JP2514932B2 - 形状記憶合金線材の直線形状記憶処理方法 - Google Patents
形状記憶合金線材の直線形状記憶処理方法Info
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- Wire Processing (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、形状記憶合金線材に直線形状を記憶させる
ための処理方法に関するものである。
ための処理方法に関するものである。
従来、形状記憶合金線材に直線形状を記憶させる場
合、次のような方法がとられていた。
合、次のような方法がとられていた。
第一の方法は第２図に示すように、形状記憶合金線材
11を所定の速度で加熱炉12内を走行させ、加熱炉12の入
口側にブレーキ装置13を、出口側にピンチローラー14を
設けて、加熱炉12を通る形状記憶合金線材11に張力をか
けながら熱処理を行い、直線形状を記憶させるものであ
る。
11を所定の速度で加熱炉12内を走行させ、加熱炉12の入
口側にブレーキ装置13を、出口側にピンチローラー14を
設けて、加熱炉12を通る形状記憶合金線材11に張力をか
けながら熱処理を行い、直線形状を記憶させるものであ
る。
しかしこの方法は、ピンチローラーでスリップが発生
したり、線材に振動が発生したりして、真直度にバラツ
キが出やすい欠点がある。特に線材が太い場合には、そ
のバラツキが大きくなる。
したり、線材に振動が発生したりして、真直度にバラツ
キが出やすい欠点がある。特に線材が太い場合には、そ
のバラツキが大きくなる。
第二の方法は第３図に示すように、ブレーキ装置13と
ピンチローラー14間を走行する形状記憶合金線材11に、
電源15に接続された電極16a・16bを接触させ、その間で
線材11を通電加熱して、直線形状を記憶させるものであ
る。
ピンチローラー14間を走行する形状記憶合金線材11に、
電源15に接続された電極16a・16bを接触させ、その間で
線材11を通電加熱して、直線形状を記憶させるものであ
る。
この方法は、原理的には第一の方法と同じであるの
で、上記のような欠点があるほか、電極16a・16bと線材
11間にスパークが発生し、通電電流が不安定になって、
処理温度が一定しないという問題がある。
で、上記のような欠点があるほか、電極16a・16bと線材
11間にスパークが発生し、通電電流が不安定になって、
処理温度が一定しないという問題がある。
第三の方法は第４図に示すように、形状記憶合金線材
11の一端をクランプ17で固定し、他端側をガイドローラ
ー18でターンさせて、その先端に重錘19を吊下げ、クラ
ンプ17とガイドローラー18間に電源15を接続して、線材
11を通電加熱する方法である。この方法では、線材11に
かかる張力が一定になるため最も良好な真直度が得られ
るが、定尺処理方式であるため、生産性が悪く、量産に
は不向きである。
11の一端をクランプ17で固定し、他端側をガイドローラ
ー18でターンさせて、その先端に重錘19を吊下げ、クラ
ンプ17とガイドローラー18間に電源15を接続して、線材
11を通電加熱する方法である。この方法では、線材11に
かかる張力が一定になるため最も良好な真直度が得られ
るが、定尺処理方式であるため、生産性が悪く、量産に
は不向きである。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決した
形状記憶合金線材の直線形状記憶処理方法を提供するも
ので、その方法は、サプライスタンドから供給される形
状記憶合金線材を引取装置により所定長ずつ間欠的に引
き取るようにし、上記形状記憶合金線材が走行を停止し
ているときに、上記サプライスタンドと引取装置の間に
ある所定長の線材を、所定の張力をかけた状態で形状記
憶処理温度以上に通電加熱し、次いで冷却することを特
徴とするものである。
形状記憶合金線材の直線形状記憶処理方法を提供するも
ので、その方法は、サプライスタンドから供給される形
状記憶合金線材を引取装置により所定長ずつ間欠的に引
き取るようにし、上記形状記憶合金線材が走行を停止し
ているときに、上記サプライスタンドと引取装置の間に
ある所定長の線材を、所定の張力をかけた状態で形状記
憶処理温度以上に通電加熱し、次いで冷却することを特
徴とするものである。
本発明の方法において、形状記憶合金線材が走行を停
止しているときに、張力付加と通電加熱を行うのは、張
力および通電電流を安定させるためであり、また形状記
憶合金線材を間欠的に走行させながら直線形状記憶処理
を行うのは、同処理を半連続的に行って生産性を高める
ためである。
止しているときに、張力付加と通電加熱を行うのは、張
力および通電電流を安定させるためであり、また形状記
憶合金線材を間欠的に走行させながら直線形状記憶処理
