JP2513728C - - Google Patents

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JP2513728C
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Polyplastics Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は異方性溶融相を形成しうる溶融加工性ポリエステル(以後単に「液晶
性ポリエステル」と略す)樹脂成形品の表面処理法に関する。 更に詳しくは印刷、塗装、蒸着、メッキ等による表面装飾や接着剤による接着
などに適した表面特性を有する耐熱性、成形加工性に優れた液晶性ポリエステル
樹脂成形品を効率よく得るための表面処理法に関する。 〔従来の技術とその問題点〕 液晶性ポリエステルは、一般に知られている熱可塑性ポリエステル、例えばポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートと異なり、剛直な高分
子よりなり、溶融状態でも分子鎖は折れ曲がり難く棒状を保っているため、溶融
時に分子の絡み合いが少なく、僅かな剪断応力を受けるだけで一方向に配向し、
液状でも結晶性を示し、いわゆる液晶性を示す。 斯かる液晶性ポリエステルについても一般に行われている射出成形加工法を 適用することができるが、成形品の表面は強い配向のため表層部は剥離し毛羽立
ちを生じ易く、そのままでは接着、塗装、メッキによる2次加工ができない。そ
こで、従来一般の樹脂に用いられている様な薬品による表面粗面化処理を行うこ
とが考えられるが、表面は化学的には極めて不活性で親和性のある適切な溶剤が
なく、表層の配向層を取り除き表面を粗面化することができない。 一方、熱的には液晶性ポリエステルは、一般金属の熱線膨張係数に匹敵する低
い線膨張係数を示し、耐熱的には260℃のハンダ浴に10秒間浸漬しても異常を生
じない等の特徴を有し、この特性を生かして、金属と接着剤による結合をさせた
部品やメッキを付与した基板への用途を目的として前記表面特性を改善した表面
処理方法が求められていたが未だ満足のいく方法は知られていない。 〔問題点を解決するための手段) 本発明者等はこの様な液晶性ポリエステルの熱的に有益な特徴を生かし、物理
的・化学的性質を損なうことなしに化学的に表面を活性なものとし、且つ剥離し
易い表層を発生させない方法について鋭意研究した結果、液晶性ポリエステルに
特定の無機充填材15〜80重量%(対組成物全量)を含有せしめた組成物からなる
射出成形品を、エッチング液としての80重量%以上の硫酸を含む酸性溶液に接触
処理せしめるという、特定の材料組成と特定のエッチング液の組み合わせ条件を
採用すれば、液晶性ポリエステル樹脂成形品の表面加工性が極めて向上すること
を見出し、本発明を完成するに至った。 本発明で用いられる無機充填材とは、周期律表II族元素のリン酸塩より選ばれ
た1種又は2種以上である。 周期律表II族元素のリン酸塩とはリン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リ
ン酸バリウム、リン酸亜鉛、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム等
の如き化合物である。 これらの無機充填材は、特に2次加工としてメッキ、塗装等を行う場合の表面
処理法に好ましく用いられる。 これらの無機充填材の配合量は液晶性ポリエステル樹脂組成物全量に対して15
〜80重量%、好ましくは20〜70重量%である。15重量%未満では成形品表面に不
均質な流れマークが発生し、成形品表層は粘着テープを表面に貼り付け引 き剥がすと容易に薄皮状の剥がれが生じ、又表面処理品はエッチングのムラを生
じる。一方、80 重量%を超えると樹脂の流動性が低下し、表面の良好な成形品
が得られず、エッチングにより表面にざらつきを生じてしまうと同時に成形品の
機械的強度も低下してしまい好ましくない。又、無機充填材の粒径は平均粒径0.
