JP2514913B2 - ヒトbcdfを含有する神経系障害治療剤 - Google Patents
ヒトbcdfを含有する神経系障害治療剤Info
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- JP2514913B2 JP2514913B2 JP62263632A JP26363287A JP2514913B2 JP 2514913 B2 JP2514913 B2 JP 2514913B2 JP 62263632 A JP62263632 A JP 62263632A JP 26363287 A JP26363287 A JP 26363287A JP 2514913 B2 JP2514913 B2 JP 2514913B2
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- Japan
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- bcdf
- human
- human bcdf
- nervous system
- therapeutic agent
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/52—Cytokines; Lymphokines; Interferons
- C07K14/54—Interleukins [IL]
- C07K14/5412—IL-6
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- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
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- Zoology (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
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- Molecular Biology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Toxicology (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、老人性痴呆症等の神経系の機能障害を対象
とする神経系障害治療剤に関する。
とする神経系障害治療剤に関する。
神経成長因子(nerve growth factor;NGF)が、胎生
期の知覚、交感神経細胞の分化や成長を促し、成熟交感
神経細胞の生存、機能維持に不可欠であり、また脳でも
NGFが合成され機能していることがラットにおいて、明
らかにされている(実験医学,4 57,1986)。ヒト脳に
おいてもNGFmRNAが大脳皮質と海馬で高く、小脳や中隔
・大細胞性基低核では低いという報告(Goedert,M.,eta
l Mol Brain Res.,1,85−92,1986)があり、ヒト脳に
おいても、NGFが前脳基底部のコリン作働性神経の栄養
因子として作用している可能性を示唆している。一方、
アルツハイマー型痴呆症の原因としてマイネルト基底核
の変成によるコリン作働性神経系の障害が想定されてい
るが(Marx,J.L.,Science 232 231−232,1986)、脳
内、特に大細胞性コリン作働性神経系にNGFが栄養因子
として機能するものであれば本症の治療剤としての可能
性が想定される。最近、NGFの脳内投与により老令ラッ
トにおけるコリン作働性神経系の萎縮や記憶の障害が改
善されたという報告(Fisher,Wetal,Nature,329 65−6
8,1987)が成されたが、これは、本因子のアルツハイマ
ー型痴呆症治療剤としての可能性を肯定するものであ
る。
期の知覚、交感神経細胞の分化や成長を促し、成熟交感
神経細胞の生存、機能維持に不可欠であり、また脳でも
NGFが合成され機能していることがラットにおいて、明
らかにされている(実験医学,4 57,1986)。ヒト脳に
おいてもNGFmRNAが大脳皮質と海馬で高く、小脳や中隔
・大細胞性基低核では低いという報告(Goedert,M.,eta
