JP2513650B2 - 蛍光性のアリ−ルオキシ置換ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド - Google Patents

蛍光性のアリ−ルオキシ置換ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド

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JP2513650B2 JP29782486A JP29782486A JP2513650B2 JP 2513650 B2 JP2513650 B2 JP 2513650B2 JP 29782486 A JP29782486 A JP 29782486A JP 29782486 A JP29782486 A JP 29782486A JP 2513650 B2 JP2513650 B2 JP 2513650B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規な蛍光性プリレンテトラカルボン酸ジ
イミド化合物に関する。
合成樹脂中に混合された蛍光染料により可視光線を集
中しうる装置は、例えば西独特許出願公開3001857号、
同2620115号及び同2554226号各明細書に記載されてい
る。
蛍光性化合物は、光エネルギーを電気又は熱エネルギ
ーに変えるため高い光堅牢性を有することを要し、これ
により一般に透明な合成樹脂から成る装置は、特定の用
途にとつて充分な寿命を有しうる。
さらに、使用される化合物がその用途に使用される媒
質中で吸光バンド及び発光バンドを良好に分離する場合
には、光エネルギーを電気エネルギーに変換する際に特
に有利である。単独で又は他の蛍光染料と組合せて、使
用される化合物がきわめて広範囲の可視太陽光線を吸収
し、これを蛍光として発光する場合も、特に有利であ
る。
集光における効率に関して決定的な他の因子は、蛍光
染料が使用される媒質例えば重合体マトリツクスに溶解
することである。散乱した各粒子は、光を望ましくない
方向に偏向させる結果として、光の透過の妨害を来た
す。
本発明の課題は、集光用の普通の装置に適し、そして
高い蛍光及び使用される媒質への良好な溶解性と共に良
好な光堅牢性及び広い吸収範囲を有する化合物を提供す
ることである。
ところで、一般式 〔式中、R1及びR2は分枝鎖状であるC1〜C18−アルキル
基、又は2,6−ジイソプロピルフェニル基を表わし、 X、Y及びZは塩素原子、臭素原子又は基−OR3を表わ
し、 R3はハロゲン及び/又はC1〜C18−アルキルによって置
換されていてもよいフェニル基を表わす〕で示されるペ
リレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミドを使用す
る場合に、合成樹脂のシート又はフィルムにおいて面に
応じて集光させる際に卓越した結果が得られることが見
い出された。
一般式 (式中R1及びR3は前記の意味を有し、Xは塩素原子又は
基OR3を意味する)で表わされる化合物は特に重要であ
る。
X及びOR3が1位、6位、7位及び12位に存在する化
合物は、工業上特に有用である。
式(I)及び(II)の化合物は、置換基の型及び数に
より、ペリレン核が置換されていない対応するペリレン
−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミドと比較して、吸
光バンド及び/又は発光バンドの深色移行を示す。深色
移行は存在する置換基OR3の数が大きいほど大きくな
る。こうして極大蛍光を550〜630nmの波長範囲に調整す
ることができ、その結果蛍光性化合物(I)及び(II)
を光電池系に最適に適合させることができる。
予想外にも新規化合物(I)及び(II)は、ペリレン
核が置換されていない化合物よりも著しく広い吸光バン
ド及び発光バンドをも有する。
さらに集光用に普通に用いられる材料中で、式(I)
及び(II)の化合物はきわめて光堅牢であり、そして広
い波長範囲において光を高い効率で蛍光に変換する。
媒質として普通に用いられる重合体中での高い熱安定
性も注目すべきである。例えばポリスチレン及びポリメ
チルメタクリレート中の着色は300℃まで熱安定であ
る。さらに新規化合物は基質及び液状パラフインを包含
する有機溶剤中のきわめて高い溶解性により優れてい
る。
好適な置換基R1及びR2(これらは同一でも異なってい
てもよい)は、脂肪族又は芳香族の残基である。これら
の残基は水溶性にする基を含有してはならない。
脂肪族残基の例は、C1〜C18−アルキル基であり、これ
らは分枝鎖状である。
水溶性にする基を含有しない、好適な芳香族の残基R1
及びR2の例は、下記のものである。
(a)次式の残基 この式中、Vは水素原子、C1〜C8−アルキル基、好まし
くはC1〜C4−アルキル基を意味し、nは0、1又は2で
あり、TはC1〜C4−アルキル基を意味する。
R1及びR2の個々の例は、下記のものである。
1.非置換のアルキル基: エチル、n−又はイソプロピル、メチル、n−ブチ
ル、二級ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ネ
