JP2514216B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2514216B2 JP62305580A JP30558087A JP2514216B2 JP 2514216 B2 JP2514216 B2 JP 2514216B2 JP 62305580 A JP62305580 A JP 62305580A JP 30558087 A JP30558087 A JP 30558087A JP 2514216 B2 JP2514216 B2 JP 2514216B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気記録媒体に係わり、さらに詳しくは電磁
変換特性、特に色(クロマ)S/N(シグナル/ノイズ)
および輝度出力に優れた特性を示す連続斜め入射蒸着に
より成膜された強磁性金属薄膜を磁気記録層とする磁気
記録媒体に関する。
〔従来の技術〕
Co、Ni、Fe、またはそれらを主成分とする合金、ある
いは、それらの酸化物薄膜を、真空蒸着法、スパッタリ
ング法、イオンプレーティング法などのベーパデポジシ
ョン法によって、ポリエステルフィルム、ポリイミドフ
ィルムなどの高分子フィルムや、非磁性の金属薄板など
よりなる基体上に形成させた強磁性薄膜型の磁気記録媒
体は、従来の塗布型の磁気記録媒体に比べて記録密度を
飛躍的に向上させることができ、また記録再生出力も塗
布型の磁気記録媒体を上回る。しかし、この高密度記録
化のためには、磁気ヘッドとのギャップを可能な限り少
なくし、併せて磁気記録媒体の表面を平滑化してスペー
シングロスを極力減少させる必要がある。しかし、あま
り表面を平滑化し過ぎると、ヘッドタッチあるいは走行
性の点で支障をきたす。このため、強磁性金属薄膜層の
表面に、種々の形状および高さや分布を有する微細突起
を形成させたりして表面状態を工夫し走行性を改善する
方法が提案されている(特開昭59−30231号公報、同59
−94227号公報)。しかし、これらの方法で磁気記録媒
体の走行性は改善されるものの、例えば、連続斜め入射
蒸着法により形成される強磁性金属薄膜を磁気記録層と
する磁気記録媒体においては、電磁変換特性、特にクロ
マS/Nの値が低く、必ずしも満足のいく特性が得られな
かった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、上述した従来技術における磁気記録媒体の
電磁変換特性、特にクロマS/Nが悪いという問題点を解
消し、連続斜め入射蒸着法によって形成される強磁性金
属薄膜を磁気記録層(磁性層)とする強磁性薄膜型の磁
気記録媒体において、電磁変換特性、特にクロマS/N比
が高く、輝度出力が良好で、かつ走行性に優れた信頼性
の高い磁気記録媒体を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
従来、一般に高密度記録に必要な高保磁力を得るため
に、連続斜め入射蒸着の効率を極度に低下させない範囲
で、基体に対する磁性層の柱状粒子の水平成分L(第2
図参照)ができるだけ大きくなるような構造を持つ磁性
層を形成させていた。しかし、本発明者らが検討した結
果、高保磁力に寄与しているのは蒸着初期の高入射角で
基体上に蒸着された部分、すなわち、基体の法線とのな
す柱状粒子の傾斜角θが90度〜75度程度の部分であるこ
とを知った。さらに、第2図に示すごとく、柱状粒子8
の形状を、柱状粒子8の基体1に対する水平成分Lより
も、垂直成分lが大きくなるように成膜することによ
り、保磁力を低下させることなく、クロマS/Nを向上で
きることが判明した。
さらに本発明者らの検討によると、連続斜め入射蒸着
によって形成させた柱状粒子8の集合体である磁性層に
おいて、柱状粒子8の成長方向における中心線に接する
接線と、基体1の法線9とのなす角度、すなわち、柱状
粒子8の傾斜角θが90〜75度の範囲にある磁性層におい
ては、クロマS/Nは良好であるが再生出力が小さくな
り、また磁気記録媒体としての耐久性が劣化してしまう
ことを知った。そこで、上記の傾斜角θが90〜75度(よ