l Mol Brain Res.,1,85−92,1986)があり、ヒト脳に
おいても、NGFが前脳基底部のコリン作働性神経の栄養
因子として作用している可能性を示唆している。一方、
アルツハイマー型痴呆症の原因としてマイネルト基底核
の変成によるコリン作働性神経系の障害が想定されてい
るが(Marx,J.L.,Science 232 231−232,1986)、脳
内、特に大細胞性コリン作働性神経系にNGFが栄養因子
として機能するものであれば本症の治療剤としての可能
性が想定される。最近、NGFの脳内投与により老令ラッ
トにおけるコリン作働性神経系の萎縮や記憶の障害が改
善されたという報告(Fisher,Wetal,Nature,329 65−6
8,1987)が成されたが、これは、本因子のアルツハイマ
ー型痴呆症治療剤としての可能性を肯定するものであ
る。
本発明の目的は、神経系に作用するNGFとは異なる新
しい因子を含有する神経系障害治療剤の提供である。
しい因子を含有する神経系障害治療剤の提供である。
ヒトBCDFは、B細胞の分化誘導し抗体産生を増強する
因子として、その構造が決定された(Nature 324 73 19
86)。このBCDFは、現在、BSF−2(B cell stimulatin
g factor−2)またはIL−6(Inter Leukin−6)と呼
称されている。
因子として、その構造が決定された(Nature 324 73 19
86)。このBCDFは、現在、BSF−2(B cell stimulatin
g factor−2)またはIL−6(Inter Leukin−6)と呼
称されている。
本発明者達は、鋭意研究を重ねた結果、ヒトBCDFを有
効成分とする薬剤が神経細胞の分化を誘導し老人性痴呆
症等神経系の障害に対して有効であることを見出し本発
明を完成した。
効成分とする薬剤が神経細胞の分化を誘導し老人性痴呆
症等神経系の障害に対して有効であることを見出し本発
明を完成した。
すなわち、本発明は、ヒトBCDFを有効成分とする神経
系障害治療剤である。本発明に係るヒトBCDFは例えば下
記のアミノ酸配列(I)又は(II)を有する。
系障害治療剤である。本発明に係るヒトBCDFは例えば下
記のアミノ酸配列(I)又は(II)を有する。
アミノ酸配列(I): 又は アミノ酸配列(II): アミノ酸配列(I)は天然型ヒトBCDFであり、アミノ
酸配列(II)は天然型ヒトBCDFのN末端にAlaが1つ付
加されたポリペプチド(以下ヒトAla−BCDFと記す)で
ある。しかし、本発明で用いるヒトBCDFは必ずしも上記
アミノ酸配列(I)又は(II)で示される構造をとる必
要はない。
酸配列(II)は天然型ヒトBCDFのN末端にAlaが1つ付
加されたポリペプチド(以下ヒトAla−BCDFと記す)で
ある。しかし、本発明で用いるヒトBCDFは必ずしも上記
アミノ酸配列(I)又は(II)で示される構造をとる必
要はない。
即ち、天然型ヒトBCDFのN末端及び/又はC末端より
1個もしくは複数個のアミ酸が付加された構造を有する
もの、天然型ヒトBCDFの構造中の1個もしくは複数個の
アミノ酸が他のアミノ酸に置換された構造を有するもの
も、ヒトBCDF活性を有する限り本発明のヒトBCDFとして
用いることができる。好ましくは天然型ヒトBCDF又はヒ
トAla−BCDFを用いるのがよい。本発明に係るヒトBCDF
の含量は該神経系障害治療剤中0.0001〜100重量%、好
ましくは0.1〜1.0重量%である。
1個もしくは複数個のアミ酸が付加された構造を有する
もの、天然型ヒトBCDFの構造中の1個もしくは複数個の
アミノ酸が他のアミノ酸に置換された構造を有するもの
も、ヒトBCDF活性を有する限り本発明のヒトBCDFとして
用いることができる。好ましくは天然型ヒトBCDF又はヒ
トAla−BCDFを用いるのがよい。本発明に係るヒトBCDF
の含量は該神経系障害治療剤中0.0001〜100重量%、好
ましくは0.1〜1.0重量%である。
また本発明のヒトBCDFを有効成分とする神経系障害治
療剤には血清アルブミン等の安定化剤や人工脳脊髄液、
またマンニトール等の賦形剤を含有させてもよい。
療剤には血清アルブミン等の安定化剤や人工脳脊髄液、
またマンニトール等の賦形剤を含有させてもよい。
本神経系障害治療剤は脳内または脳室内にosmoticpum
p等を用いて投与される。