01〜100μm の範囲、好ましくは0.1〜30μm、更に好ましくは0.5〜10μm が適切
である。0.01μm 未満では分散不良により成形品表面に凝集塊が生じ易く、100
μm を超えるとエッチング後の表面の面粗度が大きくなり、良い外観が得られな
い。 これら無機充填材を液晶性ポリエステル中に配合する方法としては、種々の方
法が用いられるが、望ましくは押出機による溶融混練方法で成形に先立って均一
に混練、分散させることが好ましい。 本発明におけるエッチング処理液である80重量%以上の硫酸を含む酸性溶液と
は、硫酸単独、又は重クロム酸、無水クロム酸、リン酸、p−トルエンスルホン
酸、ピロリン酸、過マンガン酸カリウム水溶液等から選ばれた1種又は2種以上
と硫酸との複合系の水溶液をいう。かかる酸性溶液で液晶性ポリエステル成形品
をエッチング処理するに当たり、エッチング液への浸漬処理条件はエッチング液
の組成に応じ適宜最適条件が探索、選択されるが、一般的な処理条件は80〜98重
量%硫酸水溶液を用い、40〜80℃で3〜120分の範囲である。好ましくは90〜98
重量%水溶液を用い、60〜70℃で10〜30分である。特に好ましい処理条件例を示
せば95重量%硫酸水溶液で60℃×30分程度の処理が適当である。 本発明における液晶性ポリエステルとは、溶融加工性ポリエステルで、溶融状
態でポリマー分子鎖が規則的な平行配列をとる性質を有している。分子がこのよ
うに配列した状態をしばしば液晶状態または液晶性物質のネマチック相という。
このようなポリマー分子は、一般に細長く、偏平で、分子の長軸に沿ってかなり
剛性が高く、普通は同軸または平行のいずれかの関係にある複数の連鎖伸長結合
を有しているようなポリマーからなる。 異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した慣用の偏光検査法により確認す
ることができる。より具体的には、異方性溶融相の確認は、Leitz 偏光顕微 鏡を使用し、Leitz ホットステージにのせた溶融試料を窒素雰囲気下で40倍の倍
率で観察することにより実施できる。上記ポリマーは光学的に異方性である。す
なわち、直交偏光子の間で検査したときに光を透過させる。試料が光学的に異方
性であると、たとえ静止状態であっても偏光は透過する。 上記の如き異方性溶融相を形成するポリマーの構成成分としては 芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸の1つまたはそれ以上からなるも
の 芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオールの1つまたはそれ以上か
らなるもの 芳香族ヒドロキシカルボン酸の1つまたはそれ以上からなるもの 芳香族チオールカルボン酸の1つまたはそれ以上からなるもの 芳香族ジチオール、芳香族チオールフェノールの1つまたはそれ以上からな
るもの 芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンの1つまたはそれ以上からなるも
の 等から選ばれ、異方性溶融相を形成するポリマーは I)とからなるポリエステル II)だけからなるポリエステル III)ととからなるポリエステル IV)だけからなるポリチオールエステル V)とからなるポリチオールエステル VI)ととからなるポリチオールエステル VII)ととからなるポリエステルアミド VIII)とととからなるポリエステルアミド 等の組み合わせから構成される異方性溶融相を形成するポリエステルである。 更に上記の成分の組み合わせの範疇には含まれないが、異方性溶融相を形成す
るポリマーには芳香族ポリアゾメチンが含まれ、かかるポリマーの具体例として
は、ポリ(ニトリロ−2−メチル−1,4−フェニレンニトリロエチリジン−1,4−
フェニレンエチリジン);ポリ(ニトリロ−2−メチル−1,4−フェ ニレンニトリロメチリジン−1,4−フェニレンメチリジン);およびポリ(ニト
リロ−2−クロロ−1,4−フェニレンニトリロメチリジン−1,4−フェニレンメチ
リジン)が挙げられる。 更に上記の成分の組み合わせの範疇には含まれないが、異方性溶融相を形成す
るポリマーとしてポリエステルカーボネートが含まれる。これは本質的に4−オ
キシベンゾイル単位、ジオキシフェニル単位、ジオキシカルボニル単位及びテレ
フタロイル単位からなるものがある。 本発明で用いるのに好適な異方性溶融相を形成するポリマーである上記I)、
II)、III)のポリエステル及びVIII)のポリエステルアミドは、縮合により所
要の反復単位を形成する官能基を有している有機モノマー化合物同士を反応させ
ることのできる多様なエステル形成法により生成させることができる。たとえば
、これらの有機モノマー化合物の官能基はカルボン酸基、ヒドロキシル基、エス
テル基、アシルオキシ基、酸ハロゲン化物、アミン基などでよい。上記有機モノ
マー化合物は、溶融アシドリシス法により熱交換流体を存在させずに反応させる
