続した
状態で使用している。そして、サブ回路部4bの後段には、さらに同様のサブ回
路部をシリアルに接続可能となっている。 【0018】 次に、受光器2において、複数の受光素子たる8個のPD(フォトダイオード
)13a乃至13hは、受光回路14を介してマイクロコンピュータ15に接続
されている。このマイクロコンピュータ15は、受光制御手段及び検知手段とし
ての機能を兼ね備えている。直流電源回路16は、マイクロコンピュータ15に
接続され、所定の直流電圧で給電するようになっている。また、各PD13a乃
至13hはLED3a乃至3hと夫々対をなすように検出エリア8に向けて配置
構成されている。 【0019】 受光回路14の出力線は、回線チェック回路17を介してマイクロコンピュー タ15に接続されると共に、判断手段たる検出回路18を介してマイクロコンピ
ュータ15に接続されている。マイクロコンピュータ15には判断結果を出力す
る出力回路19が接続されると共に、判断結果を表示する表示回路20が接続さ
れている。 【0020】 後述するようにフォトダイオード13a乃至13hにより受けた検出エリア8
からの光は、電気的な出力信号に変換されて回線チェック回路17及び検出回路
18を介してマイクロコンピュータ15に入力され、検出エリア8内の状態を判
断するようになっている。 【0021】 さて、上述の受光器2は、詳しくは図2に示すように構成される。即ち、各P
D13a乃至13hには夫々受光信号を電気信号に変換する変換回路21a乃至
21hが接続されている。各変換回路21a乃至21hは夫々アナログスイッチ
22a乃至22hを介して検出回路18及び回線チェック回路17に接続されて
いる。アナログスイッチ22a乃至22hの各ゲートには夫々受光用シフトレジ
スタ23a乃至23hの出力端子Q0乃至Q7が接続されている。 【0022】 尚、上述の回線チェック回路17は、アナログスイッチ22a乃至22hのオ
ン状態における出力電圧により「H」レベルの出力,オフ状態の出力電圧により
「L」レベルの出力をマイクロコンピュータ15に与えるようになっている。 【0023】 受光用シフトレジスタ23aのデータ入力端子D0はマイクロコンピュータ1
5の出力端子aに接続され、出力端子Q0は受光用シフトレジスタ23bのデー
タ入力端子D1に接続され、以下同様にして受光用シフトレジスタ23c乃至2
3hがシリアルに接続されている。受光用シフトレジスタ23hの出力端子Q7
はマイクロコンピュータ15に接続されている。また、受光用シフトレジスタ2
3a乃至23hの各クロック入力端子CKはマイクロコンピュータ15の出力端
子bに接続されている。 【0024】 尚、受光回路14は、PD13a乃至13dからの受光信号を受付けるメイン
回路部14aと、PD13e乃至13hからの受光信号を受付けるサブ回路部1
4bとに分けた構成としており、本実施例においては、8光軸用として2つの回
路部14a,14bをシリアルに接続した状態で使用している。そして、サブ回
路部14bの後段には、さらに同様のサブ回路部をシリアルに接続可能となって
いる。 【0025】 検出回路18は、遮光検出用の比較回路18a,安定入光検出用の比較回路1
8b及び波形整形回路18cから構成されており、夫々受光回路14から検出信
号が与えられ、その出力をマイクロコンピュータ15に与える。また、マイクロ
コンピュータ15からは、夫々の回路18a乃至18cにヒステリシス用のフィ
ードバック信号が与えられるようになっている。 【0026】 遮光検出用の比較回路18aは、所定の入光検出レベルを超える受光信号が与
えられると、入光状態を示す「H」レベルの信号をマイクロコンピュータ15に
出力するようになっている。安定入光検出用の比較回路18bは、上述の入光検
出レベルよりも高い安定入光検出レベルが設定されており、この安定入光検出レ
ベルを超える受光信号が与えられると、安定入光状態を示す「H」レベルの信号
をマイクロコンピュータ15に与えるようになっている。また、波形整形回路1
8cは後述するようにバースト信号が受光信号として与えられると、同期検出信
号をマイクロコンピュータ15に与えるようになっている。 【0027】 出力回路19は、遮光の検出出力をする検出用出力回路19a及び不安定入光
状態を報知するための警報出力回路19bから構成されており、マイクロコンピ
ュータ15からの出力信号に応じて、出力端子に接続された図示しない負荷に出