p等を用いて投与される。
さて、本発明に用いるヒトBCDFはヒトT細胞、B細
胞、線維芽細胞等により既知の方法(Proc.Natl.Acad.S
ci.USA,82,5490(1985))により生産、精製したもので
も大腸菌、酵母、サル細胞(COS細胞)、ハムスター細
胞など適当な宿主にヒトBCDFをコードする遺伝子を適当
なベクターを用いて形質転換された株を培養することに
より生産、更には精製したヒトBCDF用いてもよい。尚、
ヒトBCDFの生産に関しては実施例で再び説明する。
胞、線維芽細胞等により既知の方法(Proc.Natl.Acad.S
ci.USA,82,5490(1985))により生産、精製したもので
も大腸菌、酵母、サル細胞(COS細胞)、ハムスター細
胞など適当な宿主にヒトBCDFをコードする遺伝子を適当
なベクターを用いて形質転換された株を培養することに
より生産、更には精製したヒトBCDF用いてもよい。尚、
ヒトBCDFの生産に関しては実施例で再び説明する。
本発明者らは、ヒトBCDFが神経細胞の分化誘導を行う
ことを見出した。この作用によりヒトBCDFは老人性痴呆
症等の神経系の機能障害に対して治療効果を呈すること
が可能であると判明した。
ことを見出した。この作用によりヒトBCDFは老人性痴呆
症等の神経系の機能障害に対して治療効果を呈すること
が可能であると判明した。
従来、NGFが同様の作用を示すことが知られていた
が、ヒトBCDFはNGFとは異なるレセプターに作用するこ
と、又、NGFに比べて遅効性であり、その作用機能の異
なることを見出した。
が、ヒトBCDFはNGFとは異なるレセプターに作用するこ
と、又、NGFに比べて遅効性であり、その作用機能の異
なることを見出した。
本発明のヒトBCDFを有効成分として含有する本薬剤は
神経細胞の分化を誘導する機能を有することにより例え
ば老人性痴呆症等神経系の機能障害に対して有効であ
る。
神経細胞の分化を誘導する機能を有することにより例え
ば老人性痴呆症等神経系の機能障害に対して有効であ
る。
以下、本発明の実施例に基づいて更に詳細に説明す
る。
る。
〔実施例1:ヒトBCDF及びヒトAla−BCDFの生産〕 まず天然型ヒトBCDFおよびヒトAla−BCDFの製造法に
ついて説明する。尚、以後特別にことわりがない限り、
ヒトBCDFと記せば、天然型ヒトBCDFを示すこととする。
ついて説明する。尚、以後特別にことわりがない限り、
ヒトBCDFと記せば、天然型ヒトBCDFを示すこととする。
(1) ΔH IL−2−BCDFの製造 ヒトBCDF及びヒトAla−BCDFは特願昭61−302699号明
細書記載の方法により製造した。すなわちヒトBCDF cDN
Aの5′末端側にヒトIL−2cDNAの一部が結合しているプ
ラスミドpTBCDF−12を保持するHB 101株(FERM P−906
2)を25μg/mlストレプトマイシンおよび25μg/mlアン
ピシリンを含むL培地(1%バクトトリプトン、0.5%
酵母エキス、0.5%NaCl、0.1%グルコース、pH7.5)10m
l中で37℃一晩生育させた。ついで培養懸濁液5mlをM9−
カザミノ酸培地(0.6% Na2HPO4・12H2O,0.3%KH2PO4,
0.05% NaCl,0.1% NH4Cl,0.05% MgSO4・7H2O,0.00147
% CaCl2,0.2%グルコース,0.2%カザミノ酸,0.02%L
−ロイシン,0.02%L−プロリン,0.0002%チアミン塩酸
塩,100μg/mlアンピシリン、25μg/mlストレプトマイシ
ン,pH7.4)へ接種し、28℃にて3時間培養した。その後
25μg/mlになる様3−インドールアクリル酸(IAA)を
添加し、23℃にて21時間誘導培養した。培養菌体を遠心
分離し集め、10倍濃縮になるように、3mM NaClを含む、
20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.5)を添加し、懸濁液、そ
こにリゾチーム1mg/ml,EDTA 0.05Mを添加し撹拌した
後、氷中にて、1時間放置した。次いで、超音波破砕で
菌体を破壊し、10,000rpm,5分間の遠心分離で顆粒を回
収した。
細書記載の方法により製造した。すなわちヒトBCDF cDN
Aの5′末端側にヒトIL−2cDNAの一部が結合しているプ
