JP2513069B2 - ディジタル保護継電装置 - Google Patents

ディジタル保護継電装置

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JP2513069B2 JP2180101A JP18010190A JP2513069B2 JP 2513069 B2 JP2513069 B2 JP 2513069B2 JP 2180101 A JP2180101 A JP 2180101A JP 18010190 A JP18010190 A JP 18010190A JP 2513069 B2 JP2513069 B2 JP 2513069B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電力系統を保護する保護継電装置、特に
近年採用されているディジタル保護継電装置に関するも
のである。
〔従来の技術〕
第4〜6図は例えば電気協同研究会発行電気協同研究
第41巻第4号“ディジタルリレー“第3章”ディジタル
リレーの構成”に示された一般のディジタル保護継電装
置の構成例である。第4図はH/W上の構成第5図,第6
図はS/W上の構成(リレー演算部)である。第4図にお
いて、(1)は入力変換器群、(2)はフィルタ群、
(3)はサンプルホールド(S/H)群、(4)はマルチ
プレクサ(MPX)、(5)はA/D変換器、(6)はバッフ
ァメモリ、(7)は入力インターフェイス回路(D/
I)、(8)は上記(1)〜(7)より構成される入力
部(9)は演算処理プロセッサ(CPU)、(10)はラン
ダムアクセスメモリ(RAM)、(11)はリードオンリメ
モリ(ROM)、(12)は上記(9)〜(11)で構成され
る処理部、(13)は整定インターフェイス(I/F)より
なる整定部、(14)は整定パネル、(15)は出力インタ
ーフェイス回路(D/O)よりなる出力部、(16)は出力
リレーである。又、第5図において、(20)はA/D変換
終了により割り込みが入り起動されるS/Wのスタート
部、(21)は入力部(8)のバッファメモリ(6)より
データを処理部(12)のRAM(10)へ転送するデータ入
力処理、(22)〜(24)はリレー1要素の各々A〜C相
リレー演算処理、(25)〜(27)はリレーn要素の各々
A〜C相リレー演算処理、(28)は上記リレー演算処理
(22)〜(27)の処理結果に基ずき、出力部(15)へ出
力信号を出す総合判定処理、(29)は次の割込みにそな
えアイドルを行なう終了処理である。又、第6,7図にお
いて、(30),(32)は時分割処理のためのカウンタ処
理、分岐先指示を行なう時分割制御処理、(31),(3
3)は時分割制御処理(30),(32)により上記リレー
演算処理(22)〜(27)を時分割に処理する、時分割処
理である。
次に動作について説明する。まず第4図に基ずいて、
説明する。電力系統よりの電気量は計器用変成器(CT,P
T等,図示せず)を通じてリレー入力として、入力変換
器(1)に入力される。入力変換器(1)はディジタル
リレーのフルスケールに対応した大きさに変換してフィ
ルター(2)に入力する。フィルター(2)は入力の高
周波分を除去した信号をS/H(3)に入力する。S/H
(3)はディジタルリレーで定められた所定の周期でサ
ンプルホールドし、この大きさをMPX(4)により切替
えながらA/D変換器(5)によりA/Dし、バッファメモリ
(6)にデータを格納する。全てのデータのA/Dが終了
すると入力部(8)より処理部(12)に対し割込みが発
生し、処理部(12)ではROM(11)に格納されているプ
ログラムにより、所定の処理を実施する、所定の処理に
ついては第5図,第6図により後述するが、所定の処理
の概要は、整定パネル部(14)によって整定された各リ
レー要素整定値(予め整定操作により整定部(13)によ
り処理されRAM(10)に格納されている。)とリレー演
算結果と比較し、適宜照合を行ない出力を出すことであ
る。処理部(12)よりの出力により、出力部(15)は出
力リレー(16)を駆動,最終的にディジタル保護継電装
置の出力が出力される。次に上記所定の処理について第
5図について説明する。入力部(8)よりの割込みを受
けるとROM(11)に格納されるプログラムのスタート処
理(20)が処理され、次にデータ入力処理(21)が処理
される。データ入力処理(21)は入力部(8)のバッフ
ァメモリ(6)に格納されている入力電気量に基くデー
タ及びD/I(7)の状態情報をリレー演算用にRAM(10)
に転送する処理である。リレー演算処理(22)〜(27)
は各々目的とするリレー要素を実現すべき処理を行な
う。例えば、リレー1が過電流リレーであれば、振幅値
演算後、整定値と比較し複数回の演算結果が整定値以上
であることを確認する照合等の処理である。これらの処
理方法は先にあげた電協研報告第41巻第4号第4章44〜
49Pに示されている。これらの演算処理には一定の時間
が必要で、収納リレー数が大きくなった場合、総合判定
処理(28)、終了処理(29)に達する前に次の割込みが
発生するような事態となると演算が不能となる。この対
策として第6,7図のような時分割処理(31),(33)を
実施することが一般的である。第6図においてはリレー
要素毎に3相を直列処理としているものでリレー要素数