り好ましくは90〜80度)以外の部分の柱状粒子8の水平
成分Lを調整し、柱状粒子8の垂直成分lを増加させる
ことにより、再生出力および耐久性を損うことなく、ク
ロマS/Nを向上させることができることを見い出した。
そして、柱状粒子8のl/Lの比がl/L<1.0では、S/Nの劣
化を招き、さらにl/L<1.5では垂直成分lが大きくなり
過ぎて再生出力および耐久性が低下してしまい、好まし
い柱状粒子のl/Lの比の範囲は1.0〜1.5であることを実
験により確認した。
さらに本発明者らは、磁性層を構成する強磁性状粒子
の垂直成分を増加させる方法について鋭意研究を重ねた
結果、第1図に示すごとく、微小突起部3を多数設けた
基体上1上に、強磁性金属からなる磁性層2を連続斜め
入射蒸着させて、磁性層2の表面に柱状粒子の集合体か
らなる特定形状の突起部を形成させることにより、磁性
層2を構成する柱状粒子8の垂直成分lを増加させるこ
とができ、電磁変換特性、特にクロマS/Nならびに輝度
出力が著しく向上し、かつ走行特性の良い磁気記録媒体
が得られることを見い出した。すなわち、一般に連続斜
め入射蒸着によって形成される強磁性金属薄膜からなる
磁性層の柱状粒子の形状は、基体に突起部がある場合に
は、突起部のシャドウィング効果により柱状粒子の成長
方向の水平成分Lが垂直成分lよりも大きくなるため、
例えば第1図に示すごとく、磁性層2表面の突起部4の
形状は、突起部4の頂点を通る垂直線によって2分され
る突起部4の底部の水平距離を、それぞれx1、x2(x1
x2)としたとき、強磁性金属の蒸気流の入射方向7の影
響を受け、x1は大きくなり、x1とx2の比はx1/x2>1.5と
なる。この場合、通常の磁気記録媒体の走行方向(記録
再生方向)であるノーマル方向5では輝度出力は良好で
あるがクロマS/Nの値は低くなり、逆にリバース方向6
ではクロマS/Nの値は高くなるが、輝度出力は劣化する
ことを知った。このことは磁性層の構造とクロマS/Nお
よび輝度出力との相関を示しており、ノーマル方向5で
も、磁気ヘッドがリバース方向6で感ずるのと似た構造
の磁性層とすることにより、クロマS/Nの値を高め輝度
出力を良好にすることが可能となる。そのため、磁性層
を構成する柱状粒子の成長方向の水平成分を減らし、上
部から見た磁性層表面の突起部の形状を、磁気記録媒体
の走行方向で、ほぼ円形に近いものとすることによりク
ロマS/Nを改善することができ、輝度出力の良好な磁気
記録媒体が得られることになる。
本発明は、強磁性金属の磁気流を基体上に斜め入射し
て形成する強磁性金属の柱状粒子の集合体よりなる磁性
層の表面に、特定の形状および高さを有する突起部を形
成し、該突起部の頂点を通る垂直線によって、基体の水
平方向に2分される突起部の底部の水平距離をx1、x
2(x1≧x2)としたとき、x1およびx2の比が、1.5≦x1/x
2<1.0の範囲にあり、かつ突起部の高さHを、100Å≦
H≦600Åの範囲とすることにより、本発明の目的は達
成される。そして、上記突起部の底部の水平距離x1/x2
の比が1.5を超えるとクロマS/Nが低下するので好ましく
なく、x1/x2の比が1.0未満になることは、連続斜め入射
蒸着による磁性層の形成においては理論的にありえな
い。そして上記のx1/x2の比のより好ましい範囲は1.0〜
1.3である。また、磁性層の表面の突起部の高さは、100
Å未満ではクロマS/Nが悪化するので好ましくなく、600
Åを超えると再生出力が低下するので好ましくない。上
記突起部の高さのより好ましい範囲は200〜400Åであ
る。
さらに本発明は、磁性層を構成する強磁性金属の柱状
粒子の形状を、該柱状粒子の成長方向(長手方向)での
基体に対する水平成分Lを、上記柱状粒子の基体に対す
る垂直成分lよりも小さくし、l/Lの比が1.0〜1.5の範
囲、より好ましくは1.0〜1.3の範囲とすることにより、
本発明の目的を達成することができる。
また、本発明の磁性層を構成する強磁性金属の柱状粒
子の基体の法線に対する最高傾斜角を、75〜90度、より
好ましくは80〜90度とし、柱状粒子のl/Lの比を1.0〜1.