ラスミドpTBCDF−12を保持するHB 101株(FERM P−906
2)を25μg/mlストレプトマイシンおよび25μg/mlアン
ピシリンを含むL培地(1%バクトトリプトン、0.5%
酵母エキス、0.5%NaCl、0.1%グルコース、pH7.5)10m
l中で37℃一晩生育させた。ついで培養懸濁液5mlをM9−
カザミノ酸培地(0.6% Na2HPO4・12H2O,0.3%KH2PO4,
0.05% NaCl,0.1% NH4Cl,0.05% MgSO4・7H2O,0.00147
% CaCl2,0.2%グルコース,0.2%カザミノ酸,0.02%L
−ロイシン,0.02%L−プロリン,0.0002%チアミン塩酸
塩,100μg/mlアンピシリン、25μg/mlストレプトマイシ
ン,pH7.4)へ接種し、28℃にて3時間培養した。その後
25μg/mlになる様3−インドールアクリル酸(IAA)を
添加し、23℃にて21時間誘導培養した。培養菌体を遠心
分離し集め、10倍濃縮になるように、3mM NaClを含む、
20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.5)を添加し、懸濁液、そ
こにリゾチーム1mg/ml,EDTA 0.05Mを添加し撹拌した
後、氷中にて、1時間放置した。次いで、超音波破砕で
菌体を破壊し、10,000rpm,5分間の遠心分離で顆粒を回
収した。
この顆粒を6M塩酸グアニジンで可溶化し、ΔHIL−2
−BCDF濃度が100μg/ml、及び2M塩酸グアニジン溶液と
なるように、濃度調整を行ない、これに、酸化型グルタ
チオン1mMと還元型グルタチオン10mMを添加し、pH8.0、
室温で10〜16時間放置した。次にSephadex G−25による
ゲル濾過で塩酸グアニジンを除去すると同時に、カリク
レイン反応用緩衝液溶液となった、ヒトIL−2−BCDF相
当画分(以下ΔHIL−2−BCDF相当画分と記す)を得
た。本物質をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に
より、分子量は、アミノ酸組成から計算した値とほぼ一
致し、又、プロテインシークエンサーにて、N末端側の
アミノ酸配列を検定した結果、ヒトIL−2の配列である
ことが確認された。
−BCDF濃度が100μg/ml、及び2M塩酸グアニジン溶液と
なるように、濃度調整を行ない、これに、酸化型グルタ
チオン1mMと還元型グルタチオン10mMを添加し、pH8.0、
室温で10〜16時間放置した。次にSephadex G−25による
ゲル濾過で塩酸グアニジンを除去すると同時に、カリク
レイン反応用緩衝液溶液となった、ヒトIL−2−BCDF相
当画分(以下ΔHIL−2−BCDF相当画分と記す)を得
た。本物質をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に
より、分子量は、アミノ酸組成から計算した値とほぼ一
致し、又、プロテインシークエンサーにて、N末端側の
アミノ酸配列を検定した結果、ヒトIL−2の配列である
ことが確認された。
(2) カリクレインによる切断 113mM NaClを含む、50mM Tris−HCl緩衝液、pH7.8中
で得られたΔHIL−2−BCDF 21.4mgとヒトプラズマカリ
クレイン(シグマ社製)73.5μgを37℃、16時間反応
後、逆相HPLCでヒトAla−BCDFに相当するアセトニトリ
ル約55%,TEA 0.1%の画分を分取した。これをプロテイ
ン・シークエンサーにてN末端付近のアミノ酸配列を分
析した結果ΔHIL−2−BCDFがヒトAla−BCDF蛋白に変換
されたことが確認された。ヒトAla−BCDFの回収量は18.
03mg、回収率は84%であった。なお「ヒトAla−BCDF」
とは、天然型ヒトBCDFのN末端にAla1個が付加したもの
である。
で得られたΔHIL−2−BCDF 21.4mgとヒトプラズマカリ
クレイン(シグマ社製)73.5μgを37℃、16時間反応
後、逆相HPLCでヒトAla−BCDFに相当するアセトニトリ
ル約55%,TEA 0.1%の画分を分取した。これをプロテイ
ン・シークエンサーにてN末端付近のアミノ酸配列を分
析した結果ΔHIL−2−BCDFがヒトAla−BCDF蛋白に変換
されたことが確認された。ヒトAla−BCDFの回収量は18.