力を与える。 【0028】 表示回路20は、3個のLED20a,20b,20cから構成され、例えば
、LED20aは赤色,LED20bは黄色,LED20cは緑色とされている
。 そして、これらのLED20a乃至20cは、マイクロコンピュータ15からの
表示出力信号に応じて、夫々点灯,消灯或は点滅等のモードで動作されることに
より、後述するように受光状態を示す種々のモードで駆動されるようになってい
る。 【0029】 次に、本実施例の作用を以下に示す1サイクル(例えば5msecで1サイク
ル)中の各動作に分けて、図4及び図5をも参照しながら説明する。即ち、(1
)待機状態,(2)同期信号検出,(3)外乱光の検出動作,(4)遮光状態の
検出動作,(5)投光状態の検出動作及び(6)受光状態の検出動作である。 【0030】 尚、図4のタイムチャートは、投光器1におけるマイクロコンピュータ5の各
部からの出力信号及び投光回路4の各部における出力状態を示すもので、図1中
にA乃至Kで示す部分の出力状態に相当する。また、図5のタイムチャートは、
受光器2におけるマイクロコンピュータ15の各部からの出力信号及び受光回路
14の各部における出力状態を示すもので、図2中にa乃至jで示す部分の出力
状態に相当する。 (1)待機状態 まず、投光器1において、マイクロコンピュータ5は、投光用シフトレジスタ
12aのデータ入力端子D0にパルス信号を入力する(図4(B)参照)と共に
、投光用シフトレジスタ12a乃至12hのクロック入力端子CKにクロック信
号を入力する(図4(C)参照)。 【0031】 これにより、投光用シフトレジスタ12aの出力端子Q0は「H」レベルとな
り(図4(D)参照)、AND回路11aの一方の入力端子に「H」レベルの信
号が与えられた状態となる。これにより、AND11aの他方の入力端子に「H
」レベルの信号が与えられると、駆動回路10aによりLED3aが点灯される
状態となっている。 【0032】 一方、受光器2において、マイクロコンピュータ15は、受光用シフトレジス タ23aのデータ入力端子D0にパルス信号を入力する(図5(a)参照)と共
に、受光用シフトレジスタ23a乃至23hのクロック入力端子CKにクロック
信号を入力する(図5(b)参照)。 【0033】 これにより、受光用シフトレジスタ23aの出力端子Q0は「H」レベルとな
り、(図5(c)参照)、アナログスイッチ22aは導通状態となる。これによ
り、変換回路21aは、PD13aにより検出される受光信号を検出回路18に
出力可能状態となる。 【0034】 そして、以上によりLED3aからの投光はPD13aにより検出可能な待機
状態に設定される。 (2)同期信号検出 投光器1のマイクロコンピュータ5は、AND回路11a乃至11hの各他方
の入力端子に同期用のバースト信号を出力する(図4(A)参照)。これにより
、LED3aは駆動回路10aにより駆動され、検出エリア8に向けて同期検出
用の光を投射する。 【0035】 一方、受光器2においては、LED3aにより検出エリア8に投射された同期
検出用の光をPD13aにより受けると、変換回路21a及びアナログスイッチ
22aを介して波形整形回路18cに受光信号が入力される。波形整形回路18
cはこの受光信号のレベルが所定値に達すると同期検出信号をマイクロコンピュ
ータ15に入力する。 【0036】 これにより、マイクロコンピュータ15は、同期検出信号を受け、これを判定
して所定長さの信号であった場合に、以下に説明する所定の検出動作を行なうべ
く、所定のタイミングで受光回路14に制御信号を出力するようになる。 (3)外乱光の検出動作 投光器1において、マイクロコンピュータ5は、バースト信号を出力した後一
定期間信号を出力しない状態が保持される。即ち、AND回路11a乃至11h の各他方の入力端子には「L」レベルの信号が与えられ、全てのLED3a乃至
3hは消灯状態となっている。 【0037】 一方、投光器1により投光が行われない上述の一定期間中に、受光器2におい
ては、外乱光を検出するために、次のように動作する。即ち、マイクロコンピュ
ータ15は、受光用シフトレジスタ23a乃至23hのクロック出力端子CKに
短い間隔で連続した7個のクロック信号を与える。 【0038】 受光用シフトレジスタ23a乃至23hにおいては、クロック信号が与えられ
る度に「H」レベルの信号出力の状態が出力端子Q0からQ7に向けてシフトさ
れてゆく(図5(c)〜(j)参照)。これにより、アナログスイッチ22aが