を行うのは、同処理を半連続的に行って生産性を高める
ためである。
本発明の方法で処理可能な形状記憶合金線材は、断面
円形のものだけでなく、断面非円形のもの例えばテープ
状の線材なども処理可能である。
円形のものだけでなく、断面非円形のもの例えばテープ
状の線材なども処理可能である。
以下、本発明の一実施例を第１図を参照して詳細に説
明する。図において、21は形状記憶合金線材11のサプラ
イスタンド、22は巻取り機で、その間にはいくつかのガ
イドローラー23a〜23fが配置されている。ガイドローラ
ー23aと23bの間には第一のクランプ24aが、ガイドロー
ラー23eと23fの間には第二のクランプ24bが配置されて
いる。またガイドローラー23cと23dの間は例えば数ｍの
間隔となっており、それらのすぐ内側にはクランプ式電
極25a・25bが配置されている。電極25a・25bは電源15に
接続されている。さらにガイドローラー23bと23cの間に
は重錘26が配置されており、この重錘26は曲率半径の大
きい（形状記憶合金線材11に無理な曲げを与えない）治
具27を介して形状記憶合金線材11に吊下げられるように
なっている。
明する。図において、21は形状記憶合金線材11のサプラ
イスタンド、22は巻取り機で、その間にはいくつかのガ
イドローラー23a〜23fが配置されている。ガイドローラ
ー23aと23bの間には第一のクランプ24aが、ガイドロー
ラー23eと23fの間には第二のクランプ24bが配置されて
いる。またガイドローラー23cと23dの間は例えば数ｍの
間隔となっており、それらのすぐ内側にはクランプ式電
極25a・25bが配置されている。電極25a・25bは電源15に
接続されている。さらにガイドローラー23bと23cの間に
は重錘26が配置されており、この重錘26は曲率半径の大
きい（形状記憶合金線材11に無理な曲げを与えない）治
具27を介して形状記憶合金線材11に吊下げられるように
なっている。
さて、巻取り機22は形状記憶合金線材11を所定長ずつ
間欠的に巻き取る。１回で巻き取る長さは例えば電極25
a・25b間の距離に対応させてある。巻取り機22に引き取
られて線材11が走行するときは、クランプ24a・24b、電
極25a・25bは開いており、重錘26は治具27が線材11に接
触しないように持ち上げられている。
間欠的に巻き取る。１回で巻き取る長さは例えば電極25
a・25b間の距離に対応させてある。巻取り機22に引き取
られて線材11が走行するときは、クランプ24a・24b、電
極25a・25bは開いており、重錘26は治具27が線材11に接
触しないように持ち上げられている。
巻取り機22は、形状記憶合金線材11を所定長巻き取る
と停止し、このため線材11の走行も停止する。すると、
まず第二のクランプ24bが線材11を把持し、次に重錘26
が下降し、ガイドローラー23b・23c間の線材11を少し弛
ませたところで、第一のクランプ24aが線材11を把持す
る。重錘26がさらに下降し、全重量が線材11にかかるよ
うになる。これにより線材11には一定の張力が加えられ
たことになる。線材11を弛ませるのは、形状記憶合金線
材11は加熱すると長さが若干縮む性質があるからであ
る。
と停止し、このため線材11の走行も停止する。すると、
まず第二のクランプ24bが線材11を把持し、次に重錘26
が下降し、ガイドローラー23b・23c間の線材11を少し弛
ませたところで、第一のクランプ24aが線材11を把持す
る。重錘26がさらに下降し、全重量が線材11にかかるよ
うになる。これにより線材11には一定の張力が加えられ
たことになる。線材11を弛ませるのは、形状記憶合金線
材11は加熱すると長さが若干縮む性質があるからであ
る。
次に電極25a・25bが線材11を把持し、その間の線材11
を形状記憶処理温度（数百℃）に通電加熱する。なお二
つの電極のうち少なくとも重錘26側の電極25aは線材11
の伸縮の応じて移動できるようになっている。このよう
にして所定時間の加熱が終了したら電極25a・25bを開放
し、加熱された線材11を送風などにより冷却する。これ
が済んだら、重錘26を持ち上げ、クランプ24a・24bを開
放して、巻取り機22により線材11を所定長巻き取る。
を形状記憶処理温度（数百℃）に通電加熱する。なお二
つの電極のうち少なくとも重錘26側の電極25aは線材11
の伸縮の応じて移動できるようになっている。このよう
にして所定時間の加熱が終了したら電極25a・25bを開放
し、加熱された線材11を送風などにより冷却する。これ
が済んだら、重錘26を持ち上げ、クランプ24a・24bを開
放して、巻取り機22により線材11を所定長巻き取る。
以上のような操作を繰り返すことにより順次、形状記
憶合金線材11の直線形状記憶処理を行っていくものであ