03mg、回収率は84%であった。なお「ヒトAla−BCDF」
とは、天然型ヒトBCDFのN末端にAla1個が付加したもの
である。
(3) アミノペプチダーゼPによるN末端Alaの除去 アミノペプチダーゼPは、Methods Enzymol.19,521
(1970)に記載されている方法により精製を行なった。
(1970)に記載されている方法により精製を行なった。
(2)で得られたヒトAla−BCDF溶液を、0.4mM MnCl2
を含む50mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)で平衡化したSep
hadex G−25によるゲル濾過でヒトAla−BCDF相当画分を
得た。このようにして得られたヒトAla−BCDF2.02mgに
アミノペプチダーゼPを添加し、37℃、16時間反応後、
逆相HPLCでヒトBCDF相当画分を分取した。さらに、プロ
テインシークエンサーにてN末端側のアミノ酸配列を分
析した結果、ヒトAla−BCDFが定量的にヒトBCDFに変換
されたことが確認された。ヒトBCDFの回収量は20mgであ
った。ヒトBCDFおよびヒトAla−BCDFの活性は第1表に
示した。活性単位はProc.Natl.Acad.Sci.USA,82,5490
(1985)の方法にて定めた。
を含む50mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)で平衡化したSep
hadex G−25によるゲル濾過でヒトAla−BCDF相当画分を
得た。このようにして得られたヒトAla−BCDF2.02mgに
アミノペプチダーゼPを添加し、37℃、16時間反応後、
逆相HPLCでヒトBCDF相当画分を分取した。さらに、プロ
テインシークエンサーにてN末端側のアミノ酸配列を分
析した結果、ヒトAla−BCDFが定量的にヒトBCDFに変換
されたことが確認された。ヒトBCDFの回収量は20mgであ
った。ヒトBCDFおよびヒトAla−BCDFの活性は第1表に
示した。活性単位はProc.Natl.Acad.Sci.USA,82,5490
(1985)の方法にて定めた。
(4) ヒトBCDFの製剤化 ヒトBCDFまたはヒトAla−BCDFのHPLC画分を−20℃に
て一夜放置し、上層のアセトニトリルを除去した。下層
をSephadex G−25によるゲル濾過または透析により、残
留するアセトニトリル及びTFAを除去し、PBS溶液に置換
した。これを希釈し、必要に応じてヒト血清アルブミン
や人工脳脊髄液あるいはマンニトール加えた後無菌濾過
しヒトBCDF製剤及びヒトAla−BCDF製剤とした。
て一夜放置し、上層のアセトニトリルを除去した。下層
をSephadex G−25によるゲル濾過または透析により、残
留するアセトニトリル及びTFAを除去し、PBS溶液に置換
した。これを希釈し、必要に応じてヒト血清アルブミン
や人工脳脊髄液あるいはマンニトール加えた後無菌濾過
しヒトBCDF製剤及びヒトAla−BCDF製剤とした。
〔実施例2:ヒトBCDFによる神経細胞の分化誘導〕 ラット褐色細胞腫PC12細胞をヒトBCDF(24ng/ml)存
在下6日間培養すると、2.5SNGF(宝酒造)(50ng/ml)
存在下の場合と同様に神経突起の成長を誘導した。ヒト
BCDFの場合、添加後2−3日に、この形態変化を示した
が、これはNGFの場合(〜12時間)に較べ遅効性であっ
た。
在下6日間培養すると、2.5SNGF(宝酒造)(50ng/ml)
存在下の場合と同様に神経突起の成長を誘導した。ヒト
BCDFの場合、添加後2−3日に、この形態変化を示した
が、これはNGFの場合(〜12時間)に較べ遅効性であっ
た。
神経細胞の分化に対するヒトBCDFの効果をナトリウム
チャンネルの数の変化を指標に検討した。PC細胞をヒト
BCDF(20ng/ml)存在下11日間培養した。2日毎に培養
液を交換した。サキシトキシン(ナトリウムチャンネル
と特異的に結合する神経毒)の結合は〔3H〕標識サキシ
トキシン(Amersham 68 Ci mmole-1)(20nM)を用いて
測定された。〔3H〕標識サキシトキシンの特異的結合
は、テトロドトキシン(サキシトキシンと同一の場所で
ナトリウムチャンネルに特異的に結合する神経毒)(1
μM)の存在及び非存在下の値の差により求めた。
チャンネルの数の変化を指標に検討した。PC細胞をヒト
BCDF(20ng/ml)存在下11日間培養した。2日毎に培養
液を交換した。サキシトキシン(ナトリウムチャンネル
と特異的に結合する神経毒)の結合は〔3H〕標識サキシ
トキシン(Amersham 68 Ci mmole-1)(20nM)を用いて
測定された。〔3H〕標識サキシトキシンの特異的結合
は、テトロドトキシン(サキシトキシンと同一の場所で
ナトリウムチャンネルに特異的に結合する神経毒)(1
μM)の存在及び非存在下の値の差により求めた。