5とすることにより、磁気特性ならびにクロマS/Nおよび
輝度出力を一層改善することができる。
本発明の突起部を有する磁性層の成膜方法は、表面に
50〜300Åの大きさの微細突起を加工形成した非磁性の
基体、または基体表面に粒径が50〜300Å程度の酸化ケ
イ素(SiO2)などからなる非磁性の無機物を付着させた
基体を用い、Co、Ni、Fe、もしくはそれらを主成分とす
る強磁性金属を連続斜め入射蒸着させることにより、達
成される。そして、磁性層の突起部のx1/x2の比較の制
御は、連続斜め入射蒸着において、最低入射角部より導
入する酸素(O2)、アルゴン(Ar)、窒素(N2)などよ
りなる酸化性ガスあるいはこれらの混合ガスの導入量
(圧力)および強磁性金属の蒸気流の最低入射角の大き
さを調整することによって行うことができる。すなわ
ち、最低入射角部において導入する酸化性ガスの導入量
(例えば0.5/min以上)を極力多くし、かつ最低入射
角(例えば45度以下)をできるだけ小さくすることによ
りx1/x2の比を1.0に近付けることができるが、上記x1/x
2比の制御条件は、使用する個々の蒸着装置の形式、容
量などによって異なり、その都度最適条件を具体的に決
める必要がある。
他方、本発明の磁性層の突起部のx1/x2の比較の制御
方法として、連続斜め入射蒸着において、x1/x2の比が
大きくなる傾向にあるのは基体上の突起部のシャドウィ
ング効果によるものであるので、この効果を抑制するた
めに、まず最初、基体上に所定の方向から斜め入射蒸着
を行い、いったん原反を巻き取った後、再び蒸着装置に
セットし、今度は上記とは逆の方向から蒸着させること
を、少なくとも1回繰返して行い所定の膜厚を有する磁
性層を形成させることによっても達成できる。
さらに、本発明の磁性層を構成する強磁性金属柱状粒
子の基体に対する水平成分Lおよび垂直成分lの調節
は、強磁性金属の蒸発源の位置と円筒状キャンに沿って
移動する基体との位置などを調節して、連続斜め入射蒸
着の初期のステップにおいては、上記流の最高入射角が
90度〜75度で基体上に蒸着されるようにし、その後の低
い入射角部において入射させる蒸気流をできるだけ少な
くして、基体に対して入射する蒸気流が垂直に近くなる
ように調整して、柱状粒子の垂直成分lを増加させる
か、あるいは最低入射角部において吹き付けるO2、Ar、
N2などの酸化性ガスの総量を可能な限り多くして、磁性
層の表面部分における柱状粒子の傾斜角を垂直化するこ
とにより、柱状粒子のl/Lの比を1.0〜1.5の範囲に制御
することができる。
〔実施例〕
以下に本発明の一実施例を挙げ、図面に基づいてさら
に詳細に説明する。
(実施例 1) 第3図に示す連続斜め真空蒸着装置を使用し、表面に
200Å高さの微細突起を多数有するポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルムの基体14を、送り出しロール1
5より、ガイドロール16を介して回転する円筒状キャン1
3の周側面に沿って移動させ、ガイドロール17を介して
巻き取りロール18に巻き取るようにセットすると共に、
強磁性金属材料の蒸発源19内にCo−20wt%Ni合金からな
る強磁性金属材料20をセットした。ついで、真空排気系
12で真空槽11内を約5×10-5Torrにまで真空排気し、Co
−20wt%Ni合金からなる強磁性金属材料20を加熱蒸着さ
せて、斜め入射蒸着の入射角θを規制する防着板21を調
整して、強磁性金属材料20の蒸気流の最低入射角を45度
となし、蒸着速度800Å/sで斜め入射蒸着を開始すると
同時に、酸化性ガス導入管22から最低入射角部Aの基体
14に対して、酸素60部、窒素40部の組成からなる酸化性
ガスを0.8/min(酸素0.48/min、窒素0.32/min)
の割合で吹きつけて、膜厚が1500ÅのCo−20wt%Ni合金
からなる強磁性金属薄膜層(磁性層)を形成させた。こ
のようにして作製した磁気記録媒体の原反の磁性層の表
面に、潤滑剤としてフッ素系潤滑剤であるフオンブリン
ZDISOC(モンテジソン社製商品名)をフッ素系溶剤FC−
77(住友スリーエム社製商品名)に0.1wt%の濃度に希
釈したものを塗布し、乾燥した後、スリットして8mm幅
の磁気テープを作製した。
(実施例 2) 実施例1における防着板11の一部(最低入射角θ=42
度に相当する位置)に蒸着孔(スリット)を設けたこ
と、および酸化性ガスとして酸素のみを使用し、その流
量を0.5/minとした以外は、実施例1と同様にして磁
気テープを作製した。なお、本実施例における磁性層の
膜厚の増分は、実施例1におけるよりも100Å増加し