導通状態であったのが、順次アナログスイッチ22b乃至22hの導通状態へと
シフトされてゆき、PD13a乃至13hの受光信号を順次検出回路18に与え
るようになる。 【0039】 いま、投光器1からは投光されていないので、上述の動作により受光信号は検
出されない筈であるが、この状態で受光信号が検出される場合には投光器1以外
の光源からの光即ち外乱光が検出されたことになる。このようにして外乱光を検
出した場合には、マイクロコンピュータ15は、表示回路20の赤色LED20
aに点滅信号を与えると共に、警報出力回路19bに「H」レベルの信号を出力
して「外乱光検出状態」を報知する。 【0040】 そして、上述の「外乱光検出状態」の報知は、検出頻度が小さい場合つまり短
時間で且つ1回でも検出すると行ない、さらに、この「外乱光検出状態」が例え
ば6μsec以上継続したり、或は3回のサイクルで連続して検出された場合に
は、検出頻度が大であるとして、マイクロコンピュータ15は、上記に加えて検
出用出力回路19aにも検出信号を出力する。つまり、検出出力を物体の侵入に
よる遮光状態と同様の状態とすることによって安全側に働かせる。また、この出
力状態はロックされ、電源がオフされるまで維持される。 【0041】 尚、この場合、上記の外乱光検出のための一定期間としては例えは800μs
ec程度の時間が設定されている。 (4)遮光状態の検出動作 外乱光検出動作が終了すると、投光器1において、マイクロコンピュータ5は
、AND回路11a乃至11hの各他方の入力端子に所定間隔でパルス信号を順
次出力する(図4(A)参照)と共に、このパルス信号のパルス間に投光用シフ
トレジスタ12a乃至12hにクロック信号を順次出力する(図4(C)参照)
。これにより、まず、初めの状態で投光用シフトレジスタ12aが「H」レベル
であることにより(図4(D)参照)、AND回路11aにパルス信号が与えら
れた期間中LED3aが点灯される。 【0042】 一方、受光器2においては、マイクロコンピュータ15は、受光用シフトレジ
スタ23aのデータ入力端子D0に「H」レベルの信号を出力すると共に、受光
用シフトレジスタ23a乃至23hのクロック入力端子CKに所定時間間隔をお
いてパルス列を出力する。 【0043】 これにより、受光用シフトレジスタ23aの出力端子Q0から「H」レベルの
信号が出力されてアナログスイッチ22aを導通状態とし、PD13aの検出信
号を有効化する。従って、上述のLED3aの点灯時に、その光軸が物体の侵入
により遮光されなければ、LED3aからの投光はPD13aにより検出され、
遮光検出回路18aを介してマイクロコンピュータ15に「H」レベルの入光状
態を示す信号が出力される。 【0044】 また、物体が侵入してLED3aの投光を遮光しているときには、受光信号が
出力されないことにより、マイクロコンピュータ15は、遮光が1回検出された
ことを記憶する。そして、遮光の検出が2回以上連続した場合には、マイクロコ
ンピュータ15は「遮光状態」と判断し、表示回路20の赤色LED20aを点
灯させると共に、出力回路19aに出力信号を与えるようになっている。 【0045】 以下、LED3b乃至3h及びPD13b乃至13hの夫々の対が順次動作さ
れ、各光軸の光を授受する。そして、マイクロコンピュータ15は、上述同様に
して物体の侵入による「遮光状態」の有無を検出する。 (5)投光状態の検出動作 a.シフトレジスタの動作状態検出 投光器1において、マイクロコンピュータ5は、投光用シフトレジスタ12h
の出力端子Q7からの出力信号に基づいて投光用シフトレジスタ12a乃至12
hの動作状態に異常がないかを検出する。 【0046】 即ち、投光用シフトレジスタ12a乃至12hが正常に動作していれば、遮光
状態の検出期間においてクロック信号(図4(C)参照)に基づき投光用シフト
レジスタ12hの出力端子Q7は、前記クロック信号の最初の6個のタイミング
においては「L」レベルで、7個目のクロック信号のタイミングで「H」レベル
となり、8個目のクロック信号で再び「L」レベルとなる図4(K)に示すよう
な信号をマイクロコンピュータ5に出力する筈である。マイクロコンピュータ5
においては、クロック信号のタイミング毎に前記出力端子Q7の信号レベルを順
次記憶すると共に、マイクロコンピュータ5には予めこの正常動作時の出力パタ
ーンが記憶されており、8個目のクロック信号が出力された後に、順次記憶され
た出力端子Q7の信号レベルの「H」及び「L」の出力パターンと正常動作時の