第2表に示す様に、ヒトBCDFはナトリウムチャンネル
数を約7倍増加させた。
数を約7倍増加させた。
〔実施例3:神経細胞におけるヒトBCDFレセプターの存在
の証明〕 PC12細胞上におけるヒトBCDFレセプターの存在が125I
標識ヒトBCDFを用いて検討された。結合性は常法に従い
測定された。第1図は、Scatchard analysisの結果を示
すが、ヒトBCDFレセプターの解離定数は3.7×10-9Mで、
細胞当り約2,500個のレセプターの存在が明らかになっ
た。
の証明〕 PC12細胞上におけるヒトBCDFレセプターの存在が125I
標識ヒトBCDFを用いて検討された。結合性は常法に従い
測定された。第1図は、Scatchard analysisの結果を示
すが、ヒトBCDFレセプターの解離定数は3.7×10-9Mで、
細胞当り約2,500個のレセプターの存在が明らかになっ
た。
また125I標識ヒトBCDFのPC12細胞に対する結合のヒト
BCDF及びNGFによる競合実験が行われた。即ち、125I標
識ヒトBCDF(9.7×10-4mole/70μl)の特異的結合が種
々の濃度のヒトBCDFまたはNGFの存在下に測定された。
データは、ヒトBCDFやNGFの非存在下における125I標識
ヒトBCDFの結合に対する割合として表示される。2.5×1
06個の細胞に対して、450cpmの125I標識ヒトBCDFが結合
した。
BCDF及びNGFによる競合実験が行われた。即ち、125I標
識ヒトBCDF(9.7×10-4mole/70μl)の特異的結合が種
々の濃度のヒトBCDFまたはNGFの存在下に測定された。
データは、ヒトBCDFやNGFの非存在下における125I標識
ヒトBCDFの結合に対する割合として表示される。2.5×1
06個の細胞に対して、450cpmの125I標識ヒトBCDFが結合
した。
第2図のように、ヒトBCDFの結合は、特異的でありNG
Fによって阻害されなかった。
Fによって阻害されなかった。
第1図は、125I標識ヒトBCDFを用いてのPC12細胞への結
合を示す図面である。 第2図は、125I標識ヒトBCDFのPC12細胞に対する結合が
NGFではなくヒトBCDFによってのみ特異的に阻害される
ことを示す図面である。
合を示す図面である。 第2図は、125I標識ヒトBCDFのPC12細胞に対する結合が
NGFではなくヒトBCDFによってのみ特異的に阻害される
ことを示す図面である。
Claims (3)
- 【請求項1】ヒトBCDF細胞分化因子(以下BCDFと記す)
を有効成分とする神経系障害治療剤。 - 【請求項2】ヒトBCDFが下記のアミノ酸配列(I)を有
するものである特許請求の範囲第1項記載の神経系障害
治療剤。 アミノ酸配列(I): - 【請求項3】ヒトBCDFが下記のアミノ酸配列(II)を有
するものである特許請求の範囲第1項記載の神経系障害
治療剤。 アミノ酸配列(II):
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62263632A JP2514913B2 (ja) | 1987-10-19 | 1987-10-19 | ヒトbcdfを含有する神経系障害治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62263632A JP2514913B2 (ja) | 1987-10-19 | 1987-10-19 | ヒトbcdfを含有する神経系障害治療剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01106827A JPH01106827A (ja) | 1989-04-24 |
JP2514913B2 true JP2514913B2 (ja) | 1996-07-10 |
Family
ID=17392199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62263632A Expired - Lifetime JP2514913B2 (ja) | 1987-10-19 | 1987-10-19 | ヒトbcdfを含有する神経系障害治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2514913B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1987
- 1987-10-19 JP JP62263632A patent/JP2514913B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH01106827A (ja) | 1989-04-24 |
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