た。
(実施例 3) まず、酸化性ガスとして酸素ガスを0.5/min導入し
て、実施例1と同様の方法で磁性層の膜厚が1000Åにな
るまで蒸着し、いったん巻き取りロールに巻き取った
後、再び同じ蒸着装置にセットして、今度は逆方向から
連続斜め入射蒸着を行い、厚さ1000Åの磁性層上に、さ
らに500Åの膜厚に磁性層を形成させ、合計膜厚1500Å
の磁性層を有する磁気テープを実施例1と同様の方法で
作製した。
(実施例 4) 酸化性ガスとして酸素ガスを0.5/min、窒素ガスを
0.2/min(合計流量0.7/min)の混合ガスを導入し、
その他は実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
(実施例 5) 酸化性ガスとして酸素ガスを0.5/min、窒素ガスを
0.1/min(合計流量0.6/min)の混合ガスを導入し、
その他は実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
(比較例 1) 酸化性ガスとして窒素ガスを0.5/min導入した以外
は、実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
(比較例 2) 最低入射角を50度に変えた以外は比較例1と同様の方
法で磁気テープを作製した。
以上の実施例1〜5および比較例1〜2において作製
した磁気テープについて、0.75M Hzのクロマ信号に対す
るクロマS/Nを測定し磁気テープの電磁変換特性を評価
した。その結果を第1表に示す。クロマS/Nは、市販の
塗布型8mmメタルテープを0dBとして示した。なお、各磁
気テープをテープ走行方向と平行に超薄切片を採取し、
透過型電子顕微鏡により磁性層の断面を観察したとこ
ろ、磁性層表面の突起部のHおよびx1/x2の比は第1表
に示すとおりであった。Hについては、ほぼ同一であっ
たが、x1/x2の比は1.5〜1.0の範囲内になければクロマS
/Nが悪化することが判明した。また、Hについては本実
施例において述べていないが、Hが600Åを超えると磁
気ヘッドとのスペーシングが大きくなり、その場合はx1
/x2の比が1.5〜1.0の範囲内にあっても、クロマS/Nが悪
くなり実用的でないことを確認している。
第1表から明らかなごとく、本発明の実施例1〜5に
おける磁気テープは、いずれもクロマS/Nが良好で、優
れた電磁変換特性を有することが分かる。
(実施例6〜10、および比較例3〜5) 第3図に示す実施例1において用いたのと同様の連続
斜め真空蒸着装置を使用した。すなわち、真空排気系12
によって排気された真空槽11内において、送り出しロー
ル15より送り出された厚さ9μmの市販のPETフィルム
である基体14は、円筒状キャン13に沿って移動すると共
に、下部に配設された蒸発源19から発生する強磁性金属
材料20であるCo−20wt%Ni合金の蒸気流23の基体14の法
線に対する入射角度を防着板21によって、蒸気流23の最
高入射角部(B部)および最低入射角部(A部)のそれ
ぞれの入射角を変化させて、蒸気流23の入射角度を調節
し、基体14上に斜め入射蒸着を行った後、巻き取りロー
ル18によって巻き取られる。また、蒸着時にな酸化性ガ
ス導入管22より、酸素(O2)ガスとアルゴン(Ar)ガス
との混合ガスを、最低入射角部Aに吹きつけ、酸素ガス
分圧Po2=1×10-4Torrとなるように調整し、膜厚が150
0ÅのCo−Ni−O合金からなる磁性層を形成させた。こ
のようにして作製した磁気記録媒体の原反を裁断して磁
気テープを得た。なお、磁性層を構成する柱状粒子の基
体に対する水平成分Lおよび垂直成分lの調整は、Arと
O2との混合ガス中のArガスの量を変化させ、蒸気流23に
差し向ける混合ガスの総量を変えることによって柱状粒
子の成長方向(傾斜角)を制御した。本実施例において
は酸化性ガスとしてArとO2との混合ガスを用いたが、Ar
の他、He、N2などの不活性ガスであってもよく、また柱
状粒子のl/Lの比の調整は、導入する酸化性ガスの総量
による制御の他、第3図に示すごとく、蒸発源19を支持
台24上を水平に移動させ、蒸発源19と円筒状キャン13と
の位置を調整することによっても行うことができる。
本実施例によって得られた各磁気テープについて、磁
気変換特性は、試作した記録再生装置を用い、0.75M Hz
の信号を記録再生した時の再生出力およびクロマS/N
(シグナル/ノイズ)を測定することによって磁気特性
を、スチル寿命により耐久性を、それぞれ評価した。ま
た、磁性層の柱状粒子のl/Lの比は、透過型電子顕微鏡
による各磁気テープの断面写真により求めた。その結果