オペンチル、ヘプチル、n−又はイソオクチル、1−又
は2−ノニル、1−又は2−デシル、ウンデシル、ドデ
シル、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル又はオ
クタデシル。
2.好適な芳香族の残基の例 2.1フェニルから誘導される式(III)の残基: 2,3−、2,4−、2,5−、2,6−又は3,5−ジメチルフェ
ニル、2,6−ジエチルフェニル、2,4−、2,5−及び2,6−
ジイソプロピルフェニル、2,4−又は2,5−ジ三級ブチル
フェニル。
R1及びR2についてあげた残基のうち好ましいものは、
臭素原子により置換されていないものである。
特に好ましい残基R1及びR2は、例えばC1〜C5−アルキ
ル基によりオルト位でジ置換されたフェニル基、及びネ
オペンチル基である。
X、Y及びZは、それぞれ好ましくは塩素原子又は基
OR3であり、その際R3は、特に非置換フェニル基である
か又はハロゲン原子及び/又は1〜18個の炭素原子を有
するアルキル基により置換されたフェニル基である。
R3の個々の例は、次のものである。フェニル、2−、
3−又は4−フルオロフェニル、2−、3−又は4−ク
ロルフェニル、2−、3−又は4−ブロムフェニル、2
−、3−又は4−三級ブチルフェニル、2−、3−又は
4−メチルフェニル、2−エチルフェニル、4−n−ド
デシルフェニル、4−n−プロピルフェニル又は4−n
−ブチルフェニル。
使用技術上の性質が特に有利であるため、特に好まし
い式IIの化合物は、R1が2,6−ジ置換されたフェニル
基、例えば2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジメ
チルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2,4−ジイ
ソプロピルフェニル基、2,4−又は2,5−ジ三級ブチルフ
ェニル基、あるいはアルキル基、例えばネオペンチル
基、オクチル基、ブチル基又は2−ヘプチル基であり、
Xが塩素原子又は基OR3であり、R3が前記の意味を有す
るものである。
式(I)及び(II)の化合物は従来の方法により、例
えばまずペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸無水物
をハロゲン化してテトラハロペリレン3,4,9,10−テトラ
カルボン酸無水物にすることにより製造できる。この生
成物を次いで式R1‐NH2及びR2‐NH2のアミンと反応させ
ることにより、置換されたテトラハロペリルイミドを得
ることができ、式R3‐OHの化合物を用いてハロゲン原子
を交換すると、式(I)及び(II)の化合物が生成す
る。
特に好ましいハロゲン化剤は塩素である。前記の製造
経路は、ペリレン核の特定の位置で塩素化されたテトラ
クロルペリルイミドを得ることが可能であり、次いでこ
れを式(I)及び(II)のアリールオキシペリルイミド
に変えることができる点で、西独特許出願公開3235526
号明細書に記載の製法よりも特に有利である。このこと
は置換基R1及びR2が塩素化されうる場合にもあてはま
る。西独特許出願公開3235526号明細書に記載の製造経
路において、塩素化可能な基R1及びR2を有するペリルイ
ミドは塩素化反応を行い、不特定な位置で塩素化された
ポリクロルペリルイミドを生成する。
反応生成物は必要により精製することができ、そして
場合により例えば濃硫酸から分別沈殿させ、容易に除去
しうる高沸点溶剤から再結晶し又は磨砕条件下で溶剤と
共に煮沸することにより、各成分に分離する。精製は大
気圧又は加圧下でクロマトグラフイによる分離法によつ
て行うこともできる。
必要により精製工程を1回又は数回繰返す。極めて純
粋な化合物(I)及び(II)を得るために、異なる精製
法を組合せることも可能である。
新規化合物は通常は特定の用途に適する合成樹脂中に
混合加工することにより使用される。このためには粒状
物の形の合成樹脂に必要量の(I)を散布し、次いで粒
状物を押出してシート様構造物にする。合成樹脂への混
合加工は、必要量の(I)を合成樹脂中に拡散させるか
又は必要量の(I)を合成樹脂の単量体に添加し、重合
させて合成樹脂を生成することにより行うこともでき
る。
太陽電池用の光の集中のために好ましい合成樹脂(媒
質)は、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリ
レート、ポリスチレン及びポリジエチレングリコールジ
アリルビスカーボネートならびにナイロン及びポリカー
ボネートである。
本化合物は有機溶剤に容易に溶解するので、注型によ
り合成樹脂シートを製造する場合にも使用できる。
光集中系は例えば太陽エネルギーを利用するため太陽
電池と結合して、また従来のシンチレーター中で使用で
きる〔例えばジエイ・ビー・ビルクス著ザ・セオリイ・
アンド・プラクテイス・オブ・シンチレーシヨン・カウ
ンテイング、パーガモン出版社ロンドン1964年;J.Opt.A
m.39(1949年)912頁;J.Appl.Phys.40(1969年)3544
頁;ニユークレア・インスツルメンツ・アンド・メソツ
87(1970年)111〜123頁;リサーチ・デイスクロージ
ヤー43頁(1977年)及び西独特許出願公開2629641号明