出力パターンとを比較し、一致しないときには、投光用シフトレジスタ12a乃
至12hの何れかに故障が発生していると判断し、表示回路9のLED9aに点
滅信号を出力すると共に全ての投光動作を停止する。 【0047】 これにより、投光用シフトレジスタ12a乃至12hの何れかが故障すること
によって、出力端子に「H」レベル信号が出たままとなっていたり、出力信号の
シフト動作が行われない等の誤動作の発生を報知することができる。また、全て
の投光動作を停止させ、物体の侵入による遮光状態と同様の状態にすることによ
って安全側に働かせる。そして、この状態はロックされ、電源がオフされるまで 維持される。 b.多重投光異常の検出 前述したように、LED3a乃至3hへの通電は電流検出回路7を介して行わ
れ、その通電電流に応じて現われる検出電圧が所定範囲内にあれば、2個の比較
器からは夫々「H」レベル及び「L」レベルの検出信号が出力される。そして、
点灯動作が正常に行われている場合には、LED3a乃至3hが、順次1個ずつ
点灯されるようになっているので、点灯時のの通電電流値は一定範囲内となり、
2個の比較器からは夫々「H」レベル及び「L」レベルの信号が出力されている
筈である。 【0048】 マイクロコンピュータ5は、LED3a乃至3hの夫々について通電点灯を実
施したときに、電流検出回路7からの検出信号が、「H」レベル及び「L」レベ
ルのときに正常と判断し、それ以外の場合には「異常状態」と判断して表示回路
9のLED9aに点滅信号を出力すると共に、全ての投光動作を停止する。 【0049】 これにより、投光用シフトレジスタ12a乃至12h,AND回路11a乃至
11h或は駆動回路10a乃至10hの何れかが故障してLED3a乃至3hが
同時に2個以上点灯されたり、或は1個も点灯されなくなる状態を迅速に検出し
て報知することができる。また、全ての投光動作を停止させ(2個以上点灯され
ていたとき)、物体の侵入による遮光状態と同様の状態にすることによって安全
側に働かせる。そして、この投光停止状態はロックされ、電源がオフされるまで
維持される。 (6)受光状態の検出動作 a.入光(受光)レベル検出 受光器2において、PD13a乃至13hによる受光信号は、安定入光検出回
路18bにも入力されるようになっている。そして、前述のように、この安定入
光検出回路18bにおける安定検出レベルは、前述の遮光検出回路18aの検出
レベルよりも高いレベルに設定されている。 【0050】 安定入光検出回路18bは、受光信号が与えられると、そのレベルが安定検出
レベルと比較し、PD13a乃至13hからの受光信号のレベルが安定検出レベ
ルを超えたときに、マイクロコンピュータ15に「安定入光状態」を示す検出信
号を出力する。また、これに応じてマイクロコンピュータ15は、全てのPD1
3a乃至13hからの「安定入光状態」を示す検出信号を得たときに、表示回路
20の緑色のLED20cに点灯信号を出力して「安定入光状態」を報知し、安
定入光検出回路18bにヒステリシス用のフィードバック信号を与える。 【0051】 一方、不安定な入光状態、例えば、光軸がずれていたり、或は図示しない装置
の窓部等が汚れていたり粉塵等の付着により投光或は受光のレベルが低下してい
たりする場合には次のように動作する。即ち、PD13a乃至13hへの入光状
態が不安定になっていると、たとえ遮光検出回路18aの検出レベルを超える受
光信号であっても、安定入光検出回路18bの安定検出レベルを超えていなけれ
ば、マイクロコンピュータ15は「不安定入光状態」と判断する。 【0052】 このとき、マイクロコンピュータ15は、まず、表示回路20の黄色のLED
20bに点灯信号を出力して「不安定入光状態」を表示する。そして、この「不
安定入光状態」が例えば5秒間連続して検出されると、マイクロコンピュータ1
5は、黄色のLED20bに点滅信号を出力すると共に、警報出力回路19bに
出力信号を与えて報知する。 【0053】 これにより、不安定な入光状態を早急に検知して注意を促すことができ、誤検
出を未然に防止することができる。 b.シフトレジスタの動作状態検出 受光器2において、マイクロコンピュータ15は、受光用シフトレジスタ23
hの出力端子Q7からの出力信号に基づいて受光用シフトレジスタ23a乃至2
3hの動作状態に異常がないかを検出する。 【0054】 即ち、受光用シフトレジスタ23a乃至23hが正常に動作していれば、遮光 状態の検出期間においてクロック信号(図5(b)参照)に基づき受光用シフト