を第2表に示す。
第2表から明らかなごとく、磁性層を構成する柱状粒
子のl/Lの比が1.0〜1.5の範囲で、かつ柱状粒子の最高
傾斜角が90〜75度の範囲である本発明の磁気テープ(実
施例6〜10)はいずれも磁気特性、再生出力、耐久性を
劣化させることなく、クロマS/Nを向上させることがで
きる。
なお、本発明の上記実施例において、基体としてポリ
エチレンテレフタレートフィルムを用いたが、その他に
ポリイミド、ポリアミドなどのプラスチックフィルム、
あるいはこれらのプラスチックフィルムに炭素繊維や無
機物などを混入したり、上塗り層を設けた基体など、一
般に基体として用いられているもの全て適用することが
可能である。
また、磁性層を形成する強磁性材料としてCo−Ni合金
の他、Co、Ni、Feなどの単体金属、あるいはCo−Cr、Co
−Ni−Cr、Co−Ti、Co−P、Co−Mn、Co−Fe、Ni−Fe、
Ni−Fe−Cr、Ni−CrなどのCo、NiまたはFeを主成分とす
る強磁性合金が好適に使用される。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したくごとく、連続斜め入射蒸着によ
り、表面に特定形状ならびに大きさの突起部を形成させ
た強磁性金属薄膜からなる磁性層を有する磁気記録媒体
は、磁気特性、耐久性および再生出力を低下させること
なく、特にクロマS/Nに優れ、輝度出力が良好で、かつ
走行特性が良く、高密度磁気記録に適した信頼性の高い
磁気記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1〜5における磁気テープの断
面構造を示す模式図、第2図は実施例6〜10における磁
気テープの磁性層を構成する強磁性金属柱状粒子の形状
を示す説明図、第3図は実施例において用いた連続斜め
入射蒸着装置の構造を示す模式図である。 1……基体、2……磁性層 3……基体の微小突起部、4……磁性層の突起部 5……ノーマル方向、6……リバース方向 7……蒸気流の入射方向、8……柱状粒子 9……基体の法線、11……真空槽 12……真空排気系、13……円筒状キャン 14……基体、15……送り出しロール 16、17……ガイドロール、18……巻き取りロール 19……蒸発源、20……強磁性金属材料 21……防着板、22……酸化性ガス導入管 23……蒸気流、24……支持台 A……最低入射角部、B……最高入射角部 θ……入射角

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に微細突起部を多数設けた非磁性の基
    体上に、強磁性金属の蒸気流を斜めに入射して、表面に
    多数の突起部を有する強磁性金属の柱状粒子の集合体よ
    りなる磁性層を形成した磁気記録媒体であって、上記磁
    性層表面の突起部の形状を、該突起部の頂点を通る垂直
    線によって基体の水平方向に2分される上記突起部の底
    部の水平距離を、それぞれx1およびx2(ただし、x1
    x2)とするとき、上記x1およびx2の比が1.0≦x1/x2≦1.
    5の範囲であり、上記突起部の底部から突起部の頂点ま
    での高さが100〜600Åの範囲にあり、上記柱状粒子の形
    状が、該柱状粒子の成長方向における基板に対して水平
    な長さ成分をLとし、上記柱状粒子の基板に対して垂直
    な長さ成分をlとするとき、上記lとLとの比が、1.0
    ≦l/L≦1.5の範囲にあり、上記柱状粒子の成長方向にお
    ける柱状粒子の中心線の接線と、基体の法線とのなす柱
    状粒子の最高傾斜角が75〜90度の範囲にあることを特徴
    とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】磁性層表面の突起部の頂点を通る垂直線に
    よって基体の水平方向に2分される水平距離の比が、1.
    0≦x1/x2≦1.3の範囲にあり、かつ突起部の底部からの
    高さが200〜400Åの範囲にあることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】柱状粒子の垂直な長さ成分lと水平な長さ
    成分Lとの比が、 1.0≦l/L≦1.3の範囲にあり、かつ柱状粒子の最高傾斜
    角が80〜90度の範囲にあることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項に記載の磁気記録媒体。
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