ことができる。この方法ではモノマーをまず一緒に加熱して反応物質の溶融溶液
を形成する。反応を続けていくと固体のポリマー粒子が液中に懸濁するようにな
る。縮合の最終段階で副生した揮発物(例、酢酸または水)の除去を容易にする
ために真空を適用してもよい。 また、スラリー重合法も本発明に用いるのに好適な液晶性ポリエステルの形成
に採用できる。この方法では、固体生成物は熱交換媒質中に懸濁した状態で得ら
れる。 本発明に使用するのに適した液晶性ポリマーは、一般溶剤には実質的に不溶で
ある傾向を示し、したがって溶液加工には不向きである。しかし、既に述べたよ
うに、これらのポリマーは普通の溶融加工法により容易に加工することができる
。 本発明で用いるのに好適な液晶性ポリエステルは一般に重量平均分子量が約2,
000〜200,000、好ましくは約10,000〜50,000、特に好ましくは約20,000〜25,000
である。一方、好適な完全芳香族ポリエステルアミドは一般に分子量が約5,000
〜50,000、好ましくは約10,000〜30,000、例えば15,000〜17,000であ る。かかる分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーならびに
その他のポリマーの溶液形成を伴わない標準的測定法、たとえば圧縮成形フィル
ムについて赤外分光法により末端基を定量することにより実施できる。また、ペ
ンタフルオロフェノール溶液にして光散乱法を用いて分子量を測定することもで
きる。 本発明で用いられる異方性溶融相を示すポリマーは、芳香族ポリエステル及び
芳香族ポリエステルアミドが好ましく、芳香族ポリエステル及び芳香族ポリエス
テルアミドを同一分子鎖中に部分的に含むポリエステルも好ましい例である。 それらを構成する化合物の好ましい例は、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,6
−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン及び6−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸等のナフタレン化合物、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、4,4'
−ジヒドロキシビフェニル等のビフェニル化合物、下記一般式(I)、(II)又
は(III)で表わされる化合物: (但し、X:アルキレン(C1〜C4)、アルキリデン、-O-、-SO-、-SO2−、-S-、-CO-
より選ばれる基 Y:-(CH2)n−(n=1〜4)、-O(CH2)nO- (n=1〜4)より選ばれる基) p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、ハイドロキノン、p−アミノフェノ
ール及びp−フェニレンジアミン等のパラ位置換のベンゼン化合物及びそれらの
核置換ベンゼン化合物(置換基は塩素、臭素、メチル、フェニル、1−フェニル
エチルより選ばれる)、イソフタル酸、レゾルシン等のメタ位置換のベンゼン化
合物である。 又、本発明に使用される液晶性ポリエステルは、上述の構成成分の他に同一分
子鎖中に部分的に異方性溶融相を示さないポリアルキレンテレフタレートであっ
てもよい。この場合のアルキル基の炭素数は2乃至4である。 上述の構成成分の内、ナフタレン化合物、ビフェニル化合物、パラ位置換ベン
ゼン化合物より選ばれる1種若しくは2種以上の化合物を必須の構成成分として
含むものが更に好ましい例である。又、p−位置換ベンゼン化合物の内、p−ヒ
ドロキシ安息香酸、メチルハイドロキノン及び1−フェニルエチルハイドロキノ
ンは特に好ましい例である。 本発明で用いられるのに特に好ましい異方性溶融相を形成するポリエステルは
、6−ヒドロキシ−2−ナフトイル、2,6 −ジヒドロキシナフタレン及び2,6 −
ジカルボキシナフタレン等のナフタレン部分含有反復単位を約10モル%以上の量
で含有するものである。好ましいポリエステルアミドは上述ナフタレン部分と4
−アミノフェノール又は1,4 −フェニレンジアミンよりなる部分との反復単位を
含有するものである。 尚、上記I)〜VIII)の構成成分となる化合物の具体例及び本発明で用いられ
るのに好ましい異方性溶融相を形成するポリエステルの具体例については特開昭
61−69866号公報に記載されている。 本発明においては、種々の特性を改良する目的で、上記特定の無機充填材に加
え、更に他の各種の併用無機物を配合することができる。かかる併用無機物は機
械的特性、耐熱性、寸法安定性(耐変形、そり)等の性質に優れた成形品を得る
ためには配合することが好ましく、これには目的に応じて繊維状、粉粒状、板状
の併用無機物が用いられる。 繊維状無機物としては、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維
、シリカ・アルミナ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化