レジスタ23hの出力端子Q7は、前記クロック信号の最初の6個のタイミング
においては「L」レベルで、7個目のクロック信号のタイミングで「H」レベル
となり、8個目のクロック信号で再び「L」レベルとなる図5(j)に示すよう
な信号をマイクロコンピュータ15に出力する筈である。マイクロコンピュータ
15においては、クロック信号の出力タイミング毎に前記出力信号Q7の信号レ
ベルを順次記憶すると共に、マイクロコンピュータ15には予めこの正常動作時
の出力パターンが記憶されており、8個目のクロック信号が出力された後に、順
次記憶された出力端子Q7の信号レベルの「H」及び「L」の出力パターンと、
正常動作時の出力パターンとを比較し、一致しないときには、受光用シフトレジ
スタ23a乃至23hの何れかに故障が発生していると判断する。そして、マイ
クロコンピュータ15は、表示回路20の全てのLED20a乃至20cに点滅
信号を出力すると共に、検出出力回路19a及び警報出力回路19bの両者に出
力信号を与えて「異常状態」である旨の報知を行なう。 【0055】 これにより、受光用シフトレジスタ23a乃至23hの何れかが故障すること
によって、出力端子に「H」レベル信号が出たままとなっていたり、出力信号の
シフト動作が行われない等の誤動作の発生を報知することができる。また、検出
出力を物体の侵入による遮光状態と同様の状態にすることによって安全側に働か
せる。そして、この状態はロックされ、電源がオフされるまで維持される。 c.アナログスイッチの動作状態検出 前述のように、回線チェック回路17は、アナログスイッチ22a乃至22h
の出力端子に接続されており、その比較出力はマイクロコンピュータ15に入力
されるようになっている。そして、マイクロコンピュータ15は、図5(b)に
示すように、アナログスイッチ22hの出力電圧を、受光動作が行なわれていな
い所定のタイミング、即ち、アナログスイッチ22hのオン状態とオフ状態の2
点で検出した回線チェック回路17からの出力信号に応じて判断する。 【0056】 マイクロコンピュータ15は、回線チェック回路17からの出力信号が上記2 点の検出で「H」レベルから「L」レベルに反転したときに正常に動作している
と判断し、それ以外の場合には、検出回路18への出力線が断線していたり、或
はアナログスイッチ22a乃至22hの何れかがオン状態のままとなっていたり
する等の「異常状態」であると判断する。そして、マイクロコンピュータ15は
、「異常状態」を判断すると、表示回路20の全てのLED20a乃至20cに
点滅信号を出力すると共に、検出出力回路19a及び警報出力回路19bの両者
に出力信号を与えて「異常状態」である旨の報知を行なう。 【0057】 これにより、受光用シフトレジスタ23a乃至12h,アナログスイッチ22
a乃至22h或は変換回路21a乃至21hの何れかに故障が発生している場合
には迅速に検出して報知することができる。また、検出出力を物体の侵入による
遮光状態と同様の状態にすることによって安全側に働かせる。そして、この状態
はロックされ、電源がオフされるまで維持される。 【0058】 尚、以上の各種検出動作による検出状態は、投光器1及び受光器2の夫々の表
示状態に対応させると表1及び表2のようにまとめられる。 【0059】 【表1】 【0060】 【表2】 このような本実施例によれば、投光回路4の投光用シフトレジスタ12hの出
力端子をマイクロコンピュータ5に接続して出力状態を検出し、正常動作パター
ンと比較することにより、投光用シフトレジスタ12a乃至12hの動作状態を
検出するようにしたので、異常状態の発生を迅速に検出でき、検出エリア8内の
遮光状態を正確に検出できる。また、同様に、受光回路14においても受光用シ
フトレジスタ23a乃至23hの動作状態を検出するので、異常状態の発生を迅
速に検出でき、従って、検出エリア8内の遮光状態を正確に検出できる。 【0061】 尚、上記実施例においては、外乱光の検出を、PD13a乃至13hについて 一括して検出する一定期間を設けて行なうようにしたが、これに限らず、例えば
、1光軸或は複数光軸の投光が終了する度に検出するようにしても良い。 【0062】 また、上記実施例においては、警報出力回路18bを設ける構成としたが、こ
れに限らず、警報出力による報知に代えて表示灯等により報知するように構成し
ても良い。 【0063】 さらに、上記実施例においては、本考案を8光軸のエリアセンサに適用した場