る。
憶合金線材11の直線形状記憶処理を行っていくものであ
る。
なお上記実施例では、二つのクランプ24aと24bの間
で、張力付加と通電加熱を行うようにしたが、例えば一
方のクランプ24bを省略し、電極25bを固定式にして、ク
ランプ24aと電極25bの間で張力をかけ、電極25aと25bの
間で通電加熱するようにすることも可能である。また重
錘は巻取り機側、例えばガイドローラー23dと23eの間に
配置することも可能である。
で、張力付加と通電加熱を行うようにしたが、例えば一
方のクランプ24bを省略し、電極25bを固定式にして、ク
ランプ24aと電極25bの間で張力をかけ、電極25aと25bの
間で通電加熱するようにすることも可能である。また重
錘は巻取り機側、例えばガイドローラー23dと23eの間に
配置することも可能である。
さらに上記実施例では直線形状を記憶させた線材を引
き取るのに巻取り機を使用したが、キャプスタンあるい
は無端ベルト式の引取り機を使用することも可能であ
る。形状記憶合金線材を巻き取らない場合は、引き取っ
た線材を次々に必要な長さに切断すればよい。
き取るのに巻取り機を使用したが、キャプスタンあるい
は無端ベルト式の引取り機を使用することも可能であ
る。形状記憶合金線材を巻き取らない場合は、引き取っ
た線材を次々に必要な長さに切断すればよい。
次に、直径3.2mmのNi−Ti合金線につき、実施例の方
法と従来の方法で直線形状記憶処理をした結果を第一表
に示す。
法と従来の方法で直線形状記憶処理をした結果を第一表
に示す。
真直度は、長さ1mの処理された合金線を定盤におき、
定盤からの最大浮き上がり高さで表した。サンプル数は
各方法とも100本である。
定盤からの最大浮き上がり高さで表した。サンプル数は
各方法とも100本である。
〔発明の効果〕 以上説明したように本発明によれば、形状記憶合金線
材を間欠的に走行させ、線材の走行が停止しているとき
に、張力付加と通電加熱を行うようにしているので、張
力および加熱温度が安定し、比較的太い形状記憶合金線
材でも、真直度の高い直線形状記憶処理を行うことがで
きる。また形状記憶処理は線材を間欠的に走行させなが
ら半連続的に行っているので、従来の定尺処理方法に比
べると格段に生産性が高いという利点がある。
材を間欠的に走行させ、線材の走行が停止しているとき
に、張力付加と通電加熱を行うようにしているので、張
力および加熱温度が安定し、比較的太い形状記憶合金線
材でも、真直度の高い直線形状記憶処理を行うことがで
きる。また形状記憶処理は線材を間欠的に走行させなが
ら半連続的に行っているので、従来の定尺処理方法に比
べると格段に生産性が高いという利点がある。
第１図は本発明の一実施例に係る形状記憶合金線材の直
線形状記憶処理方法を示す説明図、第２図ないし第４図
はそれぞれ従来の直線形状記憶処理方法を示す説明図で
ある。 11〜形状記憶合金線材、15〜電源、21〜サプライスタン
ド、22〜巻取り機、24a・24b〜クランプ、25a・25b〜ク
ランプ式電極、26〜重錘。
線形状記憶処理方法を示す説明図、第２図ないし第４図
はそれぞれ従来の直線形状記憶処理方法を示す説明図で
ある。 11〜形状記憶合金線材、15〜電源、21〜サプライスタン
ド、22〜巻取り機、24a・24b〜クランプ、25a・25b〜ク
ランプ式電極、26〜重錘。
Claims (1)
- 【請求項１】サプライスタンドから供給される形状記憶
合金線材を引取装置により所定長ずつ間欠的に引き取る
ようにし、上記形状記憶合金線材が走行を停止している
ときに、上記サプライスタンドと引取装置の間にある所
定長の線材を、所定の張力をかけた状態で形状記憶処理
温度以上に通電加熱し、次いで冷却することを特徴とす
る形状記憶合金線材の直線形状記憶処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61130086A JP2514932B2 (ja) | 1986-06-06 | 1986-06-06 | 形状記憶合金線材の直線形状記憶処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61130086A JP2514932B2 (ja) | 1986-06-06 | 1986-06-06 | 形状記憶合金線材の直線形状記憶処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62287055A JPS62287055A (ja) | 1987-12-12 |
| JP2514932B2 true JP2514932B2 (ja) | 1996-07-10 |
Family
ID=15025638