細書参照〕。光集中系は電子制御装置と結合して、エネ
ルギー消費のきわめて低い表示装置としても有用であ
る。さらに電子部品なしで、例えば受動表示素子、指示
用看板、交通用看板例えば信号灯及び製図用具におい
て、表示、指示及び標識の多くの目的のために適してい
る。
本発明の化合物はさらにレーザー染料としても使用で
きる。
下記実施例中の部及び%は重量に関する。
実施例1 1,6,7,12−テトラクロル−N,N′−2,6−ジイソプロピ
ルフエニルペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイ
ミド169.6部及びナトリウムフエノラート71.4部をN−
メチルピロリドン1000部中に加えたのち、室温で0.5時
間撹拌を続け、次いで混合物を40℃で14時間加熱する。
過したのち、反応混合物を水中に注入し、過し、残
留物を希塩酸及び水で洗浄して乾燥する。エタノールか
ら再結晶すると、次式の蛍光染料が120部得られる。
融点:266℃ λmax吸光:566nm(CHCl3中) λmax発光:605nm(CHCl3中) φ=0.99(CHCl3中) 1,6,7,12−テトラクロル−N,N′−ジイソプロピルフ
エニルペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド
のための出発物質として必要な1,6,7,12−テトラクロル
ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸は、西独特許41
2122号明細書に記載の方法により製造できる。
実施例2 1,6,7,12−テトラクロル−N,N′−2,6−ジイソプロピ
ルフエニルペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイ
ミド67.8部、フエノール31.7部及び粉砕された炭酸カリ
ウム33.1部を、窒素雰囲気下でN−メチルピロリドン90
00部中に加える。混合物を2時間110℃で攪拌し、冷却
したのち、40〜50℃で石英砂により過する。反応溶液
から、氷酢酸/エタノール/水混合物により染料を沈殿
させる。生成物を別し、中性に水洗し、減圧下に80℃
で乾燥すると、次式の蛍光染料が78部得られる。
融点:>300℃ λmax吸光:578nm(CHCl3中) λmax発光:613nm(CHCl3中) φ=0.96 下記実施例において、実施例2と同様に操作して、そ
れぞれ表中に示すテトラクロルペリルイミド化合物Aを
フエノール化合物Bと反応させると、テトラアリールオ
キシペリルイミド化合物Cが得られる。
使用例1 溶融されたポリメチルメタクリレートに実施例1から
の染料0.01%を溶解し、均質な溶液に分散させ、そして
蛍光性シートに加工する。
使用例2 ポリメチルメタクリレート(粒状物)1000部に実施例
2からの染料0.01部を一様に散布する。次いでこの混合
物をシートに押出し加工する。
使用例3〜22 使用例1又は2と同様にして、蛍光性シート又はフイ
ルムが製造される。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、R1及びR2は分枝鎖状であるC1〜C18−アルキル
    基、又は,6−ジイソプロピルフェニル基を表わし、 X、Y及びZは塩素原子、臭素原子又は−OR3を表わ
    し、 R3はハロゲン及び/又はC1〜C18−アルキルによって置
    換されていてもよいフェニル基を表わす〕で示される化
    合物。
  2. 【請求項2】一般式 〔式中、R1及びR3は請求項1記載の意味を有し、Xは塩
    素原子又は基−OR3を意味する〕で示される、請求項1
    記載の化合物。
  3. 【請求項3】X、Y、Z及びOR3が1位、6位、7位及
    び12位に存在する、請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】X及びOR3が1位、6位、7位及び12位に
    存在する、請求項2記載の化合物。
  5. 【請求項5】一般式 〔式中、R1はジイソプロピルフェニル基又はネオペンチ
    ル基を表わし、Xは塩素原子又は基−OR3を表わし、 R3は非置換フェニル基、又は臭素原子、塩素原子、弗素
    原子もしくはC1〜C8−アルキルによって置換されたフェ
    ニル基を表わす〕で示される、請求項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】R1が2,6−ジイソプロピルフェニル基又は
    ネオペンチル基を表わし、Xが基OR3を表わし、R3が非
    置換フェニル基、又は臭素原子、塩素原子、弗素原子も
    しくは三級ブチル基によって置換されたフェニル基を表
    わす、請求項5記載の化合物。
JP29782486A 1985-12-19 1986-12-16 蛍光性のアリ−ルオキシ置換ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド Expired - Lifetime JP2513650B2 (ja)

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