が増える毎に時分割数が増加し、各リレー要素の演算間
隔が延びる欠点がある。尚、図の時分割制御(30),
(32)は内部にカウンタをもっており、この処理の通過
毎にカウンタを歩進しカウンタ値により実施プログラム
を選択する種のものである。カウンタ値は設定された最
大値となるとリセットされ、再歩進がくりかえされる。
第7図は第6図より一般的なもので、第6図によって発
生するリレー動作時間の変化(演算間隔によって変化す
る。)を防ぐことができるもので相毎にリレー要素を直
列に処理するようにしたものである。
尚、リレー演算処理は先述の資料に示されているが、
本来基本波成分に基ずき設定されており、非線形関数と
なっているため、歪波入力に対してその解は所定のモー
ドをもっている。例えば、代表的振幅値演算処理である
所謂2乗和演算でk(p,u)の3調和が重畳した場合に
ついて考えてみると、 2乗和演算基本式‖I‖=I2t+I2t−α (ここでαは基本波において90゜角相当時間)入力を It=sin(ωt−θ)+k sin(3ωt−ψ)とすると I2t={sin(ωt−θ)+k sin(3ωt−ψ)} I2t−α=〔sin{ω(t−α)−θ} +k sin{3ω(t−α)−ψ}〕 ここでαが基本波で90゜相当であることから3調波で
は270゜相当であることを考え変形すると I2t−α={−cos(ωt−θ) +k cos(3ωt−ψ)} I2t+I2t−α =sin2(ωt−θ)+2k sin(ωt−θ)sin (3ωt−ψ)k2sin(3ωt−ψ) +cos2(ωt−θ)−2k cos(ωt−θ)cos (3ωt−ψ)+k2cos(3ωt−ψ) =1+k2−2k{cos4ωt−θ−ψ)−cos (2ωt−θ−ψ)} ここでk2の項は歪波入力による実効値加算分であるが
2k以項の項は2調波モード,4調波モードで解が変動する
ことを示している。
尚ディジタルリレーではサンプリング定理により30゜
サンプリングの一般的なリレーにおいて6調波以上は誤
差となるためH/W的にフィルター(2)を設けている。
又、上記のように歪波に対して弱い場合はS/W的にディ
ジタルフィルターを設ける場合もある。又、照合等によ
り解の平均化を計ることも可能であるが、処理量が多
く、時分割処理を行っている場合、上記解の変動モード
と一致すると、平均化不能となる。
尚、上記例では代表的振幅値演算で例を示したが、他
の方式であっても、(距離リレー等の位相演算形,積形
等も含む)、絶対値をとること、乗算,除算が非線形関
数であることから、重畳高調波に対して(n+1)と
(n−1)のモードで解が変動することは明らかであ
る。特に調波に対して第7図のような30゜サンプリング
で90゜毎演算を行なう場合、サンプリングタイミングが
第4次高調波モードの360゜に対応するため、サンプリ
ング毎の誤差の方向が同一となり、平均化効果が期待で
きず、誤差が増大してしまう。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来のディジタル保護継電装置は以上のように構成さ
れており、又、先述のリレー演算処理が、一般に非線形
関数であるため、歪波対策のためにフィルターの強化
等、S/W的,H/W的に追加が必要であり、そのために処理
時間の増加,コストアップをまねく等の問題点があっ
た。
本発明は上記のような課題を解決するためになされた
もので、歪波に対し、平均化効果を得ることができるよ
うにし動作時間に大きな影響を与えることなく特別なH/
Wの追加をせずに歪波特性が改善できるディジタル保護
継電装置を得ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る第1のディジタル保護継電装置は3相の
時分割処理の一巡を6回の分割にし、各相2回づつ連続
としたものである。
本発明に係る第2,第3のディジタル保護継電装置は3
相の時分割処理の一巡を9回の分割にし、各相の相順を
3回毎に1相ずつ変化させたものである。
〔作用〕
本発明における、第1のディジタル保護継電装置の時
分割処理は3相の時分割を30゜サンプリングで180゜で
一巡するようにしている。
本発明における、第2,第3のディジタル保護継電装置
の時分割処理は3相の時分割を30゜サンプリングで270
゜で一巡するようにしている。
〔発明の効果〕
以下本第1の発明の一実施例を図について説明する。
第1図において(34)〜(36)は各リレー要素の各相演
算への分岐先天、(37)は時分割制御処理、(38)は各
リレー演算(22)〜(27)、時分割制御処理(37)より
成る時分割処理である。
次に動作について説明する。本発明の時分割制御処理
(37)はカウンタの歩進に従がい、A,A,B,B,C,Cのよう
にルート選択するので本発明に上れば例えば30゜サンプ
リングであれば、A相のリレーは30゜,150゜の2つの間
隔により交互に演算されるため、上記従来例で示した3
調波重畳歪波における4f分の解の歪波脈動をさけること
ができる。但し、2f分の解の歪波脈動は30゜+150゜が1
80゜となるためさけることができないが、リレー演算処
理内で行なっている一般の照合による解の平均化効果に
より改善が得られる。次に本第2の発明の一実施例を図
について説明する。第2図において(39)は時分割制御
処理、(40)は各リレー演算(22)〜(27)、時分割制