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61130086A Expired - Fee Related JP2514932B2 (ja) | 1986-06-06 | 1986-06-06 | 形状記憶合金線材の直線形状記憶処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2514932B2 (ja) |
Families Citing this family (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| USRE40351E1 (en) | 1996-07-24 | 2008-06-03 | Lincoln Global, Inc. | Mechanism for braking the unwinding of a bundle of metallic wire housed in a drum |
| US6708864B2 (en) * | 2001-06-15 | 2004-03-23 | Lincoln Global, Inc. | “S” shaped cast in wire |
| JP4902277B2 (ja) * | 2006-06-29 | 2012-03-21 | 聰 島本 | 形状記憶合金を用いた可撓性を有する面状発熱体及びその製造方法 |
| JP5332394B2 (ja) * | 2008-08-21 | 2013-11-06 | コニカミノルタ株式会社 | 加熱炉および加熱装置 |
| CZ2009279A3 (cs) * | 2009-05-04 | 2010-12-08 | Fyzikální ústav AV CR, v.v.i. | Zpusob úpravy a/nebo kontroly funkcních mechanických vlastností zejména transformacní deformace a/nebo pevnosti kovových vláken z materiálu s tvarovou pametí a zarízení k provádení tohoto zpusobu |
| US8882018B2 (en) | 2011-12-19 | 2014-11-11 | Sidergas Spa | Retainer for welding wire container and welding wire container with retainer |
| US10343231B2 (en) | 2014-05-28 | 2019-07-09 | Awds Technologies Srl | Wire feeding system |
| US10010962B1 (en) | 2014-09-09 | 2018-07-03 | Awds Technologies Srl | Module and system for controlling and recording welding data, and welding wire feeder |
| US10350696B2 (en) | 2015-04-06 | 2019-07-16 | Awds Technologies Srl | Wire feed system and method of controlling feed of welding wire |
| US9975728B2 (en) | 2015-09-10 | 2018-05-22 | Sidergas Spa | Wire container lid, wire container and wire feeding system |
| US9950857B1 (en) | 2016-10-17 | 2018-04-24 | Sidergas Spa | Welding wire container |
| US11174121B2 (en) | 2020-01-20 | 2021-11-16 | Awds Technologies Srl | Device for imparting a torsional force onto a wire |
| US11278981B2 (en) | 2020-01-20 | 2022-03-22 | Awds Technologies Srl | Device for imparting a torsional force onto a wire |
-
1986
- 1986-06-06 JP JP61130086A patent/JP2514932B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62287055A (ja) | 1987-12-12 |
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