合について述べたが、これに限らず、光軸を構成する投光素子と受光素子の対が
複数あるもの全般に適用できる。 【0064】 【考案の効果】 以上説明したように、本考案の多光軸光電スイッチによれば、投光器及び受光
器に夫々設けられた第1,第2の検知手段により、投光用シフトレジスタ及び受
光用シフトレジスタの動作状態を検出し、異常が発生したときには外部に報知す
ると共に出力回路を遮光状態と同様の状態にすることによって安全側に働かせる
ようにしたので、異常状態の発生を迅速に検出でき、従って、検出エリア内の遮
光状態を常に正確に検出できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施例を示す投光器の電気的構成図
【図2】
受光器の電気的構成図
【図3】
全体構成のブロック図
【図4】
投光器側の各部の信号出力状態を示すタイムチャート
【図5】
受光器側の各部の信号出力状態を示すタイムチャート
【符号の説明】
1は投光器、2は受光器、3a乃至3hは発光ダイオード(投光素子)、4は
投光回路、5はマイクロコンピュータ(投光制御手段,第1の検知手段)、7は
電流検出回路、8は検出エリア、9は表示回路、11a乃至11hはAND回路
、12a乃至12hは投光用シフトレジスタ、13a乃至13hはフォトダイオ
ード(受光素子)、14は受光回路、15はマイクロコンピュータ(受光制御手
段,第2の検知手段)、17は回線チェック回路、18は検出回路(判断手段)
、18aは遮光検出回路、18bは安定入光検出回路、18cは波形整形回路、
19は出力回路、19aは検出出力回路、19bは警報出力回路、20は表示回
路、20aは赤色LED、20bは黄色LED、20cは緑色LED、22a乃
至22hはアナログスイッチ、23a乃至23hは受光用シフトレジスタである
。
投光回路、5はマイクロコンピュータ(投光制御手段,第1の検知手段)、7は
電流検出回路、8は検出エリア、9は表示回路、11a乃至11hはAND回路
、12a乃至12hは投光用シフトレジスタ、13a乃至13hはフォトダイオ
ード(受光素子)、14は受光回路、15はマイクロコンピュータ(受光制御手
段,第2の検知手段)、17は回線チェック回路、18は検出回路(判断手段)
、18aは遮光検出回路、18bは安定入光検出回路、18cは波形整形回路、
19は出力回路、19aは検出出力回路、19bは警報出力回路、20は表示回
路、20aは赤色LED、20bは黄色LED、20cは緑色LED、22a乃
至22hはアナログスイッチ、23a乃至23hは受光用シフトレジスタである
。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 検出エリアに向けて光を照射する複数の投光素子と、 これら複数の投光素子の夫々に対応して設けられた複数の投光用シフトレジス
タと、 これらの投光用シフトレジスタに制御信号を与えて前記投光素子を所定タイミ
ングで順次点灯させる投光制御手段とを有する投光器と、 前記投光素子と対をなすように設けられて前記検出エリアからの光を受ける複
数の受光素子と、 これら複数の受光素子に対応して設けられた複数の受光用シフトレジスタと、
これらの受光用シフトレジスタに制御信号を与えて前記受光素子からの受光信号
を前記投光素子の点灯タイミングに同期させて有効化する受光制御手段と、 前記受光素子からの受光信号に基づいて前記検出エリアにおける遮光状態を判
断する判断手段と、 この判断手段からの遮光判断結果を外部に出力する出力回路とを有する受光器
とからなる多光軸光電スイッチにおいて、 前記投光器は、前記複数の投光用シフトレジスタの最終段の出力信号パターン
を検出して当該出力信号パターンが正常動作状態で予想される出力信号パターン
と異なっていたときは上記シフトレジストが動作異常であることを外部に報知す
ると共に前記投光制御手段に対して前記投光素子の点灯を停止させる第1の検知
手段を備え、 前記受光器は、前記複数の受光用シフトレジスタの最終段の出力信号パターン
を検出して当該出力信号パターンが正常動作状態で予想される出力信号パターン
と異なっていたときは上記シフトレジストが動作異常であることを外部に報知す
ると共に前記出力回路を遮光状態と同様の状態とする第2の検知手段を備えたこ
とを特徴とする多光軸光電スイッチ。
Family
ID=
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