珪素繊維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維、更にステンレス、アルミニウム、チタ
ン、銅、真鍮等の金属の繊維状物などの無機繊維状物質が挙げられる。 一方、粉粒状無機物としては、カーボンブラック、黒鉛、シリカ、石英粉末、
ガラスビーズ、ミルドガラスファイバー、ガラスバルーン、ガラス粉、酸化鉄、
三酸化アンチモン、アルミナの如き金属の酸化物、その他フェライト、炭化珪 素、窒化珪素、窒化硼素等が挙げられる。 又、板状無機物としては、マイカ、ガラスフレーク、各種の金属箔等が挙げら
れる。 これらの併用無機物は一種又は二種以上併用することができる。 特に好ましく用いられる併用無機物は繊維状無機物、特にガラス繊維であり、
その配合量は成形品組成物の全重量に対し、1〜60重量%の範囲であり、好まし
くは5〜40重量%である。ただし、前記無機充填材と併用無機物との総配合量が
成形品組成物中の85重量%を越えることは成形加工性及び各種の物性面から好ま
しくない。又、繊維状無機物のみを単一充填したものは表面粗度がやや大きくな
り、装飾を目的とするメッキには不適切である。併用する繊維状無機物としては
、直径1〜30μm、長さ5μm 〜1mm、好ましくは10μm 〜100μm の範囲にある
もの、特にガラス繊維を前記無機充填材に組み合わせると、予想に反し成形品の
表面は一層均一化して、成形品上に導電性回路を形成するためのメッキの密着力
は向上することが見出された。表面粗度と材料の機械的物性のバランスの面から
ガラス繊維と微粉状ガラスの中間に当たるミルドファイバーガラスが特に好まし
い。 これらの無機充填材及び併用無機物の使用にあたっては必要ならば収束剤又は
表面処理剤を使用することが望ましい。 本発明組成物には従来使用されている核剤を併用しても悪影響はない。 更に本発明の組成物は、本発明の範囲でその意図する目的を損なわない程度に
他の熱可塑性樹脂を補助的に添加したものであってもよい。 この場合に使用する熱可塑性樹脂は特に限定されないが、例を示すと、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアセタール(ホモ又はコポリ
マー)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、及びそれら
の共重合体、ポリアミド、ポリカーボネート、ABS、ポリフェニレンオキシド
、ポリフェニレンスルフィド、フッ素樹脂等を挙げることができる。またこれら
の熱可塑性樹脂は2種以上混合して使用することができる。 更に一般の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂に添加される公知の物質、即ち、可
塑剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、表面処理剤、界 面活性剤、難燃剤、染料や顔料等の着色剤及び流動性や離型性の改善のための滑
剤、潤滑剤及び結晶化促進剤(核剤)等もその目的とする要求性能に応じ適宜使
用することができる。 また、本発明においてはエッチングの前、後又は同時に公知の方法で成形品を
処理することも可能である。例えばエッチング前又は後の成形品の加熱処理、温
水処理或いは特定の化合物を含有した溶液への浸漬処理等である。かかるエッチ
ング後の処理はエッチング液の中和、洗浄、乾燥等の工程と兼ねることもできる
。 〔発明の効果〕 以上述べた様に、本発明の液晶性ポリエステル樹脂成形品の表面処理法によれ
ば、当該樹脂の表層剥離を起こさず、均一で緻密な表面構造を持ち、塗料、接着
剤との結合性が高く、更にはメッキの密着力を強め、これまで一般の熱可塑性樹
脂では解決困難であった金属との熱膨張係数の差による高温剥離を生じることも
なく、ハンダ浸漬(処理時間約10秒)も可能となり、外装部品はもとより、プリ
ント配線基板を対象とした用途への展開が可能となった。 〔実施例〕 以下、実施例及び比較例をもって本発明の処理法を更に具体的に説明するが、
本発明にこれに限定されるものではない。 実施例1〜3、比較例1〜5 後述の液晶性ポリエステル樹脂Aと表−1に示した充填材とを押出機による溶
融混練方法により混練分散させ、ペレット化し、140℃で3時間の乾燥をした後
、成形機により150〜160℃に温調された金型を用いて試験片を成形し、成形した
平板を以下の要領で種々の表面特性を試験した。結果を表−1に示す。 (1)表面の配向から生じる表層の剥離性 成形した平板の上にセロハンテープ(ニチバン(株)製、18mm巾)を貼りつけ
、指で加圧(約500g)した後、テープを90°の角度で引き剥がし表層のピーリン
グ性を目視にて判定した。 評 価 ◎…表層剥離全くなし ○…表層剥離殆どなし △…部分的に表層剥離 ×…テープ面に殆ど付着して表層剥離を起こす (2)成形品のフローマーク又は不均一フローの程度 成形品表面を目視にて評価した。 評 価 ◎…均一表面 ○…ほぼ均一表面 △…部分的にフローマークあり ×…全体にフローマーク発生 (3)エッチング処理による表面粗度のバラツキ 成形品をアルカリ脱脂液(奥野製薬工業(株)製エースクリンA220)中に60℃