御処理(39)より成る時分割処理である。次に動作につ
いて説明する。本発明の時分割制御処理(39)はカウン
タの歩進に従がい、A,B,C,B,C,A,C,A,Bのようにルート
選択するので、本発明によれば、例えば30゜サンプリン
グであればA相は150゜,60゜,60゜の3つの間隔により
順次演算を行なうので、上記従来例で示した3調波歪波
における2f分,4f分の解の脈動をさけることができるた
め、解を平均化すれば真値で動作することができる。
又、本第3の発明の一実施例を図について説明する。
第3図において(41)は時分割制御処理、(42)は各リ
レー演算(22)〜(27)、時分割制御処理(42)より成
る時分割処理である。次に動作について説明する。本発
明における時分割制御処理(41)はカウンタの歩進に従
がいA,B,C,C,A,B,B,C,Aのようにルート選択するので、
本発明によれば、例えば30゜サンプリングであれば、A
相は120゜,120゜,30゜の3つの間隔により、順次演算を
行なうので上記従来例で示した3調波歪波における2f
分,4f分の解の脈動をさけることができるため、解を平
均化すれば直値で動作することができる。
ここで参考のため上記説明で出てくる照合なる処理の
平均化効果について第8図によって説明する。リレー演
算処理内で演算される振幅値演算結果が歪波等で第8図
(1)の如くゆれている場合入力量が(a),(b),
(c)と増加するにしたがい、動作判定(図中○で示
す)回数が増加し、復帰判定回数が減少していく。
この場合、照合(図では3回動作,3回復帰照合を想定
している。)でのカウンタ値(照合値)の要旨を第8図
(2)〜(2)”で示している。照合値が3となれば動
作,0となれば復帰となるため、入力量が(a)のケース
ではリレーは動作しない。入力量が(a)のケースが動
作限界で動作,復帰を繰り返すことになる。入力量が
(a)となると1度動作すると照合値は2未満にはなら
ず動作継続することになる。即ち、照合によりデータの
平均化と同じような効果が期待でき、一般のリレー演算
処理として実用化されている。
なお、上記実施例ではサンプリングタイミングとして
30゜サンプリングの標準のものについて説明したが、本
発明はサンプリングタイミングを制約するものではな
い。(除去可能な高調波は変化する。) 又、相順として、第1相,第2相,第3相として順次
A,B,CとしているがC,B,Aとして順序を決めても同様の効
果がある。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明によれば、時分割処理順序を第
1の発明ではA,A,B,B,C,C、第2の発明ではA,B,C,B,C,
A,C,A,B、第3の発明ではA,B,C,C,A,B,B,C,Aとしたの
で、装置が安価にでき、また、歪波に対し精度の高いも
のが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本第1の発明の一実施例によるディジタル保護
継電装置のS/W構成図、第2図は第2の発明の一実施例
によるディジタル保護継電装置のS/W構成図、第3図は
第3の発明の一実施例によるディジタル保護継電装置の
S/W構成図、第4図は従来のディジタル保護継電装置のH
/W構成を示す接続図、第5〜7図は従来のディジタル保
護継電装置のS/W構成を示す図、第8図は照合の効果説
明図である。 (22)〜(27)……リレー演算処理、(38),(40),
(42)……時分割処理である。 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電力系統から得られた電気量入力を所定の
    サンプリング間隔でA/D変換してディジタル量とし、こ
    のディジタル量化された入力を時分割処理により所定の
    リレー演算を行なって動作信号を出力するディジタル保
    護継電装置において、各相をA,B,Cとしたとき、各サン
    プルタイミング毎に、A,A,B,B,C,Cの順に或いはA,A,C,
    C,B,Bの順にリレー演算することを特徴とするディジタ
    ル保護継電装置。
  2. 【請求項2】電力系統から得られた電気量入力を所定の
    サンプリング間隔でA/D変換してディジタル量とし、こ
    のディジタル量化された入力を時分割処理により所定の
    リレー演算を行って動作信号を出力するディジタル保護
    継電装置において、各相をA,B,Cとしたとき、各サンプ
    ルタイミング毎に、A,B,C,B,C,A,C,A,Bの順に或いはC,
    B,A,B,A,C,A,C,B,の順に演算することを特徴とするディ
    ジタル保護継電装置。
  3. 【請求項3】電力系統から得られた電気量入力を所定の
    サンプリング間隔でA/D変換してディジタル量とし、こ
    のディジタル量化された入力を時分割処理により所定の
    リレー演算を行なって動作信号を出力するディジタル保
    護継電装置において、各相をA,B,Cとしたとき、各サン
    プルタイミング毎に、A,B,C,C,A,B,B,C,Aの順に或いは
    C,B,A,A,C,B,B,A,Cの順に演算することを特徴とするデ
    ィジタル保護継電装置。
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