にて5分間浸漬し、十分脱脂した後水洗し、98重量%硫酸溶液中で60℃にて20分
間エッチング処理した。エッチング処理した成形品は水洗後水酸化ナトリウムの
5重量%溶液で室温にて3分間浸漬処理することにより、表面に付着した酸成分
を中和し水洗した上、80℃で15分間熱風循環炉で乾燥した。エッチング前処理を
終えた成形品の表面の粗度を調べる目的で表面粗度計(小坂研究所製 Surfcorde
r SE3C)でエッチング面の3ケ所について最大粗度を測定した。 (4)表面処理した成形品の接着性 成形したASTM引張試験片を(3)項と同様にエッチング処理した後、エポキシ系
接着剤(セメダインEP-007、2液型)をダンベル試験片の中央で二分した各々の
先端部(重なり部の長さ1cm)に塗布して貼り合わせ、室温で24時間放置後、万
能試験機により引張荷重を測定し、1cm2当たりの剪断強さを求め、引張剪断強
さとして示した。 (5)表面処理した成形品のメッキ密着強さ エッチング処理した平板(50×70×3mm)を下記要領にてメッキした後、カッタ
ーナイフで1cm巾の帯状カットを入れ先端を90°の角度にめくり上げ、先端部を
バネばかりでつかみ引き剥がす力をメッキ密着強さ(kg/cm)として示した。 〈メッキ処理法〉 【表−1】 実施例4〜8 実施例2において液晶性ポリエステルAの代わりに液晶性ポリエステルB〜F
を用いた他は同様にして平板を成形し、同様の評価をして表−2の結果を得た。 【表−2】 実施例9〜12、比較例6〜9 実施例3で用いた材料について50×70×3mmの平板を成形し、各種エッチング
液を使って表面処理性を評価したところ、表−3の結果を得た。 実施例13 実施例10で得られたメッキ品のメッキ部を10mm巾の帯状にカットし、260℃
のハンダ浴に10秒間浸漬した後、メッキの密着性を評価したところ、密着力は1.
5kg/cmあり殆ど密着力の低下がなかった。 【表−3】 実施例14〜15、比較例10〜11 液晶性ポリエステル樹脂Aと表−4に示した充填材とを実施例1と同様にして
ペレット化し試験片を成形した。成形した試験片について、実施例1と同様に表
層の剥離性を、又その他の試験については下記の要領で測定した。結果を表−4
に示す。 (6)材料強度 成形した試験片の引張強度をASTM D 638により測定した。 (7)表面処理した成形品の塗装性 成形品を(3)項と同様にエッチング処理した後、市販のウレタン塗料(関西ペ
イント(株)製、レタンPG60)を乾燥膜厚で30±10μm になるように塗布し、10
0℃で60分間乾燥した後、室温にて1日放置し、塗膜の付着強さをゴバン目セロ
ハンテープ剥離による方法で評価した。ゴバン目の大きさは1mm角×100個とし
、評価結果はゴバン目残存数/ゴバン目総数で表した。 比較例12、13 実施例2において液晶性を示さない通常の熱可塑性ポリエステルとしてポリブ
チレンテレフタレート(PBT)〔ポリプラスチックス(株)製「ジュラネック
ス」)を用い、同等処方材料について同等の評価をした。また、比較例13とし
て充填材を含まないPBTについても同等に比較評価した。結果を表−5に示す
。 【表−4】 【表−5】 PBTの場合は無充填では表面に強い配向もなく、容易に硫酸で表面エッチン
グを受け、ガラス繊維を含む充填材により逆に配向性が生じ、エッチング面は液
晶性ポリエステルより粗化が速く表面の荒れが大きくなり、良好な外観の塗装品
、メッキ品は得られなかった。 尚、実施例で使用した液晶性ポリエステルは下記の構成単位を有するものであ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 異方性溶融相を形成しうる溶融加工性ポリエステルに、周期律表II族元素
    のリン酸塩より選ばれた1種又は2種以上の無機充填材を、成形品組成物全量に
    対して15〜80重量%含有せしめてなる液晶性ポリエステル樹脂組成物からなる射
    出成形品を、80重量%以上の硫酸を含む酸性溶液に接触処理せしめることを特徴
    とする液晶性ポリエステル樹脂成形品の表面処理法。 2 無機充填材が平均粒径0.01〜100μm の範囲の微粉状である特許請求の範
    囲第1項に記載の液晶性ポリエステル樹脂成形品の表面処理法。 3 成形品が、上記無機充填材の他に更に直径が1〜30μm、長さ5μm 〜1m
    mの範囲にある繊維状無機物を、成形品組成物全重量に対して1〜60重量%配合
    した組成物からなる特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の液晶性ポリエステ
    ル樹脂成形品の表面処理法。

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